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学園都市Golden 第4話:戦い方は人それぞれ・そのA
作者:亀鳥虎龍   2018/12/15(土) 00:22公開   ID:iYcaOJsNR36
 前回のあらすじ。

坂本辰馬を狙う刺客達。

彼らを前に、銀時達の戦いが始まった。

ジョルノ、ベール、ベルベットのDチームは、直接対決でステイル=マグヌスを撃破。

白野、新八、雪泉、ブランのCチームは、クイズ対決でエレノア・ヒュームとマギルゥを撃破。

当麻、ライフィセット、ノワール、神楽のBチームは、ロクロウ・ランゲツ&アイゼンをスナック『かまっ倶楽部』へ誘導して撃破。

残るは、銀時、土御門、ネプテューヌ、坂本のAチーム。

果たして彼等は、神裂に勝てるのだろうか!?






―戦い方は人それぞれ・そのA―





「ヌオオオオオオ!」

全力疾走で、神裂から逃れようとする銀時。

「どどどど…どうしよう、銀ちゃん!」

「誰かぁぁぁ! 何か良い策を思いついた奴はいねぇか!?」

叫ぶ銀時に、坂本が答えた。

「心配ないぜよ、金時! ここは、わしの出番じゃ」

「はぁ!? 何言ってんのお前!?」

「今から、この街を武器にするんじゃ!」

「どうやって!?」

ネプテューヌが問うと、坂本はニヤリと笑う。

果たして、勝算はあるのか?






 銀時達を追いかけた神裂だが、彼等を見失ってしまう。

「くそっ! どこに!?」

辺りを見渡すが、まさにその時だ。

「ねーちーん! こっちぜよ!」

「っ!」

土御門の声がしたので、思わず振り返る。

「そこいましたか、土御門――」

しかしここで、彼女は固まってしまう。

何故なら、彼等はある店から顔を出していたのだ。

その店はなんと、ラブホテルであった。

「なななななななぁぁぁぁ!?」

生真面目な神裂は、これには顔を真っ赤に染めてしまう。

「どうした、ねーちん! 早く来るにゃー」

「ふざけるなぁぁぁ! 土御門! 貴方、私が入れないの分かってて言ってますよね!?」

「大丈夫大丈夫。 先っちょだけ入れとけば、何も問題ないぜよ」

「“先っちょ”とか言うんじゃねぇェェ! ブチのめされてぇのかぁぁぁ!」

相当頭に来たのか、口調がチンピラ並みに荒々しくなった神裂。

「成程、ラブホテルかぁ。 考えたのう、土御門」

「おうよ。 生真面目なねーちんなら、絶対に入れないと確信したからな」

勝利を掴んだと感じた土御門であったが、ネプテューヌが不安げな顔で問う。

「ねえ、ツッチー。 何でラブホテル?」

「そりゃ、決まってるぜよ。 このホテルを盾に、ねーちんと交渉するんだ」

「う〜ん……それは良いんだけど……」

「なんじゃ、嬢ちゃん。 言いたい事があるなら、ハッキリ言ってもよかぜよ」

坂本がそう言うと、ネプテューヌも決心した顔でこう言ったのだ。

「じゃあ、ハッキリ言うよ。 この状況さ…どう見ても……“恋人を寝取った相手が男だと知った女の人が、ホテルの前で怒り狂ってる”という、修羅場的シチュエーションにしか見えないんだけど」

