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闇が深くなる夜明けの前に感想12  by フェリ   

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ども21章読ませていただきました。二部完結お疲れ様でした。

 序文によるレオニダスⅡ艦橋制圧はナデシコならではというか同盟技術陣からすれば反則以外の何物でもない代物とも思えました。なにせ幾らシステム掌握していても不良中年率いる薔薇騎士の浸透許すほど艦内の警備体制がザルだったと思えませんし。考えられるのは制圧状態のレオニダスⅡ艦内で厭戦気分(艦内の不満分子の個人単位の端末に恣意的に近況情報を差し込んで11艦隊司令部のみを孤立させる)が蔓延し抵抗する気力を奪い去っていたのではないかと思いました。この場合艦隊制圧が長ければ長い程ナデシコ側の優位になりますしね。そしてユリカの「中将個人の責任の取り方には興味がありません」この台詞はユリカがヤンの思想的影響を受けていると同時に「バカっぽい女子大生」から自分なりに「軍人」として脱皮を果たしたと解釈して良さそうです。

 赤毛生存の御蔭で金髪がいい意味で視野を拡大させ始めましたね。宇宙を手に入れる大目標とは別にナデシコの謎を解明するという今迄金髪が考えもしなかった未知への探求を意識し始めたのは彼の精神状態に良い影響を与えそうです。原作ではバーラトの和約以降手持無沙汰でしたからね。ただ寿命についてはどうにもなりませんなぁ。ガンと違って過労死は克服されていませんし・・・というか金髪が克服する気が無いし(←殴w)

 ヤン君ヤン君……未練がましいですよw 幾らアルテミスが邪魔だからと言ってもぶっ壊してしまっては市民の血税が無駄になってしまいますから。ちゃんとナデシコ側が有効利用法考えてくれるはずだから(ウリバタケsが担当になるから同盟帝国諸提督泡を吹く結果になりそうですがw)でもこうやって考えてみるとヤン提督の思考は根底が孫子ではなく墨子の方なんですよねぇ。過剰な理想主義の上に建っている懸絶した軍事戦略家の危うさ、これが原作者様の「英雄像」の一つなのかもしれません。


 そして終節、ついに来るべきものが来ましたな。というか驚きました。フェリは帝国側で劇場版、同盟側でTV版を展開していくと考え帝国側の転移は物語開始前でその残滓が地球教と接点を持っていると考えていたのですがここにきて劇場版ユーチャリスとBサレナ乱入となりましたか。となるとTV版ナデシコのパラレルワールドたる銀英伝史上のナデシコ、さらにナデシコ本伝ともいえる劇場版ルートと涼さんの分岐ルートたる本作が入り乱れて第三部に雪崩れ込むことになります。うん前にも言いましたがこれは既に二次創作というよりは両世界設定をボソンジャンプという多元世界理論で繋いだ新規のSFと言ってよさそうです。全く凄まじい構想を描いていたんだなと感心することしきりです。

2020/05/07(Thu)20:38 (No.5091)

Re: 闇が深くなる夜明けの前に感想12  by フェリ

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さて今回の添削をば…

 「貴女は、小官に汚辱と屈辱にまみえよ」
誤字ですかね?
「貴女は、小官に汚辱と屈辱に塗れよ」

 「右側のマルミス提督のご息女は、私やキルヒアイス提督が捕虜交換式で会ったミスマル・ユリカ提督とうり二つなのです」
これだけでも重大情報には値するのですが読者へのミスリードか伏線になるのか「次元レベル」に話を持っていきやすい情報を加えるべきかと思いました。
「右側のマルミス提督のご息女は、私やキルヒアイス提督が捕虜交換式で会ったミスマル・ユリカ提督とうり二つなのです。そして彼女は私がナデシコと合った時を前後して亡くなっています」

 「連絡方法については後でフロイラインマリンドルフ」
誤字ですね
「連絡方法については後でフロイラインマリーンドルフ」

 「グリューネワルト伯爵夫人アンネローゼ」
どうしましょうかねぇ?確かに読みやすさからすればこちらで統一し続けることが良いのですが金髪の手でグリューネワルト大公妃アンネローゼになってますから悩ましいところです。

 「その男が急に目覚めた。医師を殺して逃亡したのだ。」
纏めて良いかと?
「その男が急に目覚め、医師を殺して逃亡したのだ。」
@この後文で出てくる電撃棒も原作で調べると「電磁警棒」で良いかと思われます。

 「問題は金髪のこぞうが独裁体制」
フェリも思うのですが意外にこの単語変換で出てきませんねぇ(苦笑
「問題は金髪の孺子が独裁体制」

 「マルガレータとベンドリングが思い描くローエングラム王朝を誕生させるにはルビンスキーとフェザーン、得体の知れない勢力の存在だった。」
この前文と後文が繋がりません涼様はこうしたかったのではないでしょうか?
「ローエングラム王朝を誕生させるにはルビンスキーとフェザーン、得体の知れない勢力は脅威になり得るのではないか。」

 「ヤンはまったく周囲に気を使っていなかった。上官としては恥ずかしい限りだが、トリューニヒトの顔をみただけでげんなりしてしまって気持ちが高ぶって冷静になれなかったのだ。まあ、人には得手不得手があってだな……」
一人称視点なのか三人称視点なのかなにがなんだか? こうしたかったのでは・・・
「ヤンは恥じ入るばかりである。トリューニヒトの顔をみただけでげんなりしてしまって冷静になれなかったのだ。「(まあ、人には得手不得手があってだな……)」

 「軍部は身内が引き起こした有事」
んー別に日本的表現でなくてもよいような(笑)
「軍部は身内が引き起こした叛乱という失態」

 「その他の裏切り行為を列挙すると枚挙にいとまがなかった。」
断定の方が議長の唖然と怒りを表せるかと
「その他の裏切り行為を列挙すると枚挙に暇がない。」

 「自分たちの地位を脅かす存在になる、などと言う諫言」
この場合はそれを否定する側からの発言ですから諫言ではなく甘言、悪意的に貶めるならば戯言の方が良いですかね?
「自分たちの地位を脅かす存在になる、などと言う戯言」

 「ヤンはチャンネルを変えようとしたが見当たらない。」
リモコンがが抜けていますかね?(なんとなくこの時代になると音声入力上等どころか脳波入力上等かもしれませんがヤン君が機械音痴なせいでユリアン君がリモコン入力限定にしているのかもw)
 「ヤンはチャンネルを変えようとしたがリモコンが見当たらない。」

 こんなところですかね?

