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魂郷学園 第10話:水の首飾り・そのA
作者:亀鳥虎龍   2018/06/15(金) 22:53公開   ID:xC/v.dl.E26
 白野が駆けつけた時には、承太郎と花京院は深刻な顔をしていた。

「あの、仗助さんは?」

彼女の問いに、二人はゆっくりと口を開く。

「アイツは無事だ……しかし……」

「おじいさんの方は……手遅れだった……」

「!!」

それを聞いた白野も、奥歯を強く噛み締める。

何より、許せなかったのだ。

凶悪な殺人鬼が潜んでいる事を知らなかった、無知過ぎる己に。

アンジェロのような悪人を野放しにしてしまった、警察組織に。

罪無き人々を平気で殺害する、アンジェロという悪に。

胸やけがするほど許せなかったのだ。

そんな彼女に、承太郎はこう言った。

「仗助には、葬式の後に連絡するように伝えてある。 これ以上、アンジェロを野放しにするワケにはいかねぇ」

「じゃあ……」

「ああ……ヤツをブチのめす」

そしてコレをキッカケに、アンジェロとの戦いが始まったのだった。






水の首飾りアクア・ネックレス・そのA―






 葬式が終わり、東方家には重い空気が漂っていた。

「缶やペットボトル以外のものは、決して口にするな」

家の中には仗助と承太郎、そして花京院に白野の4人がいる。

ペットボトルのミネラルウォーターをコップに注ぎ、承太郎は仲間達に配っていく。

重すぎる空気の中、白野が仗助に声をかける。

「お母さんはどこに?」

「葬式の後、親戚の家に行って貰いました」

それを聞いた三人も、「その方がいい」という顔をする。

「賢明だ。 無闇に巻き込んでしまうより、その方がずっと安全だね」

「ああ。 戻って来て貰うのは、アンジェロをブチのめした後だ」

花京院と承太郎がそう言った瞬間、仗助の中で何かが弾けそうになった。

それも、自慢の髪型が崩れそうになるほど。

「「「!?」」」

驚く三人であったが、仗助はすぐに髪型を整え直す。

「別に、キレちゃあいないッスよ。 ちょいと頭に血が上っただけですよ。 冷静ですよ、全然ね」

口ではそう言っているが、三人は仗助の背後にある家具を見る。

まるで彼の怒りを表したかのように、家具という家具がメチャメチャになっていた。

しかもクレイジー・ダイヤモンドの能力の影響で、歪んだ形に直っている。

「冷静ね……まあ、お前が自分の家の家具をどう当たり散らそうが、別に知ったこっちゃねぇがな」

承太郎はそう言っているが、彼はたまにこう思った。

クレイジー・ダイヤモンドの能力は、拳で触れたものを完全治癒・修復する事が出来る。

仗助がキレた時に使うと、完全に修復できる保証はない。

もしも今の彼に殴られた箇所が人体、それも頭や顔だとどうなってしまうか……。

「(やれやれ、考えるだけでもゾッとするぜ)」

そう思いながらも、彼は仗助の唇の傷を見る。

「その傷……この前の不良に殴られた傷だな? 自分の傷は治さないのか?」

「他人の傷は治せても、自分の傷は治せない……それが、クレイジー・ダイヤモンドの弱点です」

それを聞いた瞬間、思わず雪泉は叫んだ。

「じゃあ、もしアンジェロのスタンドが体内に入ってきたら!?」

「死ぬでしょうね、体内を食い破られて。 そして俺の負けで、ヤツの勝ちです」

そう言いながらも、仗助はコップの水を飲むのだった。







 その頃、東方家から少し離れた木の上では……、

「ふん、また俺のスタンドを瓶に閉じ込めようってか?」

この件の元凶である男、アンジェロ(本名・片桐安十郎)が双眼鏡から家の中を覗いていた。

「だが仗助、お前の能力はもう憶えた。 三日後が楽しみだぜ」

そう言ってアンジェロは、三日後の何かを待つのであった。

果たして、彼の狙いとは!?







 三日後。

「………」

承太郎は外の芝生に目を向ける。

「アレから三日……奴が家の辺りを動いていた事は分かる」

足跡を見ながら、彼は深く考えていた。

一体、アンジェロは何を狙っているのかと。

すると、ポタポタと雨が降り始めた。

「……そういや、今日の天気は雨だったか――」

この瞬間、承太郎はある事を思い出した。

「雨……だと!?」

アンジェロのスタンドは、水や液体に混じる能力を持つ。

「まさか、ヤツの狙いはコレか!?

