闇に染まる青 第1話『邂逅〜闇に抱かれた少年』
作者:桃の木
2009/06/12(金) 20:26公開
ID:8o7SHe14c/w
機械まみれの、薄暗い地下施設・・・。
元々はブリタニア軍が使用していたのだが、今では誰にも存在すら知られていない危険な場所。長年の不使用により、あちらこちらに有毒ガスが発生している。
そこに少女はいた・・・両手足を繋がれたまま、首をうなだれて。
「相変わらず「そんな事」をしているのか、G.G?」
G.Gと呼ばれた少女は、その声に頭を上げる。
「また来てくれたのね・・・リヴァル。」
安堵と喜悦を含んだ声に、リヴァルと呼ばれた少年はクスッと微笑む。
それは普段の彼を知る者なら分からない笑み・・・そして自分だけが知る、彼の本当の笑み。
G.Gはふと考える・・・果たしてこの世に何人、彼の素顔を知る者がいるのだろうか?
十人?五人?いや・・・あるいは誰も知らないのかも知れない。
この陽気な仮面の裏の狂気を、笑いに隠された絶望を。その顔から伺う事は不可能にすら思える。
だからこそ、彼は自分と「契約」したのだ・・・全てを破壊する為に。
「黒の騎士団が動き出した。お前の力を貸してほしい。」
「分かってる・・・全てを壊す為に。」
乾いた音を立て、両手足を繋いでいた鎖が地面に落ちる。
自分に毎日、会いに来てくれるリヴァル・・・彼は裏切らないと知ってる。
始まりはそう、彼との意志の疎通・・・。
それから彼は自分を、自分は彼を求めている。
だから、裏切らないって知ってる。
だから始めましょう?私達の復讐を・・・。
あの時、私達が味わった地獄と絶望を・・・。
この身を焦がし続ける、全てを凌駕する悲しみを・・・。
この世界を・・・完全に狂わせてあげる。
「貴方のナイトメアは、既に造ってあるわ・・・。」
長き眠りを経て死神は目覚める・・・全てに終わりを招く為に。
闇に染まった少年は願う・・・この世界に復讐を。その為の力を。
死に魅入られた少女は祝福する・・・死神の目覚めを。
全てを終わらせる為・・・今、もう1つの「黒」が動き出す。
- ■作者からのメッセージ
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はじめての連載モノですが、誤字・間違いなどがあったら指摘お願いします。
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