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学園都市Golden 第16話:スパーダの血統
作者:亀鳥虎龍   2019/03/12(火) 23:52公開   ID:BrmH9keJJ12
 魔銃パンドラで暴れた結果、足元に開いた穴に落ちてしまったダンテ達。

「不幸だァァァァ!」

当麻の絶叫が響く中、ダンテが彼と幽助を担ぐ。

「捕まりな」

「アーチャー! 着地は任せる!」

「了解した!」

「セイバーは、雪泉を!」

「うむ!」

指示を受け、アーチャーは白野を、セイバーは雪泉を抱える。

この時、神裂は考え込んでしまう。

「(このまま、無事に助かる事が出来るでしょうか? 聖人の私やダンテ、サーヴァントがいる岸波白野はまだいい。 しかし、他の方々が――)」

地下のまであと、10メートルを切った。

するとジョルノは、胸のブローチを下へと投げ落す。

ブローチがカランと落ちると、彼はその場で叫んだ。

「ゴールド・エクスペリエンス!」

『生命』を与えられたブローチは、木へと生まれ変わった。

コレによってジョルノ達は、枝に捕まることでことなきを得たのだ。






―スパーダの血統―





 フォルトゥナ城を後にし、ダンテ達は先へと進む。

「ホント、死ぬかと思った」

「悪い悪い。 流石にアレはやり過ぎたぜ」

「絶対ェ反省してねぇだろ!」

反省の色が無いダンテに、当麻は若干キレそうになる。

そんな中、何かが彼等の方へと走り出す。

「なにアレ?」

「犬?」

それは数匹の犬だが、ただの犬ではない。

体が炎で構成されたような感じの姿の犬で、正確に言えば犬の姿をした悪魔という感じだ。

「ほう……」

コレを見たダンテは、不敵な笑みを浮かべる。

瞬間、犬の悪魔は自身の頭部を飛ばしたのだ。

コレを見たダンテは、右へと跳ぶ。

「いいぞ! 良し来い!」

着地と共に、犬の悪魔を煽るダンテ。

犬の悪魔達は一斉に、彼に襲いかかった。






 リベリオンを背中に差し、ダンテは背伸びをする。

その周りには、犬の悪魔達が転がっていた。

ほんの一瞬の出来事だ。

ダンテはリベリオンを抜き、容易く彼等を切り伏せたのである。

ダゴンの時もそうだが、彼の常人離れした強さは計り知れない。

魔剣士スパーダの血が、彼をそこまで強くしたのだろうか?

それとも、彼が自分で選んだ正義がそうさせたのか?

