■一覧に戻る
■別話を閲覧する
■感想を見る・書く
散りゆく花
プロローグ
(うたプリ)
はらりはらりと散りゆく花に、私は見とれていた。
*1*
4月。
桜が満開な今日、私は早乙女学園に無事入学した。
中学時代、私はあるトラウマのせいで自分の本当の性格を隠し続けていた。
大好きだった可愛いキャラクターは嫌いなふり。
女の子らしいもの、可愛いものはすべて嫌いなふりをして男っぽい、サバサバした性格になりすました。
でもそれじゃ、歌を心を込めて歌えない。
そう思って私は今日という入学の日を機会に、元の性格へとリセットすることにした。
ザワザワ
今は入学式が終わり、教室に集まっているところだった。
(あ、私の好きなキャラクター。)
ピンク色の髪のフワフワした雰囲気の女の子の鞄に私の大好きな熊のぬいぐるみが付いていた。
「その熊、好きなの?」
私は思いきって、女の子に話しかけてみた。
すると女の子は人見知りなのか、一瞬とまどったような顔でこちらを見た後、ニッコリと笑った。
「はい!可愛いですよね。」
女の子はそう言って両腕でガッツポーズ(?)をした。
(可愛いなぁ…♪)
それが女の子に対しての印象だった。
「名前は?」
私は女の子の名前を知りたかった。
彼女みたいなタイプの子だったら、仲良くできるかもしれない。
「七海春歌です!あっ、作曲コースです。」
春歌ちゃんか。
私と同じ『歌』が着く。
ますます仲良くなれそうだ。
それにしても意外だ。
彼女のような雰囲気や外見は、アイドルコースかと思ったけど……。
「私は神崎蘭歌!アイドルコースだよ。」
私がそう言うと、春歌ちゃんは
「歌が一緒ですね!」
と言った。
気づいたか。本当なら私の秘密にしようとおもったんだけど。
まあ、いっか。
それにしても彼女が作曲コースなら、彼女とペアを組みたいな。
そんな感じに会話をしていると
「はい、は〜い席着いてぇ〜♪」
と言って、林檎先生がクラスに入ってきた。
「じゃあ春歌ちゃん、また後で。」
私は春歌ちゃんにそう伝えて自分の席に座った。
カタッ
林檎先生は、クラスの皆が席に着いたのを確認してから話し始めた。
内容は、校内の場所や設備の説明。卒業オーディション。恋愛禁止。
以上の主に3つの事だった。
「ーーーということ♪分かったかしら?」
「はぁ〜い!」
幼稚園か!
そう突っ込みたくなるような返事だった。
「じゃあ早速自己紹介しましょ♪う〜ん、そこの元気な君から!」
そう言って指名されたのは、赤髪の男の子だった。
彼は一十木音也くんと言うらしい。
一十木くんはギターを弾いてくれた。
技術的にはまだまだなところだけれど、とても楽しそうに弾くからこっちも楽しい気分になった。
そんな感じにトップバッターの自己紹介が終わった。
ピアノが得意な聖川真斗くん。
料理が得意(?)な四ノ宮那月くん。
そして我らの春歌ちゃん。
などの人が自己紹介が終わるとーー
「次は、貴女!」
そう言って先生は私を指した。
私は苦手な自己紹介だが、頑張って席を立った。
「神崎蘭歌15歳、アイドルコースです。よろしくお願いします。」
私はそう言ってお辞儀をしてから、ピアノの前に立った。
「下手くそですが、よかったら聞いて下さい。」
私はそれだけ言って、鍵盤に指を置いた。
♪〜〜〜〜
私は、まだ歌詞もつけられていない曲を、でたらめな歌詞をつけて歌った。
その瞬間、私はどうとも言えないような快感に溺れた。
こんなに私は音楽がすきだったのか。
そう思いしらされた。
作者:
みゅみゅ
(ID:********)
投稿日:2012/09/16(日) 19:52
閲覧数:2347
BYTE数:2 KB (1349字)
■作者からのメッセージ
目次
■感想を見る・書く
■別話を閲覧する
■一覧に戻る