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学園都市Golden 第18話Aパート:Gを追跡/黄金体験、Bパート:真選組の長い一日
作者:亀鳥虎龍   2019/03/18(月) 20:47公開   ID:BrmH9keJJ12
 ジョルノ・ジョバァーナ。

天空学園高等部の学生で、国籍はイタリア。

父親はイギリス人で、母親は日本人。

しかし父親は、彼が生まれた時には他界。

幼い頃まで日本で育ち、母親の再婚でイタリアに移住。

そして16歳の現在、学園都市に移住する。

「で…本当にやるんですか?」

神裂が資料を読み終えた後、ステイルは一服しながら答えた。

「ああ。 アイツの…ジョルノ・ジョバァーナの行動を監視するぞ」

こうしてステイル達による、『ジョルノ・ジョバァーナ尾行作戦』が行われたのだ。





―Aパート:Gを追跡/黄金体験―





 学園都市第7学区。

ステイルと神裂達は、寮からでたジョルノの後を追う。

「こんな事して、何になるんですか?」

「僕だって、こんなストーカー紛いな事はしたくないさ。 だが、アイツには隠された秘密があるはずだ」

「そんな大袈裟な……」

嘗てステイルは、ジョルノを警戒するべき相手だと認識していた。

石仮面の情報を知っていたり、インデックスに劣るも魔術の知識にも豊富であった。

しかも、相手の命を奪う覚悟も備えている。

そんな相手を、警戒しない方がおかしい。

だからこそステイルは、ジョルノを尾行する事を決意したのだ。






 暫く尾行していると、ジョルノの元に二人の女性が駆け寄る。

「すみませーん」

「第6学区って、どう行けば良いですか?」

首に入場許可のIDがある事から、観光客のようだ。

「ああ、それでしたら……」

女性に対し、ジョルノは第6学区への行き方を教える。

「普通に道を教えてますね」

「う〜ん……」

物陰から、その様子を見ていたステイル達。

すると男が、女性の背後にぶつかる。

「きゃっ!」

「おっと」

倒れそうになった女性を、ジョルノがすぐに受け止めた。

「大丈夫ですか?」

「あ、ありがとうございます」

「チッ、気ィ付けろ」

男は詫びもせず、そのまま素通りしていく。

「じゃあ、行こっか」

「そうだね」

女性達も立ち去ろうとしたが、ジョルノが声をかける。

「あの、落としましたよ」

「え?」

彼は財布を差し出し、女性はズボンのポケットを確認。

財布がない事に気付き、慌てて受け取った。

「あ、ありがとうございます」

「いいえ」

女性達と別れ、ジョルノは再び歩きだしたのだった。






 その様子を眺めていたステイル達。

「普通に親切じゃないですか?」

エレノアが首を傾げるが、ロクロウがこう言ったのだ。

「いや、さっきの男……スリだったぞ」

「えっ!?」

「ええ。 間違いありません」

剣士ゆえか、洞察力の優れたロクロウと神裂は見ていた。

男がぶつかったふりをして、女性のポケットから財布を掏ったところを。

しかし上着のポケットに入れた財布を、ジョルノに掏られてしまったのだ。

だが何も知らない女性達に、ジョルノは普通に財布を返した。

常人にも分からない神技であった。

「盗人が盗品を盗まれるとはな……」

「アイツ、ホントに何者だ?」

アイゼンもマギルゥも驚くも、再び彼等は尾行を続けたのである。






 暫く尾行すると、今度はアイスクリーム屋に辿りつく。

「アイスでも買うのか?」

「そのようだな」

出来るだけ近くで、彼等は様子を窺う。

「すみません。 チョコレートとバニラを二段で一つ――ん?」

アイスを注文するジョルノであったが、あるものが目に入った。

それは幼い子供で、4〜5歳くらいの少年だ。

少年を見たジョルノは、店主にこう言った。

で」

「はいよ」

そして注文したアイスの一つを、少年に差しだしたのである。

少年は嬉しそうにアイスを口にし、その姿にジョルノも笑みを浮かびながら立ち去った。

この光景に神裂達は、驚きを隠せない。

「し…紳士だ……」

「あんな行動……普通はだれもやらないぞ!?」

「何なんじゃ、あやつは!? 尾行しとるワシ等が情けなく感じるぞ!?」

「あんな良い人を警戒するなんて……酷いじゃないですか、ステイル神父!」

「いや、僕のせい!?」

ジョルノの善行に対し、エレノア達は罪悪感からステイルを責めたのであった。

この時彼等は、全く気付いていなかった。