 さて足掛け8年原作二巻分のSS執筆ご苦労様でした。第三部いよいよ物語は佳境に入るかと思いますが健康に留意の上頑張ってください。

 それでは

2020/05/07(Thu)20:40 (No.5092)

Re: 闇が深くなる夜明けの前に感想12  by 空乃涼

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こんにちわー。
コロナ以外で自分が不思議に思うのは、連日の強風。「いくらなんでも長くね?」と常々感じています。

 フェリさん、感想投稿ありがとうございます! 毎回、嬉しく思うのと同時に戦々恐々としていますw

>>>「中将個人の責任の取り方には興味がありません」この台詞はユリカがヤンの思想的影響を受けていると同時に。

このセリフに注目してくださってありがとうございます! アニメ版のユリカを知っている方なら、このセリフ一つで彼女の成長の度合いがわかると思います。マジ顔で言っているのを想像すると、ななかなゾクゾクできるかとw

>>>ヤン君ヤン君……未練がましいですよw

まったくその通り。原作との剥離の一つになりますが、この軍事天体の利用についてはなかなか頭を悩ませます。使い方次第でぐっと同盟側の優位が近づきますからねー。

>>>全く凄まじい構想を描いていたんだなと感心することしきりです。

わりと初期段階から考えてました。「ここまでかけずに終わるかな?」みたいな時期もあっただけに、今はただただ安堵しています。そしてさらにもう一手打っていますよw


 今回も添削ありがとうございます。今回はわかってて放置した箇所もありますけどw あと「こぞう」はホントに変換できませんよねw そこは後で直そうとして完全に忘れてました。以前、いろいろ辞書登録していたのですが、なんか10へのアップグレードの際に初期化してしまった感じです。まったく、けっこう苦労して登録したんですけどねぇ。またやりなおしかorz

第三部は、要所を詰めていないので、ちょっとお時間もらいます。その間に外伝を二話くらい投下できればと考えています。

今回もありがとうございました!
 

2020/05/10(Sun)15:23 (No.5095)

Re: 闇が深くなる夜明けの前に感想12  by HAL URL

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更新お疲れ様です。
新PCになってからチェックが疎かになり、ブラウザのお気に入り整理も面倒くさくなり(&お気に入りからサイトリンクが度々消える謎の減少)、かなり前に斜め読みしたあと感想忘れ(><)

ルグランジュ確保!!
安易に責任取るより、復帰は難しいですが、戦訓を記すなりして後進への礎となって欲しいものです。
第11艦隊も『史実』より消耗しないのであれば、増強著しい帝国軍との差を少しでも埋められそう。

ベルトマン、失われた将帥の穴を埋めるべく(&歴戦の功績)昇進^^
幕下にユリカに繋がる可能性のあるマルミスを加え、更なる追跡行へ?

赤毛の親友も、今の所永遠の別れにならずに済みそうで、姉君も日々の生活に若干張りがありそうかな(^^;;

地球教、例の男が快癒すれば貴重な実戦指揮官を手に入れ、帝国同盟双方にとってさらに厄介な存在なりそう(><)

黒狐の足元で暗躍する令嬢・・・・
海千山千の彼を出し抜けるのか、慎重な行動が問われるでしょうね。
いずれ強烈な一手をぜひ!!

トリューニヒトの変わりようの『評』がww

まさかのジェシカの国防委員長就任!!
キルヒアイスとジェシカの生存以上に衝撃の展開です!!
水と油の筈のトリューニヒトとの連合が、これから先同盟の『改革』と帝国との果てしない戦いの歴史にどう一石を投じるのか、一番の注目ですね!!

そしてかの艦が来訪・・・・

新章も注目しています!!

2020/06/21(Sun)17:19 (No.5104)

Re: 闇が深くなる夜明けの前に感想12  by 空乃涼

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HALさん、感想投稿ありがとうございます~

 返信遅れまして申し訳ありません!

パソコン大変でしたね。いろいろ落ち着いてからでも投稿してくださってありがとうございます!

>>>ルグランジュ確保!!

 ルグランジュ確保! ルグランジュさんには、この後、実はあれがありまして……

>>>トリューニヒトの変わりようの『評』がww

 個人的には「言い得て妙」だと思ってますw

>>>黒狐の足元で暗躍する令嬢・・・・

 一番たいへんかもしれません。政治力も必要でしょうし、深謀遠慮で先手をとらねばなりません。マルガレータ頑張れ!

>>>まさかのジェシカの国防委員長就任!!

 うん、これが一番の革命かも。ただし、「前途多難付属」だと思います。

 HALさん、感想投稿ありがとうございました!

新章はもうちょっとお待ちください。

2020/06/26(Fri)22:15 (No.5109)

Re: 闇が深くなる夜明けの前に感想12  by フェリ

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ども第三部開幕おめでとうございます。&序章読ませていただきました。

 ほほぅ……時系列から断片を抜き出して物語序盤をクローズアップする構成を使いましたか。しかも序章そのものを結果からの原因展開に持ち込むあたり小説としては第一部、第二部より洗練されていると感じました。特に第二部終盤で匂わせ一時読者に忘れさせ三章中盤で突如投入して驚愕させると思っていた北辰を即座に投入したあたりいよいよ多元世界クロスオーバーらしくなってきた思いがあります。今回の北辰無双は彼のジャンパーとしての配役から考えますと以前のオフレッサーの動かし方を研究、再構成して成功させているようにも見え、それに付随してボソンジャンプという動かぬ証拠を見せつけて「ナデシコの謎」に一気に迫っていくあたりプロットを相当練り込んだのではないかとも思いました。

 @一つ思ったのですが第二章では銀英伝パートでありながら砕けた文体が多く戸惑った一面がありました(良い意味では田中御大臭がしない、悪い意味では銀英伝としてのパートが台無しになっている)今回は同盟+ナデシコなイゼルローンという補正を除いても良くバランスが取れていると思います。

