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私の居場所 第1話『朝』
作者:なな   2014/02/12(水) 17:43公開   ID:p/vqMpXqYhg
どうして?

私は皆が好きなだけなのに。

皆と楽しく過ごしたいだけなのに。

あなたとも仲良しでいたいのに。

どうしてあなたは………

私の邪魔をするの?

*01*

「ふぅ……」

額に浮かんだ汗を拭う。

(終わりにしよう)

私は立ち上がって、バケツが置いてある所まで行った。

バケツの水に雑巾を浸すと、水が真っ黒に濁った。

綺麗な色じゃないけど、リビングを綺麗にした証だと思うから、少し嬉しくなる。

この瞬間が好きで、なんだか私の日課になってしまった。

「よいしょ」

バケツを持ち上げて、洗面所に向かった。

洗面所の電気がついている。

誰かが使っているのだろうか。

私は、しばらく待つことにした。

扉が開く。
そこにいたのは、昴お兄ちゃんだった。

ロードワークから帰ってきて、お風呂に入っていたのだろう。

「おはよう。ロードワークしてきたの?」

「……あぁ」

昴お兄ちゃんが、少し頬を赤らめてそう言う。

私がこのマンションにやってきて約2年経つのに、相変わらず昴お兄ちゃんは、女の子が苦手みたいだ。

「………それ、どうしたんだ?」

昴お兄ちゃんの視線が、私の持っているバケツに移る。

「あぁ、これ?雑巾掛けしてたから」

私がそう言うと、昴お兄ちゃんが驚いた表情になる。

「そうなのか!?………ありがとな」

「うん」

昴お兄ちゃんに誉められると、少し照れてしまう。

「………から……う」

昴お兄ちゃんが、小さい声で何か言う。

「え?」

「筋トレになりそうだから、明日から手伝う」

昴お兄ちゃんが、今度は大きな声ではっきりと言った。

「ありがとう!」

正直、広いリビングを一人で雑巾掛けするのは大変だったから、すごく助かる。

私は笑顔で、昴お兄ちゃんに言った。

「……あぁ」

昴お兄ちゃんはそう言って、自分の部屋に戻っていった。

ジャー

バケツの水を流して、掃除用具入れに片付けた。

そろそろ、京兄がキッチンへ来るころだろう。

私は急いでキッチンへ向かった。

予想通り、キッチンには京兄の姿があった。

「京兄、おはよう」

「おはようございます」

京兄は挨拶を返しながら、ダイコンを切っていた。

「ごめん!もう作ってたんだ」

私が慌てて謝ると、京兄が優しく微笑んだ。

「何言ってるんですか、奏は雑巾掛けをしてくれたんでしょう?」

「え?」

びっくりした。
私が雑巾掛けしてるのを、京兄が知ってたなんて。

「ありがとうございます」

京兄にお礼を言われて、嬉しくなった。

「うん……何したらいい?」

「野菜炒めをお願いできますか?」

「うん!」

私は早速作業に取りかかった。

「いい匂いだね」

そう言って食卓に座ったのは、梓お兄ちゃんだった。

「梓お兄ちゃん!おはよう」

「おはよう、奏。右京兄さんも」

梓お兄ちゃんは優しく微笑んだ。

「お〜いい匂い!おはよ〜☆」

続いて、椿お兄ちゃんがやってきた。

さすが双子。
同じ言葉を言いながら、やってきた。

「おはよう、椿お兄ちゃん」

「奏!おはようのギュー☆」

私は抱きついてこようとする、椿お兄ちゃんに戸惑った。

料理中に抱きつかれたら困る。

ガン

すると、いつの間にか移動した、梓お兄ちゃんが椿お兄ちゃんを殴った。

椿お兄ちゃんが可愛そうだけど、助かった。

「アハハ……」

私は作業を続けながら、苦笑いを浮かべた。

「京兄、いいかな?」

出来上がった野菜炒めを、菜箸でつかんで京兄の口元に差し出す。

パク

しかし、食べたのは京兄じゃなくて、要お兄ちゃんだった。

器用だなぁ。
よく急に来て、食べれたよね。

私は一人で感心していた。

「うん、おいしい。最高だよ」

要お兄ちゃんがそう言うと、少しお世辞っぽく聞こえる。

「本当に?」

「本当だよ」

要お兄ちゃんは優しいから、ちょっと心配だけど、要お兄ちゃんを信じて、お皿に盛り付けた。

「終わりました」

「そのようですね」

それから、ご飯と味噌汁を全員分よそった。

食卓に全員揃ったのを確認して、賑やかな朝ご飯の時間が始まった。




大好きなこの時間。

まさかこの時間が壊れてしまうなんて。

思ってもいなかった……。

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■作者からのメッセージ
こんにちは〜♪

読んでくださり、ありがとうございます! 

なんだか私の趣味な気が……。

それはさておき、この小説はブラック絵麻ちゃんによる嫌われ小説にしようと思っているのですが………。

絵麻ちゃんの味方を誰にするべきか迷います。

雅臣→家族のことよく見てるから、何かおかしいとすぐ気づきそう。

右京→弁護士だから、絵麻が悪い子だって気づきそう。

要→家族を大事に思ってるし、なんでも見抜きそう。

光→悪い人達のことは小説のネタにしてるくらいだし、よく知ってそう。

椿→演技の仕事だから絵麻の演技に気づきそう。

梓→椿と同じ。

棗→なんか、そういうことに鋭そう。

琉生→ボーっとしながらも、家族の変化に気づきそう。

昴→奏を愛してるから無理そう。

侑介→絵麻ちゃんを好きそうだけど、人を傷つけれなさそう。

風斗→演技については達人だから。

弥→ピュアだから。

以上の理由です。

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