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片想い〜いつか叶うと信じる私〜 第1話『私の好きな人』
作者:みゅみゅ   2012/08/20(月) 18:11公開   ID:643PqEZLteI
※注意
基本シリアス
春歌の扱いが酷いです。
トモも時々。
音也がトキヤの事嫌いだったり。
なんか原作と違うかもしれません。
設定とか……。(年齢や性格)
それでもよろしいという、天使様は下の本編へどうぞ。

夢の旅へようこそ。

貴方を思っても苦しいだけだ。
私は貴方を見ていたのに
貴方の目に私は映っていなかった。

貴方の事は諦めたはずなのに
忘れたくても
忘れきれないの
どうにかして

私の感情盗んでよ
早く楽になりたいの
悲しみも憎しみも全て捨てて
幸せな夢を見させて

『私の闇』より

*1*

ピピピピ

カチッ

「行こう!」

私は勢い良く部屋の扉を開けた。

ー私が日曜日なのに急ぐ理由。

それは……。

カチャ

ハアハアハア

「まだ……来てない。」

ここはレコーディングルーム。

レコーディングテストのために来たのだ。

パートナーは忙しいから、たまにしか練習できない。

だけど、今日は違う。

ガチャ

「おはようございます。」

「トキヤくん!」

この人が私のパートナー、トキヤくん。

「………はじめましょう」

「はい!」

ニコニコ

私はトキヤくんと一緒に練習しているだけで嬉しかった。

でも、どこか距離を感じる。

心を開いてくれない。

「曲はできていますか?」

「はい。」

♪〜〜〜〜〜〜

ハァ

「全然駄目です。貴方はしっかり曲を作っているのですか?」

「………」

私は何も言い返せなかった。

「ごめんなさい……」

「貴女はその程度だったんですね。もう少し明るい人ならば気が紛れると言うのに。」

心がズキンと痛んだ。

それはきっと………。

「と……友近ちゃんみたいな人ならいいの?……」

私はつい喋ってしまった。

お願い、肯定しないで。

「そうですね。貴女よりはましでしょう。」

「っ……」

こんな事言いたい訳じゃないのに……。

「……パートナーを解消しましょう。…先生には私から伝えておきます。」

バタン

そう言ってトキヤくんは出ていった。

「貴女よりはまし」

その言葉が胸に突き刺さる。

聞きたくなかった……。

私は貴方を好きなのに。

ポロポロ

私は声を殺して泣いた。

トントン

「すいません……もう時間なんですけど。」

「あっ、今行きます!」

サッ

私は荷物をまとめた。

「すいません、お待たせしました。」

私はそう言って、急いで走った。

今誰かに会えば、甘えてしまう気がしたから。

タッタ

「子猫ちゃん」

ビクッ

「ナル………」

「はい、落とし物だよ。」

そう言ってナルが差し出したのはトキヤのために書いた楽譜だった。

ーきっとこの楽譜ももう、私には必要ないのだろう。

そう思うと涙が溢れそうになった。

「あり……が…とう」

グスッ

「蘭歌?」

驚いた。
ナルが私を名前で呼ぶなんて滅多にない……いや、無かったから。

「なんでもない。……バイバイ!」

私は今度こそ走った。

ナルの視線が私に向いているのがわかったから。

ねぇ、私には何が足りないの?

私の頭にその言葉が溢れた。

第1話END

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