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学園都市Golden 第5話:周囲にとってはどうでもいいが、本人取っては重要
作者:亀鳥虎龍   2018/12/18(火) 17:56公開   ID:SITQgi7z/cc
 当麻達が神裂やステイルと揉めていた同時刻。

「キャァァァァ!」

一人の少女が、謎の怪物に襲われていた。

少女は死を覚悟したが、まさにその時だである。

「ちょっと待った!」

何者かが現れ、怪物の行く手を阻む。

その人物は、マスクで正体を隠し、

《ボルテッククラッシュ!》

「グギャァァァ!」

苦戦する事なく、怪物を撃破したのだ。

最後はバイクに跨ると、その場を走り去った。

その活躍を見た人々は、“彼”の事をこう呼んでいる。

仮面ライダーと――。






―周囲にとってはどうでもいいが、本人取っては重要―





 上条当麻は現在、ネプテューヌ達と街に出ていた。

理由は、彼女達の日用品を買う為だ。

その中には、ジョルノや白野達も同行していた。

「というか、ジョルノや岸波も来る必要があるのか?」 

「暇ですから」

「ヒマだから」

「あっそ」

デパートに向かう中、当麻達はある人物に遭遇する。

「あれ、御坂じゃん」

「あっ」

茶髪に整った顔立ち、学生服を見に着けた少女。

彼女の名は御坂美琴。

第7学区にあるお嬢様学校『常盤台中学校』の生徒で、能力は『電撃使いエレクトロマスター』。

そして学園都市に七人しかいないと言われる『超能力者レベル5』の一人で、『超電磁砲レールガン』の異名を持つ。

「お前も買い物か?」

「そうだけど……見ない顔もいるのね」

「あ、ああ。 ウチの学校に転校したんだ」

御坂はネプテューヌ達に視線を向け、彼女達もそれに反応する。

「ネプテューヌだよ」

「ノワールよ」

「…ブランよ」

「ベールですわ」

「御坂美琴よ。 宜しく」

すると、その時である。

「お姉様〜〜!」

「ひゃっ!」

ツインテールの少女が、背後から御坂へと抱きついた。






「いきなりなにすんのよ!」

「あ〜ん♪」

御坂の電撃を喰らい、少女はビリビリにされる。

しかし満足な笑みを見せていた。

「え〜と、当麻。 あの子は?」

「ああ。 御坂と同じ学校の女子で、白井黒子っていうんだ」

「ん? 見かけない方々ですわね」

ネプテューヌ達に気付いた黒子も、彼女達に視線を向ける。

「ネプテューヌだよ」

「ノワールよ」

「…ブランよ」

「ベールですわ」

「白井黒子ですわ――」

しかし黒子は、ベールの姿に硬直してしまう。

「……? あの〜、白井さん?」

誰もが首を傾げるが、黒子はいきなりベールの手を掴む。

「あ、あの! ベールさん!」

「あ、はい」

「もしよければ! ベールさんの事……“ベールお姉様”とお呼びしても!?」

「えぇぇ!?」

突然の『お姉様宣言』に、当麻は驚きを隠せない。

これには御坂も、すぐさま咎めようとしたが、

「ちょっと、黒子! 流石に初対面の相手に失礼でしょ――」

「喜んで!」

「良いんかい!」

ベール自身もその気満々であった。






 デパートで買い物をするが、御坂と黒子も同行していた。

「お前等も来るのか?」

「私は良かったんだけど、黒子がどうしてもって」

「何を言ってますの、お姉様。 ベールお姉様とお買いものなんて、そう簡単には出来ませんわよ」

「良し良ければ、一緒に店内を回りませんか?」

「喜んで!」

