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冥王となんでさ
(Fate×魔法少女リリカルなのは)
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※例によって蹂躙クロスです。
読み終わって残念な気持ちになる事が予想されますが、
それでも構わない方やM属性の人はどうぞ先にお進みください。
「シロウ、―――貴方を愛している」
あの黄金の別れの後、俺はその言葉を胸に生きてきた。
そしてこれまでと変わらず正義の味方を目指し、何時か必ずそこにたどり着く。
セイバーの言葉とその想いだけは決して変わる事が無い。
…そう思っていた時代が、俺にも在りました。
俺に転機が訪れた原因は、至ってありがちな事であるが、遠坂のうっかりだった。
色々と彼女に借りがあった(向こうは否定していたが)俺は、3年の冬休みに彼女の実験に付き合うことになった。
大師父からの課題であるという宝石剣の試作品の試作品ぐらいのモノが出来たので、
本格的にロンドンで研究を始める前に一度実験をする事になったのだ。
俺が頼まれたのは、宝石剣を使用した事により起こる異変の感知。
アンタ、そういうの得意でしょ。
という彼女の言の通りに、俺はそういった事を比較的に得意としていた。
というかまあ、他の事だと遠坂の足を引っ張るだけなのでそれしかさせてもらえなかったといった所なのだが。
そして実験は始まり、最初の内は順調だった。
が、色々とうっかりが重なったのだろう。
発動すらしないはずの宝石剣は暴走状態で起動し、事も在ろうか俺を渦のようなものに引き込んだ。
何かしらの重圧からなのか、あっさりと意識を手放してしまう俺。
再び目を覚ました時には、見知らぬ公園でぼーと立っていたのだ。
ココが何処で何時なのか?
取敢えず情報を集める事を決め、俺は行動を開始する。
それから2時間後、おれはココがミッドチルダの首都でクラガナンと呼ばれる都市の中央区画であり、
そして今が新暦75年5月初頭である事を知りお決まりの台詞をつぶやく事になる。
「なんでさ」
思わず俺がそんな言葉を口にしたのも無理は無いはずだ。
見た事も聞いた事も無いような地名、そして記憶の何処にもない年号。
技術体系化され当たり前に使用される魔法(無論俺の常識で言う様な魔法とは違うのだが)。
その他、様々な要因から俺はココが異世界だと理解した。
不幸中の幸いなのだろう、言葉には不自由しなかった事も在り、
この世界での治安当局にあたる時空管理局という処に早々に保護される事になった。
希にではあるが、俺のような遭難者を保護する事があるらしく、
仔細に渡る事情聴取の後、簡易な宿泊施設へと案内された。
俺が保護されたココは、時空管理局というその名の通りに、時空を跨がる世界を管轄下に置いているのだそうだ。
もちろん当局の管理下に置かれていない世界も多々あり、当局が認識できている世界はかなりの数にのぼるという話だった。
最終的には、俺が居た世界を特定し、そこに送り届けてくれるということらしい。
無論。今回の事故を起こした責任者(この場合は遠坂だろう)にはそれなりのペナルティを受けて貰う事になるそうだ。
今回の場合は事故である為、世界を航る為の船の燃料代くらいは出せ、という程度らしいが。
そして管理局の保護下に入って三日目の昼。俺に絶望的な事実が突きつけられる。
それは俺が元居た世界は管理局の認識する世界のどこにも存在しないというものだった。
つまり俺が元の世界に帰ることが叶わぬという事の裏返しでもあった。
流石に落ち込む俺を前に、管理局の担当者は何も言わずに立ち去り、一人で考える時間をくれた。
そして俺はその日の内に覚悟を決めていた。
管理局の手を借りて帰れない以上、俺が帰る為にできる事は皆無と言って良い。
今回の騒動の発端となった遠坂の試作品の宝石剣ですら普通には作れないし、
投影なら作成できる可能性はあるが、あんな暴走状態での発動ができるはずも無い。
可能性が弊えた事で俺は決意を新たにする。
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