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魂郷学園 第27話:カブト狩り
作者:亀鳥虎龍   2018/07/22(日) 14:59公開   ID:CUGywFsC2NE
 夕方の5時ごろ、魂郷町のとある川原。

「………」

『定春28号』と書かれた棒が刺されたお墓を、神楽は泣きそうな顔で見ていた。

「神楽ちゃん、もう帰ろうよ」

「そっとしといてやれよ。 フンコロガシとはいえ、大事な相棒を失ったんだ」

近所の子供が神楽を呼ぶが、子供の一人『よっちゃん』がそれを止める。

実は巷で、負かした相手のカブトムシを奪う『カブト狩り男』がいるという噂が流れていた。

よっちゃん達もその人物に負け、カブトムシを全て奪われてしまったのだ。

そして神楽の定春28号(フンコロガシ)も、その犠牲者になった。

「うわぁぁぁぁ! 定春27――あっ、間違えた。 28号ォォォォォ!」






―第27話:カブト―






 翌朝、万事部の部室にて、

「カブト狩りじゃぁぁぁぁ!」

麦わら帽子を被り、虫取り網と虫籠を装備した神楽が叫ぶ。

因みに部室には銀時と新八、十六夜と当麻、そして日影がいる。

「え〜と、ゴメン。 話しが見えないんだけど?」

当麻がジト目で呟くと、当麻は当たり前のように答えた。

「そういえば最近、勝負で負かした奴のカブトムシを奪っていく『カブト狩り』ってのがあるらしいで?」

「ヤハハハハ! 大人気ねぇ奴もいるもんだ」

「でも、ちゃんとした勝負でアイツが勝ったんだろ?」

「何言ってるアルか、当麻! そんなんじゃ、私の心が晴れないアル」

「――ったく、コレだからガキは。 そんなもん、好きにさせりゃいいんだよ。 俺、関係ねぇし」

そう言って銀時は、ジャンプへと視線を向けた。

しかし日影が、新聞を読みながらこう言ったのである。

「でも、最近のカブトムシって、大きさによっては……20万以上も売れるそうやで?」

「………」

コレを聞き、銀時の中の何かが爆発した。







 翌日、とある森の中にて、

「カブト狩りじゃぁぁぁぁぁぁ!」

銀時の雄叫びが響いた。

「狩って狩って狩って狩りまくるんじゃぁぁぁ!」

「狩って売って売って売りまくるんじゃぁぁぁ!」

事務所にいたメンバー全員を連れ、銀時と神楽は捕まえる気満々。

「「なんでこうなるの?」」

この光景に、新八と当麻は呆れるしかない。

「いいかお前等? 遊びで来たんじゃないんだからな。 ビジネスだからな、ビジネス! 捕まえるまで帰れれないからな!」

「大丈夫、抜かりはないネ。 食料をもしっかり買い込んだし!」

そういうと神楽は、リュックの中のお菓子を見せる。

「食糧って言うか、それってお菓子だよね? ピクニック気分だよね?」

「バカヤロー! 何浮かれてんだ! おやつは300円以内までって言っただろうが!」

「お前もかいぃぃぃぃ!」

叱りながらもピクニック気分なっている銀時に、新八のツッコミが炸裂。

「残念でしたぁ〜。 酢昆布はおやつに入りません〜」

「入ります〜。 酢昆布はおやつに入ります〜。 ジュース類も認めませ〜ん」

「いいアルか、そんな事言って? 私知ってるアルよ? 銀ちゃんが水筒にポ●リ入れてるの」

「アレはポ●リじゃありませぇ〜ん。 ちょっと濁った水ですぅ〜」

「お前等、森に飲み込まれてしまえ」

完全にピクニック気分になってる二人に、新八は投げやりにそう言った。






 森の中を歩く事、30分が経過。

「でも銀さん、見つけるって言っても、どうやって捕まえんだよ?」

「体中に蜂蜜でも塗っとけ」

「いやいやいや…そんなの変態しかいないだろう?」

「ん?」

すると、日影が何かを目にした。

「皆…アレ……」

「へっ?」

全員が彼と同じ視線を向ける。

そこには褌一丁で、全身蜂蜜塗れの近藤が片足で立っていた。

『…………』

