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魂郷学園 第16話:宇宙一バカな侍!!
作者:亀鳥虎龍   2018/06/22(金) 21:35公開   ID:SITQgi7z/cc
 鬼兵隊の船では……、

「うおぉぉぉぉ!」

「おおおおお!」

真選組と鬼兵隊が、壮絶な戦いを繰り広げてた。

「はぁぁぁぁ!」

駆けつけたマイも、愛槍の『朱弾ガリアスフィラ=アウトシール』を振るう。

「ほう、コイツは楽しめそうだな」

そんな彼女の姿を、ブラッドスタークが屋根から見下ろしていたのだ。





―宇宙一バカな侍!!―





 浪士達を切り伏せ、土方と沖田は足を進める。

しかし、その時であった。

「「「「ぐあぁぁぁぁぁ!」」」」

「!?」

隊士達の数人が、船の向こう側へと吹き飛ばされたのだ。

吹き飛ばした張本人は、ゆっくりと姿を現す。

「岡田……」

「似蔵……」

その正体は、一連の辻斬りの犯人にして盲目の剣士、岡田似蔵であった。

「ようこそいらっしゃった、御上の犬ども」

不敵な笑みを見せる似蔵に、土方は鋭い眼つきで睨む。

「御用改めである、岡田似蔵。 魂郷町中を騒がせた辻斬りの罪により、神妙にお縄につけ」

出方を窺うつもりの土方であったが、沖田が迷いなくバズーカを放った。

「何してんだぁぁぁ!?」

「なにって、面倒だから早めに済ませようと思って」

「だからって撃つ奴があるかぁぁぁ!」

しかし、その時である。

「フン!」

似蔵は紅桜で、バズーカの砲弾を真っ二つにしたのだ。





 バズーカの砲弾を真っ二つにした似蔵。

「なにィ!?」

「ありゃもう、剣なんて呼べるもんじゃねぇや」

これには二人も、驚愕を禁じ得なかった。

飛んで来た砲弾を避けるならまだ良い。

しかし真っ二つに斬るというのは、予想できなかったのだ。

「おやおや? 天下の真選組が、この程度かい?」

「仕方ねぇ……副長、ここは」

「あん?」

挑発するかのように笑う似蔵に、沖田はある行動にでたのである。

「どうぞ。 斬るなり斬るなり」

それはなんと、土方を鉄パイプに縛り付けたのだ。

更に簡潔的に言えば、彼を囮にしたのである。

常に日頃から土方抹殺を企てる彼にとって、絶好のチャンスだと感じたのだろう。

“サディスティック星の王子”という称号がお似合いの見事なサディストぶりだった。

「おい、待て総悟! テメェェェェェ!!」

怒りの叫びを上げる土方であったが、沖田はスタコラ走り去っていく。

「たかだか警察の犬が、高杉晋助を捕えようなんざねぇ」

そして似蔵は、紅桜の刃を土方に向けた、

「嘘でしょぉぉぉぉぉぉ!?」

襲いかかる似蔵を前に、彼はこの窮地を脱する事が出来るのだろうか!?

果たして、その運命はいかに!?




