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学園都市Golden 第15話:ダンテの実力
作者:亀鳥虎龍   2019/03/01(金) 23:21公開   ID:j4KqKKtDSqw
 コレは、ダンテがフォルトゥナに向かうきっかけとなった出来事である。

彼が営む便利屋事務所『Devil May Cry』。

そこに、一人の女性が来た事から始まった。

オッドアイの両目をサングラスで隠し、白いスーツを纏った姿。

彼女はダンテと同業のデビルハンターで、『レディ』の通称で呼ばれている。

「魔剣教団? 知らねぇ名だな」

「フォルトゥナっていう小都市に存在する、いわゆる宗教団体みたいな組織なんだけど」

「生憎、宗教には興味ないんでな」

ピザを口に運びながら、ダンテはレディから仕事の依頼内容を聞いていた。

「ところで貴方、スパーダについては詳しい?」

「俺の親父だからって、全て知ってるとは限らねぇ」

肩を竦める彼に、レディは話しを戻す。

「その街には、スパーダが領主を務めたっていう伝説が残されてるの。 住民はその伝説を信じ、スパーダを崇めてるの。 ……神様としてね」

「悪魔が神様だ?」

「何を信仰しようと勝手だけど、問題はその教団よ。 どうやら悪魔を見つけては。捕えてるらしいの。 私もそのお陰で、何度も仕事を邪魔されたわ」

「動物園でも開くんだろ?」

真面目に聞く気のないダンテに、レディは若干の苛立ちを覚えた。

初めて会った頃もそうだが、この男は真剣に話を聞くという考えが欠如している。

レディは『真面目に聞け』という意味を込め、ダンテが持っていたピザを取り上げた。

「悪魔だけじゃないの! 貴方が持っているような魔具まで集めてるのよ!」

「じゃあ、博物館だ」

ピザに手を伸ばそうとしたダンテだが、レディはピザを持っていた手を自身の方へと引き寄せる。

頬杖をしながら拗ねるが、聞く耳を持つようになったダンテに、レディも本題に入る事が出来た。

「じゃあ、何だよ?」

「そんな可愛い話しじゃなくて、もっと凶悪な目的だとすれば?」

それを聞き、ようやくダンテは腰を上げる。

「まあ、退屈しのぎには丁度良いか。 トリッシュ、お前は――ん?」

一緒にピザを食べていたトリッシュに声をかけるが、彼女からの返事がない。

「今頃か…」という顔をしながら、レディは肩を竦めた。

「彼女なら行ったわよ。 アナタの背後で、何かをした後に」

「え?」

背後を振り返ったダンテは、あるものを目にする。

壁には口紅で、“現地集合”という書き置きが残されていた。

しかもその壁には、魔剣スパーダが掛けられていたのだ。

後にフォルトゥナを訪れたダンテは、「アイツの所為でややこしくなった」と呟くのである。






―ダンテの実力―






 アグナスにより地獄門が解放され、無数の悪魔たちが解き放たれる。

街には悪魔たちが暴れ回り、逃げ惑う人々を襲う。

しかし神の頭上でサンクトゥスが叫んだ。

「皆の衆! 恐れる事はない! 大いなる災いを取り除くために、私は戻ってきた! 偉大なる神と共に!」

ビアンコアンジェロ達が、悪魔を槍で薙ぎ払っていく。

「さあ、祈るのだ! 聖歌を捧げよ! 世界は、まだ終わってはおらぬ!」

本部を脱出したダンテ達は、その光景を遠方から眺めていた。

「アレが…教団の言った理想郷かよ!?」

当麻は奥歯を噛み締め、拳を強く握り締め、

「自分達が呼んだ悪魔で、自作自演を謀るなんて…」

平然を装いながらも、白野は内心で怒りを募る。

「あんなもの、正義などとは言いません」

「多分教団は、そんな事は思ってはないでしょう」

教団の“正義”に、雪泉と神裂は怒りの表情を露わにした。

冷静なジョルノですら、教団のやり方に怒りを覚える。

「吐き気の催す邪悪とは…何も知らぬ無知なる者を利用する事。 己の利益の為に利用する事だ。 ましてや街の人々の、純粋無垢な信仰心を利用した。 コレは流石に、僕でも頭の血が昇りそうだ」

