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とあるゼロの使い魔??
作者:くま   2008/12/14(日) 21:22公開   ID:2WkxvL3EczM

【注意】捏造設定含みます。性格の改変もありえます。

(あくまで私の主観で感じたものを元に書いてますので)

 それでも構わないという方は、先にお進みください。





















「いやー、罠を張るにしても、流石にそれは無いでしょう…。

 というか、上条さんはそこまでアホだと思われていやがりますか?」


他称フラグ男。

自称不幸を絵に描いたような少年こと上条当麻は、

誰に宛てるでもなくそんな言葉を口にしていた。

時間としては日も傾きかけ、光の色も随分と赤みがかってきた頃合。

何時ものように成果の上がらない能力開発の補習を受け、

そのまま帰宅(といって寮の一室ではあるのだが)する途中、

何時も通っている学園への通学路での事だった。

大通りから外れている事もあり、そう頻繁に人通りがある訳でもない道路上に、

鏡のように鈍く輝く何かが存在していた。

正確には、当麻がそこより3m程手前の地点に足を踏み入れた時、

急にその鏡のようなモノは出現したと言うべきだろう。

あからさまに怪しげな鏡のようなモノを前に、

彼はこれまでの割と不幸な経験と持ち前のあまり良く働かない勘から、

それが碌でもない事の始まりである事を確信し、

ため息混じりに気落ちしながら先ほどの様な台詞を口にしたのだ。

そして決して近寄らぬように、例え何かの拍子で転んだとしても、

その鏡のようなモノには触れる事がない様に迂廻しながら、その場を後にする。

何処のどいつがあんなことを?

と心当たりを思い浮かべようとして、

その心当たりのあまりの多さに考えるのを放棄し、

当麻は気だるさを全開にして歩き出した。

…ところで、また目の前にある鏡のようなモノを見つけてしまう。

背後を振り返ってみれば、先ほどそこに在ったはずの鏡のようなモノは無く、

つまるところ、その鏡のようなものが移動したようにしか当麻には思えなかった。


「はぁ…、まさかとは思うけど…」


大きくため息を吐きつつ、そう独り言をもらし、

再び鏡のようなものを大きく迂廻する当麻。

そしてきっかり3m先に再び現れる鏡のようなモノ。

先ほどと寸分変わら姿で鏡のようなモノはそこに在った。


「不幸だ…。やっぱり不幸だ」


ため息と供に半ば口癖となりつつある言葉を吐き、

それでも不幸を回避しようと、当麻は再び迂廻を始めるのだった。


















所変わってどころか世界すらも変わって、

某始祖に連なる王国の某魔法学園から少し離れた草原。

そこでは春先に行なわれている進級の試験である、

某使い魔召還の儀式が今正に行なわれていた。

爆発を伴いながらも先ほどより何回も儀式を繰り返しているのは、

この某学園のある某国家の王家とも縁深き某公爵家の令嬢だった。

あまりにも成功しない某儀式故に、

某公爵令嬢以外は皆、学園に戻ってしまっていたが、

某公爵令嬢こと某ピンクとその彼女を受け持つ教師である某コッパゲは、

学園へと戻らずにの場に居残っていた。

某ピンクは何としても儀式を成功させるつもりだったし、

某コッパゲは、正しいやり方をしていて、

それでも儀式を成功させれない某ピンクを見放すわけに行かなかった。

儀式を繰り返していた某ピンクに待ったをかけて、

某コッパゲは某ピンクに改まって問いかける。


「正直に言いまして、私の知る範囲のおいて、

 このように使い魔が喚べないと言う事態は起きた事がありません。

 しかも貴方は伝統に則った至って正しい方法で、

 儀式を行なっているにもかかわらず、です。

 何故成功しないのか?その理由は私には皆目検討もつきません。

 この後、何回儀式を繰り返せば成功するのか?

 それとも何回儀式を繰り返したところで成功しないのか?

