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とあるゼロの使い魔??の続き
その1
(とある魔術の禁書目録×ゼロの使い魔)
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【注意】捏造設定含みます。性格の改変もありえます。

(あくまで私の主観で感じたものを元に書いてますので)

 それでも構わないという方は、先にお進みください。



「よろしいですか?

 儀式を成功させれなかった彼女を進級させるべきではない。

 そうあなた方は言われるが、それはつまり自らの非を認める事になりますぞ?

 彼女は至って正しく、そして伝統に則った手順で儀式を行ないました。

 そこに怠惰や過失は存在せず、

 それでもなお結果としては儀式が成功しなかったのです」


件の儀式の監督をしていたコルベールが、

ぐるりと周りの同僚達を見渡しながらそう告げる。

同僚達は普段の柔らかな物言いとは違う口調に戸惑いながらも、

耳の痛い言葉を発した彼に悪意に寄った視線を向ける。


「あなた方は一年という彼女の年齢にとって重要な時間を費やせておきながら、

 彼女を儀式に成功させれるレベルまで導けなかったという事です。

 しかも彼女は他の生徒たちと比較しても努力家あり、

 何事にも真面目な姿勢で取り組んでいたと聞き及んでいます。

 となれば教師の指導の方法に問題が在ったのではないか?

 一体、彼女を教えた教師達は一年もの間に何を彼女に教えていたのか?

 その考えに至るのはごく自然な流れでしょう。

 …彼女に特別な事情が在ると言うのなら話は別でしょうが。

 オールド=オスマン!

 他人事のような振りをしておいでだが、これは貴方の責任でもあるのですぞ」

コルベールは同僚の教師たちの責めるような視線を平然と受け流しつつ、

今度は学園の最高責任者であるオスマンへとその矛先を向けた。

「いや、だって、ワシ関係ないじゃろ?

 そもそも、儀式の監督をしてたのはコッペル君だしの」

プチプチと鼻毛を抜いていたオスマンは、抜いた毛をふっと吹き飛ばしつつ、

そ知らぬ顔でコルベールの言葉を受け流す。


「コルベールです、オールドオスマン。

 もちろん、私に責任が無いとは言いません。

 ですが、それを言うのなら私を監督に就くように指示したのは、

 オールドオスマン、貴方だったはずですが?

 …ああ、ならば此処は我々二人が責任を取り、

 ヴァリエール公爵夫妻に報告に行くとしましょう。

 私は公爵の方にミスヴァリエールの留年について説明しますので、

 オールドオスマンは公爵婦人にご説明をしていただくということで…」


そう続けられたコルベールの言葉にオスマンの手と表情が固まる。

慌てた様子で頭を振り、コルベールに反論するオスマン。


「いいい、いやいや、普通は逆じゃろ?

 というか、別々に話をする意味だって無いじゃろうに」

「公爵夫人は見目麗しい方と聞き及んでおります。

 故に僭越ながらオールドオスマンのご意向を汲み取らせて頂きました。

 それと私には公爵夫妻のお二人を相手に、きちんと説明出来る自信が在りませんでしたので…。

 無論、知恵者であられるオールドオスマンなら違うのでしょうが…」

「何を言っておるか、コルゴル君、君ならできるとわしゃ信じとるよ」

「コルベールです、オールドオスマン。

 そもそも、生徒の一生のかかった重要な問題です。

 若輩の私などにそのような大役はとても務まりませんよ」

「いや、しかしじゃな…」

「ははは、ご謙遜を…」


こうした監督の教師コルベールと学園長であるオスマンの幾許かのやり取りの結果、
留年かと思われたルイズの進級が条件付で認められる事になった。

その条件とは教師達の監視の元に使い魔召還の儀式を今後も続ける事。

宮廷なんて糞食らえと普段から豪語してやまないオスマンが、

ルイズの母親であるヴァリエール公爵夫人には恐怖した結果でもあった。

その事がルイズにとって幸か不幸かは、まだ誰にも解らない。



「不幸だ、ぜーったいに不幸だ」


当麻はその鏡のようなものを今日も打ち消しつつそう黄昏た。

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