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マブラヴ 転生者による歴史改変
10話
(マブラヴオルタネイティヴ)
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 「そうか、まりもんは教師になりたいのか」

 「うん、学校の先生になって、みんなに英語を教えたいの!英語のいろんなお話、翻訳されたものもいいんだけど、英語の原文で読めるときっと、もっともっと楽しいんだよ?」

 「ああ、そうだな。そうなったらいいな」

 まりもの夢。いつかかなえてやりたいな。
 そのために、今はおれの出来る限りをする。世界の意志が立ちはだかろうが、打ち砕き、おまえを導いてやろう。無理を通して道理を引っ込ませるのだってやってやる。だから、夢を果たすまで、おまえもあがき続けるんだ。

 「だがそのためにはいくつもの試練が待ち構えている、まりもん。果たしておまえはその試練を乗り越えることができるかな?」

 「うん、がんばる」

 と言うわけで、今この時をもってまりもんの魔改造が本格的に始まった。



 「えー、というわけで、まずは気を使用した身体能力の向上について説明したいと思います」

 まずは基礎講座から始めることにした。なにごとも基礎が肝心だからな。

 「はい、隆也くん質問」

 手を挙げて質問するまりも。ふむ、なかなか君も分かっているな。教師と生徒のイメージプレイ、そう、気の利用にはイメージが大切なのだよイメージが。

 「気ってなに?」

 「うん、まあ普通、最初はそこからだよな」

 わかってたよ。そんなに簡単に理解できないことくらい。
 なにせこの世界には娯楽が少ない。前世では誰もが知っていたあの世界的格闘漫画も今生では誰も知らない。
 かろうじてアニメーションが存在するが、その種類たるは微々たるもので、話の内容も日本昔話的なものがせいぜいだ。
 というわけで、まずは気とは何なのかを説明することから入る必要がある。

 「オーラ、小宇宙、念、まあ呼び方はいろいろあるが、簡単に言えば精神力にある一定のベクトルを持たせることにより取得できる力の一種だとおれは考えている」

 「ふえ?」

 まりもが訳分からんちん、といった顔で頭の上に大きなはてなマークを浮かべている。
 そりゃそうだ。なにせ現代科学では解明どころか存在すら確認できていないものだ。
 おまけに、多分に感覚的なものなんで口で言ってもわからんだろうし、おれの独自解釈しか今のところ存在しないので、体系づけられた知識取得の方法も確立されていない。

 「まあ、定義はともかく、まりもんは気を扱えるようになっているはずなんだ。だからあとは気を操るイメージをものにすればいいだけだ。ね、簡単でしょう?」

 おれはボブのように軽くいってやった。

 「そういわれても、難しいよ」

 「それは頭で考えているからだ、どんとしんく、ふぃーる、だ!」

 「それって、Don't think.Feel、っていうこと?」

 まりもの口から流暢な英語が流れる。悔しいが、英会話はやつのほうが上手のようだ。
 ちなみのおれは読みは出来るが話すことはできない。なにせ勉強のお供は常に本だったから、発音すらよくわからん。
 それに引き替えまりものやつは、英会話教室なんかにも通っているせいで、読み書き会話とネイティブばりだ。

 「そう、それ。感じるんだよ、全身で、自分の中に巡る気を!そして解き放つんだ、熱いパッションを!」

 「もう、パッションってわけわからないよ。それに、なんか質問の内容からそれてるよ?」

 むう、最近反抗的だなまりもくん。いつだったかの怪談ビデオ上映事件の際に下手に出すぎたのが仇になったか。
 ここは一つ、上下関係という物を再度教えてやらねばならんか?
 いやまあ、それはとりあずまたの機会にして、今は気の講義を続けるか。

 「へーへー、わかりましたよ。それで気ってのは全身に巡っている見えない力だ。だから想像することが大切になってくるわけだ」

 「想像?」

 「そう、想像、イメージ。例えばまりもんよ、君は剣の修行の際に仮想敵を想定して稽古をするときがあるだろう?」

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