完全にウマが合ったのか、ベールと黒子は見事な姉妹の様な関係になっている。

そんな中、黒子の携帯電話が鳴り始めた。

「はい、もしもし」

『あ、白井さん。 初春です』

黒子は電話に出ると、電話の相手は叫ぶ。

『お取り込み中にすみません。 実は風紀委員ジャッジメント警備員アンチスキル、そして真選組に緊急招集が掛かりました。 すぐに来て下さい』

「分かりましたわ。 場所は?」

『天空学園の視聴室です。 松平先生が待っています』

「分かりましたわ。 お姉様、申し訳ありませんが、わたくしは失礼します」

「あ、うん。 いってらっしゃい」

「では!」

すると黒子は、その場か消えたのだった。

「消えた!?」

瞬間移動テレポートだよ。 アレが白井の能力なんだ」

「そ、そうだったんだ」

「天空学園に向かったみたいだけど」

「行ってみよう!」

ネプテューヌがそう言うと、当麻は「えっ?」という顔になる。

「あの、ネプテューヌさん。 本気?」

「本気だよ。 それじゃあ、レッツ・ゴー!」

「何でそうなる……」

「諦めて、当麻。 あの子はあんな感じなの」

「不幸だ」

こうして当麻達は、天空学園へと向かった。






 天空学園の門前には、複数の車が停まっていた。

「何じゃこりゃ!?」

「何が起こってんのよ!?」

当麻も御坂も、これには驚愕を隠せない。

すると、ベルベットとライフィセットが現れる。

「当麻に美琴…」

「あっ、ベルベット先輩」

「ベルベットさん」

「アンタ達もコレを見に来てんの?」

「やっぱ、先輩もか」

「買い物の途中で、車がたくさん移動してたの見たから…」

「それが気になって来たら…」

「まあ、普通はそうですね」

誰もがこの光景に、首を傾げてしまう。

そんな中、白野は雪泉を見つける。

「雪泉!」

「白野さん!? それに当麻さんやジョルノさん達まで…」

「なあ、これってどうなってんだ?」

「実は私も、詳しくは分からないのです。 風紀委員ジャッジメントの方に聞こうと思ったのですが……」

誰もが困惑する中、誰かが声をかけた。

「おい、そこで何してるんだ?」

その声に反応し、当麻達はすぐさま振り向く。

黒い髪に黒い制服姿の男が経っていた。

彼の名は土方十四郎。

学園都市の治安組織『真選組』の副局長を務めている。

「土方さん…」

「いや、これって何の騒ぎかなって思って…」

当麻達に問われ、土方は煙草を咥えながら答えた。

「ああ、アレか…。 松平のとっつぁんからの緊急招集だ」

土方が“とっつぁん”と呼ぶ人物の名は松平片栗虎。

学園都市の『外』で、警察庁長官を務めた人物。

その功績を活かし、当時チンピラ同然だった土方達を拾い、今の真選組を作った張本人。

現在は外部組織とのパイプ役として、治安組織の本部長を任されている。

勿論本人も、教師で構成された治安組織『警備員アンチスキル』に所属している。

「何があったんだよ?」

「そいつは言えん。 ここからは治安組織である俺等の仕事だ」

「まあ、緊急招集が掛かるほどですからね」

「そういう事だ。 お前等は早く帰れ」

無愛想に追い払おうとする土方であったが、彼の元へ一人の男が現れた。

「どうした、トシ? 早く視聴室へ向かうぞ」

土方と同じ制服を纏い、彼より年齢はやや高めでガタイの良い。

この男を見たネプテューヌ達は、驚きを隠せなかった。

「ネプっ!? ゴリラ!?」

「ゴリラが…二足歩行で……」

「更に服を着て……」

「人語を話していますわ!?」

「違うからね! ゴリラって言われるけど! 俺、立派な人間だからね!!」