 ラピッドライフルⅢですが名前云々よりそのサイズが想像したより遥かに大きいのではないかと危惧してしまいました。照射型レーザー、中性子ビーム砲、磁力砲(恐らく実弾頭の発射システムはこれ。古くで言えばドラグナーのハンドレールガンですねw)これに加えてグラヴィティブラスト(エステサイズ)をアセンブリーユニットとして一体化したとなると白銀の谷や千億の星の陸戦兵器を見た限り最小の拳銃型でも百式メガバズーカランチャー並みの準固定兵器ないしFAZZのハイパーメガカノンの様な肩部マウント兵装になってしまいそうです。個人的に兵装をORしてみたのですが。

 照射型レーザー・ほぼ光速の弾速とタイムラグの無い命中精度、長射程が売りだが駆逐艦以上のエネルギー中和磁場に弾かれる。宇宙戦での対戦闘艇のドックファイト用。

 中性子ビーム砲・恐らくスパルタニアン用低出力中性子ビーム砲と同じ。中距離での対戦闘艇戦としてバランスの取れた性能だが巡航艦以上に対しては中和磁場の中に潜り込まない限り撃破は難しい。

 磁力砲・弾速命中精度装弾数は低いが実弾故の炸裂効果により一発当たりの破壊力は大きく連射による瞬間火力も高い。対艦、対戦闘艇共に近距離での撃破、制圧、牽制用

 グラヴィティブラスト(日本式で言えば重力子衝撃砲か?)・このサイズとしては最大規模の破壊力(収束モード)、攻撃範囲(拡散モード)、中距離の射程を持ちエネルギー中和磁場が通用しない。ただしチャージ時間が長く連射は愚か戦闘中の多数回使用にも向かない。基本は戦闘艇編隊に対する薙ぎ払いによる多数撃墜ないし編隊崩し、または小隊規模のエステ編隊による大型艦への中距離から近距離での撃ち合いを想定。(これが帝国軍にとって最も恐ろしい。同盟一個艦隊に更に数千の駆逐艦~巡航艦が増えたのと同じ攻撃力になりますので)

 うーん性能的な被りが多いな。メインウェポンとしてシュワちゃんの使うM60規模の重突撃銃か改型として肩にマウントするキャノン系兵装としての中性子ビーム砲とグラヴィティブラストの複合兵装。(勿論マウント式の方が威力は高いが取り回しや精度は劣る)
現在のPDW(P90とかが例ですね)規模のサブウェポンとしてレーザーと実弾の複合兵装(こちらも改型はより大型で装弾数が多くなる)この二種二改型の4種をエステメンバーに割り振る事で差別化しても良いかと思います。通常はレーザーと中性子ビーム砲という弾数制限なしで戦い、対ハードターケットや切り札として実弾やグラヴィティブラストを使うと言った感じですかね?

 しかし北辰の登場は懐かしいですな。態々ネカフェまで行って劇場版見直してきたフェリ←殴w
そして今回の事件が思わぬ誤解を生みそうです。なにせ時期は帝国暦489年1月、「史実」通りならアイヘンドルフ艦隊が近づいてきています。彼は一流に「類する」がゆえにイゼルローン側の動きを見て勘ぐり情報収集目的で史実以上に近づいてきかねません(その分引き際も弁えていると思いますが)今回ボーイスカウトの訓練こそアムリッツアの大敗がなく北辰の乱入でそれどころでないので「無し」と見ていいのでしょうが油断できない情勢です。さてどうなる?

 追記 今回珍しく添削なし、次回ひさびさの「なぜなにナデシコ」ですか?(←撲殺wwww)

2020/11/15(Sun)20:11 (No.5128)

Re: 闇が深くなる夜明けの前に感想12  by 空乃涼

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おはようございます。すかっかり「秋」とは思えない温かさが続きましたが、いっきに寒くなるようですね。みなさんも、体調を崩さないようにしましょう。

フェリさん、長期出張で返信遅れて申し訳ないです(汗

>>>「ナデシコの謎」に一気に迫っていくあたり

 北辰の登場はどのあたりが適切か悩みましたが、引っ張りすぎても話が進みませんから、アキト同様、このあたりかなーとw

>>>良くバランスが取れていると思います。
 
 序章ですからねw 一部の序章は気合入れすぎで長すぎたし、このくらいがよいかなーと。それでも長いと思いました。

>>>そして今回の事件が思わぬ誤解を生みそうです。

 まあ、原作とは流れが微妙に違ってますからね。肝心の艦隊司令官が鬼籍にはいっているし……

 帝国も、実はそれどころじゃないのですw

>>>ラピッドライフルⅢですが

 さすがフェリさん、ライフルの考察と問題点をあぶりだしていただき感謝です! この辺りは個人的にも書き損ねた部分もあるので、より無理のないような記述を入れる予定です。最初に選択できるのは一つだとしても、数種類に対応するためには構造的な問題は避けて通れませんものね。かといって、ガンダム系にありがちなごっつごっつのブラスター兵器のみでは銀英伝世界では現実的ではないですし。

 むっずかしい!

>>>今回珍しく添削なし

 いやっほうー! たまにはいいw

 次回は、告白回になるので、それっぽい感じになるとは思いますが、ヤンファミリーにどこまでやっていいのか調整が重要かとw

2020/11/21(Sat)08:59 (No.5129)

Re: 闇が深くなる夜明けの前に感想12  by フェリ

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 ども、22章読ませていただきました。すまん次すぐ来るかなー?と考えてこりゃ数か月先だなと諦めて不意打ち食らったフェリです(←殴w)

 序説で絶対に「なぜなにナデシコ」やると思っていただけにユリカが釘に走るのは意外というか……全然方向が違っていたとかこの時点でナデシコらしさを出すあたり以降が激重な説明になるだけにうまい具合に読者の緊張感を逸らす組み方になっていますね。

