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混魂 第二十二話(番外編):万事屋結成!(マイ編)
作者:亀鳥虎龍   2020/04/30(木) 23:34公開   ID:Iagjyn7tR9w
 スナックお登勢の朝。

「おはようございます」

眠そうな目をこすりながら、マイはカウンターの方へと歩み寄る。

「おはようさん」

不敵な笑みを見せながら、お登勢は煙草を一服。

「ほれ、早く食べな」

「いただきます」

彼女が用意してくれた朝食を、マイはすぐさま口に運ぶ。

食事の最中、彼女はふと思い出す。

「(あれから暫く経ったなぁ……)」

それは自身が、万事屋に入るきっかけとなった出来事である。








―番外編・万事屋結成!(マイ編)―







 ユーリが万事屋に入ってから数日が経った魂郷町。

自宅アパートにて、マイは大家の女性から告げられた。

「えぇぇぇぇ! 取り壊し!?」

「そうなの」

大家の話しだと、アパート自体がガタが来ている、彼女自身が親戚が不幸になったということ。

「そういうことだから、三日後までにはお願いね」

「は…はい」

ガクリと項垂れながら、マイは引っ越し先を考えるのだった。






 バイト先である『CAFE AGITΩ』にて、

「そうか…そりゃ、大変だね」

「そうなんですよ。 何処かに良い物件とかないですか?」

店長の翔一に相談すると、彼はある事は思い出す。

「ん〜……そういえば」

すると、店の扉が開き、

「邪魔するよ」

一人の老女が入って来たのだ。

「あっ、お登勢さん。 いらっしゃいませ」






 カウンター席に座り、お登勢は翔一の入れた緑茶を啜る。

「なるほどね。 つまりこの子の新居が決まるまで、ウチで預かって欲しいと?」

「ウチも、下宿は構わないんですけど。 こういうのはお登勢さんの方が人脈あるでしょ?」

翔一からマイの事を聞かされ、お登勢も顎に手を添える。

「そうだね。 店の手伝いをしてくれるなら、下宿しても構わないよ」

「ほ、本当ですか!?」

意外な答えに驚き、マイは目を大きく見開く。

「その代わり、仕事はちゃんとしておくれよ」

「はい! ありがとうございます!」

こうしてマイ=ナツメは、『スナックお登勢』の居候になったのである。






 その夜、マイの初仕事がスタートした。

「いらっしゃいませ」

AGITΩでバイトしていた経験を活かし、営業スマイルで接する。

「んあ? 婆さん、新入りか?」

「今日から住み込みで働く事になったんだ」

「ほほ〜う」

店に入って来た銀髪の男は、マイの姿を上から下まで眺め、

「……デケェな。 しかもエロい」

「えっ!?///」

いつの間にか鼻血が垂れてしまう。

胸元を抑え、顔を真っ赤にしてしまうマイであったが、

「いきなりセクハラかましてんじゃねぇぞ、クソ天パぁぁぁぁぁ!」

お登勢の鉄拳が、男の顔面に命中する。

「グハァァァァァァ!」

男は容赦なく外まで吹き飛び、一緒に入って来た黒髪の青年が、

「……何してんだよ?」

ジト目で呆れてしまったのだった。

これがマイと、万事屋との出会いとなったのだ。







 銀時とユーリが店に来て数分後、

「んじゃ、アパートが取り壊しになっちまうのか?」

「ええ。 そしたら、お登勢さんのご厚意に甘えて、下宿させて貰ってるんです」

「まあ、アタシも人手が欲しいと思ってたんでね。 お陰で助かってるよ」

「やるじゃねぇか、婆さん。 なんならいっそ、チャイナ服とかメイド服とか着せりゃ、もっと稼げるぜ――」

さらりとセクハラ発言をかました銀時だったが、ガブリと何かが頭に噛みつく。

「ギャァァァァァ!」

噛みついたのはユーリの愛犬のラピードで、銀時は頭の流血と共に絶叫する。

「ユーリ! コイツをなんとかしろ! 何でコイツ、俺に対してこうなの!?」

「そりゃラピードの基準で、お前の発言がアウトだったからだ」

「ざけんな! 犬に噛まれるほどのセクハラは言ってないわ! スリリングショットとか、布面積ギリギリ水着とかなら――」

怒る銀時であったが、今の台詞で墓穴を掘ってしまい、

「よし、ラピード。 そのまま噛み砕け」

「ワン!」

「すんませんでしたぁぁぁぁ! マジ勘弁してください!」

犬のラピードにDOGEZAする羽目になった。

そんな彼に呆れながら、ユーリはウーロン茶が淹れられたコップに口を付ける。

「しっかし、ユーリ。 アンタも災難だね。 コイツのもとで働くなんざ。 まともな仕事が全然来ないだろ?」

「まあ、副収入でバイト代を稼いでるから問題ないけどな」

「あのバカにも見習って欲しいね。 というか、アンタも20代なんだろ? 別に酒は飲める歳じゃないかい?」

「いや、どうも酒は苦手でな。 舌に合わないっつーか……銀時見たいにはなりたくないっつーか」

「………そういうことにするよ」

こうして『スナックお登勢』は、賑やかな夜を過ごす事になったのだ。






 翌朝、万事屋のリビングでは……、

「オロロロロロ……」

「ったく、あんなに酒飲むからだ」

「ワン」

トイレで嘔吐する銀時に、ソファーで横なっていたユーリが呆れてしまう。

するとピンポーンと、インターホンがなり、

「はいよっと」

彼はすぐさま玄関に向かった。

「どちらさんだい?」

扉を開けると、彼は意外な人物と顔を合わせる。

「おっ! 意外な客だな」

「あ、どうも」

その人物はなんとマイであった。







「ウチで働く事になったぁぁぁぁぁ!?」

マイが訪れた理由を聞き、銀時が思わず叫ぶ。

その理由とは、彼女が万事屋で働くという内容であった。

お登勢曰く「店の手伝いは、たまに顔を出す程度で構わない。 その代わりに、家賃を踏み倒す銀時の監視役をお願いしたい」との事。

「成程、お登勢婆さんも考えたな」

この話しを聞き、ユーリはお登勢の機転の速さに感心する。

「そういうことだ、銀時。 あんまりパチンコや競馬には行くなよ」

「チクショォォォォ!」

こうしてマイは、『万事屋銀ちゃん』のメンバーに入ったのであった。

因みに事務所自体は、銀時の自宅そのものなので部屋はかなり空いている。

ユーリとラピードは基本、自宅アパート(ペットの飼育可)からの出勤。

マイは銀時に、部屋の一つを借りれないかをお登勢に相談したところ、

「冗談じゃない。 あの天パと同じ屋根の下に住まわせるのは、アタシの方が心配になっちまうよ」

――と、言われたのであった。

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■作者からのメッセージ
銀時「なんか、短くね?」

マイ「それは言わない約束です」
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