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魂郷学園 第3話:星【スタープラチナ】
作者:亀鳥虎龍   2018/05/16(水) 00:17公開   ID:u2/trWfDi0U
 白野がsmileを訪れた時、彼女は目を疑ってしまう。

「何なの、これ!?」

smileの半分は焼け焦げ、内部は争った形跡がある。

「ど、どうなってんだこりゃ!?」

そう言って、サングラスをかけた中年男性が驚く。

「長谷川さん!」

「あっ、白野ちゃん!」

彼の名は長谷川泰三。

この喫茶店『smile』の店長で、それとは別のアルバイトを掛け持ちしている男だ。






―星【スタープラチナ】―






「えっ、ベルベットがいない?」

「ああ。 消防士さんに聞いても、あの子らしき人影はなかったって」

ファミレスにて白野は、ベルベットが姿を消した事を知る。

「俺…あの子の事が心配だ。 昔、入国管理局のトップだったんだけど、事情があって辞めちまって、稼いだバイト代でこの店を立ち上げたんだ。 でも、中々上手くいかなくて。 そしたら『ネブラ』の人に、あの子を雇ってくれないかと言われたんだ。 味覚喪失とは思えない料理の腕と接客、ウチのとっては貴重な人材だった。 そのお陰で、そこそこだけど十分稼げて、あの子も店の看板娘になって……。 でも俺的にはな、あの子には俺みたいなオッサンが店長務めるしがない喫茶店より、良いひと見つけて、そいつの元に嫁いで、幸せなになってくれると嬉しいんだ」

「長谷川さん…」

「だから、あの子だけでも、無事であってほしんだ」

長谷川の言葉を聞き、白野もゆっくりと席を立つ。

「待っててね。 必ず見つけるから」

それだけ言い残し、彼女はファミレスを後にした。






 魂郷町の何処かにある、一軒の教会。

その扉の前に、二人の男女がいた。

「ここか……行くぞヤコ」

「うん」

前髪に黒いメッシュが入った金髪の男と、金髪で髪留めを着けた少女。

男の名は脳噛ノウガミネウロ。

青年の様な姿だが、正体は『謎』を喰らう為に人間界へやって来た魔人。

少女の名は桂木カツラギ弥子ヤコ

父親を殺された事をキッカケに、ネウロの隠れ蓑となった女性探偵。

魔人と人間という、特殊なコンビである。

二人が扉を開けると、そこにはある光景が目に映った。

「ようこそ、我が教会へ。 私は神父の言峰綺礼だ」

そこには一人の神父が立っている。

「「うん…?」」

すると言峰とネウロは、一瞬だけ顔を合わせた瞬間、ガシッと固い握手を交わした。

「何があった!?」

「いや、私とした事が……。 コレを見てすぐに私と同様、“心身ともに相手を叩きのめして、屈服させるタイプ”だと確信した。 即座に『友人』と呼べるほどに」

「同感ですね♪ コレを差し上げますよ、お近づきの印に」

ネウロが手錠を差し出すと、言峰はとても喜んだ。

「おぉ〜、コレはありがたい! これからも、交流を続けたいものだ」

「(とんでもねぇ、外道コンビが誕生した!)」

この光景に対し、弥子は恐怖を覚えたのである。





 三人は椅子に腰をかけると、弥子は言峰に尋ねた。

「それで、依頼とはどういった内容ですか?」

「実は、ある二人を探して欲しいのだ」

懐から写真を差し出し、ネウロがそれを受け取る。

一枚目には赤い髪の神父、もう一枚には露出度の高い奇抜な格好の女性の写真。

「この二人は?」

「神父の方はステイル=マグヌス。 もう一人の女は神裂火織。 この二人は同業者でね。 とあるの事情で、この街に来ているのだ」

「何かあったんですか?」

「実は二人が、この街で何かをしでかすという情報を聞いたのだ」

「えっ!?」

「ほう…ところで、この二人に関する情報は?」

「それは不明だ。 だが、嫌な予感を感じるのだ」

「分かりました。 できるだけ調べてみますね」

「ふむ。 頼むぞ」

こうして二人は、教会を後にしたのだ。






 人気ひとけのない場所へと移動したネウロと弥子。

「よし、アレを使うか」

ネウロは魔人の姿になると、口から何かを吐きだした。

「魔界777ツ能力どうぐ…『魔界の凝視虫イビルフライデー』」

それは目玉に足が着いた魔界虫で、無数に放たれたのだ。

「さてヤコ、出向くぞ」

「えっ?」

「喫茶店『smile』の火事現場だ。 ニュースや新聞でも話題だろ?」

「まさか、例の二人が関わってるの?」

「それは分からん。 しかし、調べる価値はある。 行くぞ」

「うん」

こうして二人は、すぐさま現場へと向かった。




 

