ここは全年齢対応の小説投稿掲示板です。小説以外の書き込みはご遠慮ください。

混魂 第十六話:女神でドSな女王様
作者:亀鳥虎龍   2020/03/15(日) 23:21公開   ID:SITQgi7z/cc
 魂郷町のとある廃工場。

「おい、見つかったか!?」

「いや、どこにも」

「くそっ、どこ行きやがったんだ」

「急げ、急いで捜すんだ!!」

黒スーツを着た男達が、誰かを探していた。

果たして、彼等の捜しているものとは?






―女神でドSな女王様―






 スクーターを走らせていた銀時であったが、彼はある事に気付く。

「しまった。 今日はジャンプの発売日だった」

それは愛読書の漫画雑誌、『週刊少年ジャンプ』の発売である事だ。

「いや、別に良いだろ? 夕飯の材料も買ったんだから、このまま帰ろうぜ。 ジャンプはその辺のコンビニで買えば良いしよ」

後ろに座っていたユーリは、呆れながらため息をする。

「そ〜〜〜なんだけどよ〜〜! でも、気になんだよなぁ〜〜」

「いいから前見て走れ。 そんな事考えたら、事故っちまうぞ――」

ジャンプを買おうかと悩む銀時に、ユーリは運転に集中するように促す。

だが、次の瞬間だった。

「――って、おい! 銀時、前!」

「へっ?」

ユーリが叫び、銀時は前を見る。

そこには前方で少女が、倒れかけようとしていた。

「やべっ――」

思わずブレーキを掛けた銀時。

スクーターは止まり、二人は辺りを見渡す。

すると後ろに、少女が倒れた姿があった。





「……銀時」

「………」

「お前…何やってんだぁぁぁぁ!」

暫く沈黙の銀時だったが、ユーリの怒号が響いた。

「だからジャンプは後にしろって言っただろうが! お前が前を見て運転しねぇから!」

怒鳴るユーリに対し、銀時は冷静な口調で叫ぶ。

「お、落ち着くんだユーリ。 とりあえず、タイムマシーンを探すぞ」

「いや、お前が落ち着け!」

しかしゴミ箱からタイムマシーンを探そうとしてる時点で、彼はかなり動揺していた。

「とりあえず、救急車と警察だ」

「え、マジで?」

「当然だろ? 元はと言えば、お前がジャンプなんか気にするから…」

携帯電話を取りだし、救急車に連絡しようとしたユーリ。

だが、何かが頬を掠った。

「へ?」

何が何だか分からない状態だったが、黒いスーツ姿の男達が現れたのだ。

その手には、拳銃が握られて入れる。

「悪いが、その子を渡して貰おうか」

「…おいおい、この子の保護者様か? それにしちゃ、随分と物騒なもんをお持ちだな」

掠った頬から出た血を拭いながら、ユーリは不敵な笑みを見せ、

「事故った俺が言うのもなんだが、人に銃を向けながら「渡せ」と言われて、「はい、良いですよ」って言わねぇよ」

銀時も苦笑しながら木刀に手を伸ばす。

しかし、その時だった。

「ふぁ〜、良く寝た〜」

「「へ?」」

後ろから声が聞こえ、二人はゆっくりと振り向く。

「ほえ?」

そこには、先程の少女が首を傾けていた。

しかも身体には、傷が全く付いていない。

一度は沈黙したが、銀時はすぐさま少女を抱え、

「逃げるんだよぉ!」

「お、おう!」

ユーリと共に逃げたのだった。






 その頃、マイと悠は……、

「ここですよね?」

とある廃工場に来ていたのだ。

実は近所の人達から、「怪しい人影が廃工場を出入りしているから調べて欲しい」という依頼を引き受けたのである。

窓をこっそり覗くと、複数の男達が集っていた。

その手にはスーツケースと、札束の入った封筒。

「アレは?」

「まさか…密売?」

「と、とにかく警察に……」

マイが携帯電話を取ろうとしたが、その時だ。

「は、ハックシュン!」

「えっ!?」

誤ってクシャミをしてしまい、中にいた男達にも気づかれた。

「誰だ!?」

「くそっ、気付かれた!」

《バイソン》

男の一人が、ガイアメモリを首筋に挿し込む。

猛牛の様な頭部に、人のような筋肉質な身体。

『猛牛の記憶』を宿す、バイソン・ドーパントと化したのだ。

「ウオォォォォォォ!」

バイソンは勢いのある突進を行い、コレを見た二人は反射的に避けた。

同時に壁が砕け、大穴が出来たのである。






