ここは全年齢対応の小説投稿掲示板です。小説以外の書き込みはご遠慮ください。

魂郷学園 第49話:年賀状の内容は相手によっては違うもの
作者:亀鳥虎龍   2019/01/10(木) 16:26公開   ID:abT/j/j0kj6
 暗い部屋の中、銀時は一つの照明の中で呟く。

「“俺、年賀状が一枚も貰えなかった”とか、“勝った、俺一枚だけ貰った美容室から”とか言ってる奴……来年からお前達死刑!」

そんな彼の背景には、不幸自慢大会する男子高校生が映っていた。

「だいたい、そんな不幸自慢する時点で、お前等に年賀状が来ないんだよ! ウゼェんだよ、面倒なんだよ! 次にそんな話題した奴等、来年から全員死刑だ! ファイナルアンサー!?」

そんな彼の左右から、

「はいはい、死刑にでもなんでもしてください」

「ごちゃごちゃ中二臭い事言ってないで、早く書けヨ社会人」

新八と神楽が年賀状を置くのであった。

因みにここは、万事部の部室である。






―年賀状の内容は相手によっては違うもの―






 年賀状が届いたことに、銀時は両手をデスクに叩きつけた。

「美容室から来たとか超言いてぇ! つーか、年賀状の話なんて誰もやんねぇだろ!? 何で正月でもないのに!!?」

「しょうがないでしょ? 僕等の出番、あんまりないんですから」

「そうアル。 今の内に登場回数を増やしておくべきネ」

そう言いながら新八と神楽は、銀時を茶の間に連れて行く。

まあ、年賀状が送られているので、それなりに慕われているのは確かである。






 山のようにある年賀状に、銀時は炬燵に顎を置く。

因みに、何故部室に炬燵があるのかは気にしないで欲しい。

「――ったく、何でこんなにあるんだよ」

「それだけ、ウチが頼りにされてるって事じゃないですか」

「というか、何でお前等は嬉しそうなんだ?」

「だって年賀状って、手紙と違って自分の言いたい事を凝縮して出すから、良いじゃないですか。 ホラ、坂本さんからも」

「あん、辰馬から?」

銀時は年賀状を受け取ると、坂本から宛てられた内容を読んだ。

『ワシの出番、次は何時になりますか?』

「なにを凝縮させてんだ! 知るワケねえだろ! そこは作者にでも聞きやがれ!!」

内容を呼んだ銀時は、その場で年賀状を破り捨てる。

「陸奥さんからも届いてますよ?」

そう言って新八は、陸奥が出した年賀状を見せる。

『破っても無駄じゃ』

「なっ!?」

「快援隊の連中からも届いてるアル」

更に快援隊一同から交互に、二人と同じ内容の年賀状が差し出されていた。

「交互に送ってくんじゃねぇ! どんだけ出番欲しんだよ!?」

すると新八、一枚の年賀状に驚きを隠せない。

「ちょっ!? 鬼兵隊からも来てますよ!?」

「はぁ!? 高杉の野郎が!?」

『明けましておめでとう。 今年こそ、世界をぶっ壊します』

という内容に年賀状を出してる光景が、思わず頭に浮かんだ三人。

「ウソだろ、アイツが年賀状!? 宣戦布告か?」

「脅迫状かもしれないアル」

恐る恐る年賀状を読み上げたのだった。






『我等の不義の出番、何時になるかな?』

「テメェ等もかい!? どんだけ暇だったんだよアイツ等!?」

因みに書いたのは、鬼兵隊の幹部である『来島また子』、『川上万斉』、『武市変平太』の三人であった。

しかし内容がアレであったので、思わずツッコミを入れる銀時である。

「あ、桂さんからも来てますよ」

「そういや、ヅラも出てないな」

『次の登場の為、街中でずっとスタンバッってました』

内容と共に、桂がエリザベスと体育座りで待機してる姿が浮かんだ。

「知るかぁぁぁぁぁ!」

「きっとこう、カッコ良く出たいんだヨ。 何か可哀相な話しアル」

「――ったく、こうなるんなら結婚報告の年賀状がマシに感じるぜ」

呆れる銀時であったが、新八が一枚の年賀状を差し出す。

「銀さん……コレ…」

「ん?」

渡された年賀状には、こう書かれていたのだった。

『結婚しました。 お妙、お先にごめんね』

差出人は始末屋の“さっちゃん”こと『猿飛あやめ』で、年賀状にはウェディング姿の彼女と銀時(?)の写真が印刷されていた。






「なにがだぁぁぁぁぁ!」