「「……………えっ!?」」

コレを聞き、土御門と坂本は固まり、

「う、うん。 どう見たってそんな感じだよね?」

扉付近の壁に背を預けていた銀時も、苦笑しながらも同意だった。

実際に窓の外では、凄い光景になっている。

「土御門ぉぉぉぉ! 坂本辰馬ぁぁぁ! 出て来いぃぃぃぃ!」

二人の名前を叫ぶ神裂の姿は、周りの注目を集めていた。

「なにアレ、なんなの?」

「まさか、恋人が浮気?」

「ヤダ〜」

「ママ〜、あのお姉ちゃん……」

「見てはいけません!」

「「………」」

これには土御門も坂本も、滝の様な冷や汗を流し、

「「逃げるぜよ!」」

「えぇぇぇ!?」

「ですよね〜」

すぐさま部屋を出たのだった。






 ホテルから土御門達が現れ、神裂も彼等を睨む。

「ようやく出てきましたか――」

しかし本人達は、そのまま彼女をスルーして走り去る。

「なっ!? 待ちなさい!」

勿論、彼女も追いかけるのであった。

この光景を見て、街の人々はこう思う。

「(な、何だったんだ?)」






「土御門! おまんがあそこが良いって言ったから、ワシも同意したんじゃ! でもネプちゃんのツッコミが無かったら、ワシはおまんといかがわしい関係になるところじゃったわ!」

「ふざけんじゃねぇ! まず、アンタも違和感持てよ!」

ラブホテルで交渉するという作戦が失敗し、土御門と坂本は口論になる。

「――ったく、お前等。 その辺にしねぇと、あの姉ちゃんに見つかっちまうぞ」

「全くもって、その通りですね」

しかし既に、神裂に追いつかれてしまった。

「今度こそは、絶対に逃がしませんよ!」

先程の怒りが原因か、完全に殺意を放っている神裂。

コレを見た土御門は、何かを思いついた。

「ま、待ったねーちん!分かった、辰馬っさんをやる!」

「……今なんと?」

「辰馬っさんを渡すって、言ったんだ。 ただし、条件付きでな」

「条件?」

どうやら彼は、神裂に条件を呑んで貰い、その上で坂本を渡すようだ。

「………アナタが何を企んでるかが分かりませんが、一応聞きましょう」

「銀ちゃんと、一騎打ちをして貰うぜよ」

「………えっ?」

「えぇぇぇぇぇぇ!?」

何故か自分を条件に使われた銀時は、その場で叫ぶしかなかった。






 場所は移り、とある道路にて……、

「それで、僕等が集められたってワケか…」

話しを聞いたステイルは、不機嫌ながら一服する。

ジョルノにやられたせいか、顔面は痣だらけになっていた。

「ま、まあ…本人達も、坂本さんを渡すと言ってますし…。 向こうの条件を飲みましょう」

「エレノア。 無理に慰めようとするのは、帰って良くないぞ」

「マギルゥの言うとおりだ、エレノア」

「俺達なんか、オカマ軍団に襲われたんだぞ……」

体中にキスマークが着けられ、服もはだけた状態のロクロウとアイゼン。

「今でも思いだす…連中のアツいディープキッス……」

「スボンを脱がされ、連中の手にはカメラ…」

「まさに…」

「あれは…」

「「地獄そのものだった」」

「何があったんですか……」

滝の様な涙を流した二人に、エレノアは顔を引きつってしまう。

「まあ、ボコボコにされるよりは、まだ良いんじゃない?」

ベルベットがジト目で眺めるが、アイゼンがその場で叫んだ。

「それ以前に、ベルベット! 何で、お前がいるんだ!? あの時お前は、カノヌシと共に……」

「悪いけど、その話は今度にしてくれない?」

「僕も、その方が助かるんだけど」

ライフィセットも落ち着かせようとするが、今度はエレノアが叫ぶ。

「そうです! 何でライフィセットがいるんですか!? 身長も170センチ以上も伸びてますし!」

「その話は今度で」

「出来ませんから!」

「あの…できれば、静かにしてくれないでしょうか?」

ジョルノが呟くと、全員がすぐさま口を紡いだ。

「そんじゃ、勝負の内容を説明する」

そう言うと、土御門がルールを説明した。

「勝負は一対一のガチンコ勝負。 先に相手を倒すか、降参させた方が勝ちだ。 もし、ねーちんが勝ったら、辰馬っさんを引き渡す」

「分かりました」

「ただし、銀ちゃんが勝った場合は……」

すると彼は、どこから持って来たのか、

「ねーちんにこの、“堕天使エロメイド・エクスタシーVr”を来て貰うにゃー!」

明らかに布の面積が少なめのメイド服を着せたマネキンを置いたのだ。

「なぁぁぁぁぁぁ!?」

コレを見た神裂は、驚愕の顔を隠しきれなかった。






「待ちなさい、土御門! これはどういうつもりですか!?」

激怒した神裂に、土御門はシレっと答える。

「な〜〜〜に言ってんだ、ねーちん。 俺等は負けたら、辰馬っさんをおたくらに渡すというデメリットを払う事になるんだぜぃ? そっちにもデメリットが無いと、対等とはいかねぇだろ?」