そんな彼等を見て、ダンテは不敵に笑う。

「さて、行くか」






 神を追う為、ダンテ達はミティスの森に来ていた。

「うぅ…またこの森かよ」

一度通った事のある当麻は、若干涙目で呟く。

「今は、そんな場合じゃないですよ」

ジョルノがそう言うが、アサルトの一体が襲いかかる。

「ゴールド・エクスペリエンス!」

ゴールド・Eを発現させ、凄まじい連打が叩きこまれた。

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!」

アサルトが吹き飛び、他のアサルト達が襲いかかる。

「さがって下さい!」

雪泉が両手に扇子を持ち、氷の弾を放つ。

氷は命中し、アサルト達は倒れる。

「ほう、やるな」

「このまま行きましょう」

こうして一行は、森の奥へと向かうのだった。





 森の奥へと向かうと、そこには疑似地獄門が建っている。

「これが疑似地獄門…」

「コイツをぶっ壊せば、悪魔どもは出て来なくなるんだよな?」

「でもその前に、を片付ける必要がありますね」

ジョルノが上空を見ると、そこには龍の様な悪魔が飛んでいた。

「エキドナ…! そうだった、この森はアイツの領土だった」

エキドナに気付き、当麻は奥歯を噛み締める。

ネロの時は、彼がいたから退却させる事が出来た。

そんな中、エキドナは種子を森に落としていく。

「ゴミを捨てるんじゃねぇよ」

そう言うとダンテは、降って来た種子を蹴り飛ばす。

蹴り飛ばされた種子は、木に当たって跳ねていく。

そのまま、エキドナへと向かったのだ。

龍の様な頭部が開き、女性の上半身のような本体を露わにしたエキドナ。

しかし種子が当たってしまう。

「貴様――んが!?」

連続で当たり、最後の一個が顔に当たる。

「貴様、何さらすんじゃ!」

「無視するなよ。 流石に俺も傷つくぜ」

「おのれ! 妾が子と一体になれば、残りの余生を暮らせたというのを!」

頭部を龍のように変え、エキドナはダンテを喰らった。

「ダンテ!!」

「!?」

誰もが驚愕するが、まさにその時である。

「悪いが、そういう話は―――パスだ!」

強引にエキドナの口を開け、ダンテは即座に脱出。

「なにっ!?」

「刺激があるからこそ人生は楽しい……そうだろ?」

「おのれぇぇぇぇ!」

今ここに、エキドナとの戦いが始まったのだった。






 上空から襲いかかるエキドナに、ダンテは愛銃の『エボニー』と『アイボリー』を構える。

銃口から弾丸は放たれるが、エキドナの巨体には効いてはいない。

「やっぱ無理か」

肩を竦めるダンテにだが、神裂が疑似地獄門を踏み台に跳び上がった。

「はぁぁぁぁ!」

七天七刀を抜き、刃を振り下ろす。

しかしエキドナの尾が、彼女の体に直撃。

「がっ!」

そのまま神裂は、地面へと落下していく。

コレを見た白野が叫んだ。

「セイバー!」

何者かが跳び、神裂の体を抱き上げる。

「間一髪であるな」

彼女の危機を救ったのは、金髪で赤いドレスを纏った少女だった。

少女は神裂を下ろすと、一本の赤い剣を握る。

「あ、アナタは?」

「我が名はセイバー。 岸波白野のサーヴァントだ」

「さ、サーヴァント!?」

赤い少女――セイバーの存在に、神裂は驚きを隠せない。

学園都市の住人は、能力開発を受けると魔術が使えなくなる。

仮に使えたとしても、体に凄まじい激痛が生じてしまう。

それも、英霊召喚なら尚更だ。

「奏者よ、どうする?」

「空中の相手に一撃入れるのは難しいね」

空中のエキドナを眺めながら、白野とセイバーは腕を組みながら考える。

「だったら、俺にやらせてくんね?」

そう言うと幽助は、右手で指鉄砲を作り、指先を真っ直ぐに伸ばす。

「バカめが! そんな事をしようが、このエキドナに届かん」

「勝ち誇るのも、大概にしとけよ!」

指先に凄まじいエネルギーが一点集中し、それが巨大な弾となる。

