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魂郷学園 第19話:私立探偵W/邪竜と聖女
作者:亀鳥虎龍   2018/07/02(月) 15:27公開   ID:IUnVVjJTDRM
 一年前の事である。

「ぐっ!」

一人の男が、凶弾を受けてしまう。

「――!」

男の元へ、少年と少女が駆け寄る。

「大丈夫、コレくらい」

二人を安心させる男であるが、周りを囲まれてしまう。

すると男は、女性の持っているアタッシュケースを手に取る。

ケースを開けると、名の中身を見せた。

「コイツと相乗りけいやくする覚悟はあるかい?」

この言葉に少年と少女は、ケースの中身に手を伸ばしたのだ。





―私立探偵W/邪竜と聖女―





 魂郷町の何処かにある、一軒の探偵事務所。

その扉の前に、一人の少女が訪ねてきた。

「……ここね」

ゆっくりと開けると、一人の男が反応する。

「おや、いらっしゃい」

白いスーツ姿で、白い帽子を被った男。

「アンタが、この事務所の人間?」

「そうだね。 僕がこの事務所の所長だ。 龍馬って呼んでくれ」

龍馬がそう言うと、少女も自己紹介をする。

「リタ…リタ・モルディオよ」






「それで、ご依頼は何でしょうか?」

龍馬がそう言うと、リタは一枚の写真を見せた。

写っているのは、一本のUSBメモリ。

しかしラベルの部分には、独特の形状のアルファベットが描かれている。

「ガイアメモリ…アンタも知ってるわよね?」

「ええ、勿論」

ガイアメモリ……地球上のあらゆる『記憶』を凝縮させた、触手なUSBメモリの総称。

コレを使った人間は、ドーパントと呼ばれる怪物となって暴れ出す。

魂郷町では最近、ガイアメモリによる凶悪犯罪が多数怒っている。

リタは15歳の若さで、あらゆる魔道書や考古学の解読に成功した天才魔道師。

そんな彼女が、ガイアメモリの研究に興味を示さないわけがない。

「ところでアンタ、ニュースとかは観る? もしくは新聞とかは?」

「たまにしか。 それが何か?」

首を傾げる龍馬に、リタは新聞を見せる。

新聞には、『連続通り魔事件発生! 再び通行人がバラバラに!』と書かれた記事が載っていた。

「この記事…確かこれで、6件目でしたよね?」

連続通り魔事件――。

それは夜に、一人で道を歩く人間を、バラバラに切断する事件の事だ。

龍馬のこの事件を知ったのは、テレビのニュースだ。

しかし調査は難航しており、手掛かりもない。

独自に調査をしたいが、警察の取り締まりも硬かった。

「私はこの事件に、ある仮説を立てたの?」

「仮説ですか?」

「そう。 この事件、ガイアメモリが絡んでると思ってるの」

「興味深い話だ。 お聞きしたい」

「単純な憶測だけど、通り魔が相手を瞬時にバラバラに殺せるわけないでしょ?」

「同感ですね」

「では念の為、護衛をつけましょう。 ジーク君、ジャンヌちゃん」

龍馬が呼ぶと、二人の男女が現れる。

一人は茶色が混じった銀髪に赤い瞳、白いYシャツと黒いベストにズボン姿の少年。

もう一人は腰まで長い金髪で紫の瞳、白いブラウスとブレザーにスカート姿の少女。

「ジークだ。 宜しく頼む」

「ジャンヌと申します」

二人は軽く挨拶をすると、リタも「ええ、宜しく」と返す。

ジークとジャンヌは準備をする為に、一旦自室へと向かう。





「いらっしゃい」

smileに入店した白野は、カウンター席に座る。

「コーヒー」

「ミルクと砂糖は?」

「お願い」

ベルベットが淹れたコーヒーに砂糖とミルクを混ぜた。

「ベルベットは、件の通り魔事件を知ってる」

「知ってるけど……それがどうしたの?」

「ウチの万事部も、依頼で退治するように言われたの………銀さんから」

それを聞いたベルベットは、ガタッ!とコケそうになる。

「あの先生、何で生徒におっかない依頼を持ち込むのよ……」

「実は先生、幽霊とか怖いものの類が嫌いらしくて…。 通り魔が怖くて頼んだんじゃないかな?」

「……ツッコまないわよ」

コーヒーを啜り終え、白野は勘定を払う。

「ご馳走様」

店を後にすると、ベルベットは深くため息をした。

「大丈夫かしら?」





 その夜、リタは自宅の研究所にいた。

護衛として、ジークとジャンヌもいる。

「お腹減ったわね…」

「何か買ってこようか?」

「助かるけど、アタシの好みが分かるの?」

「…いや、知らない」

「そういう事。 皆で行けば、流石に通り魔も襲ってこないでしょ。 それに、一人で夜道を歩くより恐くないし」

「「……え?」」

「あっ! ご、ゴホン! とにかく、早く行くわよ」

準備を整えるリタに、二人は付いていくのであった。






 岸波白野は現在、夜道を歩いていた。

