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マブラヴ 転生者による歴史改変
19話
(マブラヴオルタネイティヴ)
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小塚さんに渡すための資料を持ってくるという口実でいったん柊町に戻ったおれは、とりあえず公園でぼけーとしていた。
資料、頭の中にはあるんだけど現物がないんだよな…
やっぱり手書きか、手間がかかるな。
あれだけの資料を書き出すとなると2〜3日はかかるよな。なにせ改良案だけではなく、それを作るための工作機械の改良案もついでに出さないと、量産への道筋が見えないからな。量産体制が整っていない一品ものの兵器なんぞ、飾り物にしかならないし。
問題は今後の技術供与をどうするか、だよな。
小塚さんに言った、今出せる技術ってのは、あくまで現行の技術水準の延長線上であって、出そうと思えば、そのはるか先にある技術まで提供できる。
『現実世界脳内再現』っていうのは、いろんな意味で凶悪だ。なにせ『思考高速化』の影響なのか、通常よりも時間がたつのがはるかに早い。ちょっとした精神と時の部屋だと思ってもらえばいいだろう。
おまけに『現実世界脳内再現』中で、スーパーコンピュータによるシミュレーターでの実験なんかをやっている。言ってみれば裏技的な使い方なんだが、利用できるものはなんでも利用しないとな。
というわけで、『現実世界脳内再現』の中では現行の最高性能を誇るスーパーコンピューターの4〜5世代先の処理能力を持つスーパーコンピューターが、実に65536個も常時フル稼働中という非常識な状態になっている。実際に揃えるとなると一台100億円として、655兆3600億円必要になる計算だ。
ぶっちゃけると、おれの持つ理論だけでも機械工学なんかはすでに十年単位で先を行っている自負がある。そのため、どの技術をどのタイミングで出すかが非常に悩ましい。
あまりに先進的な技術を提供すると、本来その技術を取得する課程で副産物として生まれてくるかもしれない技術が失われてしまう可能性だってあるからだ。
かといって、あんまり呑気に構えてBETAの侵攻を許したんじゃ本末転倒だ。
あー、めんどくせえ。
こんなこと考えるのは本来なら、おれの仕事じゃないんだがな。
「…ちゃん、まってよ〜、おいてかないでよ〜」
「うるさいな、おまえが勝手について来てるんだから、しらないよ」
目の前を赤い髪をした少女が、茶色の髪の少年を追いかけていく。
何でもないような平凡な風景。それを見つめながらつらつらと考えを巡らせていく。
なにはともあれ、目の前のこの光景を守るためにおれが出来ることはしないとな。
というわけで今日は、マブレンジャーに追加人員が2人発生した。
追加要員はいうまでもなく、おれの目の前を横切っていった子供2人だ。
まずマブシルバー。
やんちゃ盛りな男の子を絵に描いたようなやつだ。ちなみに紳士は男には容赦しない。それがたとえ子供でもな!
白銀武。
特殊技能情報
・恋愛原子核(Ver.Ex)
・恋愛原子核(Ver.AL)
・機動戦闘適正
特殊属性
マブラヴExメインヒーロー
因果導体の素体
AL支配因果律規定事項
・1998年 死亡確定
ヒーローだと?ってことは、こいつ主人公か?
むう、なんといううらやましい。だってExの世界限定だろうけど、女の子をより取り見取りなんだぞ。とはいえ、ALではなんの属性もないな。
ただ気になるのが、この「因果導体の素体」ってやつだ。なんだ、因果導体って?特殊属性に書かれているところを見ると、この世界でのなんらかの鍵のひとつなのは確かなんだろうが。うーむ、わからん。
おまけに他の人間は死亡日付まで確定しているのに、こいつだけ年での確定となっている。死亡時期にぶれがある?許容される死亡タイミングが大きいということなのか?
まあ、男のことで頭を悩ませるのも馬鹿らしいので、次ぎ行ってみよう。
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