■一覧に戻る
■ページ指定
■別話を閲覧する
■感想を見る・書く
マブラヴオルタネイティブ-フォーアンサー
【第弐十伍話】佐渡島攻略の前夜 ブリーフィングルームにて
(マブラヴオルタネイティブ×アーマードコアフォーアンサー)
  [→]  【PAGE 1/4】
「キャエーデさん、何読んでるんですか?」
PXで食後の読書をしていると、いつも通りの笑顔で珠瀬が話しかけてきた。
「ん?これか?これは・・・」
そういって表紙を皆に見えるようにする。
「『これ一冊でよく分かる生態兵器全集』・・・ですか〜ぁ?」
「そ。生態兵器、生態兵器」
「どんなのがいるんですか〜?」
「何々?アタシにも見せなさいよ〜」
突然後ろから声が聞こえる。振り返ると速瀬中尉が本を覗き込むような格好で立っていた。
「何だ、速瀬中尉か」
「何だとは何よ?ご挨拶ね〜!」
速瀬中尉がキャエーデの頬を抓り上げようと手を伸ばす。それを止めるように、
「あ〜、ほれ。これだよ。生態兵器AMIDA」
「何これ?キモチワルイはね〜」
「そうですか〜?私はカワイイと思いますよ〜?」
「おぉ!たま!お前は分かってくれるのか?このAMIDAの可愛さが!?
AMIDAはな、可愛いんだよ。初期型は何と歩行も出来ず、ピョコピョコと飛び跳ねるように群がってくるんだ。
映像でしか見たことないが、その様は本当に可愛くてな・・・」
「カワイイですね〜」
「ちなみに接近した後自爆する」
「え゛?」
「自爆しか攻撃手段を持たない儚い存在・・・可愛すぎる・・・
その後改良され、攻撃手段が酸を跳ばすになったり、飛行型が生まれたり・・・いや本当に可愛いな」
「飛べるんですか〜?可愛いですね〜」
「たまは分かってくれるのだな・・・よし!じゃぁお前にこの本を貸してあげよう!」
「何ですか?コレ」
「この生態兵器全集と同じ、キサラギ社出版の本、『これで理解できる!強化人間の仕組みと歴史と人々』だ!」
「わ〜ありがとうございます〜」
「まったく理解できないわ、この二人の感性・・・」
「まったくだわ・・・」
榊と速瀬中尉が二人で神妙な顔をしていた。



「さて、訓練のブリーフィングを始める前に、貴様達に伝えることがある」
午後の訓練の前、ブリーフィングルームにて伊隅大尉が話し出す。
「本日未明、国連軍第11軍司令部より、極東国連全軍に対し、佐渡島ハイヴ制圧作戦が発令された。
本作戦は、在日国連軍及び帝国本土防衛軍との大規模共同作戦だ。
作戦名は『甲21号作戦』―――これは佐渡島ハイヴの帝国軍戦略呼称『甲21号目標』に由来する。
作戦実施は来る12月25日。
既に国連、帝国両軍は、日本海沿岸部に集結中だ。
当横浜基地からは我がA-01部隊のみが、特殊任務のために参加することになる。
本作戦における我が部隊の任務は、オルタネイティブ計画より試験的に投入される新型兵器の支援及び護衛だ。
我が部隊は明朝04時00分《マルヨンマルマル》横浜基地を出撃。
陸路にて帝国軍高田基地まで前進し全機起動。
帝国海軍の戦術機母艦『大隅』に移動後、回路にて佐渡島を目指す。
『甲21号作戦』全体の概要は本日の訓練終了後、司令及び副指令から直々にご説明いただく予定だ」
「あ?何でまたわざわざ基地のトップが説明を?あとオルタネイティブ計画の管轄って香月じゃなかったか?」
キャエーデが口を挟む。そんなキャエーデを、生真面目なメンバー(神宮司・榊・涼宮妹)がジロリと睨む。
「詳しい話は私も聞いていないため答えられない。すまんな。
尚、この任務では我々が正面に立ってドンパチやるのは2人だけだ。
残りは国連軍と帝国軍が敷き詰めた赤絨毯の上を、お上品に歩くだけのものだ」
皆がざわめく。2人だけ表立って戦闘に加わる。部隊全員ではなく『2人だけ』、だ。
こんな特異なことは珍しい。さらに、確実に2人は命を危険にさらすということだ。
「その2人って誰かこの場で聞けるか?」
この場の全員が気になる所をキャエーデがストレートに質問する。
「まぁ、予想は付いてるんだけどさ・・・」
「恐らく予想通りだと思うぞ?―――キャエーデ中尉と、その二機編成《エレメント》である神宮司大尉の2人だ」

  [→]  【PAGE 1/4】

■感想を見る・書く
■別話を閲覧する
■ページ指定
■一覧に戻る