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学園都市Golden 第6話:兎と戦車のベストマッチ
作者:亀鳥虎龍   2018/12/19(水) 22:38公開   ID:iYcaOJsNR36
 前回のあらすじ。

松平の愛娘である栗子の彼氏、七兵衛の暗殺を試みる近藤達。

ジェットコースターで、彼を追い詰めたが、栗子が一枚上手であった。

次のアトラクションに向かう二人。

ジェットコースターで脱糞してしまった近藤。

コレに呆れる当麻達。

しかし、彼等は知らなかった。

このくだらない珍事件より、大きな事件が起ころうとしている事を……。






―兎と戦車のベストマッチ―






 サンライトパークのスタッフ事務所。

「それで、暗殺は犯罪だよ?」

「はい、知ってます…」

「聞くけど、誰を狙ってた?」

「て…天空学園の、ライフィセットという生徒です」

「何で彼を狙ってた?」

戦兎の質問攻めに、モブ男子達は黙々と答える。

「というか、この重火器はどこにあったの?」

「…松平先生が、娘さんの彼氏抹殺を謀ろうと、パトカー内に準備してたやつです」

「………はぁ…最悪だ。 革命家の過激派が、この街に紛れこんでるって聞いてるから、そいつに協力してるんじゃないかってヒヤヒヤしたよ」

重火器の出所を聞き、戦兎は項垂れてしまう。

「治安組織の本部長が何やってんの!?」と思いながらも、彼は頭をかいてしまう。

「仕方ない。 今回の事は、反省文で大目に見るよ」

「あ、ありがとうございます!」

見逃してくれた戦兎に、男子達は涙目で喜ぶ。

「そんじゃ、黄泉川先生! お願いします」

「任せるじゃん」

「えっ?」

すると一人の女性が、扉を開けて入って来た。

上下緑色のジャージ姿で、豊満な胸が特徴的。

彼女の名は黄泉川愛穂。

天空学園の教師で、警備員アンチスキルに所属している。

「つーワケだから、反省文で済ませてくれた戦兎先生に感謝するじゃんよ。 代わりに、その分は私の説教タイムじゃん♪」

「「「イヤァァァァァ!」」」

「じゃあ、俺は見回りに行ってきます」

「気を付けるじゃんよ」

因みに、黄泉川の事を知る者は、彼女をこう呼ぶ。

“シリアスをコミカルに変える女”と――。





 場所は変わって園内。

松平と土方達は、ベンチに腰を降ろしていた。

彼氏の脱糞にも動じない娘に、松平は深くため息をする。

無論、娘の脱糞までは予想外であったが――。

「いやぁ〜、驚いたぁ。 まさかアレで引かねぇたぁ、我が娘ながらなんて恐ろしい…」

「いや、本当に恐ろしいよ。」

「オメェ、この事誰かに話したら殺すからな」

「ご安心ください、松平先生。 栗子さんは脱糞などなさってませんよ? 見て下さい」

そう言って黒子は、栗子と七兵衛の姿を目にする。

七兵衛は着替えているが、栗子は着替えた形跡が無い。

「栗子さんだけは着替えていません。 どういう事か、お分かりのハズですね?」

「ケツ挟んでんじゃねぇのか?」

「そんなワケありませんでしょうが! 全く…栗子さんは、あの方に恥をかかせないように、嘘をついたのですの!」

「なにっ!?」

「つまり何か黒子くん? 栗子ちゃんは脱糞なんかでは、簡単には引かねぇと? 俺が脱糞して皆は引いたってのに、栗子ちゃんは奴の汚いところも受け止められるってのか?」

推測する黒子の横で、近藤は真剣な顔を見せる。

しかし脱糞後の着替えの所為で、真剣さが台無しだった。

すると、沖田が叫んだのだ。

「あっ、とっつぁん! 二人が観覧車に向かっていきますぜ! 観覧車っつったら、“チュー”が定番ですぜい!」

「なにぃ!? 栗子ちゃんが危なぁぁぁい!」

「おい、俺だ! すぐにアレを用意しろ!」

松平と近藤、そして沖田。

この三バカは、すぐさま観覧車へと向かうのだった。