年賀状の内容を読んだ銀時は、キレながら年賀状をトイレに流し込んだ。

「銀さん、無駄ですよ。 大量に送られてますよ?」

「なんて事してくれてんだあの雌豚ぁ! どう見ても顔と体がアンバランス過ぎんだろうが!」

因みに写真の銀時の体は、あまりにも筋肉質しすぎだったりする。

「銀ちゃん、他の連中にも送られてるアル」

『結婚おめでとう。 バツが付かないように気を付けてね』

神楽が渡した年賀状には、TVアナウンサーで陰陽師の『結野クリエステル』が書いた内容が記されていた。

「結野アナぁ!? あんニャロなにしてくれてんだ!?」

憧れの女性にまで偽造結婚の報告を送った猿飛に、流石の銀時も涙目。

「吉原からも来てますよ」

結婚おめでとう。 月詠が元気を失くしたけど 末永くお幸せに』

銀さんが結婚したって聞いてから、月詠姉の元気が出なくなったんだ 末永くお幸せに』

『去年は世話になった。 女房を泣かせるなよ、末永くお幸せに』

魂郷町の界隈で有名な地区『吉原』の花魁『日輪』に息子の『晴太』、そして警護集団『百華』の統領の『月詠』からの年賀状が届いていた。

しかし日輪と晴太の分だけは、上から塗り潰したような跡がある。

「何かコレ、後半が明らかに月詠さんが隠蔽工作を謀ってませんか?」

呆れてしまった新八であったが、銀時は一枚の年賀状を渡す。

「新八、これ…」

「へ?」

受け取った新八は、年賀状の内容に目を通す。

『おめでとう。 子供が同じ学校に行けると良いね』

近藤がお妙とツーショットの写真が印刷されていた。

どう見ても合成写真で、真ん中の赤ん坊は新八の顔になっていた。






「なにしてくれてんだ、あのゴリラぁぁぁぁ!」

コレを見た新八は、部屋中に響くほどの怒号を上げた。

「子供って、これどう見ても新八くんじゃねぇか! 何で赤ん坊まで眼鏡かけてんだよ!!」

「おい、こっちもあちこちにバラまかれてるみたいだぞ」

『明けましておめでとうもろこし、ゴリさんと幸せに』

新八が応援しているアイドル『寺門通』が、年賀状の内容を信じてしまったようだ。

「お通ちゃん! 思いっきり勘違いしてるしぃぃぃ!」

お通の年賀状を目にし、新八は涙目になってしまう。

「それとこれ、柳生家からも」

今度はお妙の幼馴染のワケあり少女『柳生九兵衛』からの年賀状を目にする。

『ゴリラぶっ殺す! ゴリラぶっ殺す! 近藤ぶっ殺す!!!』

「九兵衛さぁぁぁぁぁん! 出しちゃいけな感情が文字に表れてますよォォォォ!?」

殺意丸出しの内容に、新八も九兵衛の今後を心配してしまう。

すると神楽は、一枚の年賀状を目にする。

「銀ちゃん、ヅラからまた年賀状が届いてるアル」

「何で!? まさかアイツも、“誰かと結婚した”とか嘘言ってんじゃ――」

渡された年賀状に目を通すと、

『式場の外で、ずっとスタンバッてました』

正装姿の桂とエリザベスが、結婚式場の外で待機中の姿が浮かんでしまった。

嘘の結婚報告どころか、参加するほど報告を真面目に信じた桂。

「なにしてんだよアイツはぁ!? どこまでスタンバッてんだよ!? あるワケねぇだろうが! そもそも結婚自体がねぇんだよ!」

そんな彼の真面目さに、銀時はツッコミを入れるしかなかった。

「あ、ライフセットくんとベルベットさんからだ」

「なにっ!? まさかあの二人、まさか「僕達結婚しました」とかって嘘書いてねぇだろうな!?」

「いや、あの二人は別に違和感ないと思いますけど」

年賀状を見ると、「明けましておめでとう」というメッセージと写真が載せられていた。

写真には楽しそうに笑うライフィセットと、振り袖姿で恥ずかしそうに笑うベルベットの姿写っている。

「いや、まともォォォォォ! まともだったよ!? 普通にまともな年賀状だったよ!!」

普通にまともな年賀状に、銀時は涙目になってしまった。

「おい、もうメンドくせぇよ。 まずは、まともな奴から送ろうぜ」

「僕等の周りにまともな人なんて……」

すると新八は、一枚の年賀状に驚愕する。

「――って、嘘っ!? 土方さんから!?」

差し出し人は、以外にも土方であった。

「はぁ!? どういう風の吹き回しだ!?」