「た、確かにそうですが……」

「それにな、ねーちん……」

ニヤリと笑い、土御門は堂々と叫んだ。

「俺がそう簡単に、辰馬っさんを引き渡すとでも思ったかぁぁぁ!」

「そうでした畜生ぉぉぉぉ!」

この時、神裂は気付くべきであった。

土御門の要求に、何かの裏がある事を……。

「あの〜……始めてくれない?」

「うっ…。 そうでした」

正面を向き合い、銀時と神裂は構える。

「それじゃ、勝負……始め!」

そして二人は、正面からぶつかったのだった。






 愛刀の『七天七刀』を、素早い抜刀で放つ神裂。

コレに対して銀時は、腰の木刀で防ぐ。

「くっ!」

「流石ですね。 あの時から、アナタは只者ではないとは思っていましたが」

「そうかい。 そいつは、嬉しいじゃねぇか」

高速で刃をぶつけ合い、その影響で余波が放たれる。

「す、すげぇ…」

「銀さんて、あんなに強かったんだ!?」

「まさか、ここまでやるとは……」

この光景に、当麻達も驚きを隠せない。

鍔迫り合いを始めたが、二人はすぐさま後ろへと跳ぶ。

そんな中、神裂はこんな事を問う。

「驚きました。 貴方がここまでお強いとは…。 しかし、分かりません。 何故、坂本辰馬の手助けを?」

「俺だって、好きでやってるワケじゃねぇよ。 アイツは馬鹿だし、人の名前を覚えてねぇし、頭は空っぽだし、馬鹿だし……」

「あの…今、二回も“馬鹿”って言いませんでした?」

「それでも、辰馬は昔の馴染みなんだよ」

木刀を肩に置きながら、銀時は呆れながら答える。

「成程、友人を見捨てられないという事ですか」

「……まあ、アンタの解釈で言うなら、そうかもな」

「分かりました。 一応名前を聞いても?」

「万事屋の坂田銀時だ」

「神裂火織です。 では……」

刃を納めると、神裂は抜刀術の構えを取り、

Salvere000救われぬ者に救いの手を!」

ある言葉を口にしたのだ。

「っ!? 魔法名だと!? 神裂、何を考えてる!?」

「例え嫌いな相手であろうと、友人を護らんとする彼への礼儀です。 手を抜く事自体が、失礼です」

本気を見せようとする神裂に対し、銀時は木刀を構え、

「いいぜ、来いよ。 てめーの額に、一発ブチこんでやらぁ」

「いざ!」

地を蹴り、真っ向から突進する神裂。

「唯閃!」

彼女の最強の技が、銀時に迫ったのだった。






「はぁぁぁぁ!」

神裂が迫って来る中、銀時は木刀を構える。

「来やがれ…」

鞘から抜かれた刃が、彼に向けられ、

「おらぁ!」

二人はすれ違い様に刃を振るい、そのまま背中を向けた。

しかし、銀時の左肩から血が噴き出し、

「銀さん!!」

新八達が、彼の身を案じる。

「お見事です、坂田銀時。 ですが、私の勝ちで――」

ゆっくりと後ろを振り返った神裂だったが、彼女は驚愕してしまう。

そこには、坂田銀時が立っていた。

左肩から血が流れているが、余裕の笑みを見せている。

「どうした? 俺が立ってるのが、そんなにおかしいか?」

「(バカな!? なぜ、唯閃を受けて――!?)」

構えようとした神裂であったが、妙に刀が軽い事に気付く。

「まさか!?」という顔をしながら、彼女は七天七刀に目を向けたが、

「(なっ!? と、刀身が!?)」

刀身が見事に折れていたのだ。

「(まさか!? あの時既に!?)」

すれ違いの時に折られた事に気付くが、それは既に遅かった。

「言っただろ? てめーの額に、一発ブチ込んでやるってよ」

自身を睨む銀時を見て、神裂は恐怖を感じたが、

「これで、しめぇだぁぁぁぁ!」

宣言通り、放たれた一撃が額に命中し、

「(強い…これほどの者が、学園都市にいたなんて……)」

彼女の意識は、その場で途切れたのである。






