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マブラヴ 転生者による歴史改変
歴史介入の章その7
(マブラヴオルタネイティヴ)
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1993年8月 インド後方支援基地

 インド後方支援基地の日本帝国軍に割り当てられた一画、そこにHSSTで輸送されてきた帝国軍の先進技術実証機撃震参型がその姿を現していた。
 撃震弐型に比べると骨太な印象を受けるフォルム、そしてそれに追加武装が次々と装着されていく。
 別の区画では、九十三式電磁投射砲の点検が行われている。その数、実に40機。大隊運用を視野に置いているがための数なのだが、新規兵装の数にしては破格と言えた。
 先進技術実証機撃震参型の追加武装、及び九十三式電磁投射砲の弾薬は現有規格と合わないため別途用意する必要があり、その輸送にHSSTがまるまる一機必要になったのは一部では有名な話だ。
 当然諜報活動が活発化するが、現物を奪取するような暴挙にでることはさすがに、この基地内ではできない。そのためもっぱら整備マニュアルなどに目がいくのだが、この辺りは日本帝国軍お得意の情報公開を行っているため、必死扱いて手に入れた情報はすでに公開済みの情報でした、と言うことも少なくない。
 ただそのなかでも一つだけ異常な事態、いや、本来であれば普通なのだが先進技術実証機撃震参型については完全に秘匿されていたのだった。
 多くの軍事技術者たちや軍務従事者たちの関心を刺激してやまない撃震参型、しかも先進技術実証機などとついていては好奇心を殺せと言うのが難しいだろう。
 だが、日本帝国においてもこの機体は、来るべきBETA大戦へ投入するための新規戦術機である撃震参型を作成するための、情報収集の意味合いが高く、また秘匿すべき技術の数々を搭載しているために、情報公開は試作撃震参型の完成まで予定はないとの宣言を行った。
 とはいえ、国際社会、ひいては最前線にある国家のためにも、早々に試作撃震参型の製造を行い、その際には必ず情報を公開する旨を国際社会に確約することで一応の騒動の収まりを得た。
 本来であれば自国の機密を他国に公然と公開する日本帝国がおかしいのだが、他の最前線国はすでに日本帝国の技術に依存することが大であった。そのため、先進技術実証機撃震参型の技術秘匿宣言については一悶着合ったのだが、それも先ほどの宣言で緩和された。
 このあたり、最前線国家の常識感が少々揺らいできているような気もするが、生きるか死ぬか、の限界ぎりぎりの状態にあるのだ。少々はやむをえないだろう。
 日本帝国内部では少々最前線国家を甘やかしすぎとの声が聞こえてきているが、BETA大戦は生存を賭けた闘争だ。くだらない、意地や見栄よりも大局を見るべし、との声もまた根強い。



 そんな日本帝国に割り振られた軍事区画にある大隊指揮所、指揮官室に2人の新参者が挨拶に訪れていた。

 「神宮司まりも少尉、現時刻をもって帝国軍大陸派遣隊第二連隊第十三戦術機甲大隊に着任します」

 「立花隆也伍長、現時刻をもって帝国軍大陸派遣隊第二連隊第十三戦術機甲大隊に着任します」

 2人揃ってびしり、と敬礼を向けるのに、答礼を返す男。

 「帝国軍大陸派遣隊第二連隊第十三戦術機甲大隊隊長、小塚次郎少佐だ。貴官らの着任を歓迎する」

 歴戦の猛者を思わせる雰囲気を纏わせながらも、どこか軽い。そんな印象を受ける三十代半ばを越えた男が答えた。

 「帝国軍大陸派遣隊第二連隊第十三戦術機甲大隊専属CP、竹中冷子大尉だ。貴官らの正式な所属は帝国技術廠にあるが、平時の指揮系統は我らが第十三戦術機甲大隊が有する。そのための注意事項などを私から説明する」

 クールビューティーな竹中冷子の姿に隆也の目が奪われる。ぼん、きゅっ、ぼん、そしてまりも達では到底出せないような女の色気。
 ぶっちゃけ、隆也の精神年齢的にドストライクゾーンである。
 隆也が、やっぱ大人の色気はやっはええなあ、などと考えいると、横から後頭部に一撃が撃ち込まれた。

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