 さていよいよヤンとユリカの答え合わせの(伏線回収ともいう)章となりましたが現状つながるピースと繋がらないピースが混在していますな。特にエーベンシュタインの死亡で帝国側の謎と同盟側の謎が真っ二つになってしまいもはや戦争なしでは問題が解決しない事態になってしまっています。さらに多元世界をボソンジャンプで繋げた「伝説」はもはやオリオン腕サジタリウス腕しか世界を知らない銀英伝世界の住人どころか朧気ながら多元世界を実感として知るナデシコ側にとっても「処置なし」の一言です。一種のバカ(フェリ流にいえば莫迦)でもない限りそこから選択肢を展開できず「そっ閉じ」にしてしまうでしょう。だからこそ「英雄」たるヤン君もいったん解散を宣言したとも言え銀英伝の主人公格からしても容易ならざる事態をうまく表現できたと思います。

 今回少しばかり「エル=ファシルの英雄」を掘り下げて表現したのは面白いと思います。OVAでエル=ファシルの戦いでヤン中尉がリンチ少将に悪感情をもった台詞を言ったことは一度もなく、それでも容赦なく彼の行動に行動で返したのはヤン自身の流儀の優先と冷徹果敢ともいうべきマキャベリズムの極致とも言え彼もまた状況次第では獅子帝になりかねなかった「主人公」だと思います。「ルドルフは悪だがそれを認めた市民も同罪」この客観的かつ第三者的な立ち位置を無意識にでも教えたちょぃ役のタイロンパパはキーマンでもあったんだなぁと思いました。また今回のナデシコの謎の情報流出未遂の大本たるブロンズ中将を統合作戦本部情報部長として反乱参加した「動機」については原作やSSでもあまり語られることがないですね。OVAでも緑が丘パパに従ったにしてはラインが薄い(緑が丘パパは現統合作戦本部査閲部長――これほんとに閑職なのか?という疑問は置いておいてw――前宇宙艦隊総参謀長)ですし彼は神輿に過ぎずクーデターの主犯は彼だったのではないか?の疑問が消えないフェリです。その彼が同盟軍の情報をつかさどるものとして同盟最高機密を元捕虜に安易に渡すだろうか?と思うのです。原作におけるクーデター参加原因、そしてナデシコの謎が彼にどう作用したのか?? 補完すべき題材にも思えました。

 まぁ帝国での接触は……そうは都合よく話は進まないの典型ですね。(←殴w)

2021/05/09(Sun)19:10 (No.5130)

Re: 闇が深くなる夜明けの前に感想12  by フェリ

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 さて添削をば……

 「ちょっとはしゃいだヤンが、少し冷静になって視線を向けた人物がいた。」
んーヤン提督までナデシコノリに染まってしまいますとクロスオーバーがカオスオーバー(←超殴www)に。銀英伝でも彼の言動行動の描写は第三者視点の冷静かつ諦観的かつ受動が多いことから少し変に思えました。
 「興奮気味だったヤンが頭を掻いてベレー帽を被りなおすと視線を向けた人物がいた。」
こんな感じではどうでしょう?

 「シトレ元帥が退任直前に私にいろいろ真実を話してくれたのさ」
真実を話している段落で二重に単語を並べるのは変かと。ヤンは割と話が長くなる癖がありますがキャゼルヌ閣下(公人)の時はかなり簡潔かつ要点をズバリと言って悪びれませんからね。人的魅力のある義眼と言ってもいいくらいです。
 「シトレ元帥が退任直前に話してくれたのさ」

 「オリビエ・ポプランだった。イワン・コーネフからは意外な知識をからかわれたが、」
この場で茶々を言えるのはヤンファミリーらしいと思うのですが状況が状況です。さすがの彼も空気を読みますし何かの伏線にも使えそうです。「後に」をつけてはどうでしょう?
 「オリビエ・ポプランだった。後にイワン・コーネフからは意外な知識をからかわれたが、」

 「メルカッツは、エーベンシュタインの能力を認めていたが……戦艦ナデシコが関係していることをひしひしと読み取ったのだった。」
この部分重要な発言が説明文の挿入と長文化で話の筋が迷走しています。切れるところは全部切った方がよいと思いました。
 「メルカッツは、宙戦部隊戦闘艇総監であった彼を故フリードリヒ四世との友人故とみていた。その程度の能力でしかないと侮っていたのだ。
 実体は騙されていたと呻くほどの隠れた牙を持っていたわけだが、それでも彼が内乱に加担したことにずっと疑問を感じていた。あの異常な兵器群と人間の限界を超えたともいえる彼の能力、そこに戦艦ナデシコの影を見たのだ。」


 「一人、ヤン・ウェンリーだけは、鼓動が高鳴ってきた――わくわくしてきたようだった。」
ここも軽いのとヤン君の悪い癖は状況に関わらず全く別のことを思考実験し始めることなので……
 「一人、ヤン・ウェンリーだけは、興奮を抑えきれなくなったように独り言と思考実験を始めているようだった」

 「アカツキとしては、重大な報告をするために、事前にヤンに真実を話す手間が省けて万々歳ではあった。」
少し違和感が……ユリカ視点相方ヤン発起人アカツキなので微妙なニュアンスが必要ですね。
 「ユリカは独断への苦言くらいは覚悟していたがアカツキとしては、より重大な報告をするために、前提たる真実を話す手間が省けたため安堵と感謝をされてしまった。」

 「ヤンはそうはならず、苦い思いのほうが強かった。なぜなら、身辺が騒然としたこと、」
ヤン君主観で行った方がいいかな?
 「ヤンは苦い思いのほうが強かった。なぜなら、周囲の狂騒に閉口したこと、」

 こんなところですかね。

 今作原作のヤン君や今作のユリカが赤毛ののっぽさんの一面を知らずに退場(多分再登場は本作ラスト)を見送るのはよかったのか悪かったのか……OVA汚名をよく見ると感じ取れますがアレのっぽさんが解決できる案件でもあるんですね。あえて能動的に動こうとせず自衛とホフマン警部へのアドバイスに徹し実質パーゼル婦人を見捨てたのはのっぽさんの「自分は優しくない。ラインハルト様とアンネローゼ様に優しいだけ」つまり助けるのにメリットがないと判断する冷たさも併せ持っていたとも言えます。敵倍増(金髪+赤毛)がなかった半面橋渡し役となる理解者がいなくなったのは皮肉とも言えますな。

それでは

2021/05/09(Sun)19:12 (No.5131)

Re: 闇が深くなる夜明けの前に感想12  by 空乃涼

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 フェリさん、こんにちは。感想投稿ありがとうございます~。また、返信が遅くなりまして申し訳ありません!