「ん…う……」

神裂が目を覚ますと、銀時がイチゴ牛乳を口に付けていた。

「よう、目が覚めたか」

「……ええ。 まさか、負けるとは思いませんでした」

「うん。 実は俺も、勝てるとは思わなかった」

「ところで……」

そんな中、神裂は彼の背後を見ると、

「何故、土御門はああなってるんですか?」

ボコボコにされた土御門が、十字架に張り付けられていたのだ。

「ああ、アレか? 俺とアンタが戦ってる間、逃げようとしてたらしいぞ」

「なっ!?」

「んで、ウチの神楽に見つかって、容赦なくボコボコにされたんだけどな」

「磔にする必要はなかったんじゃ?」

「オメェだって、アイツに色々からかわれたんだろ? いい気味だとは思わねぇか?」

「それは………少し思います」

「だろ?」

これまでの事を思い出し、ポツリと本音が出てしまう。

「銀ちゃん、コレはどうするアルか?」

そう言って神楽は、例のメイド服を手に取る。

コレを見て、銀時はニヤリと笑う。

「神楽、土御門を放してやれ。 あと、辰馬を連れて来い」

「どうするアルか?」

「アイツ等に着せて、写メを激写してやる」

「ふっ、銀ちゃんも悪よのぉ〜」

「いえいえ、それほどでは」

悪徳奉行のようなやり取りをしながら、銀時と神楽は意地悪な笑みを浮かべる。

「(自業自得とはいえ、ちょっとだけ同情しますね)」

この光景に、神裂は顔を引きつるのであった。






 メイド服を着せられたまま縛られ、土御門と坂本は銀時達に睨まれる。

「んで、お前等。 何でアイツ等に狙われてたんだ?」

銀時に問われるが、土御門も坂本も言葉を濁す。

「な、何のことかにゃぁ〜」

「全然分からんぜよ。 アハハハハ!」

「そうか……なら仕方ねぇ。 神楽ぁ、準備はいいか?」

「了解アル」

神楽は金属バットを手に持っており、悪人顔負けの笑みを見せる。

すると今度は、新八が坂本の身体を抱えると、

「いくアルよ!」

バットを構えた神楽は、視線を坂本のお尻に向けた。

「えっ? お嬢ちゃん、何する気じゃ? 冗談じゃ済ませんぞ?」

流石の坂本も、顔を青ざめてしまうが、

「ほわちゃぁぁぁぁぁ!」

豪快なスイングが、お尻へと放たれたのだ。

「あぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

バチィーン!という音が響き、同時に絶叫が響く。

流石に神裂やステイル達も、思わず顔を青ざめてしまう。

「うわ〜……痛そうじゃ」

「自業自得…と、言っても良いのか?」

「同情しそうですね」

「流石に、止めるべきでしょうか?」

「よせ、神裂。 あれは当然の報いだ」

コレを見た土御門は、顔を真っ青にしてしまい、

「よーし、次は土御門君の番だ。 神楽大佐、志村少佐、準備は宜しいかね?」

「「オーケー、我が命に変えても」」

何時の間にか軍事の格好になった万事屋トリオに、すぐさま視線を向ける。

「待った! 待った銀さん! 教える! 教えるから待ってくれ!!」

ようやく口を割ろうとした土御門であったが、それも既に遅かった。

「ん? ジョルノ、何それ?」

ジョルノが何かのケースを持っており、当麻がそれを問う。

「ああ、コレ? 土御門と坂本さんが、散々探させた“探し物”です」

「え、マジで? どこにあった?」

「普通に、土御門の部屋にありましたよ。 玄関の靴置き場」

「………え?」

「簡単な事ですよ。 “落とし物を探す”という事は、未知の何処かに『ある』ということ。 他人の家に『ある』という事を隠すための嘘ですよ」

「…………」

一斉に視線を向けた銀時達に、土御門は背筋を凍らせてしまった。

「鍵はちゃんと掛けるべきですよ」

不敵な笑みを見せるジョルノであったが、土御門は内心で焦ってしまう。