「な、何て威力だ」

「す、凄い…」

バイソンの突進を目にし、マイと悠は驚愕し、

「マズイ! どうする!?」

「このまま逃がすわけにはいかん!」

男達はナイフや刀を手に持ち、二人もすぐさま構える。

マイは朱弾を手に持ち、悠はアマゾンズドライバーを装着。

「悠さん、ドーパントは任せます。 気を付けて下さい」

「ナツメさんも、気を付けて」

そして黒服達にはマイ、バイソンには悠が対峙する。

槍と体術を駆使し、黒服達を激戦を繰り出すマイ。

そして悠は、アクセラーグリップを捻り、

《オメガ》

「アマゾン!」

《エボル・エボ・エボリューション》

仮面ライダーアマゾンオメガへと変身したのだった。






 黒服達は攻撃をして来るが、マイはそれを捌きながら攻撃を繰り出す。

「遅い!」

数人を薙ぎ倒していき、徐々に数を減らしていく。

壮絶な過去を持つ銀時や、心の余裕を持てるユーリ、そして変身で能力が上がる悠。

この三人に比べれば、彼女は非力といっても良い。

しかし自身の身体能力を活かした体術に、朱弾ガリアスフィラを用いた槍術。

この二つを組み合わせる事で、マイ=ナツメは初めて本領を発揮できるのだ。

善戦の最中、黒服の一人が銃を取りだし、彼女へと発砲する。

弾丸が3発放たれるが、マイは全て弾き落とした。

「ラストぉ!」

そのまま駆け出し、膝蹴りを叩きこんだのだ。

「よし!」

最後に一人を撃破し、彼女は小さくガッツポーズを決めたのである。






 一方のアマゾンオメガは、バイソンと激突していた。

工場の外で、二人は激しい攻防戦を繰り広げる。

「くそっ!」

するとバイソンは、一旦距離を取ると、

「うおぉぉぉぉぉ!」

容赦ない突進を繰り出した。

コレを見たアマゾンオメガは、アクセラーグリップを捻り、

《バイオレントストライク》

「ハァ!」

その場でドロップキックを叩きこんだ。

必殺技の『バイオレントストライク』が決まり、バイソンは大きく吹き飛ぶ。

しかし決定打にはならなかったのか、すぐさま立ち上がった。

「うおぉぉぉぉぉぉ!」

再び突進をしてきたが、アマゾンオメガは避けようとしない。

それどころか、バイソンの突進に真っ向から挑んだのだ。

頭の角を掴み、激しい押し合いとなる。

「うおぉぉぉぉぉ!」

「うぐっ……」

突進を止めないバイソンだったが、ここでアマゾンオメガが動いた。

「ウオォォォォォォォォ!」

本能に身を任せ、バイソンを上空へと投げ飛ばしたのだ。

「な、なにィィィ!?」

投げ飛ばされたバイソンは、そのまま急行落下していき、

《バイオレントパニッシュ》

「うおぉぉぉぉぉ!」

アマゾンオメガは、必殺技の『バイオレントパニッシュ』を放ったのだ。

ドスン!と、必殺の一撃が決まり、

「ギギャァァァァァ!」

バイソンはその場で爆散したのである。

そして元の男の姿へと戻り、メモリも排出と共に砕けた。






 その頃、銀時とユーリはというと、

「あたし〜、プルルート。 よろしくぅ〜」

謎の少女『プルルート』と共に、黒服達の追跡を逃れていた。

薄紫色の髪にマゼンタ色の瞳、寝間着の様な格好にスリッパ姿。

そして口調は、とても穏やかなでおっとりである。

「おう、ユーリ・ローウェルだ。 んで、この天然パーマが」

「坂田銀時だ。 つーか、ユーリ。 俺の特徴、天パ以外にないのかよ」

「んで、お前はどうしてアイツ等に追われてたんだ?」

「お〜い、無視かぁ〜?」

銀時を完全無視し、ユーリはプルルートに問う。

この質問に対し、彼女は答えたのである。

「実は〜、分かんないの〜」

「「……は?」」

「それが〜、公園の木の下で、お昼寝してたんだけどぉ〜。 そのままあの人達に、連れて行かれたの〜」

のんびりした口調で喋るプルルートだったが、彼女の言い分をユーリは簡潔的にまとめた。

恐らくあの男達は、プルルートの秘めている何かに目を付け、彼女が眠っている間に連れ去ろうとしていたようだ。

「そんで、どうすんだよ?」

「考えても仕方ねぇ。 まずは、連中をどうにかするぞ」

因みに三人は、とある港街にいる。

「まずは、マイと悠に連絡するしか――」

携帯電話を取ろうとしたが、まさにその時だ。

