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マブラヴ 転生者による歴史改変
歴史介入の章その18
(マブラヴオルタネイティヴ)
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1993年9月 ポパールハイヴ周辺 スワラージ作戦最前線(ハイヴ北部域)

 「MOS、全ての制限を解除」

 「指令受領、これより制限を全て解除します。副回路から主回路への切り替え開始………切り替え終了。制限解除段階は5です」

 まりもの指示を受けて全ての制限を解除したMOSこと量産型戦術機搭載用量子電導脳。

 「気増幅機関を両方とも起動して」

 「承知しました。気増幅機関を起動します」

 先ほどと比べて人間味がました口調でMOSが指令の復唱を行う。制限が解除されたことにより、人工知能レベルが格段にあがったためだ。
 そしてその影響として、とある現象を引き起こすことになる。

 「BETAの動きに変化を検知しました。ハイヴではなく、こちらに向かってくるように進路が変化しています」

 「わかったわ。隆也くんの予想通りね。MOSの制限をすべて解除すればBETAの優先順位が格上げされ、こちらに向かってやつらが殺到する」

 呟きながらBETAの動きを表す戦域マップを見つめるまりも。これから10万近いBETAが自分めがけてやってくるというのに、その表情にはなんの変化もない。
 むしろ望むところとすら考えているようだ。

 「気増幅機関の起動が完了しました。これより通常運転に移行します」

 「それじゃ、気を流してみるわ。気増幅機関の調子を確認して」

 「承知しました」

 気増幅機関は、現代科学では解明されていない気を増幅する機関である。核となる気力増幅鉱石は、特に気と親和性の高い合成金属、立花隆也命名、ヒヒイロカネに、たっぷりと気を注ぎ込んだものを精製したものだ。
 この時点で他の国では作成することが出来ない。不思議機関である。
 さらにこの機関の特徴は一機で10の出力を得ることができるとした場合、二機同時に起動した場合は100の出力を得ることが出来るのも特徴だ。単純に2倍ではなく10×10の出力を得ることが出来る。
 従って今のまりもの気力を100倍にすることが出来る。
 そして100倍の気力を使って強化された機体、先進技術実証機撃震参型は超常の能力を発揮する。
 もっとも人目があるためその全てをひけらかすことはできないのだが、それだけでもBETA戦には十分である。
 例えば今の装甲だと、要塞級の一撃をうけても傷一つ付くことがない。なにせどんな強力な溶解剤であろうと気により強化された装甲には無駄なのだ。
 傷をつけようとする場合、より大きな威力を持つ一撃、この場合は帝国で研究されている大口径艦船搭載用電磁投射砲くらいの威力は必要だ。

 「うん、なかなか良い感じに気が行き渡っているわね。MOS、次は重力偏差型機関の能力を解放。重力フィールドを機体全体まで拡大して」

 「承知しました。重力偏差型機関の能力を解放します。機体に掛かるGの全てを吸収するように、機関駆動重力フィールドを展開します」

 重力偏差型機関の隠れた能力その1。重力素子の偏り、つまり重力を利用した駆動機関である重力偏差型機関は、その触媒となる重力素子を受ける機関駆動重力フィールドをある程度自由な形で展開できるのだ。
 わかりやすく言うと、蒸気機関の薪の投入口の形と大きさを自在にかえることができる。それでなにが起こるかというと、本来なら重力偏差型機関内でしか受けるすることが出来なかった重力素子を、展開したフィールドで受け、そして機関に投入することが出来るようになる。
 その影響で機関の出力向上は無論のこと、フィールド内にかかる重力の偏差を抑えることが出来る。つまり、どんな無茶苦茶な機動を仕様とフィールド内にいるものはGの影響を受けないのだ。
 ここまでの説明で、今の先進技術実証機撃震参型がとんでもない戦略兵器へと変貌を遂げていることがわかるだろう。

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