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魂郷学園 第36話:爆【シアーハートアタック】
作者:亀鳥虎龍   2018/10/07(日) 11:47公開   ID:BymBLCyvz/o
 マギルゥは現在、杜王町に来ていた。

「ここが杜王町か…。 とてものどかな町じゃのぉ〜」

この街の行方不明事件を調べるため、単独で調査に向かったのである。

「しかし、この事件を調べている学生というのはいったい……」

するとその時であった。

「ん? オメェは……」

「えっ?」

そこで彼女は、空条承太郎と遭遇する。






―爆【シアーハートアタック】―






 杜王町にて、広瀬康一が街の中を歩いていた。

重ちーが鈴美を殺した殺人鬼に殺されたと聞いた後、不安な気持ちで一杯になっていた。

15年以上も警察に捕まらなかった相手が、今でも街の中に溶け込んでいるのだ。

不安でないのがおかしい。

「あ! こんにちは、承太郎さん」

「ん、ああ」

すると彼は、途中で承太郎と遭遇した。

「あれ? え〜と……」

「あっ、昨日から魂郷学園に転入したマギルゥじゃ」

「広瀬康一です」

そして、マギルゥとも発対面となったのである。






 一緒に歩く中、康一は承太郎に声を掛けた。

「あの、ボタンの手掛かり、何か分かりましたか?」

「いや、全然」

「……え〜と、どちらに行かれるんですか?」

「別に、その辺だ」

短い返事のみを口に出す承太郎。

コレに対し、康一は少し困った顔をする。

「(参ったなぁ〜……露伴先生は強引だから怖いけど、承太郎さんは沈黙が怖いから、会話に困るなぁ〜。 何か、話題になるようなものはないかなぁ〜)」

一方のマギルゥも、困った顔をしていた。

「(ぷ、プレッシャーじゃ。 ここまで沈黙が怖いと、こっちも黙ってしまうわい)」

そんな中、康一は思わず話題を変える。

「その学ランの鎖、素敵ですね」

しかし、途中で承太郎はある店の前に立っていた。

「――って、アレ?」

「承太郎?」

承太郎が止まった先は、『靴のムカデ屋』呼ばれる靴屋であった。

「この店、靴屋のようだな」

「ええ、靴屋ですよ。 それが何か?」

「ああ、承太郎…。 何で靴屋に?」

首を傾げる康一とマギルゥであったが、承太郎が扉の張り紙を指差す。

張り紙には、『簡単な洋服の仕立て直しも出来ます』と書かれていた。

「ああ、靴屋だけどスカート丈やズボンの裾を短くしたり、取れたボタンを縫い直すというのをアルバイトでやってるんです」

「ほう、変わったお店もあるんじゃな……」

「はい、花を売ってる電気屋さんもありますよ。 承太郎さん、それが何か?」

再び首を傾げる康一であったが、承太郎は懐から一枚の袋を取り出す。

「杜王町にある全ての服屋を調べたが、全くの手掛かりが無かった。 だが、こういうところの聞き込みは見落としていたぜ」

「あっ!」

その中には、重ちーが殺人鬼から奪い取ったボタンが入っていた。

「(えっ!? !? まさか…町中の服屋を調べてたんか、この男!?)」

因みにマギルゥは、承太郎の調査能力に驚きを隠せなかったのである。






 靴のムカデ屋に入ると、

「ふむ、このボタンがどうかしたの?」

「いや、見覚えが無いならいいんだが。 何処の服に付いてたボタンか分からなくてね」

三人は店主に、ボタンの聞き込みをしていた。

すると店主は、コーヒーを啜りながら、

「見覚えが無いもなにもさ、そのボタンの服なら修理したばっかですよ? ほら……」

親指で背後のハンガーに掛かっている上着を差す。

「昨日、まったく同じボタンを付けてくれって」

「え!?」

「ほら、あの上着。 同じボタンでしょ?」

上着のボタンを見ると、同じボタンである事が判明した。

「うそっ!?」

「承太郎さん!」

「やれやれだぜ。 見つけたぞ、康一君」






 上着を発見し、手掛かりを掴んだ承太郎達。

「それで、あの上着が何か?」

店主が彼等に尋ねると、康一は思わず答えた。

「あ、いえ……あの上着の持ち主の名前を憶えてたら、教えて欲しいんですが……」

「そりゃ憶えてますとも。 けど、名札を付けてるんで、そっちを見た方が早いと思いますよ」