ジョルノが途中で、カーブミラーを覗いていた事を――。







 オープンカフェに着くと、ジョルノは紅茶とサンドウィッチを注文。

紅茶を飲み、サンドウィッチを口に運ぶ。

「普通に…優雅な食事を嗜んでますね」

「何も怪しい行動はないんだが……」

すると、神裂の携帯電話が鳴りだした。

「失礼。 もしもし?」

電話に出ると、相手は意外な人物だった。

『もしもし、ジョルノ・ジョバァーナです』

「えっ!? 何で貴方が!?」

『何でって――』

驚く神裂であったが、ジョルノはとんでもない言葉を口にした。

『自分を尾行してる相手に、電話をかけてはいけないという決まりはないですよ?』

「………え?」

『気配は隠せても……鏡に映った自分の姿は、消せませんからね』

「っ!?」

それを聞いた神裂は、近くにあったカーブミラーを見る。

鏡に映った自分やステイル達の姿に、神裂は「しまった!」という顔になってしまう。

再びカフェを見ると、こちらを見るジョルノの姿があった。

不敵な笑みを見せながら、彼は最後にこう言ったのだ。

『チャオ』

電話を切り、彼は勘定を払って去っていく。

既に見破られていた事に、ステイル達は唖然。

「敵いませんね……」

最後に神裂は、そう呟くしかなかった。






 真選組……あらゆる凶悪事件を解決する、学園都市の治安組織。

今回はその、真選組が活動の記録である。

「おお、今日も良い天気だな」

局長の近藤勲が、空を見上げながら笑う。

「さて、今日も町の平和を守るぞ!」






―Bパート:真選組の長い一日―






(午前9:00〜)

 町の中をパトロールしながら、土方は辺りを見渡す。

「しっかし、今日は随分と平和だな」

茶髪でスカジャンを羽織った男が、彼の隣を歩いていた。

彼の名は万丈龍我。

桐生戦兎の知人で元格闘家。

その腕っ節を買われ、警備員アンチスキルに入隊したのである。

実力は高く、真選組局長である近藤も舌を巻くほどであった。

「ちょっと、困るじゃないですか」

すると、誰が揉め事を起こしていた。

「なんか、揉めてるな?」

「みてぇだな」

「見るッスか?」

「だな」

揉め事が気になり、二人はすぐに駆け寄ったのである。






 土方と万丈が駆け寄ると、タクシー運転手がお客と揉めていた。

「おい、どうしたんだ?」

「あっ、真選組の!」

「えっ!?」

「何かあったんスか?」

万丈が問うと、運転手が叫んだのである。

「そうでした! このお客さん、無銭乗車だったんです!」

「そいつは立派な犯罪だな」

土方は容赦なく手錠を構えるが、お客の男は叫んだ。

「まっ、待ってくれ! か、金を払う気はあるんだ」

「じゃあ、何で無銭乗車の疑いを?」

「金が足りなくて……」

「ったく、だったら近くのATMで引き落とせば良いじゃねぇか」

「そう言いますけど、この辺りにATMを設置した店はないですよ?」

「だったら銀行に行くしかないな」

それを聞いた運転手が、ある事を思い出す。

「そういえば、お客さんを乗せた場所って、銀行でしたよね」

「えっ!?」

すると男は、反射的にビクッと驚く。

「丁度良い。 その銀行で金を下ろして、タクシー代として払っとけ。 念の為、俺等も付いてってやる」

こうして土方達は、件の銀行へと向かうのであった。





 銀行に入ると、中は騒動の最中であった。

「何かあったのか?」

「だろうな。 一応、調査してみるか」

受付に付くと、作業員の女性が声をかける。

「あの、申し訳ありません。 実は――あっ!?」

しかし女性は、男の顔を見た瞬間に叫んだ。

「こ、この人! この人、銀行強盗です! ついさっき、この店から逃げました!」

「「「………」」」

土方と万丈、運転手がジト目で男を見る。

男は苦笑してしまうが、土方はその手を掴み、

「強盗の容疑で逮捕する」

その場で手錠をかけ、逮捕したのであった。





 警察に連行された男を見届けながら、万丈は土方に問いかける。

「トシさん、ちょっと良いッスか?」

「何だ?」

「何であの強盗犯、タクシー代を持ってなかったんスかね? 持ってたら、運転手と揉めなかったし、俺等に遭遇する事もなかったんじゃ?」

「多分、盗んだ金で払うつもりだったんじゃねぇか?」

「それって、失敗した事を前提に入れてなかったってことか?」

「ああ。 図々しいにも程があるって事だ」

アホな強盗に土方は呆れ、万丈も苦笑するしかなかったのだった。





(午後13:20〜)