 さて、前半部分では内容に対する評価をしていただき、まいどながら恐縮です。そこまで深読みして書いたわけでもない部分もあるので、個人的には頭をかくしかなかったりしますw

 さて、今回は前回のような「自粛」はなく添削ありですねw

>>>イワン・コーネフからは意外な知識をからかわれたが、

 あっ、たしかにその通りだと思いました。コーネフは読める男です! 

>>>ここも軽いのとヤン君の悪い癖は状況に関わらず

 らしさ、を表現するというのは本当によく考えなければいけないなと思う次第です。

 そのほかの添削もありがとうございました。修正時に参考にさせていただきます。

 最後当たりの赤毛の友に対する考察もなかなか面白いですね。自分と一致している部分もあるので、(わりきっているところとか)自分の相手に対する考察が必ずしも間違っていないと勇気づけられますw

 さて、次回は流れ的に帝国編なんですが、ちょっと物語の時系列的には前後するので、わかりやすく書くためにやや苦労しそうです。

 今回も、ありがとうございました!

2021/05/16(Sun)11:25 (No.5132)

Re: 闇が深くなる夜明けの前に感想12  by フェリ

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ども6章再読しました。今更ながら一つ疑問点が?
 鉄壁の旗艦ですがゴールデンバウム王朝帝国軍の軍制上専用旗艦を与えられるのは大将からのようです。この段階では彼も少将ですからリューベックは与えられていない気がします。(確か石黒版ですら初出は第8次イゼルローン攻防戦で鉄壁はまだ中将……これは金髪のゴリ押しで済ますとしても小説版ではバーミリオンまで艦名を明言されていません。)そこで鉄壁の異名を得たバーミリオン会戦の4度の旗艦変更、その二番目たるノイシュタット(勿論金髪のタンホイザーと同じく指揮強化型標準戦艦)なんかどうでしょう? 前に乗った艦艇を思い入れと予備旗艦目的でリューベックの近くに置いておくなんてありそうですしね。)

それでは

2021/07/21(Wed)22:01 (No.5134)

Re: 闇が深くなる夜明けの前に感想12  by 空乃涼

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フェリさん、こんばんはー。完全に油断していました(汗 返信遅くなりすみません!

>>>鉄壁の旗艦ですが……

たぶん、そのあたりを調べたうえで「リューベック」にした記憶があります。ミュラーの登場自体が原作だと3巻。アニメ版は一期の内戦から。そのどちらも旗艦については言及されていませんが、アニメ版で中将だったし、侵攻作戦時、他の提督たちはすでに中将で周知の旗艦に乗艦していたし、いいかなーと。 

「リューベックがしっくりくる!」 のでw

 ご容赦願います!

2021/07/28(Wed)20:47 (No.5135)

Re: 闇が深くなる夜明けの前に感想12  by HAL URL

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更新お疲れ様です。

前回更新、斜め読みしてそのまま放置で感想皆勤?途切れ(><)

ついに黒アキトと金髪の小僧が対面&共闘へ・・・・
広大な銀河(砂漠)から一本の針(北辰)を探すようなものですから、潜伏している彼を炙り出しの為、派手なデモンストレーションをして煽っていく可能性が!?
冷徹なる義眼がどう今後動いてゆくのか・・・・
彼の場合は最終的には損切りも、対ナデシコ&同盟の為に、裏で北辰と一時的に手を組みそう。

新鋭艦とはいえ、たった二人(実質一人)の人員のユーチャリスとマンパワー必要だが、柔軟な運用出来るナデシコとの『死闘』はあり得るのか?
黒白?アキト対決は?

次回も楽しみにしています。

2022/01/22(Sat)14:59 (No.5139)

Re: 闇が深くなる夜明けの前に感想12  by 空乃涼

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HALさん、感想投稿ありがとうございます!
ようやく、黒アキトが登場するところまで来ました(汗
当初は、黒アキト登場は五分五分でしたが……

>>>冷徹なる義眼が……
少しだけアキトがオペさんに言及していたシーンがありましたが、ちょっと関わりがあります。アキトにとっては不本意な面もあったかもです。
こちらでの関わり方にも注目な部分があります。

対決に関しては、あるようなないような?
なるべく短い時間で投稿できるように頑張ります。

感想、ありがとうございます!

2022/01/26(Wed)19:28 (No.5140)

Re: 闇が深くなる夜明けの前に感想12  by フェリ

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ども、23章読ませていただきました。ぼーっとしてて巡回忘れてたフェリです。(←殴w)

 もうナデTV版から四半世紀に至りどれだけの人々がコアな内容まで覚えているか? な程の年月が流れ去りました。このSSですら10年に達しようとしています。今回のテンカワ・アキトの独白と回想、そして金髪との交渉はそれを振り返るうえで再度のリードストーン(導石)になったかと思います。

 今回その劇場版ユーチャリス組の軌跡が初めて明らかになったわけですがわりかしこういうクロスオーバーで発生する陥穽、「作り手として複雑なミッシングリンクを読者に説明しきれないが為、登場人物にクロスオーバーを見てきたようなご都合主義を演じさせてしまう……または全部説明しようとして自爆する」これをうまく回避しましたね。何度もボソンを繰り返したがゆえに「もはや作中人物も読者も「ダモクレスの結び目」にしてその因果を考えさせず、登場人物全員のの選択を「剣」にして叩き斬るという名の伝説への突破口へ誘導する。銀英伝世界が二つの超大国の縺れ合った結び目であることを暗喩しつつこの二重の意味で英雄伝説を作り上げていく話の流れは非常に良いものだと思います。

 また劇場版ユーチャリス組はこれまでの来訪時から帝国歴440年辺りから490年までを飛び飛びで来訪していると想像できますな。エーベンシュタインの少年時はロリコンな熟女スキー皇帝(←激殴ww)と同世代でしょうし、金髪を想定でしか皇帝と見ていないようにも思えます。そうなると憲兵総監や鉄壁よりも人格がはっきりしている疾風を交渉窓口とするのは妥当です。義眼? あんな危険物に近づくなぞ罰ゲーム以外の何物でもありませんし。(←超殴www)

 「部下になれ」は人材コレクターの金髪らしいセリフですが法的には幾ら独裁者で英雄だとしても銀河帝国内の序列を無視するわけにはいかないというのはあります。(軍事組織ならなおさら)落としどころとしてはアキトはPMCのような限定的な軍事活動が認められる金髪の私設探偵として准将待遇大佐扱い、少なくとも将官でないと元帥府で発言権がありませんし。ラピスは部隊指揮権はない純粋な艦長として少佐な感じでしょうか?

