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ニューマテリアリズムの唯物論 松本良多は語る
ポストデジタル理論
(雑学ウィキ)
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雑学ペディア特集

ポストデジタルとは分子生命学、ナノテクノロジー、バイオテクノロジーをはじめとする有機物的多様体が媒体となったアクター・ネットワークの相互外在性が具現化する現代社会における抽象機械の生成変化の概念である。

ポストデジタルは音響への課題から音楽家 キム・カスコーンにより導かれたグリッチ理論により提唱され、社会学者 松本良多により複合的な社会にアダプトする現象学として明確に定義された。 ポストデジタル・ソサイティは視覚、触覚、聴覚、および運動感覚のメディア体験、仮想と拡張現実の現動化、オリジンとなるノードとグローバル・ネットワークのキャタリスト、インディビジュアルとモナドとしてのコミュニティの対話との微分的な関係、およびウェブ対応のメディアにおいてアーティストの役割が再定義されたインターデシプリナリー性を包含する、コミュニケーション、交流、コラボレーションを通じてつくられた生成と流動の超越論的唯物論である。

資本主義社会はデジタル・パラダイムを、多様体としてのメディアをそのつど反復し地層化する数字列からメッセージを生成するマトリクスの内在性へと微分化させた。 以後、デジタル・メディアは自らアクタントとしての存在者との関係を制御し、ハイパーテキストの内在的原理からなるメッセージを生物学的インタラクションによって流動し変化しつづけるプロテウス的なプラットフォームへと変容させる。 ポストヒューマニズムと同様に、松本良多によれば複雑系、バーチャリティ、分子生命学、ナノテクノロジーにより形成、再生されたインターラクティブな社会が現在から未来への射程としてポストデジタルを構成する。 具現化されたスタック・コンピュテーションと複合現実との間の触媒によるトポロジカルなメタ作用を通してのデジタル技術の内在的平面化とバイオジェネシス・プロセスに取り組む認識論として松本良多はポストデジタルをとらえている。

出典 雑学ぺディア

松本良多は欧米と東京を拠点とする建築家、社会学者、アーティスト。ポストデジタルの名付け親でありニューメディア・アートの理論家である。プリマス大学トランスアート・インスティチュートの共同創立者、初代学部長。

東京生まれ、10代を香港とニューヨークで過ごした後、ロンドンAAスクール、グラスゴー・スクール・オブ・アートにて90年代に建築と哲学を学び、2007年ペンシルベニア大学大学院芸術学部建築学科修了する。ニューマテリアリズムとドゥルーズの研究で著名な哲学者、マニュエル・デランダに師事する。

建築家、アーティストとして黒川紀章、シーザー・ペリ、MITメディアラボ、音楽家のピーター・クリストファーソンと協働し、ベトナムバクマイ病院、九州大学センター地区のマスタープランをはじめ多数の建築、都市計画、アートのプロジェクトを手掛ける。ポーランドのシレジア大学の講師を経て、2016年よりプリマス大学 Transart Instituteの客員教授に就任、後はクーパー・ユニオン、プラット・インスティチュート、コーネル大学、ニューセンター・オブ・リサーチ・アンド・プラクティス シアトル校にて教鞭をとっている。

社会学者、評論家としてはオスロ国立美術大学、カリフォルニア大学アーバイン校、テネリフェ市立美術館にて加速主義、ポストヒューマニズムについて講演している。2017年にはレバーヒューム・トラスト国際学会の招聘によりコーネル大学にて「ポストヒューマニズムと未来都市」について講演する。ロージ・ブライドッティとのクリティカル・ヒューマニズムについての講義、エドワード・カックとのカリフォルニア大学アーバイン校でのワークショップと多岐な分野で活動している。

美術家として2015年にはハイブリッド・アートとアルゴリズミック・コンピュテーションの手法を応用したメディア・アートの作品のインターナショナルな評価によりFILE(Electronic Language International Festival)Prix Luxを受賞する。

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