思わずゴリラと間違えられ、男は涙目で訴える。

彼の名は近藤勲。

真選組の局長を務めるが、何故かゴリラと間違えられる事が多い。

「近藤さん」

「おう、当麻くんに雪泉くん達じゃないか。 どうした?」

「いや、この集まりが何のなのかが気になってな」

この問いに対し、近藤は深く考えると、

「分かった。 教えるとしよう」

ハッキリとそう言ったのだ。

「近藤さん!?」

「良いじゃないか、トシ。 もしかすると、治安組織の俺達だけじゃ、対処できない事もある。 時には、一般人の助力ちからを借りなければならん事もあるだろう?」

「……ハァ。 分かったよ、アンタに従う」

土方は仕方ないという顔になったが、近藤は召集の理由を説明した。

「実はとっつぁんから、この街最大の事件が起きると言われたんだ」

「最大の事件!?」

「詳しい事は、視聴室で話すと言ってくれた。 ついてきてくれ」

こうして当麻達は、近藤と共に視聴室へ向かったのである。







 天空学園の視聴室。

そこには、学園都市を守る各治安組織が集まっていた。

「いいかオメェ等! コイツは学園都市最大の大事件だ!」

見るからにおっかない顔をしたオッサンが、教卓を強く叩きながら叫んだ。

彼こそが、警察庁長官で全治安組織の本部長『松平片栗虎』である。

「それでとっつぁん! 街中の風紀委員ジャッジメント警備員アンチスキルを全員集めるほどの大事件ってのは一体何なんだ?」

近藤が叫ぶと、松平がこう答えた。

「分からねぇのか近藤? ついに“奴”が動きだしたんだよ……」

「!?」

その言葉に近藤は、思わず反応してしまう。

「ほ、ホントかとっつぁん!?」

「ああ。 俺独自のルートで、情報を手に入れた」

「本部長のアンタの言葉なら、信憑性はあるみたいだな」

そう言って、土方も納得しながら腕を組む。

「“奴”も目的地は、第15学区の遊園地『サンライトパーク』だ。 奴はそこで、大きなテロ事件を起こそうとしている」

「「「!?」」」

それを聞いた各治安組織のメンバーは、驚きを隠せなかった。

「それで!? 奴は何時いつ、テロを起こすつもりなんだ」

「明日の…午前8時45分だ」

それを聞いた一同は、目を大きく目開き、

「いいかお前等! 明日の午前8時にサンライトパークに集合だ!」

「「「「はい!」」」」







 各治安組織の面々が、視聴室を後にするが、

「トシ…一つだけ確認したい事がある」

「何だ?」

近藤だけはその場に残り、一緒にいる土方に問うのだった。

「…………“奴”って誰かな?」

「いや、知らねぇのかよぉぉぉ!?」

どうやら相手の正体も知らずに、話しが進んでしまったようだ。

流石の土方も、室内に響くほどのツッコミを入れてしまい、

「……うわぁ〜」

このやり取りに当麻達も、唖然とするしかなかった。






 翌朝、午前8時丁度。

「ここがサンライトパーク…」

「ホントにテロリストがいるのかしら?」

門前の茂みには、各治安組織の人々が待機していた。

「ねえ、当麻。 この遊園地って、そんなに有名?」

「俺は行った事ないから分かんねぇけど、外部から来た金持ちとか政治家の家族がお忍びで来るらしいぞ?」

「成程。 テロリストが来るのも分かるわ」

当麻の説明を聞き、ノワールは納得するが、

「僕もそれは聞いてます。 ですので、警備システムの方も相当なものだそうです。 確か……重火器やレーザー銃を搭載した警備ロボや学園都市製の最新兵器、おまけに戦車や戦闘機まで置いてある要塞級の遊園地とか…」

