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マブラヴ 転生者による歴史改変
歴史介入の章その14
(マブラヴオルタネイティヴ)
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1993年9月 ポパールハイヴ周辺 スワラージ作戦最前線
「突撃してくる奴はBETAだ、レーザーを撃ってくるのはよく訓練されたBETAだ。ほんとうにBETA戦は地獄だぜ、ひゃっふー!」
戦場を駆け抜けつつ、危うい戦術機があると的確に支援砲撃を入れながら、立花隆也はそんなアホなことをほざいていた。
ちなみに特殊重機関銃の発射時に、一瞬光学迷彩がとれて真っ黒い強化外骨格の姿を戦場にさらすのだが、ほんの数秒で背景に溶け込むことから、その姿を見た者から黒い幻影の名前で呼ばれるようになる。
それを聞いた隆也の反応は、
「なんという中二ネーム」
と思わずうなだれたそうな。
そんな周囲の反応を気にせずに、彼はかけ続ける。目標はオルタネイティブ3直属の特殊戦術情報部隊。本来なら安易に接触するべきではないのだが、状況がそれを許さない。
実戦配備される能力者が13歳前後の少年少女たちという情報を入手した隆也が、少しでも戦死者を減らす方法を探っていたのだが、結局は自分が守るのが一番手っ取り早いという結論に至ったのだ。
一番は戦場に投入しないという方法なのだが、彼らに託された任務の性質上そればかりはどうしようもない。
「あ、あぶない」
隆也の視界の隅でまたもや突撃級の一撃をもらいそうな僚機を発見し、すぐさま突撃級に一撃をたたき込む。
気と親和性の高い金属を含んだ特殊弾頭にたっぷり注ぎ込まれた気により、一撃で文字通りに粉みじんに吹き飛ぶ突撃級。
「まだ新米なのかね?動きが硬いな」
挙動の甘さを見た隆也が独りごちる。
衛士の死亡率が低くなったため、新人も相対的にその数を減らしているが、やはりそれなりの人死にが出ているため、新人が皆無ということはない。
後方支援国家であれば、それなりにまとまった訓練時間も取れるのだが、最前線国家、あるいは前線国家においては、最低限の訓練期間しかとれない、ということはざらだ。
それでもなお、死亡率が格段に下がったのは、新型装備と新OSのおかげである。
そんなある意味衛士の救世主である隆也の耳に、突然通信が割り込んできた。
「こちら国連軍所属第76戦術機甲大隊第二中隊ブラボー1です。そこで支援砲撃をしている支援者、おひさしぶりです」
隆也の網膜にクールビューティーなパッキンレディが映し出された。隆也がどこかで聞いた覚えがある声だと記憶を探ると、BETAと初めて戦ったときに援護した戦術機大隊のブラボー7の声と一致した。
「こちら支援者、ひさしぶりだな、ブラボー1。まえはブラボー7だったが、中隊長に出世したのか?」
隆也はボイスチェンジャーで音声をぶるぅあモードをにしてから答える。ちなみに本当にぶるぅあモードという名称になっている。
「ええ、無事あの戦いを生き抜けたおかげでいままでやってこれました。中隊長に出世したのもそのおかげです」
「あのときはともかく、今まで生き残れたのは自分の実力だろう、気にする必要はない」
「ですがそれもあのとき命を繋げられたから、てっきりあなたは死んだものと思っていました。再び会えて光栄です」
若気の至りで行った行為とはいえ、確かにそれにより命を繋いだ人がいる。そのことに少々感慨深く思った隆也だったが、それを振り払うようにおどけた声を挙げた。
「ああ、こちらも貴重な美女を救えてなによりだ」
「あ、ありがとうございます。隊長もあなたのことは気にしていました」
デレたクールビューティーの顔に、隆也は一人、網膜投射つけて良かった、などと内心で感動していた。
一見呑気に会話を交わしているように見える二人だが、ブラボー1がかるF−15Eは群がる戦車級を一掃し、中隊の僚機に対して指示を的確に飛ばしている。
一方の隆也に関しても、危険度の高い位置にいる戦術機に対して的確な支援を行っている。
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