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何故か 第1話
作者:みゅみゅ   2012/09/26(水) 21:08公開   ID:6uaEjBRpcVE


※注意
・オリジナル主人公を扱っています。
・トリップものです。
・医療ものです。
・主人公は新撰組の知識は全く持っていません。

元ネタに深海少女と書いてありますが、深海少女は初音ミクの楽曲です。
セリフのみです。

以上の事を踏まえ、本編へお進みください。

手を伸ばせば届きそうだけど

闇にさらわれて見失った………。

*1*

「蘭歌、朝飯の時間だよ。」

私は黙々と動かしていた手を止め、視線を総司へと向けた。

「もうそんな時間!?今、行く。」

私はそう言って素早く朝の支度を始めた

薬の研究をほんの少しだけやるつもりだったのだが、いつの間にか時間が過ぎていたようだ。

「よし、行こう。」

私はそう言って立ち上がり、総司と一緒に広間へと向かった。

私は新撰組の医療班に所属している。

数月前まで、私は医療の専門学校へ通っていた。
が、いつの間にか江戸時代にタイムスリップしていて、途方にくれている所を新撰組が拾ってくれて、私の医療の知識を優秀と判断して、医療班になった。

普通の人なら「そんな話ある訳ない」と思うかもしれないが、事実だ。

「皆、待たせてごめんね!」

私は広間に入ると、真っ先に皆に謝った。

すると、

「気にすんな、どうせまた薬だろ。」

と優しい左之助の声が聞こえた。

「まぁ、蘭歌とりあえず座れよ。」

そう言うと、平助は自分の隣にある座布団をぽんぽんと叩いた。

「うん。」

私は平助の言われるまま座布団の上に座った。

「「いただきます」」

私が座るとすぐに皆、朝飯を食べて始めた。
皆お腹がすいていたのに、私を待っていてくれたのをすごく嬉しく思った。

「蘭歌、朝飯が終わったら部屋に来い。」

私が皆の優しさに感動していると、土方さんにそう言われた。

「分かった。」

土方さんがわざわざ私を部屋に呼ぶのは大体、薬の事だ。
おそらく今日もそうだろう。


ーー朝飯が終わり、私は土方さんの部屋へ向かっていた。

トントン

「しつれいします」

私は土方さんの部屋に入った。
が、土方さんの姿はない。

(何処に行ったんだろ?)

私はそう思ったが、そんな考えは一瞬で吹き飛んだ。

「総司、返しやがれ!!」

ドタドタ

なるほど、『豊玉発句集』か。

「少し待ってれば来るでしょ。」

私はそう思ってその場に座った。
 
しばらくすると、

「ゴホン……待たせたな」

土方さんがそう言って部屋に入ってきた。

「何してらしたんですか?」

私はそう意地悪に聞いてみた。

すると

「なんでもない。」

とあっさり返された。

本当は豊玉発句集が原因だと知っているが、あえて知らないふりをする。



その方が面白い。

「薬の件なんだが……」

「良い感じですよ。」そう答える前に言葉が遮られた。



「あれなんだが、一旦中断する。」

その言葉はとても意外だった。

薬の研究は私にとって、こちらの世界での少ししかない仕事の1つだったのだから。

「そう…ですか。」

私はそう1人言のように呟き、部屋を
出た。

私の居場所が1つ減った。

これ以上、私の居場所を取らないで………。

私は強くそう念じた。

ブワッ

一瞬光に包まれた。タイムスリップする前にみた光によく似ていた。

バタ

私はそこで気を失った。

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