その大きさは、巨体を誇るエキドナの数倍だ。

「喰らいやがれ! 霊丸!」

放たれたエネルギー弾は、そのままエキドナの体を飲み込む。

「ぐぎゃぁぁぁぁぁ!」

避ける事出来ずに受けたエキドナは、地面へと衝突したのだった。






 幽助の必殺技『霊丸』を喰らい、地面に倒れてしまったエキドナ。

「そんな、妾の森…妾の子が……」

人間に敗れたのが信じられないのか、エキドナは混乱してしまう。

そんな彼女に、ダンテはエボニーの銃口を向け、容赦なく魔力の弾丸を放った。

「ぐぎゃぁぁぁぁぁ!」

この一発がトドメとなり、エキドナの身体は四散したのだ。

「はっ、黙ってた方が美人だったな」

疑似地獄門の元へ足を運ぶと、ダンテは起動装置から何かを取りだす。

「これで、あと二つだ」

それは何かの武具で、彼の四肢と背部に装着された。

トリッシュが潜入の為に持ちだした魔具、その一つの『衝撃鋼ギルガメス』だ。

ギルガメスを装着し、ダンテは疑似地獄門に拳を放つ。

「ハァッ!」

この一撃で、門が破壊された。

更に崩れ落ちる破片を、ダンテは連続蹴りで砕いていく。

そしてトドメに、積み上がった破片を、跳躍からの手刀で砕いたのだ。

「よし、こんなもんだな」

疑似地獄門を破壊し、ダンテ達は次へと向かった。






 ミティスの森を抜け、フォルトゥナ城を目指すダンテ達。

「寒っ! やっぱ此処寒いわ!」

ガタガタ震える当麻だが、一人の男がマフラーを差し出す。

「なら、このマフラーを使うと良い。 なにもないよりはましだろ?」

「あ、ありがとう――って誰!?」

気遣いに感謝するが、同時に驚いてしまう。

褐色の肌に白い髪、黒い衣の上から赤い外套を羽織った男。

「私の名はアーチャー。 岸波白野のサーヴァントだ」

当然のように答えるアーチャーであるが、神裂は再び驚く。

「(まさか岸波白野は、サーヴァントを二人も召喚していたのですか!?)」

「マスター、キミもこのマフラーを。 それと手袋を着けておけ」

「ありがと、アーチャー」

マフラーと手袋を着け、白野は防寒準備は完了する。

「それと、キミもだ」

そう言うとアーチャーは、神裂にマフラーを差し出す。

「いいえ、私は――」

「使いたまえ。 その格好は流石に寒いだろ?」

「そ、そんな事はありません。 コレくらい平気です」

「……分かった。 なら、コレだけは使え」

すると今度は、腹巻を差し出した。

「腹巻?」

「年頃の女性が、お腹を冷やしたら良くないからな」

「………」

これには流石に、神裂も青ざめてしまう。

気配りの上手いアーチャーだが、同時に世話焼きのオカン属性も含まれていた。

というより、完全なオカンである。





 フォルトゥナ城に乗り込み、一行は辺りを見渡す。

勿論、そこには悪魔たちが暴れている。

「上等だ」

エボニーとアイボリーを構え、ダンテは戦闘態勢に入った。

「シャァァァ!」

アサルトの一団が襲いかかるが、彼は無数の弾丸を放つ。

銃口から放たれた一発一発が、アサルトの眉間に命中する。

更にダンテは、背中の剣『リベリオン』を手に持つと、

「少し、マジでいくぜ!」

目のも止まらぬ速さで斬り伏せて行ったのだ。

「うっし、こんなもんだな」

この光景を見た当麻は、ゴクリと唾を飲み込んでしまう。

「スゲェ……」

ダンテの実力は歌劇場で見たが、改めて見るととてつもないものだった。

そこらの雑魚では話しならないレベルだ。

「次に行くか」





 中庭に辿りつくと、吹雪で前方が見えない。

その中で、何かが動いていた。

淡いピンク色を放つ、二人の裸の女だ。

「(バエルの疑似餌か!? でも、アイツのは青だったはず――)」

ネロに倒された悪魔の顔を思い出す当麻だが、アレには兄弟がいた事を思い出す。

Baby,Yeahベイビーちゃん!」

しかしダンテは、女達の方へと歩み寄る。

「って、おい!」