 真選組の屯所にて、突然の電話が鳴り響く。

「はい、真選組です」

右手にバトミントンラケットを持った男が、受話器を左手で取った。

彼の名は山崎退。

真選組の監察官で、趣味はバトミントンとカバディである。

「えっ!? 分かりました!」

受話器を電話に戻すと、山崎は近藤に叫んだ。

「局長! ○×銀行の△支店で、強盗の被害連絡が!」

「よし! 真選組、出動だ!」

近藤の叫びと共に、真選組は出動したのだった。






 とある一軒の建物にて、

「やったぞ! 大金だ!」

覆面を被った男は、不敵な笑みを見せる。

「フハハハハ! どうだ、この俺の頭脳を! コレで俺は犯罪界の頂点に達したのだぁ!」

銀行強盗に成功し、捕まる事なく逃げ切れた男。

ただ一人、高らかに笑いを上げたのだが、

「真選組だぁ! 御用改めである!」

「なにィ!?」

真選組に逮捕されてしまったのであった。






 強盗を逮捕し、嬉しそうに笑う近藤。

「いや〜、無事に逮捕できて良かったな」

「そうですね。 でも……」

山崎は苦笑しながら、目の前の建物に目を向けた。

その先にあるのは、強盗の被害に遭った銀行である。

「まさか、犯人の自宅と銀行が、お向かい同士だったなんて……」

「犯行に及ぶには近かったが、そのまま逃走をしたのが失敗だったな…」

「まさか行員に、逃走を目撃されるとは思わなかったんでしょうね」

計画が雑過ぎる強盗に、二人は呆れてしまうのであった。





(深夜12:40〜)

 深夜を過ぎても、真選組に休む暇はない。

突然電話が鳴り、近藤は受話器を取る。

「はい、真選組」

『大変です! 知り合いが喉に飴を詰まらせて!』

「何っ!? 場所は!?」

『IKEDAYAホテルの555号室です! 自分はオートロックで中に入れなくて!』

「分かった、すぐに行く!」

「近藤さん、どうした?」

「ホテルの客が、知り合いが飴を喉に詰まらせたって連絡だ。 トシ! 総悟! 行くぞ!」

「はい!」

「へい」

こうして彼等は、ただちに出動したのであった。





 出動から数分後、近藤達はIKEDAYAホテルに到着した。

すぐさま彼等は、ロビーの受付へと向かう。

「真選組だ。 555号室を開けて欲しい!」

「あの、どうかしたんですか!?」

突然の来訪に驚く受付嬢。

「頼む、人命の危機なんだ!」

「わ、分かりました!」

こうして近藤達は、555号室へと向かうのであった。





 受付嬢がスペアキーで555号室を開ける。

「おい、どこだ!」

「俺は奥を見てくる!」

近藤が部屋の奥を見るが、人の気配が全く無い。

「あの、何かあったんですか?」

問いかける受付嬢に、沖田が平然と答えた。

「この部屋の客から、ダチが飴を喉に詰まらせたって通報がありまして……」

「えっ、でも……」

すると、その時である。

「おお〜、さすが真選組。 来てくれて助かるよ」

そう言って、一人の男が入って来た。

「アンタが、この部屋の客か?」

「はい、そうです」

「喉に飴を詰まらせたダチってのは、今どこですかい?」

「えっ?」

沖田の問いに対し、男は目を逸らす。

「あ…ああ、アイツなら…無事に飴を吐き出せたから……もう帰ったよ」

「なに?」

「だから…その……来て貰って悪いけど、もう帰って良いよ……」

「あん?」

男の言動に違和感を感じた土方であったが、近藤が戻ってきた。

「おい、誰もいないぞ?」

すると受付嬢が、こう言ったのだのである。

「お客様。 この部屋は一人部屋シングルルームになっております。 もう一人お泊りの方がいるのでしたら、そういう事をされるのは……」

「一人部屋だぁ?」

それを聞いた土方は、ギロリと男の顔を睨む。

目を逸らしながら苦笑する男に対し、沖田が男の肩に手を置く。

「悪ぃけど、ちょ〜〜〜っと話しを聞きましょうかね?」






 男は手錠をかけられ、緊急連絡の不正利用で逮捕される。

「まさかフロントに頼むのが面倒だからって、真選組ウチに電話をするなんて……バカな客でしたねぇ」

「――ったく、こっちの都合も考えろっての!」

「もうあんな事は…………多分よな?」

「………多分な」

平常運転の沖田にクタクタの近藤、そして一服しながら呆れる土方なのであった。

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■作者からのメッセージ
 短編を2本立てで書きました。

さり気に『仮面ライダービルド』から、万丈を出しました。

彼はアンチスキルか真選組のどちらかに所属させる予定でしたので、アンチスキルとして出させてもらいました。

早めに出さないと忘れてしまいそうでしたから。
テキストサイズ:9947

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