「(いや、おかしい!? あんとき、ちゃんと鍵は掛けた筈だ! ちゃんと戸締りもした! どういうことだ!?)」

彼は知らなかった…。

ジョルノに一度、ズボンのポケットに入れた鍵を掏られていた事を――。

そしてケースの回収後、ジョルノに鍵をポケットに戻されていた事を――。

「どうぞ」

「感謝します」

受け取った神裂は、すぐさまケースを開けたのだ。






 ケースの中には、一枚の不気味な仮面が入っていた。

石造りになっており、口元には牙の様なものが付いている。

「なんだ、この仮面?」

当麻が問うと、ステイルが煙草を吸いながら答えた。

「コイツは、被った者を吸血鬼に変える、『石仮面』だ」

「吸血鬼に!?」

「私達の目的は、この仮面を破壊する事です。 ですが、坂本辰馬の勤めている貿易会社の元へと渡っていると聞き、それを追って来たんです」

「坂本さんを追って来たのは、それが理由だったのか…。 でもよ、どうやって被った奴を吸血鬼に出来るんだ?」

首を傾げる当麻であったが、土御門がそれに答える。

「にゃー。 それが、俺らでも全く知らないんだぜい。 そこで、禁書目録の記憶にある魔道書から情報をお借りしようと思ったんだぜい」

「だったら、神裂たちにそう言えばいいじゃねぇか?」

「とにかく、仮面の構造さえ分かれば――」

「その必要はないですよ」

「えっ?」

仮面の構造を知ろうとした土御門であったが、ジョルノが口を挟んだ。

彼は人さし指をガリッと噛み切ると、傷口から出た血を仮面に垂らす。

血が付着した瞬間、石仮面の内側から、針の様なものが出現したのだ。

「!?」

これには一同は驚きを隠せず、逆にジョルノは冷静であった。

「血を浴びた石仮面は、この『骨針』を突き刺して装着者の脳を刺激し、不老不死の吸血鬼にするんです」

彼は神裂の元へ歩み寄ると、彼女に声をかける。

「ここからは、アナタ方の仕事です。 仮面の破壊、お願いできますか?」

「えっ!?」

「いや、“えっ!?”じゃないです。 仮面の破壊が目的じゃあないんですか?」

「あ、はい! そうでした!」

我に返った神裂は石仮面を地面に置き、その場で粉々に破壊したのだった。






 こうして、事件は無事に解決した。

「んじゃ、俺等は帰ぇるわ。 その前に辰馬」

「ん、なんじゃ?」

「俺等を散々振りまわした罰だ。 ファミレスのメシ代は、オメェが持って貰うぜ」

「あっ、それ良いですね」

「キャッホー! たくさん食べるアル!」

万事屋トリオは、坂本を連れてファミレスへ向かう。

「じゃあ、私も帰るね」

白野もそう言って、寮へと戻る。

そんな中、神裂はネプテューヌ達に目を向ける。

「え〜と、どうしたの?」

「いえ…アナタ方が、土御門から聞いた、異界の女神なのでしょうか?」

「ネプっ!? ツッチー、私達の事、話してたの!?」

「まあ、いずれバレると思ったけど…」

「流石に、こんなに早く知られるとは…」

「予想外ですわ」

自分達の事が知られ、女神たちは動揺してしまうが、

「心配しないでください。 アナタ方の事は伏せておきますので」

「ホントっ!?」

神裂の気遣いで、他の者から知られる必要もなかった。

「それと……」

そのまま彼女は、ベルベットへと視線を向ける。

「ベルベット・クラウ、ランサー達から聞いています。 貴方が災禍の顕主だと…。 勿論、そのライフィセットという少年が、聖主マオテラスというのも…」

「…だったら? ここでアタシを倒すの?」

「まさか。 むしろ、実際に会って確認出来ました。 今のアナタは、災禍の顕主でもなんでもない。 ただの、一人の少年に恋焦がれる少女だと」

「………////」

