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名の無い街 序章
作者:零   2011/11/01(火) 16:46公開   ID:J9iDlNyU4e6
                  序章

町は今日も活気であふれている。
 
 この町には名前が無い。
 どうしてないのかも分からない。
 町に住んでいる人にも分からない。

 町は広い。

 東京の倍ほどにまで広いこの町には、何でもある。
コンビニもあれば、ゲームセンターもあり、大きいデパートまである。
『町』というより『都市』といったほうが似合うかもしれない。
 しかし、町の人たちは『町』と呼ぶ。

 
 町は今日も人を巻き込む。
 町は変わり者がすき。
 だから、この町には変わり者が多い。
 今日も町で変わり者たちが動いている――。 

 
 今は午後7時。場所は町の中央部。
 ゲームセンターやカラオケボックスなど、ポツポツと娯楽施設があるが
中でも一番多い建物はビルだった。
 たくさんのビルが建っている。
 複数の職場の集合体で出来たビルなど、大小さまざまなビルが並んでいる。
 ビルからは、サラリーマン、OL、様々な種類の人たちが出入りしている。 
 そんなビル街の隅の方、割と小さめのビルの裏の袋小路でそれは
起こっていた。

「だからァ、俺たちにお小遣い頂戴って言ってるでしょう。聞こえないの?」

 2,3人ぐらいのチーマーで、一人の少年から渇上げしている。
 少年は、気だるそうに、

「あー、アレか、アンタら? 最近、ここら辺で悪さしてる不良?」

 暗くて、少年の顔は見えないがその声にはまったく怯えがない。

「だったらどうするんだよ?」

 チーマーの一人が聞いた。
 暗くて見えないが、そのとき少年は一瞬笑った気がする。
 そして、少年は言葉を発した。

「こうしたら、楽しいよなぁ」

 言った瞬間、一人のチーマーがみぞおちを殴られた。
 殴られたチーマーは、腹部を抱えるようにその場にうずくまった。
 殴った張本人である少年は、うずくまったチーマーの顔面をサッカーボールを蹴るかのようにして蹴り飛ばした。
 蹴り飛ばされたチーマーは、完全に気絶した。

「テメェ…、なりしやがる!」
「なにって……、掃除」
「テメェ……」

 少年に殴りかかった。
 しかし少年はソレを横にかわし、カウンターの拳を顔面に叩き込んだ。
 今度は、一発で気絶した。
 後ろのほうで見ていた、残りのチーマーはただ呆然としていた。

「なに? ポカーンですかぁ? びっくりしたんですか? 面白くないんですけど?」
「…ッ!!」

 チーマーはいつの間にか殴られていた。
 鼻からは血があふれ出ていた。
 鼻を両手で押さえながら、チーマーは言った。

「テメェ、誰だよ」
「おおっと、アバウトな質問だな。そうだなぁ、こう言ったら分かるか?」

 少年は一息置いて言葉を発した。

「『|罪滅ざいめつ《ざいめつ》(ざいめつ)』」

 チーマーは聞いたとたんに、地面に倒れた。
 またもや、いつの間にか殴られていた。

|罪滅ざいめつ《ざいめつ》……、だと……?)

 倒れる瞬間にチーマーは考た。

 |罪滅ざいめつ《ざいめつ》…、とある都市伝説を、最近になって有名になり始めた都市伝説を――。


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