2022/02/01(Tue)20:53 (No.5141)

Re: 闇が深くなる夜明けの前に感想12  by フェリ

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 さて添削をば……

「同年、軍を辞したミスマル・ユリカと彼が引き取ったホシノ・ルリとともに屋台を開き、」
アキト主観で今まで語られながらここだけユリカ主観になってます。
「同年、軍を辞したアキトは同伴したミスマル・ユリカ、そして彼が引き取ったホシノ・ルリとともに屋台を開き、」

「彼は再び宇宙を駆け巡る旅に出たのだった。」
個人的にはここからアキトは「英雄伝説」へと突入していくわけです。強烈なまでの意志と余りに巨大な相手(多元世界)を醸し出した方が良いのでは?
「彼は再び宇宙を……いや時間軸と世界軸を内包する多元世界を駆け巡る旅に出たのだった。」

「白石の肌に覆われた目鼻立ちは端正」
?白皙かな?難しいようでしたらこちらの方がいいかも
「白磁(はくじ)の肌に覆われた目鼻立ちは端正」

「北辰のボソンジャンプの残穢を追って」
これも誤字ですかね?
「北辰のボソンジャンプの残滓(ざんし)を追って」

「稚拙な面がないわけではないが、嫌いな手ではない)」
金髪は冷徹なまでに思考し即決する。悪い意味で人物を紋切型に解釈してしまう傾向があります。このやり方に迷いを覚えるのはOVA第三部「儀式から再び幕は上がり」からですね。今回赤毛死亡でなく脱落、そしてナデシコの謎という不確定要素まであり得るので「迷い」はあると思い折衷色にすべきかと。
「稚拙だが悪い気はしない)」

「卿には悪いがその男をオーディンにある指定の軍事宇宙港まで案内する手筈てはずを整えてほしい。」
これも同じくですね。相手は公式の外交官でないので案内の言葉は私事に割くという譲歩をしてしまうことにもなりかねません。基本金髪と疾風の会話でも実務は部下がやるものなのでw そして秘匿性と相手に対する示威(帝国の名だたる旗艦級戦艦がずらりと並ぶという意味で)を考えれば指定という代名詞より固有名詞の方がよさそうです。
「卿には悪いがその艦を元帥府宇宙港まで誘導せよ。」

「さすがローエングラム公と言えなくもないが、青年の認識はややカーブしていた。」
やはり帝国パートでは変な意味で外来語を使うと違和感を感じますね。こうしてはどうでしょう?
「さすがローエングラム公と言えなくもないが、青年はそれ以上を思考し警戒せざるを得なかった。」


「構わない。逆に私は卿の勇気と度胸に感心しているくらいだ」
自然に芝居がかった台詞になってしまうのは金髪の癖みたいなもんなんで度胸ではなく胆力ですかね?
「構わない。逆に私は卿の勇気と胆力に感心しているくらいだ」

「そいつの名はホクシン。とある組織の元暗殺部隊の頭領であり、テロリスト実行部隊の親玉だった危険なやつだ」
テロリスト実行部隊だと直訳すると破壊工作員実行部隊と変な呼称になってしまいます恐らく「テロリズム」の誤字か「テロリストの親玉」とした方が良いのでは?


これくらいですかね?


 さて第八次イゼルローン攻防戦が近づいてきましたが撃墜王が石器時代の勇者の斧のサビと化したおかげでいろいろ変化を余儀なくされそうです。原作メタだと第9次に近い状態になる可能性が高そうです。それにアムリッツアで痛い目を見た超人元帥府の方々も多数おりますし。となると主将が金銀妖瞳、配下が鉄壁に芸術家に黒猪、ちょぃなヤラレ役だけど筆髭(出番があるだけマシか?w)4個艦隊5万隻+ガイエ‥‥‥クソゲーやん!(←撲殺wwww)まー金銀はガイエを示威と補給拠点ぐらいしか考えなさそうですけどね。
 正直シャフト閣下の移動要塞プランは彼の発案ではなくもとからあった物としか思えませんね。どう見ても1年そこそこで用意できる代物ではなさそうですし。本来はイゼルローンに取り付けて同盟本土進攻の拠点にするつもりじゃなかったか? (開発はずっと前からで魔術師が陥としたせいでお蔵入りになった物を急遽持ち出した感)と考えるフェリです。

それでは

2022/02/01(Tue)20:55 (No.5142)

Re: 闇が深くなる夜明けの前に感想12  by 空乃涼

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フェリさん、こんばんはー。感想ありがとうございます! ちょと出張続きで返信が遅れたことをお詫びします。

>>>重の意味で英雄伝説を作り上げていく話の流れは……

 ありがとうございます~。問題は、書いた本人がどこまで意図していたかという事で、フェリさんにそう言われると、「あーなるほどな」と無責任に感じることがありますw

>>>疾風を交渉窓口とするのは妥当です。

 ミッタマが、一番ハマれば仲介してくれそうかなーと、思った次第w 厳しい人ですが、まじめですからね。ロイエンタールだと、なんか意地悪しそうだしw

>>>アキトはPMCのような――金髪の私設探偵として准将待遇大佐扱い……

 ちょっとアキトの処遇については悩んでいますが、ユーチャリスやラピス、アキトをどうラインハルトが利用しようとしているのか、そこで考えると左官以上は確実でしょうねぇ。帝国内での権限を考えると、フェリさんの予想はありかなと。

 合わせて添削もありがとうございます。フェリさんなら細かいとこ修正してくれると思ってましたよw

毎回、ありがとうございます!