「つれないねぇ……だがそれがいい」

蟲惑的なダンスをする二人の女に、ダンテは寝転がった。

「何してんだあのオッサン!?」

当麻は叫び、神裂は呆れてしまう。

だがその時だ。

「ぐぉぉぉぉぉぉ!」

背後から何者かが、ダンテに襲いかかって来た。

勿論ダンテは跳躍してかわし、当麻達の方へと戻る。

姿を現したのは、巨大な蛙の様な悪魔だった。

ダンテを喰い損ねた悪魔は、彼を強く睨む。

「なぜ分かった!?」

「体を隠してベイビーちゃん達を使うのは良かった。 けどニオイがな…ヒデェもんだぜ」

鼻の近くで軽く手を振るダンテに、誰もが「確か」にと呟く。

「こんのボケがぁ! お前はこのダゴン様が喰い殺してやらぁ!」

それを聞いたダンテは、余裕の笑みを見せた。

「やってみな! 消化できるもんならな!」






 体を揺らし、背中の氷を放つダゴン。

氷は重力によって、雨のように降って来る。

しかしダンテは、それを難なく避けていく。

「そんなもんかよ? そんじゃ、今度はこっちの番だ」

ダンテはギルガメスを装備すると、拳を強く握る。

「そらよ!」

凄まじい一撃と共に、ダゴンの体が怯んだ。

「うぐぅ!?」

「まだまだ行くぜ!」

更に一撃を放ち、ダゴンの体が大きく傾く。

「コイツで終いだ! 」

ミサイルの発射装置のような突起が噴出し、ダンテは渾身の一撃を放った。

「ライジングドラゴン!」

天に昇る龍を思わせ様なアッパーが、ダゴンの巨体を吹き飛ばしたのだ。






 当麻達は、驚きを隠せなかった。

かすり傷一つも負わず、目の前の敵を撃破したのだ。

「こ、これで勝ったと思うなよ! ワシのワシの兄弟達が――」

負け惜しみを言おうとしたダゴンであったが、ダンテはリベリオンの刃を振り下ろす、

「ぐぎゃぁぁぁぁぁ!」

トドメを刺されたダゴンは、氷のように砕けたのだった。

「うっし」

ダンテは疑似地獄門の動力装置へと手を伸ばす。

すると動力装置から、魔具が吸い込まれるように彼の手元へと戻る。

「成程、食べ放題ってことか」

手に握られていたのは、一つのアタッシュケースだった。

そんな彼の目の前には、ダゴンに瓜二つの悪魔たちがウジャウジャ現れたのだ。

「またかよ……」

バエルの件で経験済みの当麻は、顔を青ざめてしまう。

しかしダンテはニヤリと笑い、ケースを開いたのだ。

ケースは光ると、ガトリングガンへと変形した。

ガトリングガンを乱射し、ダゴン達の足下を攻撃する。

するとケースは再び光り、ロケットランチャーへと変形したのだ。

ロケット弾を撃った瞬間、ダゴン達は宙を舞ってしまう。

そこを狙ったと言わんばりに、ダンテは再びケースを変形させる。

今度は円型の巨大な移動砲台となり、彼を取り囲んでいた。

「吹っ飛びな!」

砲台から無数のミサイル弾が発射され、ダゴン達は容赦なく四散したのだ。

持ち主のイメージを読み取り、その通りの武器に変化する。

これこそが、この『パンドラ』と呼ばれる魔具の特性であった。

その破壊力は、疑似地獄門までもが瓦礫と化す程だ。






 ダゴンの同族達ごと、疑似地獄門を破壊したダンテ。

「ダンテ!」

そんな彼等の元に、当麻達が駆け寄る。

「よし、次行くか」

「ああ」

次に向かおうとした一行であったが、まさにその時だ。

「うおっ!?」

「え?」

「は?」

「なっ!?」

パンドラの破壊力が凄まじすぎたせいか、地面に大きく穴が開いてしまう。

それも、ダンテ達の足下に……。

「不幸だぁぁぁぁぁ!」

穴に落ちると共に、当麻が絶叫を上げたのは言うまでもない。

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 投稿が遅れてしまいました。

ダンテのルートは、少し短縮になります。
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