まさにその時であった。

承太郎の首筋に、アンジェロのスタンド『アクア・ネックレス』が既に潜んでいた。

「シャァァァ!」

アクア・ネックレスは襲いかかるが、

「オラァ!」

承太郎のスタンド『星の白金スタープラチナ』が拳を放ったのだった。

「くそっ! 妙な連中が家に居ると思ったが、まさかスタンド使いだったとはな! だが、もう遅い! この家はもう、俺のものとなった!」

そう言うとアクア・ネックレスは、家の中へと潜り込んだのだ。

「くっ!」

コレを見た承太郎も、急いで家の中へと入った。






 家の中に入った時には、既に状況は最悪であった。

「仗助! 花京院!」

「誰かがガスコンロに火を点けたみたいッスね」

「風呂場も既に、室内が湯気だらけになってる」

「さっき、ヤツのスタンドが家の中に入った! ヤツは俺達が水を飲むのを待っていたんじゃあない、雨を待っていたんだ!」

それを聞いた二人は、すぐに警戒を強めた。

「成程、水はヤツのスタンドにとってオールグランド。 今まで動かなかったのは、コレが狙いだったのか!?」

因みに白野は、外出でこの家にはいない。

まさにその時であった。

仗助の背後から、蒸気と化したアクア・ネックレスが襲いかかって来たのだ。

「「仗助!」」

二人が叫ぶが、まさにその時であった。

仗助はクレイジー・ダイヤモンドに握らせた瓶を割り、

「ドラララララァ!」

そのまま拳のラッシュを放った。

瓶は修復されるが、アクア・ネックレスは捕獲できなかった。

「グレートですよ。 気体の時は瓶に入れられない」

「兎に角、蒸気や水の無い部屋に行くぞ」

「それが出来れば良いんスけどね」

仗助はそう言って、天井を見上げる。

他三人も、一緒に天井を見る。

すると天井からは、水滴がポタリと落ちてきた。

「アンジェロのヤロォ、天井に何か所も穴を開けたんでしょうね。 雨漏りで水が落ちてきますよ」

「一滴でも触れたら危険だ。 水を用いたスタンドが、これ程厄介だとは……パワーが無いからと侮っていた」

「ヤロウ、頭が良く回るぜ」

危機的状況に追い込まれた三人であったが、

「ふ……フフフフ……」

その中で仗助が、突然笑い出したんだ。

「おい、なに笑ってんだ仗助! 追い詰められてんだぞ!?」

「だってですよ、承太郎さん。 じいちゃんの仇が、目の前に来てるんですよ? グレートですよ、コイツは」






(白野side)

「アーチャーに言われて、傘持っておいて良かった」

傘をさしながら、仗助の自宅へと走って行く。

だがその時、背後から声をかけられた。

「お嬢さん。 そんなに急いで、どこに行くんだい?」

「!?」

聞き覚えのある声と気配に、ゆっくりと後ろを振り向く。

「ハロォ〜、お元気かな?」

そこにいたのは、ファストの幹部・ブラッドスタークである。

「……スターク」

「その様子だと、この街にアンジェロ――いや、片桐安十郎が来ているようだな」

「っ!?」

それを聞いて驚く白野であったが、鋭い視線で彼を睨む。

「まさか、貴方がアンジェロを!?」

「生憎だが、俺はアンジェロの脱獄には加担していない。 ただし、それを手引きした奴を知っているがね」

「何か知ってるの?」

「聞きたいか? そりゃ、聞きたいよな?」

「どうせ、教えてくれないんでしょ?」

白野はビルドドライバーを装着し、一度振ったフルボトルを装着する。

《ラビット! タンク! ベストマッチ!》

レバーを回し、スナップライドビルダーが出現すると、

《Are you ready?》

「変身…」

《鋼のムーンサルト! ラビットタンク! イェーイ!》

彼女は仮面ライダービルドへと変身した。

「クククク…。 話しが早くて助かる。 そうだ! 知りたいなら、力づくで聞き出せ!」

「勿論、そのつもり!」

こうしてビルドとスタークの激突が、雨の中で始まったのである。






(JOJOside)