銀時とは『犬猿の仲』と言っていいほど仲が悪い彼であるが、年賀状にはこのような内容が記されている。

『近藤さんが一週間帰ってこない。 何か知らんか?』

それは局長の近藤が、行方不明になった事を知らせるものであった。







「「「………」」」

年賀状の内容を目にし、万事屋トリオは暫く沈黙する。

「し…知らないよね?」

「知らない知らない。 皆目見当もつかねぇよ」

「つ…次、いきましょう。 あっ、全蔵さんからだ」

フリーター忍者の『服部全蔵』からの年賀状を手に取り、三人はその内容を目にする。

『猿飛に仕事の話しがあるんだが、ここ一週間連絡が取れん。 お前のところに来てないか?』

「「「………」」」

内容が内容だけに、三人は再び沈黙する。

「し…知らないよね?」

「知らない知らない。 皆目見当もつかねぇよ」

「何かこれ……偽造結婚を送った人が行方不明になってるような気がするんですけど」

「心配ねぇよ、ホラこれ……」

心配する新八に、銀時は一枚の年賀状を見せる。

差し出し人はサングラスのオッサン、スタークこと『長谷川泰三』――、

『夫と一週間連絡が取れません。 川辺で夫の所持品らしきものを見つけたのですが、心当たりありませんでしょうか?』

――ではなく、彼の妻の『ハツ』であった。

「なぁ? 全く関係がねぇ長谷川さんも行方不明だし、大丈夫だよ」

「大丈夫じゃねぇよ! そっちはそっちで、明らかに消息不明なってんじゃねぇか! てかの人、敵幹部の癖になにやってんだよ!?」

サラッと『大丈夫』で済ませる銀時に、新八はツッコミを入れるしかなかった。

「確かに長谷川さんはともかく……近藤さんとさっちゃんさんは明らかに、誰かに意図によるものじゃ……」

「だから、関係ねぇって」

すると、神楽が一枚の年賀状を手にした。

「あ、姉御から届いてるアル」

差し出し人は、新八の姉『志村妙』である。







『喪中により、新年のご挨拶をさせていただきます。 12月にペットとメス豚とゴリラが死んでしまいました……』

凄まじいオーラを放つお妙の後ろ姿が頭に浮かび、銀時は恐れながらも新八に問う。

「お前の姉ちゃん、ペット買ってた?」

「……飼ってました」

「見た事ないアル」

「“お妙、お先にごめんね”って内容があったからな。 アレがムカついたんだな」

「い、言わないでくださいね」

犯人が姉だと知った新八であったが、銀時は一枚の年賀状を手にする。

「つーか、もうバレてるよ」

差し出し人は、真選組一番隊隊長の『沖田総悟』で、

『近藤さんが一週間帰って来ません。 何処の誰の姉上がったとか、心当たりありませんか?』

「とっくに決めつけてんじゃねぇか!」

近藤の行方不明という事もあって、犯人をお妙だと特定していた沖田であった。

「それとホラ、山崎からも」

「えっ!? 山崎さんからも!?」

真選組監察官である『山崎退』からも年賀状が来たのだが、

『あんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱん』

「なにがあったんですか山崎さぁぁぁぁぁん!?」

何度も『あんぱん』と殴り書きされた年賀状に、新八は本気で山崎を心配したのだった。

そんな中、神楽が別の年賀状を手に取る。

「銀ちゃん、変な年賀状が届いてるアル。 ネクロゴンドってトコから」

「ネクロゴンドって何処だよ? そんなところに知り合いなんていたっけ?」

「“マミュー・ダ・パオ”って奴から」

「100%知り合いじゃないよね!? 100%赤の他人だよね!?」

聞いた事もない名前に対し、銀時はツッコミを入れてしまう。

「読むアルよ?」

そう言って神楽は、年賀状の内容を読み上げたのだった。







 同時刻、万事屋事務所の方でも――、

「今日は結構届いてるな」

「それだけ、ウチのギルドも名前が広くなったって事だよ」

ユーリ達『凛々の明星ブレイブヴェスペリア』も、年賀状の返事書きに勤しんでいた。

「わざわざポストに出さなくても、直接本人に渡せば良いじゃねぁかよ」

「いいじゃない。 風情があって、まさにお正月でしょ?」

「そりゃ、そうだけどよ……」

「あ、ユーリ。 坂本さんからだよ」

「辰馬のオッサン?」