「……遊園地に何を求めてるのよ…」

ジョルノがそう言うと、内心で「どんな遊園地だよ!?」とツッコミを入れてしまう。

誰もが沈黙であったが、ここで近藤があるものを目にした。

「あっ、アレは!」

それは可愛らしい和服を身につけた、栗色のショートカットの少女。

「栗子ちゃんじゃねぇか!?」

「知り合い?」

ブランが尋ねると、栗色の髪の少年『沖田総悟』が代わりに答えた。

因みに彼は、真選組の一番隊隊長である。

「知り合いも何も、とっつぁんの娘でさぁ」

「あの方がですの!?」

その言葉に反応したのは、以外にも黒子であった。

当然の反応だ。

あんな可愛らしい少女が、松平のような男の愛娘という事自体があり得ない。

「ま、まさかとっつぁん! “奴”は栗子ちゃんを狙って!?」

「流石だ、近藤。 その通りだぜ」

全員がゴクリと唾を飲むが、まさにその時である。

「“奴”だ! “奴”が来やがった!!」

『!?』

松平の言葉に、全員がすぐさま構えた。

そして、相手が姿を現したのである。

「よう、栗子。 待ったか?」






「よう、栗子。 待ったか?」

浅黒い肌にサングラス、如何にもチャラチャラした格好の青年が現れる。

「いいえ、七兵衛様。 私も丁度来たところですわ」

「悪いな。 実は電車がさぁ……」

そのまま門の方へと向かう二人であったが、

「ヤロウ…ふざけやがって……。 栗子はお前の為に、一時間も待ってたんだぞ?」

松平がライフル銃を構えながら、スコープで七兵衛を狙っていた。

「どうしてくれる。 俺が手塩を掛けて育てた娘の命を、一時間も無駄にしたんだぞ? テメェの命できっちり、償って貰おうか? おい誰か、ちょいと土台になれ――」

「待たんかいぃぃぃぃ!」

「お待ちなさぁぁぁい!」

しかし同時に、土方と黒子のかかと落としがヒットした。

「イッテっ! 何しやがんだ!?」

「そりゃこっちの台詞だとっつぁん!」

「なんですの、あの三下を絵に描いたようなチンピラ男は!? あの方の何処にテロリストの要素が入ってるのですの!?」

「どう見たってテロリストだろうが! 巧みな話術で、俺の娘を誑かしてデートに誘った! コイツをテロリストと呼ばずになんて呼ぶんだ!」

それを聞いた土方は、状況を把握できたのである。

「つまり“奴”ってアレか!? 娘の彼氏ぃ!?」

「彼氏じゃねぇ! あんなチャラ男、パパは絶対に認めねぇよ!」

「やかましいわ! 俺もアンタが治安組織の本部長だって認めねぇよ! 大体アンタ、独自のルートで情報を得たんじゃなかったのかよ!?」

「勿論得たぞ! 栗子がヤロウと電話してるところをこっそりとな!」

「ただの盗み聞きじゃねぇか! オメェを信じた奴等の信頼をすぐに返せ!」

「冗談じゃありませんわ! テロリスト事件だと聞いたのに、実際は“ご息女のデートを邪魔しろ”ですか!?」

「やってらんねぇ、帰る」

「全くですわ」

呆れた土方と黒子は、その場から帰ろうとしたが、

「おい待て、誰がそんな事頼んだ?」

「「はっ?」」

「俺はただ、あの男を抹殺して欲しいだけだ」

「もっとできるかぁ!」

「大体、どうして抹殺に繋がるんですの!?」

とんでもない台詞を吐いた松平に、二人はすぐさまツッコミを入れた。

「あんなチャラ男が、栗子を幸せにできると思うか? 俺だって、娘が好きになった奴は認めてやりてぇよ? だから色々悩んで考えた、そして抹殺という結論に……」

「色々考え過ぎだろ!? マフィアかテメェは!?」

「なに言ってんだトシ? 警察もマフィアも似たようなもんだろうがよ?」

「本部長と思えない台詞が出てきましたわ。 全国の警察組織の方々を敵に回しましたわよ?」

黒子は松平の親バカっぷりに呆れ、土方は近藤の助け船を借りようとする。

「なあ、近藤さん。 この親バカに何か言ってやってくれ」

しかしここで、彼の期待は大きく裏切られてしまう。