 雨漏りの水滴は徐々に増えていき、風呂場や台所からは湯気。

まさに、絶体絶命の状況である。

「さて、仗助。 お前なら、この状況をどう切り抜ける?」

承太郎が問うと、仗助はハッキリと答えた。

「そうッスね……。 でも承太郎さん、俺の場合はちょいと違いますね。 ドラァ!」

そう言うと彼は、クレイジー・ダイヤモンドで壁を破壊した。

「“ブチ壊し、殴り抜ける”です。 ほら、早く来て下さい。 壁が直っちまいますよ」

スタンド能力を上手く利用した仗助に、三人は感心しながらも隣の部屋へと移動した。

壁が直っていき、完全に湯気を遮断で来た。

「これで、湯気はこっちに来な――」

だが、次の瞬間だった。

「なっ!?」

振り返った仗助の目の前には、電源の入った加湿機が備えられていた。

しかも彼は、その蒸気を顔から被ってしまう。

「仗助!」

「しまった、加湿機だと!?」

「くそっ!」

承太郎は加湿機を蹴り飛ばすが、既にそれは遅かった。

「ビンゴォ! 壁を壊して、この部屋に来ると思ってたぜ!!」

アクア・ネックレスは、仗助の口の中に入ろうとしていた。

「『法皇の緑ハイエロファントグリーン』!」

花京院が自身のスタンド『法皇の緑ハイエロファントグリーン』を発現させ、アクア・ネックレスを引きずりだそうとするが。

「仗助、お前は知ってるか? 予想していた事が実際に起こると、笑いがこみあげてくる事をよぉ〜! ウプププぅ〜」

既に遅く、遂に体内へと入ってしまったのだ。

「仗助!」

苦しむ仗助であったが、彼は落ち着いた感じでこう言った。

「し……知ってますか、承太郎さん? 例え予想してた事が起きても、全然笑えないッスよ。 アンジェロみてぇなのは特にね!」

そしてその瞬間だった。

「うおぉぉぉぉ!」

仗助の口の中から、袋の様なものが吐き出されたのだった。

それは口の部分が強く縛られたゴム手袋であった。

「ちと、バッチイくてすんませんッス。 ゴム手袋を予め、刻んで飲み込んでおいたんスよ」

「そして修復能力を利用し、口の中から出したか」

「大したヤツだぜ」

コレで仗助達は再び、アクア・ネックレスを捉える事に成功したのである。

窓を開けた仗助は、クレイジー・ダイヤモンドのパワーで手袋を豪快に振る。

「ドラララァ!」

「ウギャァァァ!」

すると、木の上に隠れていたアンジェロが、地面へと落ちたのだった。

「成程、本体はあそこか」

すぐさま彼等は、アンジェロの元へと向かったのだった。







「く……くそぉ〜……」

再びスタンドを捕獲されたアンジェロであったが、

「!?」

後ろを振り返ると、仗助達三人が立っていた。

「ようやく…会えたな」

「テメェが……」

「アンジェロだな?」

花京院、仗助、承太郎の順でそう言うと、

「く……クソォォォォ!」

アンジェロはすぐさま逃走しようとする。

しかし、スタンドは仗助達の手にある為、

「ドラァ!」

仗助が手袋を振る事で、

「プギャァァ!」

中のスタンドの影響で、本体である彼も途中で倒れてしまう。

近くの岩場まで追い詰められたアンジェロであったが、

「て……テメェ等……俺をどうするつもりだ? 確かに俺は、呪われた殺人鬼だ。 だが、いい気になってんじゃねぇぞ! 日本の法律が俺を死刑にしたところで、お前等に俺を殺す権利はねぇんだぜ!」

