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進化の龍よ蒼き航路を超えて
第3話「その名は敷島」
(ゲッターロボサーガ×アズールレーン)
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「女神にバーチャルアイドルに格闘家に異界人…アイドルときて、挙げ句の果てに電脳人とその創造主に怪獣使いか、そういう能力者もこの世界に飛ばされていたとはな…俺たちも他の世界ではマンガの登場人物というわけか…」


 母港の学園にある図書館にてカムイは自分たち以外の異世界出身者について調べていたが、どれもこれもレパートリーに富んでおり同時に全員女性であることに苦笑した。ここまで女所帯だと不安に思えてくる。

 自分の事はあの時明かしておりもっと警戒されると思っていたがこういう経緯があれば慣れるものかと思ってしまう。しかし流石に地球を壊滅状態に追いやったのは流石に非難されたが、それに至る経緯も知られていた故にそれはそれでチャラにしようと言われカムイは深く頭を下げたことを思い出す。

 同時に自分たちが他の世界ではマンガの登場人物として有名な人物である事を知り、ある程度は違ってはいたが運命が既に決められていたことを知り精神的に来るものはあった。それは仕方ないとして受け入れる事にした。

 皆に余計な心配を掛けた負い目はある。故にカムイはこの母港に来てチームで行動する時や作業時以外は常に1人で居ることにした。本当に信頼されてるか?裏ではなにか企んでいるのではないか?チーム1疑い深く、慎重なカムイは常に携帯武器も隠し持ちながら常に警戒をしながら行動を続けていた。

 各員の特徴、経歴、KAN-SENの力を得た際の艦種や装備の特徴に加えた本人たちの特殊能力……必要な物を調べ上げたカムイは周囲を見回しながら窓の外を、島の外に広がる青い空と青き海を見て、自分の情けなさを再び恨みながら廊下へと出た瞬間に夢でも見たのかと思う事が目の前を横切っていた。


「……博士?」

「むぅ、ここの人間…いや君は一体何者かね?」

「貴方は……敷島博士、いや違いない。姿は大いに違うが間違いなく貴方は敷島博士だ…!」

「儂の名を知っておるのか?しかしここはどこかね、こんなに綺麗な青空や広がる青い海…とても儂の知ってる━━お主、泣いてるのか?」

「俺は……俺は……っ!」


 姿は大いに違うが見間違えるはずが無い、元の世界にて早乙女と並ぶマッドサイエンティストにして自分の作った兵器で脳みそぶちまけて惨たらしく死にたいと騒いでいたあの陽気で狂気な恩人、そして目の前で木っ端微塵《オープン敷島》に弾け飛んだ狂気の科学者敷島博士だ。

 木っ端微塵になっても生きていたと風の噂で聞こえていて、もう二度と再会することは無いと思っていた恩師の姿を見て堪えていたものを我慢することは出来なくなったカムイに対し事情を察した敷島はその懺悔を受け入れることにした。


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「ふむ、【アズールレーン】に【KAN-SEN】……そして儂の知らぬ、いや最悪の進化に至った【ゲッター聖ドラゴン】……感謝するぞお嬢さん」

「イラストリアスお姉ちゃんから聞いた話だけど良かったの?」


 おうと、くしゃっと笑った敷島は目の前の少女━━ロイヤル所属軽空母型KAN-SENのユニコーン━━に対して感謝すると思った以上に不思議な世界に来たと笑った。

 あの後堪えていたものを吐き出した後疲れきり寝てしまったカムイを近くにいたKAN-SENに手伝ってもらいながら医務室に運んだ敷島は、この世界の事を教えてもらい現在の状況の把握を軽く済ませた。


「どこの世界でもゲッターに選ばれた者は、どこまでも運命の子というわけか……」


 別の自分《敷島》もゲッター線に纏わる者としてゲッターパイロットと関わりを持っていたと想定はしたが、まさか我が子のように鍛え育てたパイロットとは想定しなかった。


「ゲッターパイロットとしても少し甘すぎるが、優しさ…それが無ければ心も持たんか……」

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