流石の当麻達も、分からないままである。

こうして彼等はラーミナ山を後にした。






 採掘場跡を抜け、遂にフェルムの丘のふもとへと辿りつく。

「ようやく、着いた……」

誰もが息を切らすも、一行はあるものに視線を向ける。

「どうやら、アレも倒す必要があるようですね」

神裂が呟き、当麻も唾をごゴクリと飲み込む。

全身が炎に包まれた巨体の悪魔。

当麻はこの悪魔を知っている。

最初にネロが戦った上級悪魔、炎獄の覇者・ベリアルだ。

ベリアルは空に浮かぶ神を見上げながら呟く。

「人間が、神を名乗るとは……何と愚かな」

まさにその時だった。

「同感だな」

「っ!?」

自身の呟きに返事した声に、彼はすぐさま辺りを見渡す。

そして背後を向くと、尻尾に一人の男が腰をおろしていた。

とても退屈していたという顔で。






 ベリアルの尻尾に腰を下ろし、手で扇ぐ仕草を見せるダンテ。

この光景に当麻達は、内心で「何時の間に!?」という顔になってしまう。

しかしベリアル自身は激昂し、容赦く尻尾を振るう。

「はっ! イヤッホー!」

何故か楽しそうに、ダンテは尻尾から降りる。

「早く気付けよ。 コートが焦げちまったじゃねぇか」

コートについた火を払いながら、ダンテは余裕を常に見せている。

「ようやく出会えたな。 逆賊スパーダの息子!」

「おっ、ようやく俺を知ってる奴に会えたぜ」

「貴様に敗れた同胞の仇、此処で取らせて貰うぞ!」

「その前に、待っててくれないか?」

「なに?」

怒りを募らせるベリアルであったが、この一言で動きが止まった。

「実はある物を回収したくてね。 このままやり合っても良いが、そいつを回収させてからで構ないか?」

「………」

一度は沈黙したが、ようやくベリアルは口を開く。

「好きにしろ」

「悪いな」

ダンテは疑似地獄門の元へ行くと、装置から光球手に取る。

「…魔具か……」

「待たせて悪かったな。 何なら、コイツを使って戦っても良いかい?」

「フン。 言っただろう、好きにしろと」

「そんじゃ、お言葉に甘えて…」

そう言ってダンテは、その魔具を装着したのだ。

見た目は赤い眼が光る顔に、翼が着いたような外見の肩当てである。

この魔具を見たベリアルは、驚きを隠せない。

「……ルシフェルか!?」

「良く知ってな、お友達か?」

「何故だ!? 何故貴様がルシフェルを!?」

「ちょっと前に、仕事先でやり合ってな。 ぶっ倒したらこうなった」

『ルシフェル』を初めて手にした経緯を聞かれ、ダンテは当然のように答えた。

それを聞いたベリアルは、驚愕を隠しきれない。

勿論、当麻達も驚愕するかなかった。

ルシフェルが悪魔だった事もそうだが、それを魔具になるまで倒したダンテの強さも測り知れなかったのだ。

「待たせたな。 そんじゃ、始めようぜ!」

こうして、ダンテとベリアルの激戦が始まった。






 全身の炎を燃え上がらせ、ベリアルはダンテに襲いかかる。

しかしダンテは容易くかわし、ルシフェルから取り出した細長い剣を投げ飛ばしていく。

剣はベリアルの体へと突き刺さるが、大したダメージを与えられてはいなかった。

「効いてない!?」

「そんな!?」

驚く当麻達を他所に、ダンテは構わず攻撃を行う。

腕や足、胸に頭部と……、何度もルシフェルの剣を突き刺していく。

だがベリアルは、全く効いた様子はない。

「貴様、愚弄する気か!?」

大した攻撃をしてこないダンテに、遂にベリアルは激昂。

「うおぉぉぉぉぉぉ!」

襲いかかる彼に対し、ダンテは一本のバラを投げる。

「さて……仕上げだ」

バラが剣に当たった瞬間、まさにその時だった。

ベリアルに刺さった剣の一本が爆ぜ、他の剣も連鎖するように爆発を起こしたのだ。

「ぐおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

この爆発により、ベリアルが膝を着いたのである。

相手の体に剣を数本刺し、刺した分だけ爆発を起こす。

これが『ルシフェル』の最大の特性なのだ。





 ダンテの圧倒的な強さを前に、体力が限界を迎えたベリアル。

「こ、これ程の力の差があるとは……無念」

「大人しくお家に帰るんなら、見逃してやってもいいぜ? どうする?」

情けをかけたダンテであるが、ベリアルの答えは決まっていた。

「一度は退いた身……二度は退かん!」

体が飛散し、頭部のみを飛ばしたベリアル。

向かって来る彼に対し、ダンテは避ける素振りを見せない。

そして肩に喰らい付いたベリアルだが、避けなかったダンテに疑問を持つ。

「なぜ、避けようとしない…?」

その問いに対し、ダンテは呟くように答えた。

「さあな……ただの気まぐれだ。 気は済んだか?」

「気まぐれだと……そうか…」

この瞬間、ベリアルは内心で呟く。

「(スパーダが反旗を翻したのも……気まぐれだったかもしれんな……)」

ダンテに敗れた同胞たちに詫びながらも、彼は消滅したのだった。






 ベリアルを打ち破り、疑似地獄門へと近付くダンテ。

そして、ルシフェルの剣を投げ飛ばした。

「まずはコイツを……突き刺す! 真っ直ぐに! 強く! 時に大胆に……そして時に繊細に……!」

次々に刺していく剣は、次第にハートマークになっていく。

「後は絶頂を迎えれば……」

口にバラを咥え、軽く手を叩く。

剣が爆発し、疑似地獄門はハートの形になり、

「…そして自由になれる」

最後にバラを真ん中に刺した剣に投げ当てた瞬間、疑似地獄門は真っ二つに割れたのだった。

上空に浮かぶ神を眺めながら、ダンテは不敵の笑みを見せる。

「後はアンタの番だぜ、神サマ」

そして彼は、当麻達と共に街へと向かう。

最後の魔具を、取り戻すために……。






 フェルムの丘を出て、遂にフォルトゥナ市街に辿りついたダンテ達。

しかしそこには、無数の悪魔が暴れていた。

