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混魂 第十二話:地獄だって大変なんです!
作者:亀鳥虎龍   2020/02/27(木) 23:49公開   ID:Iagjyn7tR9w
 人は“あの世”という言葉を聞くと、大抵は『天国』と『地獄』を想像する。

特に地獄は、恐怖のイメージが強い。

しかし、実際はそうではない。

地獄に行くのは、生前に大きな罪を犯した悪人のみ。

これは、地獄で起こった出来事である。







―地獄だって大変なんです!―







 地獄にある一軒の建物、その名は『閻魔庁』。

その一室に、かなりの巨漢の男がいた。

彼こそが、地獄の代表である閻魔大王だ。

彼は自身の隣にいる人物に、声をかけたのである。

「鬼灯くん。 今日の裁判は?」

「先程の亡者で終了ですね」

赤い襦袢じゅばんの上に黒い着流し姿、額には一本の角が生えていた。

彼の名は鬼灯。

閻魔大王の補佐官を務めている鬼で、それも神格のある鬼神である。

因みに閻魔の巨体で小さく見えるが、彼の身長は180cmなのだ。

「じゃあ、ワシは部屋で休んでるよ」

「わかりました。 では、私は視察に行ってきます」

「うん。 行ってらっしゃい」

立ち去る閻魔を見届け、鬼灯もその場を去った。






 魂郷町のとある街中。

「さて、行きますか」

視察の為、鬼灯は現世に来ていた。

彼の目的は、街に蔓延る亡者たちをあの世へと連れていく事。

「まずは、この辺りですね」

鬼灯は足を進めると、前方を何かが横切ったのだ。

「おや」

それは銀髪の天然パーマで、腰に木刀を差した男がふっ飛ばされた光景だった。

彼が飛んで来た方角を見ると、そこには50代くらいの女性が拳を握りしめている。

「いい加減にしやがれ、この天然パーマがぁぁぁ! そろそろ滞納している家賃を払いやがれぇぇぇ! 出来ねぇなら、キ○○マやり腎臓なり売ってこんかい!」

こめかみに血管を浮かべながら激怒する女性を見て、鬼灯は小さな声で呟く。

「随分と元気な女性だな…。 あの元気なら、獄卒になれそうですね」

思わず勧誘しようかと、本気で考えたのだった。






 再び街中を歩いていた鬼灯。

すると再び、思わぬ場面に遭遇する。

「待ちやがれぇぇぇ!」

「ん?」

それは長い黒髪の青年が、男を追いかけている姿であった。

女物のバッグを持っている事から、男はひったくりのようだ。

「待てって、言ってんだろう!」

青年は近くあった角材を拾い、それを男へと投げつけた。

「うぎっ!?」

角材は頭に命中し、男はそのまま気絶する。

「ユーリさん!」

すると、長い青髪の少女と犬が駆けつけた。

「ひったくりは?」

「とっ捕まえたぜ」

「捕まえたっていうより、気絶させたみたいですね」

そんな彼等の元に、赤いバイクに乗った青年が現れる。

「ひったくりは?」

「この通りだ」

「バイクで追う必要、なかったですね」

「んじゃ、警察に連絡だな」

こうして彼等は、警察に連絡し、

「(見事な身体能力ですね)」

遠くで眺めていた鬼灯は、青年の身体能力に感心したのだった。






 再び歩いた鬼灯は、工場跡の廃墟に来ていた。

「ん?」

しかしそこで、凄まじい衝撃音が聞こえたため、こっそり物陰から窺う。

「うぐ……」

そこには亀の様な姿の怪人が、地面に倒れ込んでいたのだ。

「く、くそ!」

起き上がる怪人に対し、何者かがゆっくりと歩み寄る。

黒い身体に金色の鎧、金色の角と赤い目の仮面を着けた戦士。

この戦士を目にした鬼灯は、その姿に内心で驚く。

「(アレは…アギト?)」

人間が神の領域に達した存在・アギトであったからだ。

怪人は突進してくるが、アギトは頭部の角を展開、

「ハァァァァ……」

ゆっくりと構え、一気に跳び上がる。

「ハッ!」

そして右足から繰り出すキックを、怪人に目掛けて放ったのだ。






 キックの反動で後ろへ跳び、地面に着地したアギト。

ゆっくりと身体を動かし、怪人に背中を向ける。

立ち上がった怪人であったが、その場で苦しみだし、

「がぁぁぁぁぁぁ!」

爆散したのだった。

怪人は人間の姿になり、身体からメモリが排出され、その場で砕けたのである。

「(これは、早めに退散したほうがいいですね)」

思わぬ収穫を得た為、鬼灯はその場を立ち去ったのだった。






 地獄に戻った鬼灯は、閻魔庁で何かを行っていた。

「え〜と……このくらいか…」

それは亡者の過去を映す『浄玻璃じょうはりの鏡』で、アギトの戦いを見る為だ。

《トータス》

『うおぉぉぉぉぉ!』

ガラの悪い男が、USBメモリを使って変身した。

『リクガメの記憶』を宿す、トータス・ドーパントへと変貌したのだ。

街の人々が逃げ惑う中、一人の青年がトータスに立ち向かう。

『逃げてください!』

逃げ遅れた人を逃がし、青年は腰からベルトを出現させる。

『変身!』

腰のボタンを押した瞬間、彼はアギトの姿へと変身したのだ。