 若輩の身である私には予想の出来ない事です。

 ですが、それでも、貴方は儀式を続けますか?」


「…はい、続けます」


某コッパゲの問いに、大きく頷いて返す某ピンク。

その返ってきた答えに、某コッパゲもまた満足げに頷いた。

そして某令嬢は、再び儀式の為のルーンを口にするのだった。














「た、ただいまー」


いつもの3倍以上の時間をかけて自室へと戻ってきた当麻。

マンションに入ってからは例の鏡の様なものが出なくなったとは言え、

その道中で蓄積された疲労は思いっきり声に現れていた。


「おかりー、とうま。おなかへったー」


が、出迎える少女の声にはそれをまるで気にした様子もなく、

割と己の欲求に忠実な言葉を並べる事で返ってくる。

ある意味日常どおりの反応に、軽く笑みを浮かべ玄関で靴を脱ぐ当麻。


「はいはい、今何かつくるから待ってなさい。

 つーか冷蔵庫の中、何が残ってたっけ?」


家主が帰って来るなり食事の催促とは居候としてどうよ?

とか思わないでも無い当麻だったが、

相手が相手なだけに悟りの境地でスルーした。

彼女ことインデックスと同居を始めて結構になる事もあり、

その性格は熟知していたのだ。

そして気だるい足取りのままに、居間に置いてある冷蔵庫の中身の確認に向かう。


「お帰りなさい」


そして再び当麻に声をかける別の少女。

いわゆる巫女装束を着ている少女にお帰りなさいを言われる…。

ソレなんてエロゲ?的な状況を作り出しているのは、

とある事件から知り合いになった姫神秋沙だった。

彼女の同居人の出張に伴い、ここで1週間ばかり預かることになっていたのだ。


「ん、ただいま。何か変わった事は無かったか?」


ここでふるふると秋沙が首を横に振るのを予想した当麻だったが、

秋沙はインデックスが居るであろうリビングの方をすっと指差した。


「げっ」


思わずそんな言葉を漏らしてしまう当麻。

それもそのはず、マンションに入ってから現れなくなっていた鏡のようなモノが、

リビングの中央辺りに宙浮く形で存在したからだ。


「つい先ほど予兆も無しに現れました。

 インデックスが言うには、触れなければ何かを為す事は無い、

 との事でしたので放置していますが」


とそう続く秋沙の説明に、当麻はリビングに視線を向ける。

自らの言葉を確信しているのか、件の鏡のようなもののすぐ傍で、

飼い猫であるスフィンクスとインデックスが戯れて遊んでいる。

あまつさえ、ごはん、ごはん、もうすぐごはん♪

とか明らかに自作と思しき歌まで口ずさみながら。

頭のわるそうなその歌に軽くため息を吐きつつ、

当麻は当然にしてインデックスに声をかけた。


「なあ、インデックス、姫神に聞いたんだが、

 そこにある鏡っぽいのが何なのか、お前知ってるのか?」


「当然知ってるに決まってるよ、とうま。

 その手の事には、私すっごく詳しいんだから。

 そんなこと聞いちゃうとうまは、私を何だと思ってるのかな」


ふふん、と胸を張りつつ当麻の問いに答えるインデックス。

ただし、当麻が聞きたい事には何一つ答えてない。

ある意味想像通りのインデックスの答えに半眼となった当麻は、

全く躊躇せずにインデックスに言葉を返す。


「居候の大食いシスターだな。

 あ、わりぃ、間違えた。居候の大食いロリッ娘シスターだった」


「むー」


きっぱりと言い返されて、インデックスは頬を膨らませて不機嫌を露にする。

彼女が反論出来ないのは、彼女が居候で、彼女が人よりも多く食べる事が基本で、

彼女がまだ成長途中で、そして彼女が教会のシスターだったからだ。

その反面、自分が『10万3千冊の魔道書を持つ『インデックス』である』

という事をやはり気にして無いと解り、少し嬉しく感じていた。


「ま、冗談はともかく。