 魂郷学園の学生寮にて…。

「成程、そんな事が」

帽子に学ラン姿、身長が195センチの少年が深く帽子を被る。

彼の名は空条承太郎。

高等部の三年で、白野の頼れる先輩である。

「ベルベットが店に火を点けた可能性は、まずはあり得ない」

「………現場で、何か見落としたものはあるか?」

「え?」

承太郎がそう言うと、白野は思わず反応し、

「もう一度、店に行ってみる」

「待ちな、俺も行くぜ」

二人はすぐさま走り出した。






 とある廃工場にて、ステイル神裂は……、

「とりあえず、手錠をかけておいたが…暴れたりはしないだろうな?」

「気が引けますね」

気絶したベルベットの左腕に手錠をかけ、背後の壁の柵にかける。

「流石はイギリス清教の魔術師ですね。 見事な腕前です」

そんな二人の元に、金髪の男が現れた。

「クリズム=ベッグ……」

彼の名はクリズム=ベック。

フリーの魔術師で、ステイルと神裂にベルベットの情報を伝えた人物である。

「勘違いするな。 僕等はキミの為にやったんじゃない。 コイツがあの子をさらったという情報を聞いたから、こうして協力したんだろ。 あの子の居場所を、吐かせなきゃならないしな」

「ええ、構いませんよ」

「そうとは限らないぜ」

「!?」

すると、その時であった。

ワインレッドのボディに、コブラ型のバイザーが付いたマスクを被った怪人物が現れる。

「スターク…」

クリズムが名を呼ぶと、怪人は「よう」と返事した。

「初めまして。 俺はクリズムの知人で、名前はブラッドスタークってんだ。 スタークって呼んでくれ」

ノリの軽そうな口調で接するスターク。

「なにしに来たんですか? アナタの性格からして、なにもないとは思えませんが…」

「そうそう。 実はお前達に伝えたい事があってな」

「ん?」

ベルベットに視線を向け、スタークはこう言ったのである。

「実はな、このお嬢ちゃんのお仲間が、現場の辺りを調査していやがる。 もしかすると、そいつ等が何か情報を握ってるかもしれないなぁ〜」

「!?」

「smileに…ですか?」

「早く行った方が良いぜ。 アンタ等に関する手掛かりを見つけられたら、不利になっちまうからな」

それを聞いたステイルと神裂は、すぐさま現場へと向かうのであった。

二人が去った瞬間、スタークは仮面の奥で不敵に笑う。

「(さて、こっちも準備とするか)」






 smileに着いた白野と承太郎。

現場検証が終わったのか、警察や消防士の姿はなかった。

二人はすぐさま、店の周囲を探索する。

何処かに手掛かりがある事を信じて…。

「ん?」

すると承太郎が、何かを発見する。

「何だ、コイツは?」

それは一枚のカードで、魔法陣が描かれていた。

「承太郎先輩?」

「岸波、コイツが分かるか?」

カードを見せると、白野はそれを目にする。

「ルーン魔術?」

しかし、その時であった。

「七閃!」

「「!?」」

背後からの気配に、二人は即座に回避する。

「まさか、今の不意打ちを避けるとは」

女性――神裂火織が刀を構え、

「そんな殺気を全開にさせたら…」

《ラビット! タンク! ベストマッチ!》

「誰だって避けるぜ」

承太郎は帽子を深く被り、白野はビルドドライバーにボトルを挿し込んだ。

《Are you ready?》

「変身!」





《鋼のムーンサルト! ラビットタンク! イェーイ!》

白野は仮面ライダービルドへと変身し、ドリル型専用武器『ドリルクラッシャー』を手に持ち、

「ハッ!」

神裂へと斬りかかった。

勿論、神裂には防がれてしまう。

「教えて! どうしてsmileを襲撃したの!」

「ベルベット・クラウ……。 彼女は世界を震撼させる邪悪なる者『災禍の顕主』です」

「えっ!?」

「彼女を野放しにすれば、世界が滅んでしまうんです」

「あの人が、そんなことするワケが無い!」

「ではアナタは、彼女の左腕を見た事があるのですか?」

「左腕?」

「何時も長手袋を着けているようですが、それを外したところを見たのかと聞いているのです」

「えっ?」

「どうやら、そこまで知らなかったようですね。 ハァ!」

「ぐあっ!」

ビルドは吹き飛ばされるが、すぐさま体勢を立て直し、

「コレはどう!?」

《ゴリラ! ダイヤモンド! ベストマッチ!》

ボトルを取り替え、ドライバーのレバーを回す。

《Are you ready?》

「ビルドアップ!」

《輝きのデストロイヤー! ゴリラモンド! イェーイ!》

ビルドがゴリラモンドフォームにチェンジし、再び神裂へと激突した。





「岸波!」

承太郎が助太刀に向かおうとしたが、背後からの気配を感じた。

「炎剣!」

「!?」

咄嗟に回避し、承太郎は相手へと視線を向ける。

「驚いたね。 この攻撃を避けるとは」

赤い髪の神父――ステイル=マグヌスが不敵に笑い、承太郎は彼を睨むのだった。

「………」