件の通り魔を捕まえる為だ。

「ホントなら、これって警察の仕事なんだけど」

深くため息をした彼女であったが、背後から足音が聞こえる。

「えっ?」

まさかと思い、一度は振り返った。

「気のせい…?」

再び歩こうとしたが、まさにその時だ。

《マンティス》

「!?」

何かの声と気配に、彼女は反射的に体を捻った。

同時に、鋭い閃光が見える。

「ちっ、避けられたか!」

街灯の光で、白野は相手の姿を捉えたのだ。

深緑の身体で、両腕に鋭い鎌が光っている。

そしてその姿は、カマキリを人型にした様な異形であった。

「まさか、ドーパント!?」

ドーパント……ガイアメモリを見に挿し込んだ人間が、姿を変貌させた怪人の名称。

メモリを薬物投与ドーピングのように取り込み、超人ミュータントと化した存在というのが名称の由来と思われる。

「貴方が、通り魔事件の犯人?」

「なんだぁ? 気付いてたのか?」

「だったら!」

《ラビット! タンク! ベストマッチ!》

ビルドドライバーにボトルを装填し、その場でレバーを回す。

《Are you ready?》

「変身!」

《鋼のムーンサルト! ラビットタンク! イェーイ!》

そして彼女は、仮面ライダービルドへと変身したのだった。






 その頃、コンビニにて、

「コレとコレが良いわね」

リタが夜食用のパンを手に取り、レジへと運ぶ。

店員が計算を行う中、ジークは窓の外を覗きこむ。

件の通り魔を警戒しているのだ。

だが、まさにその時である。

ドガァ!と共に、凄まじい破壊音が響いた。

「!?」

コレに驚いた店員は、そのまま逃げ出してしまう。

ジャンヌはリタを床に伏せさせ、ジークが外へと出る。

そして、彼の目に映ったのは……、

「アレが…ビルド……」

仮面ライダービルドが、カマキリの怪人に追い詰められていた。






 マンティスの猛攻を前に、ビルドが苦戦を強いられる。

「だったらコレ!」

《ゴリラ! ダイヤモンド! ベストマッチ!》

ボトルを取り替え、レバーをその場で回す。

『Are you ready?』の音声と共に、「ビルドアップ」と呟く。

《輝きのデストロイヤー! ゴリラモンド! イェーイ!》

ゴリラモンドフォームへとチェンジし、マンティスへと駆け寄った。

「でやっ!」

豪快に拳を振るうが、マンティスはそれを腕の刃で防ぐ。

「オラッ!」

逆に反撃を喰らってしまい、ビルドは吹き飛ばされてしまう。

「くっ!」

「クククク…。 噂の仮面ライダーも、俺の前ではただの雑魚だな」

ゆっくりと歩み寄り、鋭い凶刃が捉えようとした。

立ちあがろうとしたビルドだが、まさにその時である。

何者かがマンティスを蹴り上げ、探偵助手のジークが前に立つ。

「悪いが、これ以上は手出しさせない」






「あん? なんだ、テメェは!?」

問いかけるマンティスに、ジークは平然と答えた。

「俺は、ただの探偵助手だ」

「はぁ? 探偵がなにしに来たんだ?」

「この辺りで起こっている、辻斬り事件を調査している」

それを聞き、マンティスは楽しそうに答える。

「そいつは運が悪いな。 その通り魔ってのは、この俺だ」

「……そうか。 ならここで、お前を止める」

ジークは懐から取り出したモノを腰に巻き付け、

「俺が――いや、が」

懐から黒いガイアメモリを手に取ったのだ。

コンビニにいるジャンヌの腰にも、同じベルトが巻かれていた。

そして彼女の手には、緑色のガイアメモリを手に取る。

「いくぞ、ジャンヌ」

「はい」

《CYCLONE》

《JOKER》

「「変身!」」

ジャンヌがベルトの右スロットに挿し込み、メモリはスロットから消えた。

正確には、ジークのベルトの右スロットへと転移したのだ。

同時に彼女も、その場で意識を落としながら倒れる。

転移したジャンヌのメモリを奥に挿し込み、ジークは自身のメモリを挿し込んだ。

そして左右のスロットを倒した瞬間、彼の体は変わった。

《CYCLONE・JOKER》

右半身が緑で左半身が黒のボディ、赤い両目とWの形をした銀色の触角。

そして首には、銀色のマフラーがなびいていた。

「『さあ、お前(貴方)の罪を数えろ』」

二人で一人の戦士、仮面ライダーWが参上したのだ。






 Wは駆け寄り、拳の連打を叩きこむ。

『両手の刃に注意し、攻撃の隙を与えないでください!』

「ああ、了解した!」

「くそっ!」

マンティスが攻撃をするが、Wはそれを回避する。

「悪いが、簡単にはやらせない」

すると、ビルドがゆっくりと立ち上がった。

「今度は、私も混ぜて貰うわ」

両手に持ったボトルを振ると、ドライバーへと装填する。

《忍者! コミック! ベルトマッチ!》

レバーを回し、スナップライドビルダーを出現させ、

