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遊戯王GX 正直者の革命
第二十五話 王者 (あれはまさか、バーニングソウル!? ※違います)
(遊戯王GX)
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「..................そなたは、余と本気でデュエルをしてくれるというのか」

「もとからそのつもりだ。ったく、神のデュエリストというからどんな奴かと思え
ば............ほら、さっさとドローしろ」

「いや、だが、こんな状況では..................」

「だからどうした。いいか、デュエルってのはな、ドローしてみなければわからないものだ。どんな劣勢でも、たった一枚のカードから勝利へとつながる時もある。
 俺はそのことを、十代から学んだ」

「十代?」

「さっき飛び蹴りを喰らっていた馬鹿のことだ。
 あいつも強いぞ。俺程じゃないがな」

「なんだよ、万丈目、絶対俺の方が強いって」

「ぬかすな。このデッキを使い始めてからは三勝二敗で俺の勝ち越しだ。俺の方が強い」

「いいや、俺の方が強いね」

「なんだと!
 ちっ、待っていろ、十代。このデュエルが終わったら即行叩き潰してやる!」

「ああ。受けて立つぜ。勝つのは俺だけどな!」

「くはははははははははっ」

 突然、アビドスV世が笑いだした。

「羨ましいな。余もそんな友人、いや、ライバルか?とにかく、

そんな張り合える者がいてほしかった」

「それなら、さっさと天に昇って、100年くらい待ってろよ。十代なら、喜んでお前と本気でデュエルしまくってくれるだろうさ。俺も、時々なら遊んでやるよ」

「100年か。ま、三千年に比べれば、あっという間だな。よかろう。だが――――」

 そう言うと、アビドスは、仮面を外し、投げ捨てた。そしてにやりと笑う。

「余も、負ける気はないがな」

 俺も笑い返す。そうでなくてはおもしろくない。

「いくぞ、余のターン、ドロー!!」


 緊張の一瞬。いや、永遠というべきか。
 全てが静寂に包まれている。
 俺は、逆転のカードを引けと願っている。だが同時に、引くなとも思っている。
 この奇妙な感覚。不思議と悪くない。
 アビドスは、ゆっくりと手首を返す。目は閉じたままだ。
 そして、カッと目を開き――――


「魔法《マジック》カード ブラックホールを発動!」

 引いたか。くそっ。
 そう思いながらも、笑みがこぼれる。

「互いの場のモンスターを、全て破壊する!
 だが、余のフィールド上の、オーバーレイユニットが残っているガチガチガンテツは、オーバーレイユニットを一つ使うことで、破壊を免れる」

 これで仕切り直し、か。
 ブラックホールによって、場のモンスターは、オーバーレイユニットが残っている、守備力2000のガチガチガンテツが一体きり。
 モンスターが出てくるかどうかだが――――俺は手札のクリフォトンを見る。
 このカードがあれば、どんなに大きなダメージが来ようとも、2000に抑えることができる。

「余は手札から、ファラオのしもべを召喚。
 ファラオのしもべでダイレクトアタックだ!」

「ぐぁぁぁっ」

万丈目:4000→2900

「カードを一枚伏せて、ターンエンドだ」

 また伏せか。面倒な。
 しかしそんなことは、さして重要ではない。
 問題は、俺の手札に攻撃用モンスターが存在しないことだ。

「俺のターン、ドロー。スタンバイ、メインフェイズに入る」

 ちっ、引かないか。まあいい。何とかなる。

「俺は手札から、装備魔法 銀河零式《ギャラクシー・ゼロ》を発動。
 自分の墓地のフォトンモンスター、またはギャラクシーモンスター一体を選択して発動できる。そのモンスターを表側攻撃表示で特殊召喚し、このカードを装備する。
 蘇れ、銀河眼《ギャラクシーアイズ》の光子竜《・フォトン・ドラゴン》!!」

「くっ、攻撃力3000のモンスターが、いとも簡単に............」

 不安そうに、ちらちらと伏せカードを見るアビドス。何かあるな。
 だがこちらは、それほど有利なわけでもない。
 なぜなら、こちらは攻撃できないのだから。

「銀河零式《ギャラクシー・ゼロ》の装備モンスターは攻撃、及び効果を発動できない。

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