坂本からの年賀状を受け取り、ユーリはその内容を目にする。

『ワシの出番、次は何時になりますか?』

「なにを凝縮させてんだ、あのオッサンは?」

内容を呼んだユーリは、その場で呆れてしまう。

「陸奥さんからも届いてるよ?」

そう言ってカロルは、陸奥からの年賀状を見せる。

『破っても無駄じゃ』

「なっ!?」

「快援隊からも届いてるようね」

更に快援隊一同から交互に、二人と同じ内容の年賀状が差し出されていた。

「交互に送ってくんなよ! どんだけ出番欲しんだよ!?」






 快援隊からの年賀状に呆れるユーリであったが、

「ユーリ、この年賀状……」

「ん?」

猿飛からの年賀状に、驚きを隠せなかった。

『結婚しました。 お妙、お先にごめんね』

年賀状には、ウェディング姿の彼女と銀時(?)の写真が印刷されていた。

「なにがだよ!?」

「大量に送られてるわね」

「つーか、銀時の顔と体がアンバランスすぎるじゃねぇか!?」

「結婚を信じ込んでいる人、結構いるみたいだよ」

吉原や結野家からの年賀状には、結婚を信じてるような内容が記されていた。

内容は万事屋に送られたモノと同じ。

「あら、真選組局長さんからも来てるわよ?」

「近藤のオッサンから?」

近藤からの年賀状を手に取り、三人はその内容を目にする。

『おめでとう。 子供が同じ学校に行けると良いね』

コレを見た三人は、呆れるしかなかった。






「……俺等の周りには、マシな年賀状を出す奴はいねぇのかよ」

「僕等の周りというより、ユーリの周りがまともじゃないと思うよ?」

「……それもそうか」

「あら、自覚はあったのね」

すると、カロルが一枚の年賀状を手に取った。

「あ、土方さんから来てるよ」

「一番まともそうな人から来たわね」

「どれどれ…」

年賀状に目を通すと、このような内容が記されていた。

『近藤さんが一週間帰ってこない。 何か知らんか?』

「「「………」」」

この内容に三人は、一度は沈黙してしまう。

「し、知らないよね?」

「知るワケねぇだろ?」

「じゃあ、これは?」

ジュディスが手に取った年賀状には、

『猿飛に仕事の話しがあるんだが、ここ一週間連絡が取れん。 何か知ってるか?』

全蔵から猿飛が行方不明という内容が記されていた。

「これも知らないよね?」

「当たり前だろ?」

「何だか、偽造結婚をした人達が、行方不明になってるんだけど……」

不安を見せるカロルであったが、ユーリが一枚の年賀状を手に取る。

「心配し過ぎだろ? ほらコレ……」

『夫と一週間連絡が取れません。 川辺で夫の所持品らしきものを見つけたのですが、心当たりありませんでしょうか?』

長谷川ハツから、夫のサングラスと草履が川辺で発見されたという内容が書かれていた。

「なぁ? 全く関係がねぇ長谷川のオッサンも行方不明だし、大丈夫だろ?」

「大丈夫じゃないよ! そっちは別件で、明らかに消息不明なってるよ!」

これには流石に、カロルもツッコミを入れるしか他は無かった。

因みに彼等は、長谷川がスタークである事はまだ知らない。

するとジュディスは再び、一枚の年賀状を手に取る。

「あら、お妙さんからだわ」

差出人は、近藤の偽造結婚の被害者『志村妙』であった。






『喪中により、新年のご挨拶をさせていただきます。 12月にペットのメス豚とゴリラが死んでしまいました……』

凄まじいオーラを放つお妙の後ろ姿が頭に浮かび、ユーリはポツリと呟いた。

「新八ん家って、ペット飼ってたか?」

「僕も初めて聞いたよ」

「何処で飼ってたのかしらね?」

「“お妙、お先にごめんね”って内容があったからな。 アレがムカついたんだな、きっと」

「ま、まさか……二人の行方不明の正体って……」

犯人がお妙だと思ったカロルであったが、ユーリは一枚の年賀状を手にする。

「というか、もうバレてるぞ」

差し出し人は沖田総悟で、

『近藤さんが一週間帰って来ません。 何処の誰の姉上がったとか、心当たりありませんか?』

「とっくに決めつけてるよ!」

犯人をお妙だと特定していたのであった。

「それとホラ、山崎からも」

「えっ!? 山崎さんからも!?」

