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遊戯王GX 正直者の革命
第二十六話 不在 (現実的で無いとアニメを見て言うのは批判になっていないと思う)
(遊戯王GX)
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「..................ふぅー、やっと終わった、か」

 既に時刻は二時をまわっている。wikiの編集をしていたら、こんな時間になってしまった。
 毎日30以上の記事を編集しているにもかかわらず、まだまだ編集したい記事は残っている。おかげで最近は睡眠時間をごっそりと削って編集している。他にも色々と、日常生活に支障をきたしてしまっている。
 だが、別に不満はない。当然だ。なんといったって、I2社の一大プロジェクトなのだ。
 その協力者として名を残せるなら、いや、たとえ名を残せなくとも、身を粉にして働くに決まっている。
 それにひきかえ先輩は............
 忙しそうにして、徹夜する時はある。あるのだが――――だいたいは、11時に寝て6時に起きるというものすごく健全な日々を過ごしているという。どこの小学生だ。
 「自分の企画ぐらいちゃんと頑張れ」と言ったことはあるのだが、「俺は毎日毎日労働に勤しんでるよ」という軽い返事が返ってくるだけだ。睡眠時間も何も、変わる様子はない。あんなのが重役でいいのだろうか、I2社は。

「まぁ、しょうがないか..................」

 人間としてはどうしようもないが、カリスマ性だけはあり余っているからな。俺もそれに魅かれてしまった一人だ。
 世の中なんて、所詮そんなものだろう。俺は自分を、無理矢理そう、納得させた。


                   ◇
 
 次の日。
 授業が始まる直前に、先輩からメールが来た。

『ちょっと本土行ってくるけど明日には戻って来るから泣かずにいい子で待ってろよ!』

 それを見て俺はイラッと――――――しなかった。
 俺が感じたのはむしろ、不安。
 先輩はめったに島を離れないのに........................
 悪い予感がする。




 しかし、放課後まで、特に何も起きない。いや、むしろ先輩がいなくて、平和そのものだったと言える。あの人と付き合っていると、精神力がガリガリ削れるからな。

「マエストロークでダイレクトアタック!!」

「ぐぁぁああぁっ!」

 よし。これで今日のノルマは達成だな。
 新しい構築済みデッキのテストには、相当な時間がかかる。が、これもまた大切な仕事だ。蔑ろにはできない。
 
「ありがとうございました」

「ああ。いいデュエルだった」 

 カイザーとのデュエルはいつも刺激的だ。先輩に負けてからは、サイバー流に固執せず、色々なデッキを試しているようだ。デッキの調整にはすごく助かる。

「それじゃあ、俺はこれで。これからも、よろしくお願いします」

 少し名残惜しいが、時間を無駄にすることはできない。俺は足早に自室へと向かう。

 
 
 歩きながら、今日使ったデッキの問題点を洗い出していると、天上院さんが歩いてくるのが見えた。俺は彼女に声をかける。

「明日香さん、お兄さんの............」
 
 だが、完全に無視された。俺のことを、見もせずに。
 一瞬グサッときたが、すぐに、違和感を抱く。
 彼女は少々気が強いものの、礼儀正しい人間だ。普通なら、挨拶されたら無視はしないだろう。
 何かあったのだろうか。
 そう思い、少し保健室に寄ってみる。

「失礼しま〜す」

 特に異常はない。
 相変わらず、俺が戦った、元セブンスターズの天上院さんのお兄さんは、眠ったままだ。
 うーん、分からない。なぜ彼女が俺を無視したのか。まさか俺の存在感が薄すぎて見えなかったということもないだろう。ないはずだ。
 ..................自分で言っていて微妙に自信がなくなってきているのが、少し悲しい。
 まぁ常識的に考えて、何か考え事をしていたか、よほど気が沈んでいたか、そのどちらかだろう。

「これ以上はデータ不足だな」

 そう結論付けて背を向け、立ち去ろうとした時、背後から呻き声が聞こえた。
 
「ふ、吹雪さん!?」

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