 鬼兵隊の船が停泊していた港では、

「オイオイ。 とっくに始まってんぞ?」

「俺達が来る前に、カタが着くんじゃねぇか?」

接舷された二隻の船を見上げながら、銀時とユーリがそんな事を言ったのだ。

しかし、鉄子は深刻な顔で答えた。

「使い込んだ紅桜は、一振りで戦艦10隻分の戦闘力を有する。 真選組でも止めるのは無理だ」

「かめはめ波じゃねぇか!? それともスペシウム光線? どれくらいの破壊力?」

「どちらも見た事がないから、比較のしようがない。 とりあえずコレを」

「ん?」

鉄子は布に包まれたものを銀時に手渡す。

布を取ると、中から出たのは刀だった。

一方の銀時は、ジト目で自身の刀を見ている。

鍛冶師の娘だけあって、出来栄えはとても良い方だ。

ただし、鍔の装飾が気になった。

体長の長い龍が、とぐろ巻きになっている。

しかし、如何にもにしか見えない。

「これは?」

「私の打った刀だ。 丸腰で紅桜と戦えない。 使ってくれ」

「なあ、刀は良いとして、なにコレ。 この鍔の装飾。 ウン――」

何かを言おうとしたが、鉄子の鉄拳が飛んで来た。

殴られた銀時も、「コォォォォォ!」と叫んでしまう。

「ウンコではない! とぐろを巻いた龍だ!」

「テメェ! 俺がウンコと言う前にウンコと言ったということは、自分でも薄々ウンコだと思ってたってことじゃねぇか!」

「しかし、どうやってあんな高さへ行けば」

「兄妹そろって人の話聞かない感じ!? シカトブラザース!?」

「何してんだよ、お前等……」

この光景に、ユーリは呆れるしかなかった。





 鉄子といがみ合っていた銀時であったが、

「銀の字!」

今度は平賀源外が現れたのである。

「爺さん?」

「さっきはすまなかったな。 コイツを使え」

そう言って彼の脇には、白い大きな翼のような乗り物が置かれていた。

翼の長さは約三メートル、洗練された流線形の翼は、どう見てもあの宮○アニメに出て来るアレである。

しかも横には、青い衣を纏った少女が立っていた。

どう見ても、あの『風の谷』で有名なあの人だ。

「なっ!?」 

「えぇぇぇぇぇ!?」

「………」

コレを見た全員が驚き、銀時ですら驚愕の叫びを上げてしまう。

「こいつも修理品なんじゃが、お客さんが是非とも貸してくるそうじゃ」

「どうぞ」

「ここ風の谷じゃないけど、飛べますコレ?」

不安な気持ちになる銀時であったが、他も同じ気持ちであった。

「ほ、ホントに良いのか!?」

「どう見ても踏み込んじゃいけねぇ領域に踏み入れてねぇか!?」

思わず鉄子とユーリが、酷く焦った顔で源外に詰め寄った。

「絶妙じゃろ? 絶妙に、アレな感じじゃろう?」

王蟲オームが怒り出す前に早く!」

「甘えます!」

遂に決心した銀時は、翼の上へと乗る。

「さあ、行くのじゃ! 銀の字!」

源外が叫び、少女は微笑みを見せた。

そして銀時は、彼女に感謝の言葉をかける。

「ありがとう、ナカさん!」

「ホントに、甘えて良いんだな?」

冷や汗が流れるほど不安になったユーリなのであった。





 その頃、新八達はというと…、

「な!?」

「何だこりゃ!?」

船内の工場区画に辿りついていた。

そこには紅桜が量産されたカプセルが、大量に設置されていたのだ。

「紅桜が……こんなにたくさん!?」

驚きを隠せない一行であったが、まさにその時であった。

「おい」

「!?」

突然の声に、全員がすぐさま振り返る。

「そこは坊っちゃん嬢ちゃんの来るところじゃねぇぜ?」

左目を包帯で隠し、紫色の着流し姿の優男。

桂の仲間達から得た情報、そして神楽から聞いた情報と一致する風貌。

彼こそが、鬼兵隊総督――高杉晋助だ。

「お前が、高杉晋助! なんで銀さんを狙った!? 嘗ての仲間の銀さんを!」

「銀ちゃん!? 銀ちゃんに何があったアルか!?」

「ほう、お前等みたいなガキを連れてるのか、銀時の奴は」

ゆっくり歩み寄る高杉に、神楽が拳を構える。

「お前、銀ちゃんに何したアルか!? 答えによっては、その命貰うアル!」

「じゃあお前等は、その仲良し銀ちゃんと、天国で暮らすんだな」

まさにその瞬間だった。

キッ!と睨んだ高杉から、凄まじい気迫が放たれたのだ。





 高杉の気迫を受けた神楽は、背筋が凍るほどの恐怖を感じ取る。

一人だと思って侮っていた。

新八もカロルも、冷や汗が流れていたからだ。

ゆっくりと歩み寄って来る高杉を前に、誰もが動く事が出来なかった。

しかし、その時である。

「!?」

上から現れた何者かを目にし、高杉は即座に下がった。

その正体は、桂の相棒のエリザベスである。

「エリザベス! 来てくれたんだね!」

『ここは任せろ!』

突然の助っ人に安堵した新八であったが、まさにその時だ。

ズバン!と、エリザベスの頭部が斬り落とされた。

「エリィィィィィ!」

「エリザベスゥゥゥゥ!」

「っ!?」

神楽と新八は叫び、カロルは驚愕してしまう。

「おいおい、何時からここは仮装パーティになったんだ? ガキの来て良いところじゃねぇぞ――」

だが頭部を失ったエリザベスから、何者かが斬りかかったのだ。

高杉は斬られて後ろへ退ってしまうが、致命傷にはいたらなかった。

「ガキじゃない、桂だ!」

そして現れたのは、死んだと思われていた桂小太郎である。





「ヅラ!?」

「変な髪型!」

死んだと思っていた桂に、神楽も新八も驚く。

髪が短くなっている以外は、普段と変わっていなかった。

「晋助様!」

「ほう、コレは驚きました。 まさかこんなところで、死者とお会いできるとは」

