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進化の龍よ蒼き航路を超えて
第2話「来るべき変人」
(ゲッターロボサーガ×アズールレーン)
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「ゲッターロボ、宇宙放射線”ゲッター線”を動力とするゲッター炉心によって駆動する特殊戦闘機であるゲットマシンが3種類の合体パターンで状況に合わせて運用する特級人型機動兵器…………だめ、基本構造の3割も全く理解できないわ」


 レッドアクシズの鉄血寮の一室にて酷い隈を浮き上がらせながらパソコンに保存された計測データを調べているKAN-SENがいた。周りには既に処理した書類などが山積みになっており目の前のデータ――ゲッターロボアークの基礎データ――を前に鉄血の指導者であるKAN-SEN”ビスマルク”は崩れ落ちる様に突っ伏した。常識の範囲を超えたゲッター線技術の産物はこの世界の常識をある程度超えたセイレーン技術を優先的に取り込み最先端を行く技術者でもあるビスマルクでさえ音を上げてしまっていた。


「えーっと、まあゲッターロボの基本外装構造の3割を理解出来てるなら上出来ですよ」

「貴方の世界の科学者が末恐ろしいわ…………って!?」


 背後から聞こえた声の主、山岸獏は水筒と白米のおにぎりと軽めのおかずを入れた弁当箱を机の上に置きながら部屋の換気を行っていた。部屋の鍵を閉めてなかったのを思い出しながら食事を摂ってなかったのも思い出した。時刻は既に13時を回っている。


「ゲッターの研究をするのもいいんだけどよ、妹さんを心配させないでやってくれよ?」

「……ティルピッツね。ごめんなさい、貴方は客人なのに仕事をさせちゃったわね」

「住まわせて貰ってる身ですから気にしないで下さいよ、それよりも何でアークの解析をしてるんだ?」


 獏の発言で妹である戦艦ティルピッツを心配させてしまったことを知り、後で謝罪をすることを決めたビスマルクはアークの解析を行う理由について聞かれた。


「……ゲッターロボのデータを解析すれば対セイレーン用の新装備や、民間でも使える新技術が開発出来るかも知れなかったからよ。欲をかけば━━━━━。」

「ゲッターロボ、若しくはそれに準ずる人型機動兵器や作業ロボットの開発を進めようとしたってか」


 世界の敵であるセイレーンに対抗する為の新型兵器、艤装や固定兵装に至り理想を語るなら人型機動兵器の開発をしたいという仲間や力無き一般の民を守りたいという果てなき思いである事を獏は理解した。


「けど…動力源は別の物で作るとしても、肝心の機体の骨格フレームの構造や外部装甲が訳分からない仕組みになってるから進まないのよ」

「ゲッターロボの骨格フレームや装甲は全部【ゲッター合金】が必要だしな…そりゃあ無理だ。まあ簡単な構造にして置けば作業ロボット位は行けるな?じゃあ【アレ】が使えるな」


 獏は懐にしまっておいたこの世界の電子端末からデータを送信、送られたデータを見たビスマルクが見たのは黒くより人に近い構造をしたロボットと平たく黄色いロボットだった。


「ええと【ステルバーα04】と【ビィートT23】……これは?」


 貰った軽食と茶を食べ終え、眠気を覚えたビスマルクは保存されていたデータには存在しない機体の情報を見て驚きを持った。


「いざという時に交渉で使えると思って隠しておいたんすよ。しかし流石に意地悪しすぎたな……いきなりゲッターに類似したやつを作ることを目標にしちまったとはな」


 獏の発言にビスマルクは違和感を覚えた。ゲッターを作ることを目標にしちまったとはという発言に引っかかっりを覚えたのだ。まるでゲッターを作ることがまずいみたいに言ってるようで……。


「コックピットは理解したからある程度の技術で補えるから大丈夫と思ったのだけれど?」

「まあコックピット自体は問題ないんだ、問題は作ったところで『KAN-SENも含めてパイロットが務まるやつが居ない』事だ」


 獏の発言に対し意味がわらかなくて、脳の処理の限界を超えたビスマルクは眠気にも負け崩れるように眠りについた。

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