「今時…キスの事を“チュー”なんて言いませんよ?」

「そうね」

雪泉がポツリと呟くと、御坂もコクリと頷く。





 当麻達とは別の方角。

戦兎は警備員アンチスキルの仕事で、園内を見回っていた。

「ん?」

そんな中、彼はある光景を目にする。

人ごみの中で、一人だけ周囲を気にしている男がいた。

不思議に思い、彼は男の方へと歩み寄る。

「すみません、どうかしましたか?」

戦兎が尋ねると、男は大袈裟に反応した。

「な、何だ!?」

動揺が激し過ぎる男であったが、戦兎は男の顔に見覚えがある。

事務所の壁に貼られていた、手配書の顔写真に似ていたからだ。

「アンタ、革命家の!」

「ちっ、こうなったら!」

男は懐から、USBメモリの様なものを取りだし、

《ホーク!》

自身の左腕に挿入したのだ。

すると男の身体は、鋭い眼つきに猛禽類の様な姿と変貌する。

「まさか、ガイアメモリか!?」

コレを見た戦兎は、その正体に気付いた。

ガイアメモリ……地球上のあらゆる『記憶』を凝縮させた、謎のUSBメモリの総称。

これを使った人間は、『ドーパント』と呼ばれる怪物へと変貌する。

男は今、『鷹の記憶』を宿した『ホーク・ドーパント』へと変身したのだ。





「うわぁぁぁ!」

「きゃぁぁぁぁ!」

ホークの姿を見た人々は、悲鳴を上げながら逃げ出す。

「仕方ない」

そう言うと戦兎は、腰にベルトを巻き付ける。

懐から小さなボトルを取りだすと、その場で降り始めた。

「さあ、実験を始めようか」

振り終えると、ボトルをベルトの溝に挿し込む。

《ラビット! タンク! ベストマッチ!》

そして左側にあるレバーを回すと、特殊なファクトリーが出現し、

《Are you ready?》

「変身!」

彼の身体を挟み込むように、その場で接合したのだ。

黒いアンダースーツの上から奇抜なデザインの装甲。

左頭部・右上半身・左下半身は赤、右頭部・左上半身・右下半身が青。

右目が戦車で左目が兎の横顔になっており、耳と砲身がアンテナのように伸びている。

《鋼のムーンサルト! ラビットタンク! イェーイ!》

愛と平和ラブ&ピースの為に戦う戦士、仮面ライダービルドが参上したのだ。





 一気に間合いに詰めると、ビルドはホークに一撃を入れた。

「ハッ!」

パンチを数発当て、そのまま蹴りを放ち、

「うぐっ!」

「もう一丁!」

「ぐがっ!」

更に追い撃ちの回し蹴りで、ホークを吹き飛ばす。

「くそっ!」

しかしホークは翼を広げると、そのまま飛び去った。

「あっ、待て!」

《タカ! タンク!》

コレを見たビルドも、ボトルを挿し替える。

《Are you ready?》

「ビルドアップ!」

左頭部・右上半身・左下半身がオレンジになり、背中から翼が出現し

「逃がすか!」

そのまま彼も飛び上がり、追跡するのであった。






 その頃、観覧車の方では、

「我等…」

「殺し屋…」

「『侍13サーティーン』…」

「「「お命頂戴」」」

ヘリコプターに乗った松平と近藤、そして沖田がライフルを構えていたのである。

狙いは、栗子と七兵衛の乗っているゴンドラ。

「なにしてるのですの、あの三バカ13サーティーンはぁぁぁぁ!?」

この光景に黒子は、思わず絶叫を上げてしまう。

「松平先生! いくらなんでも、ここまですんのか!?」

「職権乱用の範疇を越えてるじゃないの!?」

当麻と御坂も、流石に動揺を隠しきれない。

するとノワールは、白井に視線を向ける。

「黒子! アナタの瞬間移動で、あの観覧車の二人を中から移動させられる!?」

「お安いご用ですわ」

黒子がスタンバイしようとしたが、ジョルノが双眼鏡で何かを見つけた。

正確には、ゴンドラの屋根の上だ。

そこのは、サングラスを掛けた土方が立っていた。

「土方さん?」

「何時の間に!?」