そう言って仗助に向かって指す。

「仗助、確かに俺はテメェのジジイを殺してやった。 だがお前がここで俺を殺せば、お前も俺と同じ、呪われた魂になるんだぜぇ!?」

しかし、その時であった。

「ドラァ!」

クレイジー・ダイヤモンドの拳が、アンジェロの手に命中し、

「うぎゃぁぁぁぁ!」

手は岩とぶつかった。

「指差しながらガラリと語ってんじゃあねぇぜ」

痛みで絶叫を上げるアンジェロであったが、彼は恐ろしいものを見てしまう。

「お、俺の手がぁぁぁ!?」

なんと手が、岩と一体化していたのである。

「安心しな、誰もオメェを死刑にするつもりはないぜ。 俺も、この承太郎さん達も、日本の法律も……もうオメェは、刑務所に入る必要もねぇぜ」

そんな中、花京院と承太郎はこう言ったのだった。

「コレで終わりだ、アンジェロ! いい気になって絶望に落ちたのは、どうやらお前の方だったな!」

「仗助、あとは任せるぜ」

この瞬間、アンジェロは絶望による恐怖を感じ取った。

彼は侮っていたのだ。

目の前の相手にあるのは、“呪われた魂”とは逆の“黄金の精神”であることを。

「いったい……一体何する気だ、テメェ等はぁぁぁ!?」

「供養するんだな、アンジェロ! 俺のじいちゃんを含む、テメェが殺した人間のなぁ!」

仗助の叫びとともに、クレイジー・ダイヤモンドが拳を構え、

「ドララララララララァ!」

「グギャァァァァァ!」

凄まじい連打をアンジェロに叩きこんだのだ。

「じいちゃんが守ったこの町で、岩となって永久に生きるんだな」

「うぎぃ〜!」

これによりアンジェロは、岩と一体化したのであった。






(白野side)

「はぁぁぁぁ!」

「おっと!」

雨の中、スタークと激戦を広げていたビルド。

「どうした? 俺から情報を聞きだすんじゃなかったのか?」

「くっ!」

しかし実力の方は、完全にスタークの方が上である。

苦戦を強いられたビルドは、ラビットフルボトルからゴリラフルボトルに差し替え、

《ゴリラ! タンク!》

即座にレバーを回しだす。

《Are you ready?》

「ビルドアップ」

そしてトライアルフォームのゴリラタンクへと姿を変えたのだった。

ベストマッチに劣るが、工夫次第で多彩な攻撃バリエーションを誇るトライアルフォーム。

ゴリラのパワーとタンクのキック力で、ビルドは再びスタークへと挑んだ。

豪快に右腕を振るうが、スタークはそれより早く避ける。

「ほらほら、こっちだぜ」

「このっ!」

完全に遊ばれていると気付いたビルドは、奥歯を強く噛み締め、

「これしかない…」

ハザードトリガーを装填した。

《ハザードオン!》

一度ボトルを抜き、再びラビットとタンクを装填。

《ラビット! タンク! スーパーベストマッチ!》

レバーを回すと、鋳型のフレーム『ハザードライドビルダー』が出現し、

《ドンテンカン! ドンテンカン! ガタガタゴットン! ズッタンズタン! Are you ready?》

「ビルドアップ」

《アンコントロールスイッチ! ブラックハザード! ヤベーイ!》

プレスするかのように、ビルドをラビットタンクハザードフォームに変えたのだった。






 ハザードフォームへと変わったビルドは、スタークと再び激戦を繰り広げる。

「ハザードトリガーを使っておいて、まさかその程度か?」

「くっ!」

しかし未だにスタークの方が上で、ビルドは全くの不利であった。

戦いが続く中、ビルドの意識が薄れていく。

「(まずい、意識が……)」

遂に脳への負担が、限界まで到達し、

「………」

《マックス・ハザードオン!》

ビルドは暴走状態に入ったのである。

一気に距離を詰め、容赦無い打撃を叩きこむビルド。

一撃一撃が、スタークの体に叩きこまれる。

「ハザードレベル、3.5!」

隙のない猛攻を喰らいながらも、彼は何かを呟く。

「3.6…3.7……3.8……」

最後の一撃を喰らい、吹き飛ばされてしまったスタークだが、

「4.0ォ! いいぞ! いいぞ、白野ぉ! 遂にハザードレベルが4.0を達した!」

立ち上がりながら笑い、専用武器の『トランスチームガン』から弾丸を放つ。

弾丸は見事に、ハザードトリガーを弾き落とす。

「うっ……」

強制的に変身が解除され、白野はその場で膝を突く。

「楽しかったぜ、白野。 ここまで俺の期待させてくれたのは、お前が初めてだ」

「くっ!」

「そんなに睨むなよ。 そんじゃ、俺はこの辺で失礼するぜ。 チャオ♪」

それだけ言うと、彼はその場を立ち去ったのであった。





(JOJOside)