 ソイツをお前が知ってるって事は、要はそっち方面のモノなんだな?」


「うん、使い魔を召還する為のゲートだよ。

 といってもこのゲートを作ってるのはこの世界の魔法使いじゃないはずだけど。

 現地の言葉でハルケギニアって言う異世界の魔法で、

 そこの世界の魔法使いは、ゲートを使って自分の使い魔となる生物を召還して、

 ゲートから出てきた生物と契約を交わして使い魔にするんだって。

 でも異世界にまでゲートを飛ばしてくるなんて、

 これをやっているのは、結構凄い力の持ち主かも」


ある意味予想外のインデックスの答えに当麻は軽く目眩いを感じた。

インデックスがらみからして魔法使い程度ならともかく、

異世界なんて言葉を聞く羽目になるとは思っても無かったのだ。

疑惑って悪かった。

と、取りあえずロリコン魔術師に心の中で謝る当麻。

そう心の中の謝罪を一度だけで終え、

当麻はすこしむくれたままのインデックスに再び問いかける。


「まあ、とにかく、そっち方面のモノなのは確かなんだな?」


「うん、それは間違いないよ」


インデックスからの答えを得て、当麻は己が為すべき事を理解した。

そして当麻は己の右手をその宙に浮く鏡のようなモノに打ち付ける。

その拳を当てられた場所を中心に、鏡のようなモノに亀裂が走っていく。

全体にヒビが及んだ処で限界が来たのか、

その鏡のようなモノは砕け散り、空気に解けるように霧散して行く。

イマジンブレイカー。

そう呼ばれる当麻のもつ特殊能力の発現だった。

当麻は学園ではレベルゼロの無能力者だったが、

彼の右腕は別格で本当の特別だった。

神の奇跡でさえ問答無用に打ち消すと曰われる程なのだ。

それはつまり神の加護すら打ち消してしまうと同義なのだが。


「よし、終了。つーか、最初からこうしときゃ良かったのか…。

 いやま、終ったことだから如何でもいいけどな。さ、飯つくるぞ、飯」


懸案を早急に片付けた当麻は気分が晴れたのか、

妙にすっきりした表情で冷蔵庫を開け、

中の食材を適当にチョイスするとキッチンへと向かう。

その背に向けてスフィンクスと戯れながらも、インデックスが問いかける。


「ねぇねぇ、とうま。今日の晩ご飯は何かな?」


「俺特製、中華風味の野菜炒めにするつもりだ。

 つーか、今ある食材で作れるのがそれだけだ、とも言う」


「わーい、やったー」


返ってきた当麻の答えに何故か小躍りして喜ぶインデックス。

そこまで喜ぶ事でも無いだろう。と首を捻りつつも、

喜んでもらえてる事を当麻は嬉しく思っていた。

お腹が空き過ぎて何でもご馳走状態。

そんなインデックスの言葉だったのだが、

それを当麻が察知する事は出来ようも無かった。

その後、手伝うと申し出た秋沙と並びキッチンで夕食を作り、

インデックスも交えて三人で食卓を囲み、

食後はテレビを見ながらぼーとして過ごし

特に何事も無くそのまま寝た。

こうして己の直感で珍しく危機を脱した当麻は、

何時もと変わらぬ時間を過ごしたのだった。















他方、某ピンクは召還の儀式を繰り返し、

そして突如襲ってきた魔力の揺り戻しに中てられて、ぱたりと倒れてしまった。

慌てたのは儀式を監督していた某コッパゲ。

倒れた某ピンクを寸での所で支える事に成功し、ふうと胸を撫で下ろす。

完全に意識を失い、某コッパゲの魔法で学園まで連れられる事になった某ピンク。

彼女が無事に進級できたのかどうかは、また別の話である。



おわれ

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■作者からのメッセージ
遅まきながらアニメからインデックスに…。
そんな訳で混ぜてみようとしたら混ざらなかったり。
では。

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