バァン!――と、銃声が響いき、

「―――っ!?」

同時に、ユーリの右肩が撃たれたのである。





「ユーリ!」

膝をついたユーリであったが、右肩の出血を左手で抑える。

「大丈夫だ。 肩をかすめただけだ」

「クククク……もう、逃げられんぞ」

そう言うと、葉巻を加えた男が現れた。

しかも手には、銃が握られている。

「さて、その女神を渡して貰おうか?」

「女神? まさか、プルルートの事か?」

「そのとおり。 その娘は、女神の力を宿しているのだ」

「マジかよ…」

プルルートの正体を知り、ユーリも銀時も驚愕する。

「その娘をこっちに寄越しな。 そうすれば、こっちに危害を加える事はしねぇ」

「人の肩を撃っといて、はいわかりましたで終わるかよ」

「――ったく、ざけんのも大概にしとけよ」

しかしタダで渡すつもりもなく、二人はゆっくりと構えた。

「プルルート、お前は逃げろ」

「え?」

「コイツは俺達に任せろ」

「でも…」

「「良いから行け!」」

「………うん」

プルルートが走り去る姿を見届け、再び黒服達の方へと視線を向ける。

「待て!」

その中の一人が、彼女を追おうとしたが、

「させっかよ!」

ユーリが殴り倒し、持っていた刀を奪い取った。

「行くぜ、相棒!」

「当たり前だぜ!」

こうして銀時とユーリは、黒服達に立ち向かったのである。






 銀時とユーリに促され、独りで逃げていたプルルート。

しかし、その時だった。

「捕まえた!」

「ひゃっ!」

黒服に捕まってしまったのである。

「放してぇ!」

「大人しくしろ!」

「やだぁ!」

「このガキ!」

「きゃっ!」

しかし抵抗してきたため、男は思いっきり突き飛ばしたのだ。

プルルートは倒れてしまい、そのまま動かなくなった。

「はっ。 こんなガキの何処に女神の力ってのがあったんだよ。 ボスも物好きだよな」

最後に唾を吐いた男だったが、まさにその時である。

「………」

さっきまで倒れていたプルルートが、ゆっくりと立ち上がったのだ。

「……もう、怒った」

「んあ?」

「もう、我慢するのは……やめた」

彼女の纏う空気が、一変したのだった。






 その頃、銀時とユーリは、

「ハァ…ハァ……これで、全部か?」

「そう…みてぇだな」

息を切らしながらも、黒服達を全員撃破したのだ。

「ほう、これほどとは」

葉巻の男は、二人の強さに感心を覚える。

「おい、今度はアンタの番だぜ?」

「やられる覚悟は、出来てんだろうな?」

「クククク…息を切らしておいて何を言う?」

《グリズリー》

男はガイアメモリを首筋のコネクタに挿入し、その姿を変えたのだ。

大柄な体格で、熊の様な頭部。

そして両腕には、鋭い爪が付いていた。

『大熊の記憶』を宿す、グリズリー・ドーパントへと変身したのである。

「おいおい、冗談きついぜ」

「こっちは、体力の限界だってのに」

体力の限界を迎えながらも、二人は構えを取った。

しかし、その時である。

ドゴォーン!と、何かが飛んで来たのだ。

「「へ?」」

「は?」

銀時とユーリ、そしてグリズリーは唖然としてしまう。

「うっ……」

飛ばされたのは黒服の男で、その場で気を失ったのである。

「な、何だ?」

冷や汗を流した彼であるが、今度は足音が聞こえた。

カツン…カツン…と、何者かが歩み寄り、

「あら、随分と飛んだわね」

一人の女性が現れたのだ。






 銀時達の元に現れた、謎の妖艶な女性。

長い菖蒲色の髪に、マゼンタ色の瞳。

ボンテージ服の様な格好で、手には蛇腹剣を握っていた。

「……おい、誰だ? ここにSM嬢を呼んだ奴は?」

「言っとくが、俺じゃねぇぞ」

「………私でもないぞ」

銀時の問いに、ユーリとグリズリーは答える。

敵同士とは思えない程の軽い会話。

「ゴメンねぇ〜、銀ちゃん、ユーリさん。 あたしの所為で、こんな事になっちゃって」

「何で俺達の事――」

女性が自分達を知っていた事に驚くが、銀時はある人物と面影を重ね、その正体を知った。

「まさかお前………プルルートか!?」

「はァ!?」

「フフフ、御名答♪ この姿の時は、アイリスハートって呼ばれてるわ」