その言葉に対し、ベルベットは若干顔が赤くなる。

神裂は一瞬、ライフィセットに視線を向けるが、彼も小さな笑みを見せていた。

すると、ステイルがこんな事を言ったのだ。

「じゃあ……やっぱりあの話はデマだったのか」

「デマ?」

「前にキャスターが、キミの事を……「10歳前の少年を性的に好む変態女」と言っていたんでね…。 いや、失敬。 どうやら、僕の思い違いだった」

「……ふーーーん」

コレを聞いたベルベットは、背中を向けるマギルゥに視線を向ける。

彼女の顔は真っ青に染まっており、その場から逃げようとしていた。

「マギルゥ〜〜〜」

「っ!?」

しかし、それも無意味に終わる。

デビルイーターを発現させたベルベットに、その場で捕まってしまったのだ。

「誰が……“10歳前の少年を性的に好む変態女”ですって?」

「ま、待て! 左腕で掴むのはなしじゃ! というか痛い!」

「丁度、スタンドのパワーを確かめる実験台が欲しかったのよね。 試させて貰うわ、アンタの頭で」

「うぎゃぁぁぁぁぁ!」

左腕の握力が強まっていき、マギルゥは痛みで涙目になっていく。

この光景を前に、誰もが内心で「自業自得だな…」と呟いたのである。






 当麻達と別れ、学園都市を後にするステイル達。

彼等は思わず、こんな話をしたのだ。

「神裂、キミはどう思ってる?」

「何がです?」

「ジョルノ・ジョバァーナだよ」

ジョルノの話を始めた途端、ステイルは険しい顔を見せる。

「彼が何か?」

「まだ分からないのかい? アイツは普通じゃない。 あの石仮面の情報を知っていた。 まるで、既に知っていたような言動だった」

「……確かに。 不思議な少年だとは思いました」

「それだけじゃない。 学園都市の人間のクセに、魔術の知識も多少だが豊富だった」

「何が言いたいんですか?」

「アイツには、僕等も知らない何かを隠している。 勿論その“何か”は、上条当麻も知らない筈だ」

「彼ですら知らない“何か”…ですか?」

「ああ。 アイツはなんというか、常に『覚悟』している。 相手の命を奪い、その罪の十字架を背負う……。 そういう生き方を、常に『覚悟』している奴だった」

実際に戦ったステイルは、ジョルノの恐ろしさを嫌というほど知っていた。

故に、彼が普通の少年でないと感じたのだ。

それを聞いて、神裂も内心で呟く。

「(確かに、あの石仮面の情報を、彼は当然のように知っていた。 しかし、自分で破壊すれば良いのに、何故私に破壊を頼んだ? 彼には、あの仮面に触れられない理由があるのでしょうか? ですが……)」

「神裂、どうしたんだい?」

「いえ…何でもないです」

「そうかい。 ところで、一つ良いかい?」

「何でしょうか?」

「キミはどう思った?」

「というと?」

「キミから見て、ジョルノ・ジョバァーナはどんな奴だった?」

ステイルが問うと、神裂は少し考えてから答えた。

「そうですね。 彼が普通の少年でないという事は、私も同意です。 ですが、それ以前に……」

「それ以前に……なんだい?」

「なんというか………爽やかなかたでした。 初めて会ってなんですが」

彼には謎が多いが、彼女にとってのジョルノの印象はそれだけだった。

どういうワケか、彼には人を惹き付ける魅力がある。

言葉を交わすだけで心が安らぎを得たり、勇気が湧いてしまう。

ジョルノ・ジョバァーナには、それだけの好印象を感じられるのだ。

それだけ分かれば十分――今の神裂には、それだけで満足であった。

一方のステイルは、煙草を咥えながら、

「爽やか…ね。 確かにそれは同意だが、何だか納得いかないな」

それだけを呟いたのである。

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