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本当の自分 第1話
作者:ピンクうさぎ   2012/12/07(金) 21:39公開   ID:oSc8BUDqGok


偽りの自分。

それは楽そうで楽じゃない。

周りの人に嘘をつき続ける。

それは人を裏切る事になる。

人は簡単そうで難しい生き物。


「水嶋さんて、真面目すぎるよね」

「あぁ、固っ苦しいよね」

そんな会話がふと聞こえてきた。

私に聞こえないようにしているのか、それともわざとなのか。
女というのは不思議でしょうがない。

まぁ、簡単に言うと私はクラスメイトに好かれていない。

でも、それで良い。
丸っきり一人と言うわけではないし、分かってくれる家族だっている。
それに、友達になろうとして深入りすれば自分が傷つくだけだ。

「クスクス。水嶋さんて、何も言い返せないんだね」

そんな事を考えていると女はそう言ってきた。

どうやら私にわざと会話を聞こえるようにしていたらしい。

それに、一体何がおもしろいのかずぅっと笑っている。

「……もうすぐ昼休み、終わりますよ」

私は言い返すのが面倒臭かったため、適当にそう答えた。
時間は大切だ。

「つまんないの」

すると女はそう言って席へとしぶしぶ戻っていった。

つまらないのはこっちだ。
あんな人といてもつまらない。

私は女を睨みつけてから席へと着いた。

キーンコーンカーンコーン

皆が教室へと入り出すと、昼休み終了のチャイムが鳴った。

このチャイムが鳴ると、皆一斉に教科書や参考書を机の上にきちんと準備をして先生にまるで「早く授業を始めましょう」と言っているかの様な空気になる。

ガラガラ

チャイムが鳴ってから三分すると数学の加山先生が教室へ入ってくる。

ちなみに加山先生は女子生徒に人気だ。
そのため数学の授業は女子がいつもより真面目に授業を受け、男子達の恨みを買っている。

フフッ

声には出さないが、数学の時間の女はおもしろい。
まるで別人。
人間のおもしろさをそのまま伝えてくるかのようだ。

キーンコーンカーンコーン

先程のチャイムから五分後。
五時間目開始のチャイムが鳴った。

「始めるか」

加山先生の爽やかパワー満載の声で授業が始まる。

「起立」

それに続いて学級委員会が。

「礼」

あ、この姿勢。
数学の挨拶の時だけ妙に角度がそろっている。

「着席」

ガタッ

挨拶が終わったところで私のクラスの事はとりあえず終わりにしよう。

ー放課後ー

さて、放課後の時間だ。
特に仲の良い友達がいない私は、速やかに部室へと向かった。

私の部の部室は部室が集まる部室塔という建物の一番奥の左側にある。

だからあの、汗くさい野球部やサッカー部の部室の前を通らなければならないという試練がある。

プゥーン

なんというか、運動部の近くにはなんだか不思議な空気が見える。
明らかに汗くさそうな、何にも例えられないものだ。

運動部の人には見えないかもしれないが、私には見えるのだ。

トコトコ

汗くさいという試練を乗り越えると、ようやく自分の部室へと着く。

ここまでの道のりはいつも長く感じる。

コッコッコッコン

部員だけがする特別なノックをしてから私はドアを開けた。

ちなみにこのノックは部員が来たという合図を出すために考案したものだ。

「こんにちは」

私は可愛げのない無愛想な顔で挨拶をした後、先輩達の後ろを通り自分専用のロッカーへと向かった。

すると入り口からロッカーに行くまで丁度半分くらいのところにある黒板の活動内容に『書道』と書かれていたのを見つけた。

部活の中で書道が一番嫌いだ。
なんというか、嫌いだ。

「あぁ、昨日みたいに音楽が良かった」  

「だよね」

という会話を耳にしながら部活動の服に着替えた。

…そろそろ私が何部か分かっただろうか。

正解は……。

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