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聖櫻新風伝 EP0-1「変質者」
作者:マスカレイド   2014/12/31(水) 19:38公開   ID:/OPFohzmWlY
始めに。
これは以前改変したけど消えていたストーリーの改訂版で、学園恋愛カードゲーム「ガールフレンド(仮)」と(一応)魔法先生ネギま!のクロスです。
※ネギま要素は極めて薄いかも...
※にわ関西弁も混じってますので、ツッコミは遠慮なくお願いします(-_-;)
当然、女の子との日常をメインに描く予定ですが、主軸とした原作イベントの関係上、バトルも含まれます。
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聖櫻(セイオウ)学園、百年以上の歴史を持ち、幼稚園から大学院まである、いわゆる一貫校である。
特に高等部は「よく遊びよく学ぶ」「文部両道」などのモットーが示すように、ほぼ一年間フルタイムに近く行われる行事の数々や生徒の要望でイベントを決めるなど、自由すぎる校風で有名な学校だ。

ーー三月某日、例年ならばホワイトデーで賑わうはずの本校には異様な空気が漂っていた。
ある者は「怪文書の主」と言い、また、ある者は「イケメンでキラッキラのモッコリンゴ」と呼ぶ一人の不審者によってーー


人気の無くなった校舎を、息を切らせながら少女は走る。
彼女は逃げることに専念しながらも、追いかけてくる「ソイツ」を認識することに戸惑っていた。
「待ってくれよHoney〜、ボクのホワイトデーは最高だぞお!!こっちにおいで!」
奇抜な色彩のリーゼントヘアに体型を強調するタイツを穿き、パーティーモールをあしらった体の透けてるチョッキをはだけ着した青年、それなりに美形で細マッチョなだけに残念さが一層増す彼は両手にデパートものの紙袋を提げて追いかけてくる。
「な、何なんですかあなた!ついてこないで下さい!」
肩に提げたラケットが邪魔になりながらも彼女は一生懸命走り、男ーー便宜上「残念男」と呼ぶーーの奇行を問うが、
「ぼ、ぼぼ、ぼ、ボクと、付き合って!!」
心臓を襲う殴られたような衝撃と、寒気を感じた少女には「一番ダメな人と会ってしまった」と認識した他の結論(コタ)えは掴めなかった。
「い、意味が解りません!!」
そもそもどうしてこうなってしまったのか、少女は事の起こりを思い返す......
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その日、一切共通点の見えない一部の女子のもとに、時代遅れなポエム紛いのラブレターが届いていた。
彼女もその一人であったが、何かのイタズラだと気にせずに、いつも通りテニス部活動を経て帰宅しようとした時だ。
「あの〜、そこのキミ〜......」
人気の無い廊下で声をかけられ、振り返ったのがいけなかった。
それとなく話に聞いていた不審者が今、笑顔で自分の前に立っているではないか。
更にタチの悪いことに、
「ボクのお返しが欲しいのだろぅ?どーぞ!!」
渡してもいない「何か」のお返し(?)を押し付けてくるではないか。
「いやー!!」
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彼女は一目散に走っていた。
こんなところを人に見せられないと、人目を避けるように相手を撒く一心で適当に走ったが、考えればそれが良くなかったのかもしれない。
「はぁ.....はぁ.......、行き止まり!?」
呼吸を調えるためにとりあえず逃れたと思い、休憩してからその事に気付いてしまった彼女は、慌てて別の道を探しに引き返そうとするが、
「見つけた〜、ミラクルぅダ〜ッシュ!!」
もう最悪だ。
靴底からローラースケートを展開し、一瞬にして壁際の彼女との間合いを詰める残念男。
「ひっ!!」
突然目の前に現れた彼の顔に少女は青ざめ、目元には涙すらうっすらと浮かんでいる。
今の彼らの体勢はいわゆる「壁ドン」だ。
今時の女子高生が萌える恋愛シチュエーションのトップに座する行為だが、美形と言え、見るからに不審者を主張する男に咬まされては萌えもトキメキもクソもない。
恐怖と嫌悪感に囚われる彼女の心情を知ってか知らずか、残念男は青ざめる少女にお構い無しに、
「さあ、始めよう!!Dream Stage『Say!Wow!』」
腕を振り上げて声高らかに叫ぶ。
しかしその瞬間であったーーーー!!
「ッ!!」
どん......隙を突いた少女が彼を突き飛ばしたのだ。
受け身も取れずに尻餅をつく残念男の、目の前の女生徒を見る顔には驚愕の表情が浮かんでいた。
先程まで完全に自分のペースであった相手から予期せぬ反撃を受けたのだから無理もないだろう。
しかし一方で、我に返る少女は青ざめ、自分の咄嗟の行動を悔いた。
が、相手が怯んでいることを知るなり息を一旦吸ってから口を開く。
「いい加減にしてください!ワタシはあなたにお返しをされる覚えはありませんし、ハニーとか呼ばないで下さい!!あまりしつこいと誰も相手にしてくれませんよ!!」
勇気を出し、いつになく強い口調で言い放った為か、肩で息をする彼女の頭の中は真白であった。
しかし、「ナルシストにはキツい口調が効く」という一般論が効を成したか、目を見開き、唖然とする残念男は項垂れ、肩を落とす。
「そ、そうかゴメン。そうだよね......」
そう言い、背を向けた彼を、緊張混じりに見送る少女。
背を向けた男はそのまま立ち去る......と思いきや、
「がさごそ。がさごそ。」
ーー......え......?ーー
わざとらしく懐を探る動作をその場で見せ始めた彼に、少女はヤバい予感しかしなかった。
今更、彼が「逆ギレする人種」ではないか、そして自分は彼の振り向き様に刺殺さらるのではないか という不安が過り、治まった鼓動は再び激しく揺れる。
少しでも回避できるようにという意思を持ちながらも、足は死への恐怖ですくんで動けない......
「あ、あったあったー!!」
ようやく目当てのものを探し当てた彼は無邪気な声を上げ、勢い良く振り返るーー!!
「......!!」
胸元に深々と突き刺さる刃の痛みを考え、反射的に堅く目を閉じる少女。
ーーーーあれ......?
予想に反して何ともない。
恐る恐る目を開く彼女の前には......

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