2022/02/05(Sat)18:40 (No.5143)

Re: 闇が深くなる夜明けの前に感想12  by フェリ

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 ども、24章読ませていただきました。感想遅れて申し訳ない1週間以上シルフェニア巡回忘れていた(泣)

 うーむ作者として金髪の描写に四苦八苦されているように感じた前半分ですな。原作おいては赤毛の死によって一気に皇帝という名の硬質化が起こり今までの一歩前を見る描写から魔術師と同じく銀河全体を俯瞰する発言と行動へ移行したわけですが、今回中途半端な形で赤毛生存ルートに入りさらに為政者では手に余る「ナデシコ」の存在によって「ただ目標に向けて突っ走る」ことが出来なくなりました。故に言葉の端々から俯瞰視点が抜け「余興」という表現で野心の脱線を濁さざるを得ない。これをどう金髪の台詞として構成するか悩みどころだったと思います。

 テンカワ・アキトについても劇場版と比較した場合。その思考形態が「直線番長」から明らかに逸脱したものに変化していますな。北辰との決着がついていない場合での転位ならこんな心の余裕など持ち合わせるような性質のキャラではないですし。かえって決着がついてしまった後だと「燃え尽き症候群」でこの事象に介入する気はない筈。
 北辰との決戦中に双方不本意な「事故」転位が起こり心残りを持ったまま銀英伝世界に揉まれた可能性が高そうです。
 劇場版になく本作に存在するテンカワ・アキトの俯瞰による銀英伝世界観はこうやって育まれたと考えたほうがよいのかも。(復讐というエネルギーの無駄消費は長くは続きませんし「復讐は冷やして食べるのが旨い」の通り視点を変えて行動するのも有効ですし)

 ラピスについては「未成年」が大きなネックになりましたか。確かに有望な幼年学校生が従卒として軍務経験を積むのは歴史上でも存在していますが佐官は下手すれば貴族的な依怙贔屓になりかねませんからね。軍属としなかった(ゼッレ君は皇帝付きとはいえ間違いなく軍属)のは特殊な立場上、家庭教師付きで既に幼年学校卒業相当・実戦経験済みではあるが諸所の事情(正規教育ではない・女性・未成年)の為正規仕官「曹長」として扱うとフェイクカバーで覆い隠したのかも。秘密事項に権威を混ぜた特例を何枚も着せることで追及の手を鈍らせる手法は防諜でも常套手段ですし。

 意外と某男爵夫人や子爵夫人がアキトを見たら決闘者の「黒マントの男」と勘違いしそう。(雰囲気的に、整形なんざこの時代になればいくらでもできそうですしw)またラピスが元帥府(多分場所としては新無憂宮内に建屋はあるはず)のセキュリティを突破しまくり幼帝誘拐前にモルト中将が憤死しそうな未来が見えて笑いました(←超殴www)

 さて添削については次回にでも(←撲殺www)

2022/09/11(Sun)21:16 (No.5145)

Re: 闇が深くなる夜明けの前に感想12  by フェリ

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 さて毎度恒例な・・・(←殴w)

 「実に無駄のない契約だった・・・」
恐らく双方が契約書を確認したときの台詞だと思われるので過去形でなく断定形だと思われます
「実に無駄のない契約だ・・・」

 「ラインハルトから後事を任された」
後事だとこれ以降全体の結果として契約云々という流れになってしまうので諸事ないし仔細ではないかと?

 「フロイラインの仕事はいつも私を爽快にさせる。」
仕事と言うより業務、能力としてみるならば見識ですかね?
「フロイラインの見識はいつも私を爽快にさせる。」

 「はは、フロイラインの怒った表情は実に見ごたえがあるな」
個人的に第二部見た限りでは原作と違いヒルダと金髪の発言がやや色気(おそらくナデシコの謎による心の贅肉が大きいのでしょう)のあるものになっています。どうせカップリングは同じなので伏線張っても良いのでは? まーキザな台詞を天然で吐くのは金髪の常動スキルみたいなものなので(←激殴ww)
「はは、フロイラインの怒り顔も実に美しい」
・・・あ、後この前の「怖い顔をしている」はこの文と台詞回しでの重複になっているかもしれません。削っても良いかと。

 「閣下があちら側へ・・・・・吸い込まれてしまいそうな」
この辺りアニメ版の金髪危篤前の疾風の夢(死んだ諸将達が金髪を連れて行ってしまう)を彷彿とさせました。一種のオマージュとしてそしてこの物語上乗り越えなければならない壁として「行く」方が良いのではないでしょうか?(考えてみれば原作ではこの時点で新帝国勝利は確定していましたし今作でも似たようなことから皇妃殿下は金髪がさらに外側へ外側へ行きかねない危うさを感じてもおかしくないと思う)
「閣下があちら側へ・・・・・行ってしまいそうな」


 「 その流れでラインハルトはヒルダに早退」
前後の文脈から休憩ないし一時退出の間違いではないかと?

 「帝都は冬の装いからようやく春へ・・・時期でもあった。」
アニメ(石黒版)では言葉通りのナレーションが入る場面ですが銀英伝では時代掛かった言い回しが多く擬音の類は無いように見受けられます。ナデシコパートなら兎も角、厳粛なイメージの強い帝国パートは意識したほうがいいような気もしました。
「帝都は冬から春へと変わる節季である。まだ朝晩の空気こそ厳しいが、日中は陽気が満ち春を望む人々が天を仰ぐ希望に溢れた時期でもあった。

 「青年よりも多少の時間的な消費が必要であった。」
既に終わった話としてアキトが感想を述べていますので
「青年よりも多少の時間消費を必要とした。」

 「王政復古によって中世の価値観に支配された社会」
王制復古では? と考えてこれ造語の方がいいんじゃないかと考えました。厳密に帝国を考えれば帝制復古ですが大帝陛下その復活を掲げたというよりは権力掌握の道具として帝国を築いた感じですし。「旧習復古」「旧制復古」あたりかなぁと悩むところです。

 「ラインハルトに対しては「敵意」とまではいかないが「警戒」」
金髪はこういうところ敏感ですし変な意味で拡大解釈しかねませんからねぇ。文章上柔らかくした方がいいかも?
「ラインハルトに対しては「畏怖」とまではいかないが「警戒」」
(金髪には「ああいった年頃の子は立派すぎる人相手には誰かの後ろに隠れてしまうものですよ」と注意できる人が必要なんですけどね・・・皇妃サマ?)