コレを見た全員は、すぐさま立ち去ったのである。

「銀さん、帰りましょうよ。 この森怖いです」

「ホントにいたぞ、全身に蜂蜜を塗った人」

「普通はしねぇだろ……」

「気にするな。 妖精だ妖精、樹液の妖精だよ。 ああやって森を守ってんだよ」

「というか、明らかに知ってる顔でしたけど…」

「ん?」

すると日影が、何かの匂いをかぎ取り、

「あっちに、マヨネーズの匂いがするで」

『へ?』

彼女が指をした方角に、全員が視線を向けた。

そこには土方が、木にマヨネーズを塗っていたのだ。






『………』

コレを見た全員が、再び立ち去ったのである。

「銀さん、ホントに帰りましょう。 やっぱり、この森怖いです」

「気にすんなぁ。 アレは妖怪『迷祢江図マヨネーズ』だ。 ああやって、木にマーキングしてんだよ」

「いや、明らかに知ってる顔でしたけど……」

すると新八は、ある物を目にした。

それは木に、巨大なカブトムシが留まっていたのだ。

「あぁぁぁぁぁ! いたぁぁぁぁ」

「うっしゃぁぁぁぁ! 蹴るぞお前等ぁぁぁぁ!」

銀時と新八、そして神楽が木を蹴りまくった。

その反動でカブトムシが落ちてしまい、

「よっしゃぁぁぁぁぁ!」

「これで定春28号の仇が――」

神楽はすぐさまひっくり返す。

「なにしやがんでぇ」

しかし正体は、カブトムシの着ぐるみを着た沖田であった。







「「「オラァァァァァ!」」」

銀時・新八・神楽の三人が、一斉に蹴りを叩きこむ。

「お前、こんなところで何してるアルか!」

「見れば分かるだろ?」

「分かんねぇよ!お前がバカって言う事意外分かんねぇよ」

「ちょっとゴメン、手ェ貸して。 一人じゃ起きられないんでさぁ。 仲間のふりして、奴等に近付く作戦が、台無しでぇ…」

「おい、何の騒ぎだ」

すると、他の真選組メンバーも現れた。

「あっ、お前等! こんなところで何してるんだ!?」

「何してんだって…全身蜂蜜塗れの人に言われたくありませんよ」

近藤が尋ねるが、新八が当然の台詞で返す。

まあ、誰だって…全身蜂蜜塗れのオッサンに尋ねられたくないが。

「コレは職務質問だ。 ちゃんと答えなさい!」

「職務って、どんな職務に就けば全身蜂蜜塗れになるんですかハニー?」

銀時が尋ねると、土方は煙草の煙を吐く。

「フゥー…。 お前等に教える義理はねぇ」

「カブトムシ採りだ」

「言っちゃったよ…」

教えないつもりであったが、近藤が当然の如く教えてしまう。

「カブトムシ採り?」

「おいおい、治安組織の人間がバカンスですか? バカーンですか?」

「コイツは立派な仕事だ。 邪魔だから、お前達はこの森から出ていけ!」

近藤がそう言うが、神楽は沖田を指しながら叫んだ。

「ふざけんじゃないネ! 私は嫌アル! そいつにやられた、定春28号の仇をとるまでは!」

指された本人は、その時の事を話した。

「何言ってんでぇ? オメェのフンコロガシはアレ、相撲で興奮したオメェが……」

--うぉぉぉぉぉ!

背後の回想シーンで、神楽はフンコロガシの定春28号を潰してしまう光景が映る。

「誰の所為か考えろ! 誰が原因で――」

「オメェだよ!」

「んが!」

必死で訴える神楽であったが、銀時にサンダルで頭を叩かれた。

「総悟、また無茶なカブト狩りをやったのか? 止せと言った筈だ」

「マヨネーズで虫採りしようとする方が無茶じゃないですかい?」

「トシ、またマヨネーズでしてたのか? 止せと言った筈だ。 ハニー大作戦で行こう」

「いいや、“マヨネーズ決死行”でいこう」

「いやいや、ここは“なりきりウォーズ・エピソード3スリー” でいきやしょうや」

「いや、ここは“ハニー湯煙殺人事件”で……」

真選組最高幹部の3人が、作戦で揉めていたのだが、

「あっ、局長! 見て下さい!」

隊士が双眼鏡で何かを発見した。

奥の木に、カブトムシが停まっている姿を!