「本当ですか!?」

「やったー!」

上着に歩み寄り、店主は名札に書かれた名前を目に通す。

札には『吉良様』と書かれていた。

「え〜と……この名字……何て名前だったっけなぁ〜」

ゴゴゴゴゴ……と、遂に名前が分かる瞬間。

まさに、その時だった。

ボゴォ!と、何かが店主の手をふっ飛ばしたのだ。

それも、コーヒーカップを手にしていた方の手を。

「「「!?」」」

「え……えっ?」

あまりの出来ごとに、三人は驚きを隠せなかった。






「うわぁぁぁ! 私の手がぁぁぁ!」

自分の手が吹っ飛んだ事に、店主は思わず絶叫を上げてしまう。

「はっ!」

我に返った承太郎は、店主の肩に目が止まった。

『コッチヲ見ロ!』

中央部に髑髏の意匠が施された、キャタピラのような何かが乗っていたのだ。

『オイ、コッチヲ見ロッテ言ッテルンダゼ』

「ハァ……ハァ……」

肩に違和感を覚えた店主は、思わず振り返る。

肩にはタイヤの様な跡が付いており、恐怖で叫んでしまった。

「ウワァァァァ!」

同時にキャタピラは、店主の口内へとツッコんだのだ。

そのまま店主は窒息死となり、

「うわああああああ!」

「な、なんじゃ!?」

コレを見た康一とマギルゥは、思わず叫んでしまった。

二人を自分の方へと引き寄せた承太郎は、

「『』のスタンドか!」

すぐさま辺りを見渡す。

店内にいるのは承太郎と康一、そしてマギルゥの三人である。

しかし康一は、思わず指を差した。

「アッ! 承太郎さん、アレ!」

「!!」

奥のドアから、ハンガーの上着に手を伸ばす者がいた。

余程用心深いのか、腕だけをドアから出している。

「『』が! 上着を持っていこうとしている!!」






 上着の持ち主――『吉良吉影』は、冷や汗を流すほど焦った表情を見せていた。

「まさか、失くしたとばかり思っていた上着のボタンを調べていた者がいるとは……。 見られたか……この吉良吉影の名を……何故最近、こんな目にばかり遭うんだ?」

しかし彼の隣には、スタンドの『キラークイーン』が構えていた。

「コイツ等……消えて貰う、我がキラークイーンの第2の爆弾で、あの重ちーとかいう小僧のように」






「う、上着を持って行かれる!」

「お、おい!」

上着を持って行かれまいと、すぐさま走り寄ろうとする康一。

今の犯人は、上着を持っていこうともたついている。

「待て!」

しかし、すぐさま承太郎が襟元を引っぱった。

「うっかり追って行くんじゃあない。 あのもたつき、どう見ても演技臭い」

すると承太郎は、店主の口内にあるスタンドを見る。

カチッ…カチッ…と、時計のような音が聞こえてきた。

「このスタンド……」

最後の音が、カチリと聞こえた瞬間、

「何かヤバい!」

「「え!?」」

その場でチュドォォォォォォォン!と爆発が起こった。

「うわぁぁぁぁ!」

「ぐっ!」

承太郎は二人を庇うように、爆風から背を向けたのである。





 爆風がおさまったが、店主の死体はその場から消滅していた。

「店主が!?」

驚くマギルゥであったが、この光景に康一は気付いた。

犯人は、爆弾のスタンド使いであると。

「爆弾だ……爆弾のスタンド! 重ちーくんは、あのスタンドに殺されたんだ! だから、死体を探しても見つからなかった!」

すると、犯人が立ち去る音が聞こえた。

「『』が逃げる!」

追い掛けようとする康一であったが、

「アレも追わなくても良い、康一くん」

「え?」

すぐに承太郎が追跡を中止させた。

「な、何を言ってるんですか! 追えば、『』の正体が分かるんですよ!」

抗議する康一であったが、承太郎はこう言ったのである。

「『注意深く観察しろ』……だぜ、康一くん」

「え?」

「何か分かったのか?」

首を傾げた二人に、承太郎は冷静に相手を分析した。

「上着の大きさから見て、持ち主の身長は175センチ前後なのが分かる。 職業は会社員で、結婚はしていない。 女房持ちなら、服の修復程度でこんな店には来ないはずだ。 そして結構、裕福な男とみた…。 年齢は25歳から35歳のあいだ。 生地とデザインから、あの上着はスカした高級ブランドとみた。 ヘタに追わなくても、これで犯人像がそうとう限定できる」