《Are you ready?》

「ビルドアップ!」

その姿を変えたのだ。

左頭部・右上半身・左下半身が紫で、右頭部・左上半身・右下半身が黄色。

左目が手裏剣で右目が漫画のページ、刃の一部とペンがアンテナになっている。

《忍びのエンターテイナー! ニンニンコミック! イェーイ!》

忍者のボトルと漫画のボトルのベストマッチ、『ニンニンコミックフォーム』へとチェンジしたのだ。






 専用武器の『四コマ忍法刀』を握り、トリガーを一回引く。

《分身の術!》

すると分身が四人出現し、マンティスの周囲を囲む。

「なにっ!?」

「ハッ!」

「やぁ!」

「うぐっ!」

分身達が斬りかかり、本体はボトルを装填した。

《海賊! 電車! ベストマッチ!》

スナップライドビルダーを出現させ、その場でフォームチェンジする。

《Are you ready?》

「ビルドアップ!」

《定刻の反逆者! 海賊レッシャー! イェーイ!》

左頭部・右上半身・左下半身がマリンブルーで、右頭部・左上半身・右下半身が黄緑。

左目が髑髏マークで右目が線路、骨と線路がアンテナになっていた。

海賊のボトルと電車のボトルのベストマッチ、『海賊レッシャー』へと姿を変えたのだ。





 専用武器の『カイゾクハッシャー』を構え、マンティスへと接近する。

「はぁっ!」

斬撃を叩き込み、そのまま後退させた。

「うぐっ! くそっ!」

「まだだ!」

今度はWが接近し、連続攻撃を叩きこむ。

この最中にビルドは、再びボトルを装填した。

《タカ! ガトリング! ベストマッチ!》

「さあ、実験を始めようか」

《Are you ready?》

「ビルドアップ!」

《天空の暴れん坊! ホークガトリング! イェーイ》

左頭部・右上半身・左下半身が橙で、右頭部・左上半身・右下半身が濃灰。

左目が鷹で右目が2つのガトリング砲、翼ともう一つのガトリングがアンテナになっている。

タカのボトルとガトリングのボトルのベストマッチ、『ホークガトリング』へと姿を変えたのだ。






 ビルドは翼を広げ、上空へと飛び上がる。

「いくよ!」

専用武器の『ホークガトリンガー』を構え、真下にいるマンティスに弾丸を放つ。

弾丸の雨は、容赦なくマンティスに襲いかかる。

「うごぉぉぉぉ!」

流石のマンティスも、上空からの攻撃は回避できない。

「くそがぁ!」

羽を広げ、ビルドのいる上空へと飛ぼうとするが、

「逃がさない!」

《LUNA》

Wが右スロットのメモリを挿し替えた。

『風の記憶』を宿すサイクロンメモリから、『幻想の記憶』を宿したルナメモリに挿し替え、

《LUNA・JOKER》

右半身が黄色で、左半身が黒のルナジョーカーへと姿を変えたのだ。

「ハッ!」

右腕を上に挙げると、そのままゴムのように伸びる。

ガシリとマンティスの足を掴み、力強く引き寄せた。

「ぎぎゃぁぁぁぁ!」

地面に叩きつけられたマンティスは、激痛で悶絶してしまう。

《ラビット! タンク! ベストマッチ!》

同じく上空から降りたビルドも、その場でボトルを装填し、

《Are you ready?》

「ビルドアップ!」

《鋼のムーンサルト! ラビットタンク! イェーイ!》

ラビットタンクフォームへと戻った。

《CYCLONE》

Wもメモリを挿し替え、基本形態のサイクロンジョーカーへと戻る。

《CYCLONE・JOKER》

「勝利の法則は、決まった!」

『ジーク君、メモリブレイクです』

「ああ、コレで決まりだ」

ビルドはドライバーのレバーを回し、Wはジョーカーメモリを右腰のスロットに挿し込む。

《Ready Go! ボルテックフィニッシュ!》

《JOKER・MAXIMUM DRIVE》

隆起した地面から跳躍したビルドと、竜巻の風力で上昇するW。

x軸のエネルギーで、マンティスは拘束され、

「はぁぁぁぁぁ!」

「『ジョーカーエクストリーム!』」

Wの体は上下にズレ、ビルドはx軸型のエネルギーの上を滑る。

そのままキックを繰り出され、二大ライダーの必殺キックが決まった。

「ぐがぁぁぁぁぁ!」

爆音がボカーン!と響き、マンティス・ドーパントは撃破される。

マンティスは元の男の姿に戻り、排出されたメモリも砕けた。






 翌日、通り魔犯は逮捕されたというニュースが流れた。

学校内ではその話で持ち切りなのだが、白野は全く気にしていない。

「ふぁ〜」

それどころか、深夜まで起きていたので寝不足である。

「眠い……」

ビルドとW――二人の仮面ライダーは出会った時、物語は新たなステージへと向かうのであった。







……多分。

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