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クレヨンオーダー!!オラとサーヴァントと時々ロボ!!(修正版) プロローグ『伝説が来たゾ!』修正版
作者:肉ダルマ(修正版)   2017/07/30(日) 23:55公開   ID:JdFWYfFOx0E

どこか白い神殿の玉座……そこに居たソレはあることを勧めていた。人類史に対する否定、そして人類を歪んだ形で救済するための二千年を超える壮大な準備を持ってして始まろうとしていた。


「我が偉業、誰にも邪魔はさせん……そしてあの『愚か者』がやらなかった救済を今!此処に行う!」


 人知れずにして世界崩壊のシナリオが今、始まっていた。大地から生える異形の柱達が次々と消える中その男はおぞましく笑った。



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「お?ココはどこ?って寝た後だから夢の中〜ってなんだか寂しいゾ」


 黒い空間の中、一人の子供が目を覚ました。彼は周りが真っ暗なのにまるで似たようなことに巻き込まれたことがあるかのごとく行動をしたこの、クリっとした目に坊主頭のこの子供は歩き出していた。

 暫くすると石でできた扉があったから少年は好奇心で開けた。


「なんだここ?っと目の前には大きなお姉さんがいますなぁ……(ニヤリ)」


 扉の先は凝った意匠……だがどこか寂しく感じる明るい部屋であった。そしてその部屋にはとても大きな巨人の女性が座り込んで寝ていた。

 突然イタズラをしたくなった少年はその身体をよじ登っていき耳元までたどり着いた。その動きは何処ぞの大怪盗の3世みたいな速度で、そろりそろりと近づきふぅっとあまりにも大きいその耳に息を吹きかけた。

「ひゃあ!?」

「おっ、起きたゾ!」


 突然の事にビクリと起きた巨人の女性は、自分の膝に立っていた少年を見つけた。


「人……なのですか?」

「うん、オラ野原しんのすけ!お姉さんはだれ?」

「私は……、私はアルテラ……巨神アルテラです……」


 野原しんのすけと名乗った少年につられて女性も巨神アルテラと名乗った。


「お姉さんなんでこんな所にいるの?もしかしてニート?」

「ニートってなんですか?」

「お姉さん知らないの?」

「すみません、私はこの中から出られないんです……いや出てはいけない……ですね」


 巨神アルテラの悲しそうな顔を見てしんのすけは一つの考えがでた。


「お姉さん寂しそう……ならオラが楽しい話をしてあげるゾ!!」


 しんのすけはこれまでにあった思い出を話した。

 憧れのヒーローを助ける為に世界を超えたこと、夢の中で出てきた昔のお姫様を助ける為に時間を超えていったこと、映画の中で皆を助けるために戦ったこと、異世界の魔法使いと戦い王国を救ったこと、友達を助けるため夢の世界で戦ったこと、時間をめちゃくちゃにした悪人を倒すために戦ったこと、ロボットになった父親と一緒に悪者のロボットと戦ったこと……etc..これまでに体験したことを時には共に笑い、時には共に泣き、時には共に怒り……長い長い時間話をした。


「これでオラの話は終わりだゾ!」

「君は凄いですね……君は立派な英雄……いやヒーローだったんですね?」

「そうだぞ!オラはヒーローなんだゾ!」


 ふとしんのすけは自分の身体が光ってるのに気がついた。


「おっ?もしかしてそろそろ朝になるのかー……アルテラお姉さんともっとお話したかったゾ!」

「え………待ってください君は私が怖くないんですか?」 


しんのすけは首を横に振って言った。


「アルテラお姉さんは良い人だゾ!オラのはなしも聞いてくれた!それに温かい匂いがしてオラ嫌いになれないゾ!ってなんで泣いてるの?」


 アルテラはしんのすけに感謝していた。本来なら自分を見た生物は意識の奥底で敵意を持つはずだが、敵意を持つどころか見ず知らずの自分にここまで優しく純粋に接してくれた事が嬉しかったのだ。


「ありがとう……本当に嬉しいんです……最後にだけど聞いてほしいんです……君はもし『大切な人や世界が歴史ごと焼き尽くされる』としたらその原因と戦う覚悟はありますか?」