「(いや、ちょっと待て! 上着の大きさだけで、相手の特徴が分かったじゃと!? 目が良過ぎじゃろ!?)」

ネウロに匹敵する推理力で、犯人の特徴を良い当てた承太郎。

そんな彼に、エレノアは驚きを隠せない。

「な、成程。 ――って、でも!追わなくても良いって!? 鈴美れいみさんの言ってる殺人鬼なんですよ!?」

康一の意見は最もであるが、承太郎はこう言った。

というより、んだ。 何処かに、奴のスタンドが潜んでいる」

「え、見たんですか!?」

「いや、見ていない。 だが、何処かに潜んでいるはず。 ゆっくりと、ドアから外へ出るんだ」

「え? 『はず』? 見ていないのに、いる『はず』って、どういう事ですか?」

疑問を唱えた康一であったが、マギルゥがある事に気付いたのである。

「犯人が店主だけを殺して、儂等を残すとは思えない…。 ということは、儂等を確実に消すつもりじゃな?」

「そのとおりだ、マギルゥ。 ヤツは15年間も殺人を犯し続け、警察からも逃げのびている……そして、証拠は必ず消す。 そんな奴が、俺達を殺さないワケが無い。 いいかマギルゥ、康一くん。 観察しろというのは、ただ“見る”んじゃあなくて“観る”ことだ…。 “聞く”んじゃあなくて“聴く”ことだ。 でないと、これから死ぬ事になるぜ、二人とも」

冷静沈着な承太郎であるが、康一とマギルゥは心から思った。

「(ちょっと待てよぉ〜。 用心過ぎるんじゃあないかな!? 偉そうにいうけど、もしかして承太郎さん、僕のことを軽く見てるのかなぁ?)」

「(大体『スタンド』というのが儂には見えないんじゃよ! どうやって観察しろって言うんじゃ!?)」

小さな反抗心が芽生えながら、二人は承太郎の後を追う。

「本当にいるのかなぁ〜? もしいなかったら、マヌケですよ?」

しかし、その時であった。

『コッチヲ見ロ!』

ガバァツと、先程の爆弾スタンドが現れたのだ。

「ウワァァァァ! ホントにいたぁぁぁ!」

「えっ!?」

「ふ、触れたら爆発するぅ!」

絶体絶命に陥った康一であったが、まさにその時であった。

星の白金スタープラチナ!」

承太郎が、自身のスタンド『スタープラチナ』を発現させたのだ。






「オラァ!」

拳から繰り出す一撃が、爆弾スタンドを殴り飛ばした。

「オラオラオラオラオラオラオラオラァ!」

拳の連打を叩きこむスタープラチナであったが、爆弾スタンドは全く効いていなかった。

「んっ! こいつ、これだけ殴ったのに、けっこう硬いヤツだな」

「儂には見えませんけど、康一の危機は回避できたってことで良いんじゃな!?」

「そ、そうですけど、爆発するぅ〜!」

このままでは、スタンドが爆発を起こす。

しかし、その時であった。

「『スタープラチナ・ザ・ワールド』!」

承太郎が能力を解放した瞬間、彼以外の全ての『時間』が止まったのである。

これぞスタープラチナの能力、『時間停止』である。

「やれやれだぜ。 カッタルイことは嫌いなタチなんでな、このまま……ブチ壊させて貰うぜ!」

爆弾スタンドを軽く投げた瞬間、

「ウオォォォォ!」

凄まじい拳の連打を叩き込んだのだった。

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ……オラァ!」

最後の一撃と同時に、爆弾スタンドは床下へと撃ち落とされ、

「時は…動きだす」

同時に、時は動き始めたのだった。






「えっ? 何が起こったんじゃ!?」

若干驚くマギルゥとは逆で、康一は安心感を得る。

「やった! 時を止めたんですね! これなら、いくら触れても爆発されない!」

しかし、その時であった。

『コッチヲ見ロォォォ!』

爆弾スタンドがドギューン!と、床下から飛び上がったのだ。

コレを見た康一は、思わず叫んだのだった。

「ば、バカな!? スタープラチナのパワーでも破壊されない!? そんな『硬いスタンド』が!?」

これには承太郎も、冷や汗を流してしまう。

スタンドが見えないマギルゥも、二人の表情から攻撃が効いていないと察し、

「(もしかして儂、ここで命の危機ぃ〜!? ネウロぉ! 神父ぅ! 死んだら恨んでやるゥ!)」

この場にいないネウロと言峰に、恨み言を吐くのであった。

そして康一とエレノアに、承太郎は言ったのである。

「さがってろ、二人とも」






 その頃、店の外に出た吉良吉影は、

「この『吉良吉影』を探り回ってる者……必ず爆死させる。 我がスタンド『キラークイーン』の『シアーハートアタック』は、狙った獲物は必ず仕留める」

そう言って、そのまま立ち去ったのだった。


TO BE CONTINUED...


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■作者からのメッセージ
 中編『吉良吉影追跡編』です。

基本はJOJO視点です。

当麻「じゃあ、俺の出番なしか。 休むぞ〜」

白野「(なんだか楽しそう……)」
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