「誰が近藤だ? 殺し屋“ゴリラ13サーティーン”と呼べ」

サングラスを掛けた近藤が、ライフル銃を構えていたのだ。

「なにしてんだよアンタ? つーか、13サーティーンて何だよ?」

「何故にゴ○ゴ13なんですの?」

土方と黒子のツッコミを無視し、近藤は松平の隣に立つ。

「とつぁん、俺も手伝うぜ! 俺は男のクセして、チャラチャラした軟弱野郎が大っ嫌いなんだ!」

「近藤……」

「実の妹のように可愛がっていた栗子ちゃんを、あんな男にやれん! いくぜ、とっつぁん!」

「おう!」

「って、おい!」

土方が制止を聞かず、近藤と松平はすぐに出動した。

「ヤベェな。 マジでやりかねねぇぞ……白井、他の奴等に帰るように言っといてくれ。 あの二人は俺がシバいておく」

「了解しました」

土方は黒子に皆の撤退を促し、沖田の方へと視線を向ける。

「総悟、止めにいくぞ」

「誰が総悟でぇ」

「へ?」

「俺は殺し屋“総悟13サーティーン”」

そう言って彼も、すぐさま出動した。

「うおぉぉぉぉい!」

「面白そうだから行ってきやぁ〜す」

この光景に、当麻達は呆れてしまうが、

「手ぇ、貸そうか?」

「……スマネェ、助かる」

土方に協力する事にしたのである。







 近藤達を止める為、当麻達はサンライトパークへと向かおうとする。

「……ん?」

彼等はそこで、奇妙な男子達を目撃した。

双眼鏡を手にしており、視線をある二人へと向ける。

それはベルベットとライフセットだ。

元々風紀委員ジャッジメントにも属していないので、普通なら気にも留めないが…、

「あんな美人と遊園地デート……」

「ライフィセット…許しまじ……」

「リア充撲滅リア充撲滅…」

「あれも、なんとかしないとですね」

「……だな」

非リア充による、ライフィセット抹殺計画も、阻止せざる負えなかった。







 園内では、当麻達は近藤達を探し回る。

「――つっても、今どこにいるんだよ?」

すると、ネプテューヌがある場所に指をさした。

「当麻……あれ……」

「へっ?」

彼女が指をさした方角に、当麻達は視線を向ける。

そこにはメリーゴーランドがあり、栗子と七兵衛が木馬に乗ってデートを満喫していた。

更にその背後の木馬には……、

「「「「………」」」」

松平と近藤、そして沖田がライフルを構えていたのである。

更によく見ると、松平達の少し後ろの土台に土方が座っていた。

「何だ、ありゃ……」

顔を引きつりながらも、当麻達はメリーゴーランドを眺める。

「あれで、追ってるつもりなんでしょうか?」

「いや、メリーゴーランドなんだぞ? 絶対に追い付かねぇぞ?」

凄まじく呆れる当麻達であった。






 
 土方と無事に合流できた当麻達は、ジェットコースターに着いたのだった。

「流石に、ジェットコースターは無理ですわよね?」

ベールがそう言うが、黒子が指を差しながらこう言った。

「いいえ、ベールお姉様。 ああいう方法もありますわよ?」

「えっ?」

彼が指を差した方向には、

「…しろ」

「へ?」

「ウ○コしろ。 ジェットコスーターが走り終えるまでにしてなかったら殺すからな」

「エェェェェ!?」

背後から七兵衛に、脱糞をするように脅迫する沖田の姿が見える。

「沖田さん……」

「相手を社会的に抹殺するみてぇだが……」

「治安組織の人間がなにしてるんですか?」

これには当麻やジョルノですら、呆れてしまうのであった。






 ジェットコースターが走り出し、

「うおっ!? 思ったよりキツッ!」

「どうだ、様子は!?」

松平と土方が様子を確認する。

しかし、その時であった。

「ウワァァァァァ!」

「「んが!」」

突然飛んで来た沖田に、二人は顔面をぶつけてしまう。

「テメェ! なにしてんだ!?」

「ベルト締めるの忘れた! ベルト締めるの忘れた!」