「――ということは…」

「アレがプルルートの……女神としての姿か!?」

プルルートの女神化した姿『アイリスハート』を前に、二人は驚愕したが、

「えぇぇぇぇぇぇ!? アレがそうなの!?」

「「いや、知らなかったんかい!」」

グリズリーはもっと驚いていた事に、その場でツッコミを入れたのだ。

「さ〜て…そこのクマさんが、あたしの相手になってくれるのかしらぁ?」

唇を舐め、冷徹な眼差しで笑うアイリスハート。

その姿はまさに、冷徹な女王であり、

「さあ、たっぷり楽しませて貰うわよ」

彼女はグリズリーと激突したのだった。






 戦闘が終わって約10分後。

「あら、この程度?」

「ひ、ヒイイ〜」

グリズリーは元の男の姿に戻っていた。

ついでに言うと、メモリも砕けている。

圧倒的なパワーで捩じ伏せようとしたが、アイリスハートは蛇腹剣を鞭のように振るい、隙のない攻撃を与えた。

更には電撃をお見舞いし、じわじわと甚振ったのだ。

この攻撃に敵わないと踏み、グリズリーは変身を解いたのである。

同時にメモリを叩き落とされ、踏み砕かれたのだ。

「め…女神よ、お願いします! もうアンタを狙ったりしないから、助けてェ!」

土下座で命乞いをした男であったが、アイリスハートの答えは決まっていた。

「なに言ってるの? あたしを利用しようとしただけでなく、出会ったばかりの銀ちゃんとユーリさんを巻き込んだ。 それで、タダで済むとでも?」

「す、すみませんでしたぁぁぁぁぁ!」

「ダ〜メ、許してあげな〜い」

「そ、そんな…」

「それともう一つ。 あたしの事は〜……」

不敵な笑みと共に、何故か持っていた鞭を握り、

「“女神様”とお呼び!」

容赦なく男に振るったのだ。

「イヤァァァァァァ!」

何度も鞭で打たれる姿を目にし、銀時とユーリは顔を青ざめる。

「おい、ユーリ。 お前、止めて来いよ」

「いや、無理だ」

「だよな」

暫くの間、二人は見守る以外の事はしなかった。

正確には、同じ目に遭うのが嫌なだけである。

そんな中で、銀時はポツリと呟く。

「つーかアレ……女神じゃなくて、女王様だよね?」






 その後、万事屋の事務所にて、

「というワケで、プルルートはウチのメンバーになりました」

「よろしく〜」

「いや、どういう状況?」

プルルートを仲間に前いた銀時に、ユーリはジト目で彼を見る。

勿論、マイと悠も首を傾げてしまう。

「いや、また同じ轍は踏みたくねぇからよ。 流石に一人にするのもあれだし……」

「まあ、それもそうか」

「えへへへへ〜」

こうして彼等の元に、新たな仲間が加わったのだった。








〜オマケ(キャラクター紹介3)〜


プルルート

性別:女

登場作品:神次元ゲイムネプテューヌV

所属:万事屋銀ちゃん

武器:ぬいぐるみ

設定・解説:第十六話から初登場した少女。
何を考えているか分からないが、めったに怒らないほど天然。
しかし怒らせると一番怖い。
その正体は女神で、変身すると外見も性格も変わる。
おっとりだがスボラな性格で、寝間着に近い服にスリッパで歩き回るほど。
しかし言葉の節々に、Sっ気を醸し出した発言がみられる事がある。




アイリスハート

性別:女

登場作品:神次元ゲイムネプテューヌV

所属:万事屋銀ちゃん

武器:蛇腹剣

設定・解説:プルルートが女神に変身した姿。
外見と性格共が大きく変貌し、性格がかなりのドSになる。
黒いボンテージ服に近い格好で、妖艶さを放っており、女王様という言葉が似付かわしい外見。
彼女の敵なった者は、必ずと言っていいほどのトラウマを残す事になる。


■作家さんに感想を送る
■作者からのメッセージ
 というワケで、『ネプテューヌ』シリーズより、プルルートを出しました。

銀時「出すなよ作者ぁぁぁ!」
テキストサイズ:12k

■作品一覧に戻る ■感想を見る ■削除・編集
Anthologys v2.5e Script by YASUU!!− −Ver.Mini Arrange by ZERO− −Designed by SILUFENIA
Copyright(c)2012 SILUFENIA別館 All rights reserved.