「くそぉ〜……いい気になりやがってぇ!」

怒りの念をぶつけるアンジェロであったが、彼は仗助達にこう言ったのだった。

「まあ、良いさ! どうせ“あの人”が、お前等を殺してくれるんだからよぉ!」

「あの人?」

首を傾げる仗助であったが、アンジェロは更にこう言った。

「そうさ……学生服の男……俺をスタンド使いにしてくれたヤツだよ!」

「何っ!?」

「ギヒヒヒ! ビビったか?」

「あん? それの何処にビビるんだよ?」

理解できない仗助であったが、承太郎と花京院がその意味を説明した。

「いや……本来アンジェロは、生まれ付いてのスタンド使いじゃあない」

「僕の様に生まれた時から持ってる者や、承太郎の様に血縁者の影響によるものが多い」

「えっと、つまり?」

「意図的にスタンド能力を与える方法を知る人物が存在する――という事だ」

「ギヒヒヒ……ビビるだろう?」

「丁度いい、お前がスタンド使いになった経緯を話して貰うぞ」

「良いぜ、教えてやるよ」

こうしてアンジェロは、自身がスタンド使いになった経緯を話した。






 それは、死刑当日の約半月前である。

アンジェロは自身の独房のベッドに横たわっていた。

すると、部屋の外から音が聞こえたので、思わず上半身を起こす。

そこには彼しかいないはずの部屋に、学生服を着た男が立っていたのだ。

その両手には、何百年持ったような古い弓矢が握られていた。

男は弓をゆっくりと構え、それを見たアンジェロは恐怖してしまう。

そして矢が放たれた瞬間、矢はアンジェロの口内を貫通し、後ろの壁へと突き刺さった。

だが不思議な事に、アンジェロは死んでいない。

死を覚悟した彼でさえ、驚きを隠せなかったのだ。

それを見た男は、ゆっくりと歩み寄った。

「おめでとう。 どうやら、キミにも素質があったようだ。 その能力は、DIOという男が“スタンド”と呼んでいた能力だ。 この能力はキミの様な人間の強い精神によって生み出される」

男は矢を引き抜くと、そのまま扉の方へと向かう。

「もし私に会いたいと思ったら、杜旺町という町に来るといい。 キミもあの町の出身だろ? あそこはとてもいい街だからな」

そう言って、男は姿を消したのだった。






 アンジェロの話しを聞いた瞬間、承太郎と花京院は、

「DIO……だと?」

「まさか!?」

驚きを隠す事が出来ない。

しかし、まさにその時であった。

「うわぁぁぁぁぁ!」

「「「「!!」」」」

背後からの叫び声に、四人は思わず振り返る。

そこには、ゴム手袋に閉じ込められた状態のアクア・ネックレスが、子供を襲おうとしていた。

「フハハハハ! バカめ! 俺の話に聴き惚れて、アクア・ネックレスの存在を忘れたな!」

「アンジェロ、貴様!」

「悪あがきを!」

そんな中、仗助は櫛で髪型を整えていた。

「……どうやら、テメェをブチのめすには、怒りがちと足りなかったみてぇだ」

「仗助ェェェ! ケンチな髪なんか弄ってねぇで、さっさと俺を元に戻しやがれ! ガキがどうなっても良いのかァ!?」

脅迫のつもりで叫んだアンジェロであったが、しかし彼は知らなかった。

今の一言が、彼の逆鱗に触れていた事を。

「「!!」」

承太郎と花京院が気付いた時には遅く、仗助はプッツーンとキレていた。

「今……俺の髪が何だってぇ?」

「え!?」

「待て! 仗助、早まるな!」

まさにその瞬間だった。

「ドララララァ!」

クレイジー・ダイヤモンドの連打が炸裂し、岩と一体化したアンジェロは、

「アギ……」

一度破壊されて、全く別の形へと変わったのだった。

後にコレが、杜旺町の観光名物『アンジェロ岩』となって慕われるのは、少し先の話である。

「やっぱ……テメェみてぇなゲス野郎には、コレくらいやんねぇとな」

「……やれやれだぜ」

この光景に承太郎は、呆れるしかなかったのだった。

因みに白野が戻ってきたのは、その数分後である。

アンジェロ(本名・片桐安十郎)……岩と一体化され、

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 次回は日常編に戻ります。
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