実は沖田は、脅迫に夢中になってシートベルトを締め忘れたのだ。

「ああああああああああああああ!」

必死にシートに掴まる沖田の姿は、さっきとは完全にキャラが違っていた。

「オィィィ!? オメェ、さっきとキャラが違ってねぇか!? テンパリやがって!」

「Sだから打たれ弱いの! ガラスの剣なのォォォォ!」






 ジェットコースターは止まり、客達は降りていく。

「七兵衛様、どうしましたか? 座高が高く……」

「へへへっ……コレ聞いたら、絶対に引いちまうよな? 俺、洩らしちまった」

「!?」

恋人の脱糞を知り、栗子は驚いてしまう。

その光景を遠くで見ていた土方は、

「(スマネェ、七兵衛とやら…。 オメェに恨みはねぇが、とっつぁんの為だ。 この詫びは必ず……)」

内心で七兵衛に謝罪していた。

しかし、その時である。

「良かったですわぁ。 実は私もなんです。 もし私だけだったら、どうしようかと思いましたわ」

「「(エェェェェェェ!?)」」

栗子が脱糞したと聞き、土方も松平も驚くしかなかった。

「おい、トシ! どうなってんだアリャ!? ますます仲良くなってんじゃぁねぇか!?」

「オメェの娘こそどうなってんだ!? 普通漏らすか!? どんな教育してんだよ!?」

このやり取りを聞いた黒子と御坂は、

「く、栗子さん…いろんな意味で、一枚上手ね」

「いえ、それ以上に大事なものを失ってますわね」

青ざめたり呆れたりするしかない。

「あっ、まずいわ! あの二人、次のアトラクションに行く気よ!?」

別のアトラクションへと向かう二人を見て、ノワールは咄嗟に叫んだ。

しかし二人は、脱糞の所為でお尻を抑えた状態であった。

「えっ、あの状態で!?」

黒子は絶句するが、ネプテューヌがある事に気付いたのである。

「ねえ、黒子」

「はい?」

「近藤が動かないんだけど……」

未だにジェットコースターから降りない近藤に、違和感を覚えたのだ。

「というより…座高が高くなってない?」

「…そういえば……」

「「……………」」

この光景、誰もが暫く沈黙したが、

「「(………まさか!?)」」

嫌な予感を感じてしまう。

そして近藤も、涙を流しながら呟く。

「皆…誰にも言うなでございまする……」

「「(マジでかぁぁぁぁぁ!?)」」

コレに関して当麻達は、内心で驚くしかなかった。






 園内の出店方面では、

「お待たせ」

「ありがとう」

ベルベットとライフィセットが、昼食を済ませているところである。

その光景を、モブ男子達は怨めしい目で睨んでいた。

「おのれ〜!」

「ライフィセット、死すべし!」

何時でも狙撃できる位置についていたが、まさにその時である。

「そこ、何してるの?」

突然、何者かに声をお掛けられたのだ。

「うおっ! 誰だ!」

ベージュ色のコートを羽織り、右足が赤で左足が青のスニーカーを履いている青年。

警備員アンチスキルの桐生戦兎って言うんだけど。 その銃は何かな?」

「あ、警備員アンチスキル!?」

「悪いけど、ちょっと事務所に来てくれるかな? それと、他に仲間がいるのかい?」

平然な態度で接する戦兎に、モブ男子達はゴクリと唾を飲み込む。

まさかここで、警備員アンチスキルと遭遇するとは思わなかったからだ。

「来てくれるか? それとも、抵抗するか?」

「……つ、付いてきます」

「賢明だな」

こうして、モブ男子達の『ライフセット抹殺作戦』は、これで終了してしまうのだった。





後篇へ続く。


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■作者からのメッセージ
 後半は、恐らく短くなります。

そして、遂に“彼”の登場です!!
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