太陽になるために 1話
作者:sunny
2013/05/22(水) 21:28公開
ID:YU70345SV82
「今日から学校に行けるんだよね」
私はそう呟いて自分の部屋を出た。
リビングへ行くとママが居て、もうすでに朝ごはんが出来上がっていた。
「おはよう、ママ」
「あら、おはよう。今日は早いね」
ママは私に気づくと、そう言った。
そう、実は今日はいつもより起きるのが早い。
「久しぶりの学校が楽しみで、目が覚めちゃった」
私が笑顔で言うと
「そう」
とママは笑顔で返してくれた。
「いただきます」
私は椅子に座って、手を合わせて挨拶をしてから食べ始めた。
モグモグ
いつもならそんなに朝ごはんは食べれないのだけど、今日は気分が良いせいかよく食べれる。
「学校に行くの、どれくらいぶり?」
私がご飯に夢中になっていると、ママがそう聞いてきた。
「一ヶ月ちょっとくらい?かな」
私は自分で言って驚いた。
もうそんなに学校にいっていないのかと思うと、楽しみにしていた学校が少し不安になる。
学習内容についていけないかもしれないし、友達にもきっと遅れをとる。
(行きたくないかも……)
私がそう思った時だった。
♪〜〜〜〜
携帯から『愛故に』の着信音が流れた。
この着信音は2人しかいない。
私は急いで朝ごはんを食べ、携帯を確認した。
すると、やはり早乙女さんからのメールだった。
12時に学園長室へGO!GO!GO!
But,遅刻は許しましぇーん!
Meの言う事は絶対でぇす!
メールの内容はこんな感じだった。
それにしても、さすがシャイニー。
いきなりすぎる。
(まぁいいか)
急に学校に行きたくなくなった私は、学校を休む口実ができて少しだけホッとした。
「ママ。今日、早乙女学園に行ってくるね」
私がそう言うと、ママはそんな驚きもせず
「迷惑かけちゃだめよ」
と言った。
とりあえず、止められなくて一安心だ。
(学校に行くのも中途半端だし、のんびりしてようかな)
そう思った私は、自分の部屋に行ってゴロゴロした。
するとあっという間に時間が過ぎ、いつの間にかもう時計が11時を指していた。
そろそろ準備をしないと間に合わない。
家と早乙女学園はかなり近く、家から20分くらいでつく。
そこで私は11時30分に家を出た。
電車に揺られ、駅につくとすぐそこに早乙女学園が見えた。
「着いた!」
私はそう言って門を潜りぬけた。
学園長室に向かう前に、とりあえず私は職員室に向かった。
「失礼します」
職員室に着き、早速中に入ると知っている人物を見つけた。
「りゅーやん♪」
私はいつものようにそう言って抱きつこうとしたけどやめた。
なぜなら……。
「歌音、来たか。じゃあお前らも行くぞ」
どうやらよく見えなかったけれど、りゅーやんは6人くらいの生徒と話していたみたい。
職員室を出ると、すぐ近くにある学園長室のドアをノックした。
すると
「入ってまぁす」
という返事を返された。
トイレか。と、突っ込みたいところは我慢した。
「失礼します」
ドアを開けると、早乙女さんは椅子に座ってこちらを見ていた。
「オー。皆そろっていますね」
早乙女さんは私たちをパーっと見た。
それにしても『皆』とはどういう事だろう。
「ん〜。じゃあ発表します。6人にはグループを組んでもらい、ここにいるMs歌音の歌で卒業オーディションを受けてもらいまぁす」
「はい!?」
私はあまりの驚きに目を大きくした。
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