「成程、彼がアギトか…」

そして場所は廃墟へと移り、鬼灯が目撃した場面へと至る。

「ふむ……人間は己の限界を越える事で、初めて秘められた力を得る事が出来る。 人が神の域に達した超越進化の体現……それがアギト」

アギトの活躍を改めて確認し、顎に手を添えると、

「まあ、気にする必要はないですね」

そう言って、浄玻璃の鏡の画面を消したのだった。







〜オマケ(キャラクター紹介・その一)〜

万事屋銀ちゃん

元ネタ:銀魂

所長:坂田銀時

従業員:ユーリ・ローウェル、ラピード、マイ=ナツメ、水澤悠

設定・解説:報酬の金額次第で、あらゆる仕事をこなす『何でも屋』の事務所。
居酒屋『スナックお登勢』の二階に設置されている。
銀時の性格が災いして家賃を滞納しているため、生活費や給料は良くない。
基本的に家賃分の資金は、ユーリやマイ達が支払っている。
当初は3人+1匹であったが、第七話からは悠が加わった。



坂田銀時

性別:男

登場作品:銀魂

所属:万事屋銀ちゃん

武器:木刀『妖刀・星砕き』

設定・解説:何でも屋の事務所『万事屋銀ちゃん』の所長で、主人公の一人。
死んだ魚の様な目と、銀髪の天然パーマがトレードマーク。
立場上は所長であるが、基本はダラダラした性格である為、従業員達からの信頼はミジンコくらいしかない。
実は攘夷戦争に参加した侍で、『白夜叉』の異名を持った元・攘夷志士。
甘党で医者からは「血糖値が高過ぎる」と言われ、既に糖尿病予備軍になりかけている。
このドクターストップが原因で、パフェが週に一回しか食べられないらしい。




ユーリ・ローウェル

性別:男

登場作品:テイルズオブヴェスペリア

所属:万事屋銀ちゃん

武器:日本刀『ニバンボシ』

設定・解説:『万事屋銀ちゃん』の従業員で、主人公の一人。
銀髪で白い衣服を着ている銀時とは対照的に、長い黒髪で黒い衣服を着ている。
従業員の中では、銀時との付き合いは長い方。
その為、彼のボケに冷淡なツッコミを入れる事もある。
基本はクールで皮肉屋だが、困っている人を見過ごせないお人好し。
常に余裕を見せている為、どんな逆境も覆す。
更には面倒見の良い兄貴分でもあるため、仲間や街の人達の相談相手になる事もある。
容姿はイケメンの分類に入り、銀時とは違って女性にもてる。
その為、キャバクラでは逆指名されるとか。
因みに万事屋メンバーの中で唯一、自宅アパート(ペットの飼育可能)から通っている。




マイ=ナツメ

性別:女(元・男)

登場作品:BLAZBLUE

所属:万事屋銀ちゃん

武器:槍『朱弾ガリアスフィラ=アウトシール』

能力:超味覚

設定・解説:『万事屋銀ちゃん』の紅一点で、主人公の一人。
長い青髪を黄色いリボンで結び、凛とした佇まいに抜群のスタイルを持つ。
舌で触れたモノの思念を読み取る『超味覚』と呼ばれる能力を宿す。
因みにこの能力が原因で、まともな食事が摂れないという苦労がある。
補足すると、志村妙の手料理(という名の暗黒物質ダークマター)を唯一「美味しい」と言える人物。
お登勢からは孫娘の様に思われており、「銀時と同じ屋根の下に住まわせるのは心配」という理由で、自宅の一室を寝室として使わして貰っているらしい。
その為、時間があれば『スナックお登勢』の手伝う事もある。




ラピード

性別:オス

登場作品:テイルズオブヴェスペリア

所属:万事屋銀ちゃん

武器:短刀

設定・解説:『万事屋銀ちゃん』のメンバーで、ユーリの愛犬。
煙管を咥えており、ユーリと同じアパートに住んでいる。
ユーリとの付き合いは長く、彼とは阿吽の呼吸の如き連携を見せる。
子供は好きで、子供に危害を加える悪人には容赦はしない。
万事屋メンバー内では唯一、銀時には懐かない。
その為、ユーリの命令次第では、彼に噛みつく事もある。
犬とは思えないほどの戦闘力を持ち、口に咥えた短刀で斬りつける。




水澤悠/仮面ライダーアマゾンオメガ

性別:男

登場作品:仮面ライダーアマゾンズ

所属:万事屋銀ちゃん

武器:ベルト『アマゾンズドライバー』

設定・解説:『万事屋銀ちゃん』の従業員で、第七話から登場。
見た目は穏やかな好青年であるが、実は人間のタンパク質を喰らう『アマゾン細胞』と呼ばれる人工細胞を宿す存在。
ある戦いの後、宛てのない旅に出ていたが、万事屋の従業員募集をきっかけに従業員となる。
穏やかで優しい性格であるが、戦闘では野獣の如き野性的な戦法を行う。
『護りたいものは護り、狩るべきものは狩る』を信念に生きており、例え敵であっても相手を救わんとする。
逆に護る対象であっても、相手よっては敵意を向ける事がある。


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■作者からのメッセージ
 今回は『鬼灯の冷徹』から鬼灯と閻魔大王が登場。

途中からは本作の万事屋メンバーの紹介をしました。
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