プロローグ時は、西暦5万5555年、地球が始めて誕生して、もうすでに5回地球は死んでいる。なのに、なぜか、人類というのは西暦が分かってしまう。不思議な世の中だ。その不思議な世の中、ある一つの大国、アスール帝国、アスール帝国の周りには、アスール帝国と古くから対立していた、ルミア帝国兵がいる。現在の戦力は1;3、かなりの戦力差だ。ルミア軍が突入を始めた。
「突入!!」
「うわぁ!!ルミア軍だ!」
「なに!!うわぁ!!!!」
「た・・・隊長・・・」
「やむを得ぬ!!特攻だ!!」
「ウォ〜〜〜!!!!!」
勝てる戦ではないということくらいアスール帝国兵は気付いていた、しかし、王様を守る!国を守るんだ!という強い信念で戦い続けている。アスール帝国の武器や戦力などは、剣、大砲、リボルバー式ハンドガン(マグナム)くらいだ。それにくらべ、ルミア軍の戦力は戦車、戦闘機など、とても技術が進んでいる。歩兵10人に対して、戦闘機一機でも叶わない。そんな中アスール王城の中では町の民から、貴族、いぬ、ねこなどが非難している。王の間では、
「王様!!勝ち目がありません!降伏しましょう。」
大臣が必死に王様に問いかける。しかし、王様は
「大臣よ、ルミア軍が私たちを殺さずに、支配下に入れるだけと思っているのか?私たち王族は殺される、それに、すべての民も・・・。ここで途絶えるわけにはいかんのだ!」
王様は、城専属の魔法使いを呼んだ。
「お呼びですか?王様」
「うむ、私の息子を異世界にとばしてはくれまいか?」
魔法使いは聞いた。
「私に異世界転移をしろというのですか?それも王子様だけを・・・」
「そうだ、私はここでルミア軍と戦う。先祖に顔向け出来んのだ、私の最後の頼みと思って聞いてくれないか?」
王様は魔法使いに頭を下げてお願いしている。魔法使いは言う。
「王様、私と王様の仲ではありませんか、受けいれないわけがない」
王様はありがとうとしかいいようがない、あらわしきれない感情を涙をこらえながら顔に表した。魔法使いは早速始めた。
「棺と、王子様を屋上へ」
大臣は急いで、棺を取りに向かった。王様は、王子と、妃のところへ向かう。
「トントン・・・私だ」
王様は戸を開け、王子の部屋に入る。王妃も息子もベッドの上にいた。
「ラスール・・・どうなんですか?やはり・・」
王妃は言う。王様の名前はラスールという。
「ルルは寝ているのか?」
「ええ、ぐっすりと、さっきまでは大丈夫かなと心配していたのに今じゃ・・」
王妃はこみ上げてくる涙をこらえることが出来ない。王、ラスールは軽く王妃の肩に手を置く。そして
「ユリア、いいかい?いまから、ルルだけ異世界へ転移させる。」
それを聞いた王妃は
「なんで!なんで・・・・やっぱり・・」
「ああ・・・生き残れる確立はほぼ0だ。しかし、私はあきらめたわけではない。」
王妃ユリアは、ルルを抱きかかえ、王、ラスールに続いて、部屋を出て行く。
「では、これよりルル王子様を異世界へ転移します。」
王、ラスールは中央の六芒星の棺の中に入れる。周りには大臣と王妃がいる。その時、ルルは起きた。
「お父さん!何で、何で棺に僕を入れるの?」
小さなルルは父に必死に尋ねる。父は無言のまま、笑顔を見せて、棺を閉めた。
「お父さん!どうして!!お父さん!!!」
真っ赤な火の中の城の屋上から、ただ一つの棺が天に上がっていく。ラスールはその時、棺に向かって言う。
「生きろよ!ルル・ムーン」
それと同時に、屋上に向かって飛んできた戦闘機に屋上を破壊された。
「ラスール!!!」
「ユリア!!!!」
二人はそのまま、行方は知られていない、そして天に昇る棺。これを、SUDDEN FATEとして語り継がれ、伝説となった。それが、アスール帝国の最後であり、ルルの始まりでもあった。