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イタズラ王女とその弟…
作者:9452   2013/04/28(日) 04:41公開   ID:b8sl6uVJT82
ジュリエット・カナリアナ
リナハヤマ王国の王女。15歳。
双子の弟がいる。
イタズラが好き。

ジュリアス・カナリアナ
リナハヤマ王国の王。15歳。
双子の姉がいる。
普段は大人しめ。


___むかしむかしのお話です。
元・リナハヤマ王国の王女はとてもわがままな人でした。
イタズラ大好きで、ついには、王女という役目を放棄しました。
放棄した国を再建したのが、王女の弟でした。
そして、その弟の血筋が、現・リナハヤマ王国の王族なのです。
それでは、始まり〜始まり〜♪

今、王女、ジュリエットのいる所は川のせせらぎが聞こえていた。
ココはどこか川沿いに建てられた小屋だった。
子供の頃はジュリエットの弟、ジュリアスと良く遊んで怒られた秘密基地だ。
ジュリエットは、小屋の中でも聞こえる川のせせらぎが好きで、また、ジュリアスも、川のせせらぎの音、鳥のさえずりがとても好きだった。
ジュリエットはその場で背伸びをした。
「気持ちいい!ジュリアスも来れば良いのになぁ…」
ジュリエットはそうぼやく。
その愚痴には、色々な感情が混ざり合っていた。
ジュリアスは頭も良く、カッコ良くて、優しくて…
完璧な人間だった。
良い所がありすぎて、何を言って良いのか分からないくらいだ。
だけど、ジュリエットとジュリアスの母…
つまり、前の王女は遺言にジュリエットを王女にしたのだった。
自分に国をまとめる為才能はないから、政治の権利はすべて、ジュリアスにある。
ずっと…
ずっと…

ジュリエットは自分を謙虚して来た。
ただ、イタズラだけは、止められなかった。
イタズラをすると、自分より才能のある奴が、不幸になるのを見て、
『ざまぁ、見ろ!』と思った。
そのせいか、周りからは軽蔑されてる感覚をジュリエットは覚えかけていた。
小屋の中で背伸びをしていたジュリエットはうずくまった。
彼女、青と緑が混ざった色の瞳から涙がこぼれ落ちる。
一粒の涙がこぼれ落ちると、涙は止まないくらいこぼれ落ちた。
ココだけは、ジュリエットが自由に出来る場所だった。
ジュリエットが泣けるのは、もうこの場所しかない。
いつも、城を抜け出すと、この場所で泣く。
本当は泣き虫なんだよ!
ただ、ジュリアスにその言葉を言いたかった。

ただ、ジュリエットの泣き声は川のせせらぎでもみくちゃにされていた。


ジュリアスはジュリエットが泣いてる時、ジュリアスは困っていた。

城のひとつの部屋で、ジュリアスは母親譲りの亜麻色の髪を掻きむしっていた。
「あれ?姉様、行方が分からないの?」
ジュリアスの姉、ジュリエットは、ジュリアスの見解によると
可愛くて、しっかりしたお姉様だ!
でも、イタズラ大好きな性格だけは、治してほしい。
最近、不満が増えている。

ジュリアスとジュリエットは、昔は、とても、見分けがつかないくらい、似ていた。
だけど、今は、ジュリアスは男の体型に…
ジュリエットは女の体型に…
ドンドン、成長した。
なぜ、自分はそんなことに不満を抱いているのかは、分からなかった。


この不満が危険な行為とジュリアスは知らなかった。

ジュリアスはベッドに体を沈める。
姉様は今、きっと、あの場所に…


お城を出て、真っ直ぐ抜けると、森があり、森を抜けると川がある。
その川に沿って、小屋があり、小屋の中は姉様とジュリアスの秘密基地だった。

その小屋からでも聞こえる川のせせらぎが好きだし、鳥のさえずりも好きだった。
だけど、1番好きだったのは、小屋の中で瞳を輝かせているジュリエットが何より好きだった。



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