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マブラヴ 転生者による歴史改変
歴史介入の章その4
(マブラヴオルタネイティヴ)
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「というわけで、この双子は今日一日しか一緒にいられないんだ。一緒に遊んで、思いで作りに協力してくれないか?」
集合させた少女達に軽く説明をした、もちろん煌武院家に絡む因習は省いたが、隆也は軽く頭を下げた。
いきなり自分達よりも年上の少年に頭を下げられた少女達は、困惑の表情を浮かべたが、隆也の真摯な想いが伝わったのか、ぽつりぽつりと賛同の声が上がり始めた。
「わたしはいいわよ、どうせ本なんていつでも読めるんだし」
「ん、わたしもどうせすることないからいいよ」
「みきもいいですよ〜、みんなでいっしょに遊んだほうがきっと楽しいと思うから」
「ぼくもいいよ。トラップしかけたところで、だれかを引っかけるわけにはいかないしね」
「リアルボクッ娘きたー!っおぐぅ!?」
隆也が雄叫びを上げたと思った瞬間、冥夜が素早く隆也のすねに木の枝で一撃を決めていた。
片手にはまりも作の、隆也くん対処マニュアルなるものが握られていた。
言わずもがな、隆也の暴走を心配したまりもが、いつも自分が持ち歩いているマニュアルを渡したものだった。
その一項にはこう書かれていた。隆也くんが暴走した場合の対処、すばやく急所に一撃を打ち込むこと。注意、隆也くんはとても頑丈なので決して手心は加えないこと。
「申し訳ありません、立花どの。神宮司どののまにゅあるにしたがったのですが、大丈夫ですか?」
「あ、ああ、なんとか平気だ。それにしても、まりもんめ…」
すねを押さえた隆也は、見せられた隆也対策マニュアルを見ながら、まりもへの恨みを募らせている。
周りの少女達は、ちょっと引き気味だ。
「ねえ、あのりゅうやって人本当に大丈夫なのかしら?」
「へんじんであることは否定できない」
「みきは、やさしいお兄さんだと思いますけど」
「よくわからないけど、トラップに引っかかってくれそうなひとだね」
正確には、引いているのが2人、擁護しているのが1人、どうでもよさそうなのが1人か。
視線に気づいたのか、隆也は軽く咳払いをすると、再び少女達に向き直った。
「えーと、この娘達と遊んでくれると思っていいのかな?それじゃ、すまないがさっそくみんなで遊ぼうか?」
「「はーい」」
双子を中心に、少女達が集い、やれなにをするだ、なにをしないだのとかしましい話し合いが始まる。
「さすがに、あの中には入れないな…」
少し離れたところから少女達を見つめる隆也の目には、先ほどのおちゃらけた気配は微塵もない。
鋭利な刃物を想起させる視線。それに少女達は気づいた様子はない。気づいていれば、彼に恐れを抱いていただろう。
「2002年1月1日、か。なにがあるって言うんだいったい」
「ずいぶんと未来の話をしているようだが、なにかあるのかね?」
「それはこっちが教えて欲しいな。なにか心当たりはないか、鎧衣さん?」
突如として背後から聞こえてきた声に、動揺もなく対応する隆也。
「ふむ、残念ながら来年どころか明日のことさえ定かではない政治情勢になっているのでね。思い当たることなどなにもないな」
「そか、まあ、そうだろうな」
どうやら最初は鬼ごっこに決まったらしい。鬼になった三つ編み眼鏡の少女が、その場に佇んで数を数えている。
「で、どれだけ時間は稼げそうなんだ?」
「あまりよろしくはないな。今回の話を知っているあらかたの武家は押さえているが、一部融通が利かない人たちがいてね」
「逆にいえば、その融通の利かない人を押さえれば、今日一日くらいはなんとかなる?」
「押さえることができるのならばだが」
どこかおっとりしたピンク色の髪の少女をターゲットにするかと思ったら、三つ編みの少女は、黒髪の不思議少女を執拗に付け狙っている。もちろん、隙あれば他の人間を捕まえるようにしてはいるようだが、第一ターゲットは黒髪の不思議少女のようだ。
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