後から来たまた子と武市も驚き、桂は当然のようにこう言ったのだ。

「この世に未練があったのでな、黄泉から戻ってきたのだ。 嘗ての仲間に斬られたとあれば、死にたくても死にきれん。 なあ高杉、お前もそうだろ?」

視線を向けられた高杉であるが、不敵な笑みを浮かべている。

「クク…仲間ねェ。まだそう思ってくれていたとは、ありがた迷惑な話だ」

その懐からは、1冊の本が覗いていた。

それが先ほどの一太刀を受け止めた所為か、表紙部分が切り裂かれている。

「まだそんなものを持っていたか。 お互いバカらしい」

そして桂も、懐から同じ表紙の本を見せた。

同じく、表紙部分が切り裂かれている。

「お前もそいつのお陰で、紅桜から助かったのかい? 思い出は大切にするもんだねぇ」

「いや、貴様の無能な部下のお陰だ」

そう言って桂の脳裏には、自身が似蔵に斬られた時の光景が浮かぶ。

「余程興奮していたのだろう。 ロクに生死を確認せずに、髪だけ切り取って去って行った。 大した人斬りだ」

「逃げ回るだけじゃなく、死んだフリまで上手くなったらしい。 で? わざわざ復讐に来たわけかィ。 奴を差し向けたのは俺だと?」

「アレが貴様の差し金だろうが、奴の独断だろうが関係ない。 だが、お前のやろうとしていること、黙って見過ごすワケにもいくまい」

すると桂は、新八達の方へと振り向く。

「お前達。 なにも知らせず、こんなところまで巻き込んですまなかった。 今回の件は、敵が俺個人を狙ったものかと思い、内情を知るには死んだ事にすれば良いと考えたんだ」

回想場面には、エリザベスに化けた桂の姿が浮かんだのだが、

「返って目立つでしょ!」

あまりにもシュール過ぎるものだったので、新八にもツッコミを入れられてしまう。

「ククク…。 悪いなヅラ。 来て貰って申し訳ないが、俺の野望はこんなとこでは終わらないんでな」

それだけ言い残すと、高杉は即座に立ち去る。

「待て高杉! 話し合おう、話せば分かる!」

追いかけようとした桂であったが、また子と武市が阻もうとした。

「晋助さまのもとへは行かせないッス」

「ちっ!」

刀を構える桂であったが、新八と神楽とカロルが前に出たのだ。

「桂さん! ここは僕等が引き受けるよ」

「何っ!?」

驚く桂であったが、新八が刀を構えながら叫んだ。

「高杉さんとしっかり話し合ってください! 帰ったら色々と奢って貰いますからね」

「しかし、お前達に何かあったら、俺は銀時に合わせる顔がない!」

彼等の身を案じた桂に、今度は神楽が叫ぶ。

「なに言ってるアルか! その髪型見せて笑って貰うネ! ただ、今回は完全に騙されたから、帰ったらフルボッコな。 それと酢昆布一年分!」

「……すまない!」

新八達に任せ、彼は高杉の後を追うのだった。





 一方の甲板では、

「くっ! オラ!」

「フン!」

土方と似蔵の激戦が行われていた。

沖田に縛られた彼であったが、幸いにも縄の部分だけが斬られたのである。

お陰で難を逃れた土方は、心おきなく刀を振るえたからだ。

刃と刃のぶつかり合い、飛び散る火花。

「中々やるねぇ。 縛られたまま殺しておけばよかったよ」

「真選組、鬼の副長を舐めんじゃねぇ!」

勝負は互角に見えるが、似蔵の方が明らかに上であった。

一撃一撃が重くなり、受け止めるだけで痺れるような衝撃を感じてしまう。

流石の土方も、攻撃を受け止めるのが精一杯だったのだ。






 場所は戻って船内の工場区画。

「悪いがフェミニストといえど、鬼になることもあります。 綿密にたてた計画…コレを台無しにされるのが、一番腹立つ。 それが、フェミニストです」

「それ、フェミニスト関係ないっすよ」

刀を抜く武市と、銃を握るまた子。

そんな彼等に対し、新八と神楽も戦闘態勢に入る。

「読めませんね…この船にあって貴方達だけが異質。 攘夷浪士でもなければ、桂の配下でもない様子…。 しかし、真選組の手先でもない。 勿論、私達の味方でもない」

「なんなんスかお前ら! 一体何者なんスか!! 何が目的スか! 一体誰の回し者スか!?」

武市は新八達の存在に疑問を抱き、また子は叫びながら問いかける。

この問いに対し、二人はニカッと笑いながら答えた。

「「宇宙一バカな侍だ! コノヤロー!」」





 屋根の方まで追い込まれ、息が上がって来た土方。

「ククククク……」

彼を追い詰め、ゆっくりと歩み寄る似蔵。

「ん?」

しかしその時、彼の嗅覚が何かを嗅ぎ取った。

嗅ぎ取った方向へと顔を向け、土方も同じ方向へと顔を向ける。

そこには、一人の侍が歩み寄って来た。

雨上がりの曇り空から、暖かな陽光が差し込まれ、

「ちわ〜」

彼は緩みきった笑顔を見せた。

宇宙一バカな侍――坂田銀時が、遅れてやって来たのだ。

その後ろには、鉄子が立っている。

「テメェ……」

「そいつは俺のお客さんだ。 ここは任せて、お前は大将首を取りに行け」

「しかしテメェ、そんな身体で…」

「お互い様だろ。 警察は警察らしく、自分の仕事を全うしろぃ!」

「……死ぬなよ、万事屋!」

それだけ言い残すと、土方はその場を銀時に任せた。

するとすれ違うように、鉄矢が彼等の前に現れた。

恐らく、紅桜の戦闘データを収集する為であろう。

鉄子も兄と正面から向き合う。

そんな中で銀時は、彼女から託された刀を鞘から引き抜く。

今まさに、紅桜との戦いが始まろうとしていた!


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 次回、決戦の時!
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