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マブラヴ 転生者による歴史改変
27話
(マブラヴオルタネイティヴ)
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 16歳になってしまいました、おめでとう、おれ。やっとというべきか、もうというべきか、西暦は1990年。運命の日まであと11年。
 相も変わらずに充実しすぎな日々を送っている今日この頃。
 ちなみにおれはめでたく、日本帝国軍所属高等部整備学科に進学できました。
 まりもは同じく日本帝国軍所属高等部の衛士育成学科に進学した。
 まあ、まりもが戦術機の操縦を出来るに越したことはないんだが、自分から

 「私は衛士になる!」

 とか言い出したときは、おまえはどこの海賊王だと突っ込みたくなった。
 話を聞くと、少しでも早くBETA大戦を終了させてみんなが笑顔で暮らせる世界を取り戻したい、だと。
 そんなこと言われたら、反対する理由がないだろう、ちくしょう。
 おまけだが、夕呼は日本帝国軍所属高等部特別教養科に一応は籍を置いている。というのも、実質的な籍は帝国大学の応用物理学においているからだ。高等部への進学の際に、国の施策の一環として招聘されてしまったから、さすがの夕呼もこれ以上ごねるのは無理だと判断したようだ。
 とはいえ一応籍がある、と言う理由で、ちょくちょく帝都から柊町に戻ってきては、おれと一緒にまりもをからかって遊んでいる。
 ちなみに理由を聞いてみると、「京塚食堂の料理がおいしいからよ、べ、別にあんた達といると楽しいなんて理由じゃないんだからね」、と言っていた。
 例によって、「クーデレ乙!」とか言ってからかってみたんだが、これまた例によって意味が通じていないはずなのにぼこぼこにされた。なんかもう慣れてしまったな、この展開。

 国内の情勢だが、1989年に正式に帝国軍採用が決まった撃震弐型の生産配備が始まった。
 帝国本土防衛軍が自分たちが先に配備を正式に決めたんだから、おまえらの配備は後だ、などとのたまわったらしいが、議会の圧力で大陸派遣軍への優先配備が決まったようだ。
 そうそう、その大陸派遣軍なんだが国威発揚と自国の技術を世界に知らしめるという名目で当初の目標としていた1991年よりも前倒しで閣議決定されたらしい。
 まあ、撃震弐型ならそうそう遅れは取らないだろうが、国威発揚とか下らん国の面子で命を賭ける羽目になる帝国軍将校には、ご愁傷様というしかない。
 従来の撃震についても、おれが発案したCPUユニット及び戦術機用OSのセットによるアップグレードにより、劇的な性能の向上を果たした。戦術機用OSについてはF−15などにも流用できるので、試しに使って見たらこれが思いの外高評価で、需要に供給が追いついていない状況だ。
 実際のところ、CPUユニットおよびOSの入れ替え前と入れ替え後では、生存率が5割も違っているらしい。うーん、前線での混戦状態では、やはりあれらの機体硬直は致命的な弱点だったか。誰もそれに文句を言わなかったことについては首をかしげざるを得ないが、要望が上がってこなかったのは事実なんだから、それはそれと割り切るしかないか。
 ちなみに従来のCPUユニットをファミ○ンだとすると、おれが設計したCPUユニットはP○2になる。P○3じゃないところが微妙なところなのだが、この辺りはさすがに生産設備がついてこないために我慢せざるを得ない。
 生産工場が、日本、米国に限られているのが供給を圧迫する一因となっているが、こればかりは生産設備を整えることが出来る国が限られているためいたし方がない。
 価格はおれの要望に従って徹底的に低く抑えているため、前線国家からは感謝の嵐が届いているらしい。これでも研究開発費が実質0なので十分な利益が出ているのだが、その辺りは諸事情を知っている小塚さん以外は、なんとも太っ腹なことだと感心しきりらしい。
 次に第三代戦術機の開発計画、耀光計画についてだが、おれのアイデアとマクダエル・ドグラム社からもたらされた第三世代の技術情報のおかげで、大きな進展があったらしい。こちらについては喜ばしい限りなんだが、話を聞くところによるとずいぶんと切り詰めた設計を行っているらしく、発展性に乏しい機体が出来上がりそうだとか。むむ、それは由々しき事態ですぞ。

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