ベールとブランも、双眼鏡から土方の姿が確認できた。






「と、トシぃ!?」

ゴンドラの屋根に立つ土方に、近藤達も驚きを隠せない。

「トシ? 誰だそいつは?」

すると土方は、マヨネーズボトルを模したバズーカ砲を構える。

「俺は愛の戦士『マヨラ13サーティーン』。 人の恋路を邪魔すバカは、消えされぇぇぇ!」

放たれた砲撃は、ヘリコプターのプロペラに命中し、

「「「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!」」」

ヘリはそのまま墜落したのだった。

「じゃあな、お二人さん。 いつまでも幸せにな」

こうして松平片栗虎による、『七兵衛暗殺事件』は未遂に終わったのである。







 空を裂き、ホークを追跡するビルド。

「くそっ! 何時まで追って来るんだ!」

自身を追うビルドに、ホークは苛立ちを感じていく。

だが、その時だった。

「「「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!」」」

「えっ?」

何故かプロペラを失ったヘリコプターが、落下してきたのだ。

「んが!」

ヘリは見事に直撃し、ホークはそのまま落下していく。

「え〜……」

これにはビルドも唖然とするが、

「とりあえず、あの人達を!」

ヘリの中にいた搭乗者達をすぐに救出した。







「へぶし!」

地面に何かが落ち、当麻達は驚いてしまう。

「なっ、なんだ!?」

ゆっくりと起き上がったのは、猛禽類の様な怪人――ホーク・ドーパントであった。

「ば、バケモノ!?」

「うそっ!?」

誰もが驚くが、再び何かがゆっくり降りて来た。

「よっと」

マスクで正体を隠した謎の人物は、近藤達を地面に置く。

「さて、鬼ごっこも終わりだ」

「くっ…くそ!」

彼――仮面ライダービルドが歩み寄るが、ホークは歯ぎしりをすると、

「クソォォォォ!」

そのまま突進してきたのだ。

《ラビット! タンク! ベストマッチ!》

気にせずにビルドは、ボトルを再び挿し替えると、

《Are you ready?》

「ビルドアップ」

《鋼のムーンサルト! ラビットタンク! イェーイ!》

基本形態『ラビットタンクフォーム』へと戻る。

「うぉぉぉぉ!」

ホークの爪が襲いかかるが、ビルドは軽い動作のみで避け、

「フン!」

そのままカウンターで、拳による渾身の一撃を放つ。

「がはっ!」

これを喰らったホークは怯み、ビルドは仮面の奥で笑う。

「勝利の法則は、決まった!」

レバーを回転させると、左足の脚力で跳び上がった。

《Ready Go!》

「はっ!」

同時に出現した、グラフを模したエネルギーの滑走路に沿って滑り、

《ボルテックフィニッシュ!》

右足のキックを叩き込んだ。

「グガァァァァァ!」

必殺技『ボルティックフィニッシュ』を喰らい、ホーク・ドーパントはボカーン!と爆発。

元の男の姿に戻ると、排出されたメモリも砕けたのだった。






 男は逮捕され、戦兎はようやく一息つく。

一方で近藤達は罰として、反省文を書かされる事になった。

桐生戦兎、またの名を……仮面ライダービルド。

この街に悪が存在する限り、彼の戦いは続くのである。

因みに、七兵衛を護りきった土方はというと……、

「待って下さい、マヨラ13サーティーン様! こんな脱糞野郎とはおさらばしますので、どうか私とお付き合いして下さい!」

「エェェェェェ!?」

栗子から好意を抱かれるハメになってしまったのだった。

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■作者からのメッセージ
 というワケで、仮面ライダービルドが参戦しました!
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