 目の前の獲物を目にした瞬間、

『カブト狩りじゃぁぁぁぁぁ!』

銀時と神楽、そして真選組の面々が勢いよく走りだす。

「待てコラッ! 帰れって言っただろ!」

「ふざけんな! カブトムシは皆のもんだ! いいや、俺のモノだぁぁぁ!」

「チィ! お前等、絶対に奪われるなよ――んが!」

「カブト狩りじゃぁぁぁぁ!」

しかし神楽が、土方を土台にして飛び上がった。

あと少しで、手がカブトムシへと届く。

「カブト割りじゃぁぁぁぁ!」

「フベッ!」

しかし沖田に足を掴まれ、地面へと叩きつけられる。

すると背後から銀時が、凄まじい蹴りを放つ。

「カブト蹴りじゃぁぁぁぁ!」

「グヘッ……」

「よっと…」

木に登る銀時であったが、上から滴が落ちて来た。

「ん!?」

「フハハハハハハハ! カ〜ブ〜ト〜……」

上には既に銀時が登っていたが、全身の蜂蜜で滑ってしまい、

「割れたァァァァァ!」

頭から地面へと落ちてしまう。

どう見てもバカ過ぎる。

一方で木の方では、

「かーぶーとー!」

「いいや、俺が!」

「ふざけんな、俺が!」

カブトムシを巡って、銀時と土方がいがみ合う。

しかし、その時だった。

「「ん?」」

突然の気配に、二人は下を見る。

「カぁ〜……」

「ブぅ〜……」

「「トぉ〜……」」

刀を構えた沖田と、拳を構えた神楽。

この二人が殺気を放っており、銀時も土方も冷や汗を流してしまう。

「おい、ちょっと待て!」

「俺達、味方だろ? 俺達……」

彼等の言葉も耳にせず、木に集中攻撃を放った。

「「折りじゃぁぁぁぁぁぁ!」」

「「ギャァァァァァァ!」」

銀時と土方が叫ぶ中、カブトムシは彼方へと飛んで行く。

「……行っちゃったね」

「……行っちゃいましたね」

コレを見た山崎と新八は、その光景を見届けるのだった。







 その夜、真選組は拠点のキャンプにいた。

「まさか奴らが現れるとはな」

「どうする近藤さん? 連中に“アレ”の存在を知られたら…」

「ああ、勿論だ」

そして近藤は、部下達に強く叫んだのだ。

「いいか! なんとしても“瑠璃丸”を見つけ出し、上様の元へお返しするのだ!」

『おーーーーー!』

そんな中、沖田は小さく呟く。

「あの女…今度こそ決着つけてやる」







 その頃、当麻達はというと……、

「良いのかよ? 銀さん達、ほっといても?」

「いいんじゃない? あのバカ達は」

他所で大喧嘩している銀時と新八、神楽を他所に夕食のカレーを食す。

食事を終え、拠点のテントに入っていく。

こうして一行は、テントの中に就寝するのだった。









 翌朝、万事部は二手に分かれた。

Aチームは銀時、新八、神楽。

Bチームは十六夜、当麻、日影である。

銀時達と別行動をする十六夜達。

「ハァ…何処にも見つかんねぇ」

「全くだ…」

すると、十六夜が何かを発見する。

「ん? あれ、なんだ?」

「へっ?」

一同は芝生の中からこっそり、ある物を覗いていた。

そこにいたのは、真選組の面々である。

「そうか、やはり一筋縄ではいかんようだな。 こっちも成果無しだ。 捕まるのは皆、普通のカブトばかりだ」

仁王立ちする近藤の背後には、同じようにパンツ一丁で全身蜂蜜塗れの隊士達がいた。

その光景に土方も、当たり前のようにこう言った。

「おい、皆。 別に局長の命令でも、嫌な事は嫌だと言って良いんだぞ?」

「しかし、ハニー大作戦なんで」

「だから、何で体に塗るんだよ?」

『…………』

この光景に、当麻達も唖然とする。

「銀ちゃん、アレ見るアル!」

すると、別の方向から神楽の声が聞こえた。