「とうてい知的面での劣勢」
知識、識見、構想力、判断力まで含めた「知性面」かもしれません。

 「逆に契約内容の励行」
「詳細」ですかね?

2022/09/19(Mon)16:25 (No.5146)

Re: 闇が深くなる夜明けの前に感想12  by フェリ

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 「ベルトマン提督の動揺と衝撃はさらに増大した。」
後の分からして項目が増えたのではなく前提が吹き飛んだと思われますので拡大のほうが正しいかと?
「ベルトマン提督の動揺と衝撃はさらに拡大した。」

 「誰が担当になっても理解が追い付かないメヴィウスの輪を解きほぐさなければならないのだ。」
メビウスの輪は表裏の錯綜という意味で使われるので多元世界を考えるならば「ダモクレスの結び目」の方が正しいかと(北欧神話系でブリシンガメーンの珠という類似があるんですが流石に専門家でないとわかりませんし←殴w)
「誰が担当になっても理解が追い付かないダモクレスの結び目を解きほぐさなければならないのだ。」
あーフェリも感想でよく使っていましたね。そういう意味では結び目を結局切るアレクサンドロス大王の役割は金髪としても、その効率の良い切れ目を見つけるのはエウメネスたるベルトマンの役割ですから彼の探求はこの作品において重大だと意識させる言葉にもなりますな。

 「気を遣ってもらって感謝する」
ベルトマンとしてはアキトに次元を越えた者として一定の経緯がある台詞が見受けられます。ならば軍人らしく硬い表現の方が良いと思います。
「御配慮感謝する」

「その自慢の快速も1300年後の銀河系ではいともたやすくポンコツと化してしまう。」
ここも少し硬くした方が良いですかね?
「その自慢の快速も1300年後の銀河系では恒星系内遊覧船と大差ない物に堕してしまう。」
うん恒星系内遊覧船にプレジャーボートのルビを振るのもありかな? それなりの高速だけど外海(恒星間航行)には全く適していないという意味なら解りやすいかと?

 「彼が目覚めるタイミングによっては銀河の歴史が一気に加速する可能性すらあった。」
自称歴史修正主義者(←撲殺wwww)から言わせていただくとこの時点で帝国と同盟の勝敗は決しています。帝国が一枚岩になった時点でアムリッツアや同盟内乱での修正が無意味と化すほど帝国がアドバンテージを得てしまいますし。ですから毛妻sつを想定で来たアキトからすれば赤毛復帰で起こるのは歴史の加速ではなく歴史の激変ではないでしょうか?
「彼が目覚めるタイミングによっては銀河の歴史が激変する可能性すらあった。」

 「ジークフリード・キルヒアイスが死ななかった代わりに、・・・各艦隊の中級クラスの指揮官の戦死は多数に上っていた。」
ここですが銀ナデにおいてフェリは次元規模のこの物語において超人元帥府以外の帝国キャラは既に端役でしかないと考えております(マルガレーテとベルトマンのみ滑り込みw)そこを強調したほうが良いのでは? @撃墜王と名艦長は暗殺同然の状況とはいえ明らかに戦闘中の死亡「戦死」です。これを殉職とすると何らかの懲罰措置と考えられてしまうかと。
「ジークフリード・キルヒアイスの軍務脱落に加えカール・グスタフ・ケンプ提督、カール・ロベルト・シュタインメッツ提督が戦死。ワーレン提督、ビッテンフェルト提督も戦傷療養中、中堅指揮官の戦死、戦傷は1ダースを超えていた」

 「会ってはいけないと思いつつ、青年の胸中に一陣のそよ風が吹き抜けた。」
ここですが全文と同意味を繰り返す上、前後の構文をひっくり返しており混乱をきたしかねません。態とアキトの動揺を表現しているなら兎も角、二重表現だと思われますので削った方がよいかと?

 こんなところですかね?

 さて幼帝誘拐事件こそ近づいていますが同盟側でもリアクションが無いと戦争再開とはいきません。今のままならヘボ詩人殿も誘拐しても同盟に入った途端拘束され政治取引の材料にされると理解できるはず。(今の議長からすれば講和の「鴨葱」がやって来ただけでしかない。恐らく総大主教殿と北辰はこの辺りに介入しそうな気もしますがね。ある意味劇場版アキトが金髪と繋がりを持つことで帝国とフェザーン&地球教の野合が成立不可になったのは大きな変更点といえるかもです。

 それでは

2022/09/19(Mon)16:26 (No.5147)

Re: 闇が深くなる夜明けの前に感想12  by 空乃涼

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フェリさん、こんばんはー。感想および添削ありがとうございます! 

>>>作者として金髪の描写に四苦八苦されているように感じた前半分ですな

これはまあ、だいたいその通りですね(汗 この章を書くにあたって、あらすじを書いていると、これまでの流れから物語が銀河の統一ではなく、ナデシコの謎解きに傾きつつあったので、ラインハルトにとっての目標はそうではないわけで、引き戻した感じですかねぇ。

>>>ンカワ・アキトについても劇場版と比較した場合

 この話の中で劇場版後を書いているわけですからねぇ。銀英伝世界とかかわったことで黒アキトに何らかの変化はあってしかるべきかなと思った次第であります。全体にとってのそれはささやかであっても、その小さいことが大きな影響を及ぼすことは必然でしょう。まして、歴史と人間ドラマにあふれた銀英伝の世界において、何も感じなかったなんて悲しいものですしねぇ。

 ラピスに関しては、どう考えても銀英伝の世界の人々的に疑問に思うしかないだろうとw そこを理解したうえで何とかしてくれるのが銀英伝の人々ですw

>>>帝誘拐事件こそ近づいていますが

  この状況ではたして? な皇帝誘拐!

 他、添削ありがとうございます。厳しいものもあれば作者のうっかりを拾ってくださって感謝いたしますw とりあえず先を進めようかと。その前にPCが限界です……
 

2022/09/20(Tue)19:59 (No.5148)

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