「おや、沈黙かい? まあいい、キミはここでやられるんだからね」

煙草を口に咥えステイルであるが、承太郎はゆっくりと口を開く。

「中々、良い趣味の刺青タトゥーをしているな。 だが、二度と人前に出られないデザインにしてやるぜ。 テメェの顔面をな」

「ふっ……フハハハハハハ!」

それを聞いたステイルは、思わず笑い飛ばしてしまう。

「僕の顔面を? どうやって? まさか、一人で僕を倒すつもりかい? 自分と僕との距離を見てみなよ? 約2メートルはあるんだぞ?」

すると彼の背後には、炎の巨人が出現する。

そんな事も気にせず、承太郎は接近していく。

「キミが僕へと向かう前に、魔女狩りの王イノケンティウスがキミを焼き払うよ」

『ウオォォォォ!』

魔女狩りの王イノケンティウスが拳を振り下ろそうしたが、まさにその時であった。

星の白金スタープラチナ!」

承太郎の体から、逞しい肉体の男性の虚像が出現したのだ。

「オラッ!」

虚像は拳を放ち、ステイルの顔面を殴りつける。

「んがっ!?」

殴られたステイルは、その場で怯んでしまう。

「(な、何だ!? 僕は、殴られたのか!?)」

しかし彼には、虚像は見えていない。

倒れそうになったが、承太郎が腕を掴む。

「(こ、コイツ…一体、どんな能力を!?)」

「やれやれ…よく見たら、趣味の悪い刺青タトゥーだったぜ。 だが、コレからもっと趣味が悪くかもしれないな……顔面の形の方がな」

この一言が合図となり、虚像の拳が放たれた。

虚像の正体は、承太郎の生命エネルギーが生み出したパワーヴィジョンで、その名は『幽波紋スタンド』。

使用者の傍にいる事から、『Stand Buy Me』が由来となっている。

そして承太郎のスタンドの名前は、タロットカードの『星』を名に持つ『星の白金スタープラチナ』。

「オラオラオラオラオラオラァ!」

凄まじい拳の連打が放たれ、ステイルへと叩きこまれる。

「グアァァァァァ!」

攻撃を喰らいながら、彼は内心で驚愕した。

「(何だ、コイツの攻撃は!? 反撃の余裕ですら、全くない!)」

「オラァァァァ!」

最後の一撃が打ち込まれ、ステイルは「ぐあぁぁぁ!」と叫びながら吹き飛んだ。

その場で倒れてしまい、彼は意識を失う。

最後に承太郎は、深く帽子を被るのだった。

「……やれやれだぜ」






 ビルドは拳を振るうが、神裂には一度も当たっていない。

「ハァァァァァ!」

「無駄です!」

「ガハッ!」

一撃も与えられず、攻撃を受け続けてしまう。

「うおぉぉぉぉぉ!」

再び拳を放つが、再び避けられてしまい、

「終わりです」

すれ違い様に、神裂は居合いを放つのだった。

「うぐ……」

攻撃は決まり、ビルドは変身が解けてしまう。

「ベルベット…ゴメ…ン……」

それだけ言い残すと、白野は気を失ったのだった。






「………」

倒れた白野を見下ろしながら、神裂は複雑な表情になってしまう。

すると、その時であった。

「岸波!」

承太郎が駆け寄って来たのだ。

「……テメェが、そいつをやったのか?」

「否定はしません。 ところで、ステイルは?」

「あの神父、アンタの連れか? 悪いが、再起不能にしちまったぜ」

「!?」

ステイルがやられた事を知り、神裂は驚愕を隠せない。

「どうやら、穴等は厄介な相手のようですね」

彼女は刀を構え、承太郎もそれを見て構える。

「貴方を倒してから、ステイルを回収させて貰います。 七閃!」

先手を打った神裂であったが、承太郎はそれを軽い動作のみで避けたのだ。

「っ!?」

「ワイヤーを使った中距離攻撃か。 居合いの動作はフェイクってところか」

「(七閃の正体に気付いただけでなく、目で追うなんて!? なんという洞察力!?)」

承太郎の洞察力に驚愕するが、すぐさま体勢を整える。

「(こうなれば、この技を!)」

それは所謂、居合い斬りの構え。

「唯閃!」

地を蹴り、鞘から刀を高速で抜く。

だが、その瞬間だった。

承太郎はなんと、両手でそれを受け止めたのだ。

所謂、真剣白刃取りである。

「(バカな!?)」

コレを目にし、神裂は驚愕を隠せない。

「オラァァァァァ!」

そしてスタープラチナの拳が、彼女の顔面に命中した。

「ぐあぁぁぁぁ!」

吹き飛ばされた神裂は、その場で倒れてしまう。

「くっ!」

再び立ち上がるが、内心では焦りを感じた。

「(あの少年……。 魔法名を解放しても、勝てる可能性が少ない…。 ステイルには申し訳ありませんが、ここは退くしか!)」

勝てないと判断し、ステイルを残して撤退したのである。

承太郎も白野の無事を確認する為、あえて追おうとはしなかった。


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■作者からのメッセージ
 承太郎の参戦です!

ジョジョは絶対に出すと決めてたので!
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