山崎からも年賀状が来たのだが、

『あんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱん』

「なにがあったの山崎さぁぁぁぁぁん!?」

何度も『あんぱん』と殴り書きされた年賀状に、カロルは本気で山崎を心配したのだった。

そんな中、ジュディスが別の年賀状を手に取る。

「ユーリ、変な年賀状が届いてるわよ? ネクロゴンドってトコから」

「ネクロゴンドって何処だよ? そんなところに知り合いなんていたか?」

「“マミュー・ダ・パオ”って人から」

「100%知り合いじゃねぇよ! 100%赤の他人じゃねぇか!」

聞いた事もない名前に対し、ユーリはツッコミを入れてしまう。

「読むわよ?」

そう言ってジュディスは、年賀状の内容を読み上げたのだった。






 万事部では神楽、万事屋側ではジュディス。

それぞれが“マミュー・ダ・パオ”という人物からの年賀状を読み上げていた。

『私の名前は、長谷川マミュー・ダ・パオ』

「ただの長谷川さんじゃねぇか! 敵幹部が何してんの!?」

「身投げから何処まで流れたんだよあのオッサン!?」

それぞれの所属先で、差出人の正体につっこむ銀時とユーリ。

因みに本人は、葉っぱをサングラス代わりにかけていた。

『この地に流れ着いた時、私が憶えているのは、“ハセガワ”という単語と“オードソックス”という単語だけだ』

「間違ったまま憶えてますけど!?」

「それを言うなら、オーソドックスだろうが!」

『“マミュー・ダ・パオ”とは、私を介抱してくれた、ヒングロマクソン族の長がくれた名前だ。 『水に浮かぶ木』、『漂流者』、『フリーター』、『ファミコン』、『沈むオッサン』などの意味だ』

「意味広すぎんだろうが!」

「最初と最後で真逆になってんじゃねぇか!」

『マミュー・ダ・パオ――皆は略して“マダオ”と呼ぶ』

「「結局マダオて呼ばれるのかよ!!」」

別々の場所にいるのに、銀時とユーリの台詞が偶然一致した。

因みに“マダオ”とは、“ったくメなッサン”の略称である。

『ヒングロマクソン族の人々はとても優しく、得体のしれない私に木の実などを分けてくれた』

実際は木の実をぶつけられているのであるが……。

「「どう見ても嫌われてんだろうが!」」

『私は記憶を失くしたが、ここの生活に満足していた』

ハァハァと、嬉しそうに息を吐く長谷川。

「この人ダダのMなんですけど!」

「色々ヤバいぞ、このオッサン」

その後、謎の記号の記された紙切れを握っていた長谷川は、村長にその話を伝える。

すると彼から、自分より前に流れ着いた“マダオ”が居る事を知った。

彼等は同じ土地で全面戦争を起こそうとしたが、割り込んできた長谷川に止められる。

長谷川が自分と同じ紙切れを持っていると知った二人の“マミュー・ダ・パオ”は、戦争を止める事を決意した。

そして彼等は、自分達の知り合いに年賀状を送った。

『明けましておめでとう、家族が増えました!』

因みに二人の“マミュー・ダ・パオ”は、お妙によって島流しにあった近藤と猿飛である。






 年賀状の内容を全て聞き、銀時はライターの火で燃やす。

灰と化した年賀状は、そのまま風に乗って飛んで行く。

「銀ちゃん、返事どうするアルカ?」

神楽に聞かれた銀時は、

「それ刷って全員に送っとけ」

『明けましておめでとう』という内容が書かれた白紙の年賀状を手にするのであった。

同じく年賀状の内容を全て聞き、、ユーリはなにも言わずに窓の外を眺めていた。

「ユーリ、返事はどうする?」

ジュディスが問うと、

「そいつ以外全員に送っとけ」

ネクロゴンド側には返事の年賀状を書かないと言ったのだった。

■作家さんに感想を送る
■作者からのメッセージ
 一月だったので年賀状ネタにしました。
テキストサイズ:15k

■作品一覧に戻る ■感想を見る ■削除・編集
Anthologys v2.5e Script by YASUU!!− −Ver.Mini Arrange by ZERO− −Designed by SILUFENIA
Copyright(c)2012 SILUFENIA別館 All rights reserved.