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マブラヴ 転生者による歴史改変
33話
(マブラヴオルタネイティヴ)
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 「うーん、壮観」

 おれは空飛ぶマブレンジャー帝都組達を地上から眺めていた。
 一応「気配同化」を覚えさせて、それを発動させながら飛んでいるため、映像などに残されてない限りは、発見されることはない。
 空を見てマブレンジャー達を視界に納めても、何かが空を飛んでいるという認識すらできないのである。恐るべし、気配同化。
 それでもあらかじめその存在を知って、その気の性質を掴んでいればおれみたいに地上から観測することは可能だ。

 「1年でここまで進歩したのは、ひとえにあの子達の頑張りによるものよ。隆也くん、ちゃんと褒めてあげてね」

 月一で臨時講師をしてくれるまりもが声をかけてくる。

 「ああ、わかっている。それにしても凄い努力家だよ、あいつら。飛翔術は、かなり緻密な気の制御が必要になってくるってのに」

 「そうね。私だって、最初の頃は跳躍中に軌道の変更が出来る程度だったのに」

 そうなのだ。まりもでさえ飛翔術を完璧に使いこなせるようなったのは、16歳のころ。おれが身につけたのが13歳のころ。それをマブレンジャー達に至っては、わずか10歳にものにしている。
 まあ、空を飛ぶ速度もその軌道もたよりないものではあるが、それでも大したものだ。
 才能もあるのだろうが、やはり努力とまりもの指導がものを言っている。なにせおれの場合は独学で身につけたから、効率が悪いにもほどがあるし、まりもへの教導にいたっては、感覚で教えていたからな。
 まりもの場合はちゃんと、筋道を立ててわかりやすく教えている。気の制御方法についても、それは同じだ。
 おそるべし、女教師まりもん。
 でもあれだな、女教師っていうと、なんか急にエロくなるな。女教師ゆうこりん、とかもいいかもしれん。
 よし、つぎのH−MANGAは女教師ものでいこう。
 などとおれの考えを見透かすかのように、横のまりもがあきれたような目を向けてきた。

 「また、いやらしいこと考えているでしょ。隆也くんって、本当に顔に出やすいわよね」

 これだ。もはやまりものおれに対する観察スキルは、マスタークラスと言って良いだろう。
 ここまでくると、ちょっと怖い気もするが、気にしてはいけない。

 「ほんと、男ってわかりやすわよね。まあ、その分簡単に誘導できるから楽でいいんだけど」

 夕呼がそれに追随してくる。のやろう、そういえば結局おれが作った試作型量子電導のカリパクしやがったんだよな。
 とはいえ、そのことをまりもがいる前で追求すると、あの記憶がががが…いかん、思い出すな、思い出すんじゃないぞ、おれ。

 「うっせ。こちとら思春期の健全青少年なんだ。そういうことを追求するんじゃね。セクハラで訴えるぞ!」

 「はいはい、そうよね。繊細なお年頃だものね」

 バカにしたように言ってくる夕呼。おのれえ。
 実のところ今の力関係って、ある意味おれが一番弱い立場にいるんだよな。
 夕呼>まりも>おれ、って感じ。でもまあ、まりもがいないとおれ>=夕呼に逆転するから、ある意味三すくみか?うーん、わかっていることは、女2人揃ったら、男1人じゃお手上げってことだな。
 考え込んでいると、マブレンジャーたちがお空の遊泳を終えて、大地に降り立っていた。
 それと同時に気配同化を解除する。夕呼が、あ、やっとはっきり見えるようになった、とか言っている。意識していても、気配同化を使っていると、認識が非常にしづらいんだよな。
 おれやまりも見たいに気配の探知能力にすぐれているとその限りじゃないんだが、一般人である夕呼ではそんなもんだろう。

 「おう、さすが我らが弟子たちだ。もう飛翔術を扱えるようになるとはな」

 「ほんと、すごいわね、みんな」

 おれとまりもがほめると、マブレンジャーたちは年相応の照れを浮かべる。

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