 それを聞いてしんのすけは即座に答えた。


「戦う!皆を守るために何度でも何度でも、オラがみんなをお助けするゾ!」


 それを聞き巨神アルテラは自分の手から金色のチケットを30枚ほどをしんのすけに渡した。


「では、君にコレを……『召喚符』を与えます。これは過去の英雄……サーヴァントを召喚するアイテムです……私が干渉出来るのはここまでです」

「ありがとうアルテラお姉さん!またねー!」

「またね…か、じゃあまたね……しんちゃん……!」


 召喚符を手に握ったしんのすけを巨神アルテラは微笑みながら見送った。


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「……おっ?」

「やっと起きたかしんのすけ、っていつから持っていたんだそのチケット?」

「父ちゃん!オラ夢の中で巨神のお姉さんにこれを貰ったゾ!」


 目が覚めれば自分の父親である野原ひろしが着替えを終えていた。


「でっかい女神さまの贈り物か……夢があるなー!……って本当なのか?」

「うん、アルテラって名前のお姉さんに貰ったんだぞ……ってご飯食べよっと」


 何時もは幼稚園バスが来るギリギリの時間に起きていたが、今日は早く起きたのでご飯を食べる事にした。


「アルテラか……昔歴史で似た名前の奴をやったな。フン族のアッティラだったけか?」

「けどアルテラは女の人だったゾ!」

「そうだよな……なんか引っかかるんだよなぁ」


 1時間後しんのすけは自分が通っている『ふたば幼稚園』の送迎バスの中で召喚符を8枚弄っていた。今は海抜からかなり高い坂道を移動している。下手をすると真っ逆さまに落ちてしまう道だ。


「今日は風間くんとボーちゃんしかいないんだな」


 自分の友人である風間トオルと本名が分かっていないボーちゃんの2人を見た。マサオくんとネネちゃんと呼ばれる知り合いを含めて、私立戦隊である『かすかべ防衛隊』というチームを作っているメンバーなのだが今日は二人共風邪をひいてしまっていないようだ。


「二人ともインフルエンザだってさ、それにしても変わったカードだな」

「うん、なんだかすごい力を感じる」

「夢の中で貰ったんだけど……」


 会話を続けようとした瞬間信号を無視したトラックがこっちに突っ込み、その衝撃でこのバスが落下、そして偶然空いていた窓から弾き飛ばされていた2人の友人の姿。その瞬間が見えたしんのすけは、夢の中で言われたアルテラの言葉を思い出しながらは叫んだ。


 ──英雄を呼び出すには強い思いが必要です。君なら……誰かを助けたいという思いで叫んで下さい──


「皆を助けて!オラの英霊サーヴァント!!」


 直後に持っていた8つの召喚符が『虹』と『金色』に光り輝き人の形を象っていく。光の一つがバスの中の人々をしんのすけごと連れ出し外へと飛び出し、光の一つが空間から鎖を取り出しバスを引き上げ、二つの光が風間くんとボーちゃんを救い出した。


