■一覧に戻る
■ページ指定
■別話を閲覧する
■感想を見る・書く
進化の龍よ蒼き航路を超えて
第1話「アズールレーン」
(ゲッターロボサーガ×アズールレーン)
  [→]  【PAGE 1/6】
地平線の彼方から朝日が昇る。地はなく広がる限りの大海原に映るその光は港を走っていた青年──流拓馬──の顔を眩しく照らした。


「朝か…」


世界を超えてからはや1日、アークチームはこの世界において現状で最も安全な場所で居を構えていた。

昨日…持病が悪化したKAN-SENの1人である天城を基地へと送る為に飛んだゲッターアーク、しかしそんな彼等が見たのは基地とは名ばかりの大規模な民間施設の寄り合い場と言える変わった場所こと【母港】であった。


この世界は元は一つの世界統一軍隊が2つの勢力に別れて争っているという。まずこの世界のシーレーンを支配した遥かなる未来かはたまた異世界から現れたとも言われる人型侵略生命体【セイレーン】。この侵略者の力を優先的に取り入れ力を付けた【レッドアクシズ】。そして侵略者の力を否定し自分たちの力で戦うことを決めた元からあった世界統一軍隊【アズールレーン】。

しかしこの基地は世界で唯一無二の完全中立地帯であり全ての国家と勢力のKAN-SENが所属し、生活している特殊な場所でもある。


「ここ本当に軍事基地なのかよ、本当にあってるんですかアークロイヤルさんよ?」

「間違いなく軍事基地だ。なんの問題もないぞ!」


港と呼ばれる帰還エリアに出迎えに集まった人々がアークの姿を見て口を開けて驚いていたが、天城の症状を確認してからすぐ様治療機関へと搬送していきアークはこの基地の購買所──KAN-SENきっての発明家であり商売人の重桜の工作艦の明石がしきる工房と研究所を兼ねた雑貨屋──の隣にゲットマシン形態に変えて待機させている。


「なんなんだにゃこれは!?何をどうしたらこの戦闘機が巨大ロボットになるのだにゃ!?フレームも構造も支離滅裂だにゃ!?」

「あまり気にしない方がいいっすよ?」


ゲッターチームは以前に異世界からやってきていた少女の1人である新条アカネと名乗る学生から、ユニオン所属の寮の一室が空いているのを教えて貰いそこで1悶着起きたが暫くはそこで寝泊まりする事が決まりその初日はお開きとなった。

拓馬が早朝に港を走っていたのは慣れない環境にいるが故に眠りが浅いのもあるが、此処にも以前に突如として現れた機動兵器が有るのを教えて貰い見に来たのだ。

アークと比べるとあまりにも小さい5m程の緑色で頭部は3種のモノアイが三角状に配置され胴体には機体を浮かべるためのフロートを脚部に推進用ハイドロジェットを、関節部などには浸水防止加工を施した量産性に特化しつつ水辺での戦闘に特化した機体【マーシィドッグ】の姿が港の近くの広場で鎮座していた。


「おや、君は…例の巨大ロボットのパイロット君か!」
「確かあんたは…」
「北方連合所属、7U型駆逐艦-ソオブラジーテリヌイ。この子…マーシィドッグのメンテナンスをしていたんだ」


ソオブラジーテリヌイと名乗ったKAN-SENの少女はお供として連れている機械仕掛けの珍妙なヒヨコじみたロボット【メカ饅頭】と共に、マーシィドッグのメンテナンスをしていたようである。



「この子はね…私が着任する前にこの母港をたった1人で敵から守ってくれた英雄なんだ」
「パイロットはいなかったのか?」
「居たはずなんだけど発見した時には既に…ね。だから私たちはこの子を大事にしたいんだ、皆を助けてくれてありがとうってね。さて今週のメンテナンスは終わりっと…そろそろ食堂も開く筈だし一緒に戻らないかい?」
「そうだな、目的も果たしたし…帰るか」


拓真は鎮座するマーシィドッグを一瞥し、ソオブラジーテリヌイと共に話をしながら帰路に着く。そしてかの英雄へと敬意を持って仲間への土産話とした…小さな鋼の英雄の物語を。


―――――――第1話『アズールレーン』


KAN-SEN達の基地こと母港の朝は早過ぎず遅過ぎずぐらいの時間だ。その日によって食事を作るKAN-SENが日替わりの朝食が作られる食堂もあるが、1部KAN-SENは付き人ならぬ付きKAN-SENによる食事の提供が行われている。

  [→]  【PAGE 1/6】

■感想を見る・書く
■別話を閲覧する
■ページ指定
■一覧に戻る