「ん?」

声の聞こえた方へと目を向けると、万事屋トリオがいる。

そして神楽が指を指す方向には、

「金ぴかのカブトムシがいるアル!」

金色に輝くカブトムシが、木にとまっていたのだ。

「………カブトムシって、金色になるのか? 環境次第で」

「いや、知るかよ」

暫くすると、銀時達は別の場所へ行こうとする。

だがカブトムシは、木から神楽の頭へと飛んで行った。

「うわっ! お前、金蠅がとまってんぞ!」

どうやら金蠅と思っているらしく。銀時はサンダルで払い落そうとする。

「あいた!」

しかしサンダルは、そのまま神楽の頭に命中。

すると近藤が、もの凄いスピードで走って来たのだ。

「あっ」

しかし蜂蜜で足を滑らせ、彼女の頭にチョップを叩きこんでしまった。

「あだぁぁぁ!」

見事に直撃したが、カブトムシは無事である。

「何するアルか! 金蠅だってな、立派に生きてるんだよ!」

そういうと神楽は、カブトムシを抱えると、

「それにしてもお前、私と気が合うネ。 よし、今日からお前は『定春29号』アル。 いくぞ、先代の仇ネ!」

「待て! それは上様の――」

土方が後を追おうとするが、銀時に肩を掴まれてしまう。

「!?」

「“上様の”……なに?」

「………」

ドSな笑みを見せる銀時に、土方は白状するしかなかった。







「ハァァァァ!? 上様のペットぉ?」

「そうだよ」

「俺達は政府の命により、上様の愛玩ペット『瑠璃丸』を探しに来たのだ」

土方と近藤から事実を聞かされ、新八は驚きを隠せなかった。

「……じゃあ、沖田さんのカブト狩りも、その一つだったんか?」

「アンタ達、虫の為にそこまでやってたの? 上条さんでも、これには同情するぞ」

日影と当麻に呆れられ、土方は苛立ちを感じてしまう。

「だから言いたくなかったんだよ」

「そう言うな、トシ。 こうなった以上、コイツ等にも協力して貰おう」

そんな中、銀時がこう言ったのである。

「6割だ」

「は?」

「その蛇尾丸ざびまるってのを捕まえれば、それなりの報酬は貰えるんだろ?」

「瑠璃丸だ」

「生憎と藤丸ふじまるは俺達の手の中にあるのと同じだ」

「だから瑠璃丸だ」

「俺達が神楽を説得してやるから、報酬はその6割で手を打ってやるよ」

完全に悪役の顔を見せる銀時に、土方は再び苛立ちを見せた。

「だから言いたくなかったんだよ」

「トシ、俺もそう思う」

「よし、決まりだ。 新八、これで生活の心配はないようだぜ?」

「そうですね」

「「フハハハハハ!」」

完全に小悪党とその下っ端にしか見えない光景であるが、

「あれ、あれって……神楽さん?」

「へ?」

日影が大きな崖の方へと指を指す。

そこには、神楽と沖田が立っていた。






「神楽ー。 お前、何やってんだ?」

「総悟、お前もなにしてんだ?」

銀時や近藤が叫ぶが、二人の耳には入っていなかった。

「定春28号の仇を討つため、お前に決闘を申し込むアル」

「待ってたぜこの時を。 この日の為に、とっておきの上玉を用意したんだぜ」

「それは私も同じアル! いくぜ、定春29号!」

この光景に、新八も銀時達も驚きを隠せない。

「ちょっとぉぉぉ! カブト相撲やる気ですよ!?」

「神楽ぁぁぁぁ! 良く聞くんだ! ソイツは上様のペットなんだよ! 少しでも傷一つ付けて見ろ! 切腹もんだよ切腹もん!」

「トシ!」

「まあ、待て! 総悟が勝てば、無事に瑠璃丸が手に入る。 総悟も計算でやってんだろ? そこまでバカじゃねぇハズだ」

土方はそう思いながら、二人の戦いを見ていたが、

「凶悪肉食怪虫『カブトーンキング』、サド丸22号に勝てるかな」