「ボク達……助かったのか?」

「そう……みたい!」

「やれやれ、召喚されたらいきなり人助けとはな」

「いいじゃねえか、英霊でなければ救えなかったんだからよ」


 二人を助けたのは無骨な灰色と赤色が入った刺々しい鎧を着た騎士と隠密作戦に参加するような格好をした赤いマフラーをした白髪の男性だ。


「いやいや危ないところだったねぇ……しかし久しぶりの運動は答えるねぇ!」

「フハハハハ!!我の活躍をしっかりと見ておけ雑種よ!!」


 次に現れたのは黄金の鎧を着た金髪赤眼の圧倒的な王のオーラを持つ男とまるで夢の中の住人のようにゆったりとした言動をした男だ。


「最早神秘の秘匿もへったくれもないですね……大丈夫ですかマスター?」

「呼び出されたと思ったらここは日本か……『懐かしい』と言うべきか……今回は『あの勇者』はいないようだな」


 次に現れたのはその手に槍を持ち、鎧を着た白馬に乗った騎士であり正に凛とした顔立ちをした女性。もう1人は杖を持ち一人物思いに耽っているよく日に焼けた美青年だった。


「鐘の音は鳴らずとも、我は呼ばれれば汝の力として働こう……!」

「我が旗は貴方と共に、誰かの為に守り通しましょう!」


 そして最後に現れたのは正に鎧を着た漆黒の骸骨騎士と白き旗を掲げ腰に刀を差した女性であった。彼らは共に落ちかけていたトラックを他の者達と同じように引き上げていた。


「……もしかしてオラが呼んだから?」

「そうだ、汝が叫んだその強い想いに答え我等はここに召喚された……!」


 トラックを戻し、バスも引き上げた人々は全員がしんのすけの目の前に集まり名乗りを上げた。


「セイバー、真名モードレッド。父上もいるようだしお前に力を貸してやるよ!」


 セイバー……モードレッド。円卓の騎士の1人であり反逆の騎士とも呼ばれる人物であり騎士王の息子である。


「ランサー、真名アルトリア・ペンドラゴン。君が私のマスターですね?この最果ての槍はあなたと共に……!」


 ランサー……アルトリア・ペンドラゴン。円卓の騎士の王でありながら星の聖剣では無く、最果ての槍を手にして戦い天に返した騎士王の未来の姿である。が、IFの存在でもある……大人となった為に落ち着き余裕を持った性格となる。身体も成長したが……特に…………ここでは語るまい。最果ての槍……ロンゴミニアドは世界を支える柱そのものである。


「アーチャー、真名ギルガメッシュ。ほう?英雄たる資格を持つ者か……ならば英雄王たる我をせいぜい使いこなしてみせよ雑種!!」


 アーチャー……ギルガメッシュ。実在の人物でもある古代ウルク王の1人……半分以上が神で残りが人間という半神半人。最も古くから伝わる英雄譚を持つ他に数多の英雄の宝具の原典を所有する為最高の英霊でもある。性格は暴君だが厳しくも強い人物を育てる反面、愉悦を楽しむことも多い。実はキャスターなどの適性も持つため万能。


「ライダー、我が名はラムセス2世……太陽王オジマンディアスなり!……ファラオたる余と被った奴がいるが気にするな!」


 ライダー……ラムセス2世もといオジマンディアス。実在の人物である古代エジプトの最高の王でもあるファラオ。自身を太陽神の化身と宣言したので非常に強力な神性を持つ。太陽王という名も有名であるが他にも建築に関しては歴史上髄を許さぬ力量を持つ為建築王の名を持つ。


「キャスター、世界で最も有名なキングメーカーのマーリンさ。まあ……何がともあれこれから宜しく!」


 キャスター……マーリン。世界有数の様々な王の誕生に携わった偉大なる花の魔術師。だが最後はかの騎士王の最後……彼女への責任を感じアヴァロンの中の塔の中へ自ら引きこもる……世界が終わるその日まで……。実は剣術は非常に優れておりかの騎士王の師範もするため星の聖剣を完璧に振るい戦う。歩くと花が咲く、無類の女好き、人間が好き、等の特徴もあるがどうしても人間個人となると友人関係に深い所まで入れないという自ら距離を置くところも見られる。


「深淵の彼方より参った。アサシン……”山の翁”ハサン・ザッバーハである。我に名はない……好きに呼ぶがよい」


 アサシン……山の翁。暗殺者の名の元となる伝説の人物。万物に死を与える能力を持つ他に、自身の後継者たるアサシン教団の歴代当主の処刑も行うため『最初で最後の山の翁』でもある。鎧姿に骸骨のお面を被り武器はその手に持つ一振りの漆黒の剣で正面から暗殺する為にこうなった。


「アサシン……エミヤだ。ボクは好きに使ってくれて構わないが、あまり仲良くする気は無い……それにしても昔の聖杯戦争を思い出すよ……狂戦士はいないけどね」


 アサシン……エミヤ。異端英霊の1人であり阿頼耶の抑止力。現代の英霊の為にマシンガンなども使う。他の情報は殆どが不明。


「ルーラー、ジャンヌ・ダルク。私の力は貴方を守り抜きます……って初めての召喚でこの戦力ですか……!?」


 ルーラー……ジャンヌ・ダルク。フランスの戦争で活躍した世界で聖女と言えば彼女を答える。神の声を聞き祖国を救うために立ち上がるも最期は祖国に殺されるという生涯だがそれでも彼女は誰も恨まなかった……英霊となった今でも誰かの為に彼女は戦う。その御旗の元へ。

 こうしてしんのすけの元に8人の伝説の戦士達……英霊が集った。 これから始まる大いなる運命……人類史を救う為に召喚された伝説の戦士であり英雄達は揃った。そしてしんのすけの右手には赤い紋章……絶対命令権『令呪』も刻まれ此処に世界を救う少年はまた世界を救う為に戦うのだ。
 

「オラは野原しんのすけ!埼玉の春日部在住の5歳児だゾ!」

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訳ありでパスワードが消し飛んだり修正を加えるところもあったので修正版として始めることになりました。
テキストサイズ:10052

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