「なんて数だ!」

「コイツ等を相手にしながら行くのは、ちと骨が折れるぞ!」

悪魔たちの姿に対し、誰もがゴクリと唾を飲む。

「皆さん、行って下さい!」

「ここは俺達に任せな」

そう言うと、神裂とユーリと幽助が前線に出る。

「良いのか!?」

「早くしろよ? 時間がねぇんだ」

「安心しろ。 すぐに追いつくぜ」

「……ああ」

「行きましょう!」

三人に悪魔を喰い止めて貰い、当麻達は足を進めたのだった。






 歌劇場に到着し、扉を開けた当麻達。

そこには、アグナスが腰をおろしていた。

照らされたスポットライトの光りの中で、彼は悲しげに呟く。

「悲しいかな…。 悪魔如きでは、キミを停める事はでぬのか」

するといつの間にか、ダンテがスポットライトの光を浴びながら叫ぶ。

「呼んでは殺し、呼んでは殺し…。 歪んでいるな、正気じゃない。 それがお前達の正義か!?」

「人間は、まことに愚かな生き物だ。 一度地獄を味わわねば、神の存在を信じようとしない! なんとも皮肉な事だ」

「そんな話には興味はない。 俺は、アレを――返して欲しいだけだ!」

「閻魔刀か! キミが望んでやまぬ物は! 私がここで守る閻魔刀だな! そう来ると思っていたよ!」

「いいぜ、来いよ! 始めよう! 天使様と戦う事が出来るのは、素晴らしい事だ」

奇妙な三文芝居が終わり、アンジェロアグナスとの戦いが始まったのだった。

「いや、マジで何なの? この茶番…」






「さあ、来な! ここからは真剣勝負だ!」

互いに剣を構え、ダンテとアグナスが激突する。

しかしアグナスの剣技は、あまりにも大したものではなかった。

容易く弾いたダンテは、即座に切り払う。

だがアグナスも、羽を広げて後ろへ飛ぶ。

「ふん。 私も、剣だけで貴様を倒すつもりはない」

同時に、羽から怪しい光が煌き始める。

それは地獄門や、疑似地獄門の解放に似ていた。

羽からはラーミナ山頂で遭遇した、あの犬の悪魔が出現する。

「いけ、バクリスク」

「お、山で見たワンちゃんじゃねぇか」

「そ、そいつは魔銃と猟犬をかけ合わせて生み出した。 一匹一匹は大した強さではないが、む、群れをなせば手強くなる」

「確かにヤバそうだな。 だがな……」

ダンテがニヤリと笑い、同時にバグジリスが吹っ飛ぶ。

「こっちは俺一人じゃないんだぜ?」

背後には当麻達が立っており、彼等がバグリスクを倒す。

因みに当麻の左手には、ギルガメスが着いている。

ダンテから「防具くらいは着けときな」と言われ、装着させられたのだ。

「ならば、これはどうだ! やれ、カットラス!」

そう言うとアグナスは、羽から再び悪魔を召喚する。

召喚されたのは、魚の様な悪魔であった。

泳ぐように地中を泳ぎ出し、曲剣の刃の様な背びれで襲いかかる。

「今度はお魚チャンか?」

「き、き貴様こそ、私の研究を甘く見ない事だな!」

襲いかかるカットラスであるが、地中から跳び上がったところを、

「URYYYYYY!」

ジョルノがゴールド・Eの連打で叩き伏せたのだ。





 バクリスクもカットラスも倒され、うろたえてしまうアグナス。

「ワンちゃんもお魚ちゃんもダウンしたみたいだ。 どうする?」

「舐めるな!」

挑発するダンテに対し、アグナスは激昂した。

羽を広げると、再び煌めきだしたのだ。

するとダンテは、自身の魔力が吸われている事に気付く。

バクリスクもカットラスも、魔力を吸われて溶けるように消えていく。

「武器兼食料ってワケか。 ワンちゃんもお魚ちゃんも可哀相だな」

「こ、この能力がある限り、きき貴様は私には勝てない! いや、あり得ないのだ」

「仕方ねぇ、ちょいとばかし本気を出すか」

不敵な笑い声を上げるアグナスに、ダンテは深呼吸しながら目を閉じる。

次第に彼の身体が、赤い異形へと変わる。

己の内なる悪魔の力を解放、その名は『悪魔の引鉄デビルトリガー』。

悪魔の姿と化したダンテに、当麻達は驚きを隠せない。

「いくぜ」

リベリオンを構えたダンテは地を蹴り、必殺の突き『スティンガー』を放つ。

「っ!?」

驚きを隠せないアグナスに、その一撃を放ったのだ。

「ぐあぁぁぁぁぁ!」

吹き飛ばされ、壁に激突したアグナスは、元の人間の姿へと戻ったのだった。






「ば、バカな!? どうして!? これ程の力の差が!?」

混乱するアグナスであったが、ダンテは肩を竦めながら答える。

「お前が人間じゃねぇからだ。 簡単だろ?」

「何だと!? そ、それはき、貴様も同じだろうが!」

「一緒にするな!」という気持ちで、当麻や雪泉はアグナスに怒りの視線を向ける。

しかしダンテは気にせず、そのまま話しを進めた。

「そんなに人間が弱く感じるか? 確かに人間は弱い生き物だ。 けどな、悪魔にはないチカラを持ってる」

「な、な、な、何だと!? それは何なんだ!? お、お、教えてくれ! こ、こ、こ今後の参考にしたい!」

メモ帳とペンを取りだし、“悪魔にはない人間の力”を聞き出そうとするアグナス。

しかしダンテは銃を撃ち、彼のメモ帳が吹き飛ぶ。

「あ! あああああ……!」

宙を舞うメモ帳の一枚一枚に、アグナスは必死に取ろうとする。

ようやくメモの一枚を手にしたアグナスだが、

「研究の続きは、あの世でやるんだな」

「っ!?」

「俺からの宿題だ」

メモの穴からダンテが、銃口を向けていたのだ。

そして引鉄に指の力が込められ、放たれた弾丸が眉間に命中。

吹き飛んだアグナスは、その場で絶命し、

「そして残るは、沈黙のみ……か」

最後にダンテは呟くのだった。

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■作者からのメッセージ
 次回、ネロの救出です。
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