通常の数倍の巨体を持ったカブトムシに、全員が度肝を抜いてしまう。

『(そこまでバカなんですけどぉぉぉぉ!?)』

「オイィィィ! ちょっと待て! お前、そんなんで相撲したら、瑠璃丸がどうなるか分かってんだろうな!?」

「粉々にしてやるぜ」

「そう、粉々になっちゃうから! 神楽ちゃん、定春29号が粉々になっちゃうから!」

「喧嘩はガタイじゃねぇ、度胸じゃ!」

「度胸があるのはオメェだけだよ! ボンボンなんだよ! ロリ丸は上様に甘やかされて育てられた、ただのボンボンなんだよ!」

「瑠璃丸だって言ってんだろうが」

遂にカブトムシ相撲が始まり、動揺を隠せない一行。

「仕方ねぇ……銀さん!」

「へっ?」

すると十六夜が銀時の襟元を掴む。

「え〜と……十六夜くん?」

「ニィ……」

「おい、ちょっと待て――」

「行って来ぉぉぉぉぉい!」

「アァァァァァァァァ!」

そしてそのまま、豪快に投げ飛ばしたのだ。







 十六夜に投げ飛ばされ、銀時は崖の上を飛んで行く。

だが体に捻りを加え、

「カ〜ブ〜ト〜狩りじゃぁぁぁぁぁ!」

そのままサド丸22号に蹴りを放った。

この一撃を受け、サド丸22号はその場で倒れる。

「旦那、なにしやんでぇ! 俺のサド丸を!」

「酷いよ銀ちゃん、真剣勝負の邪魔するなんて!」

コレを見た神楽と沖田が、すぐさま講義に出た。

「「んが!」」

しかし二人は、銀時の拳骨を喰らってしまう。

「バッキャロー! 喧嘩ってのはな、テメー等が土俵に上がってテメェ等の拳でやるもんです! 遊び半分で、生き物の命を粗末にすんじゃねぇ! いいか? カブトムシだって、オケラだって、アメンボだって、皆みんな――」

しかしその時だった。

「えっ?」

何かを踏んだ音が聞こえ、銀時は足をどかしてみる。

そこには、瑠璃丸の哀れな姿があった。

「み…皆死んじゃったけど、友達なんだ。 だから…連帯責任でお願いします」

これには後から登ってきた者達も、唖然とするしかない。







 その後、治安組織の本部にて……、

「よう、わざわざカブトムシ如きの為に、迷惑掛けて済まなかったな」

デスクに足を置きながら座る松平の姿あり、彼は土方に尋ねる。

「それで、瑠璃丸は見つかったのかトシ?」

「まあ、見つかったのは見つかったんだが……」

全身金色で兜を被った近藤を見せた土方であったが、

「その…突然変異で――」

「腹切れ」

あっさり切り捨てられたのだった。









 同時刻のsmileにて、店長の長谷川は外へと出ていく。

「んじゃ、俺行ってくるわ」

彼はたまに、アルバイトで生活のやりくりをしているのだ。

「あの方、いつもああやって?」

「そうみたい。 ただ、、バイト先の事はアタシも知らないけど」

店を任されたベルベットは、途中で止めていた床掃除を再開させる。

すると、承太郎が店に入って来た。

「いらっしゃい」

沈黙のまま、彼は神裂の方を見ている。

「ベルベット。 明日、神裂を借りても良いか?」

「ん? 別に構わないけど……」

彼女も神裂に視線を向けると、本人も「構いません」と首を縦に振った。

「それで、私に何か?」

この問いに対し、承太郎は答えたのである。

「明日、杜王町に狩りハンティングに行く。 一緒に来てくれ」

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■作者からのメッセージ
 次回、杜王町に場所を移します。
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