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遊戯王GX 正直者の革命
第二十八話 夢 (要するにロマンのこと。現実感が無いほどいい)
(遊戯王GX)
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「おいおい、希望の創造者ってチートすぎんだろww公式デュエルで使えないって、フリーでも俺だったら使わせねーぞ。ってか、『かっとビングだ!オレ!』と宣言して発動ってデュエマかよ。カレーパンかよ」
俺は暗闇の中、パソコンで適当に新しめのカードをチェックしていく。
やっぱり魔導は升だなーとか征竜は征竜でやばいよなーとかそんなことを考えているうちに、気が付いたらもう七時になっていた。
「あー、働いた働いた。そろそろ戻るか」
俺は天井からぶら下がっているひもを引いた。カチッと音がして、ライトが消えた。
数秒後、俺は目を覚ました。夢の中でずっと仕事してたけど、目覚めは最高だ。ったく、三沢のやつ、仕事仕事しろ言いやがって。そろそろうざったいし、もう話しちまおうか。
まぁ、いつか暇なときにでも話すか。
さて、さっさと行こう。
◇
デュエルアカデミアにおける学園祭は、そこまで派手ではない。
まず、オベリスクブルー。そこそこ設備は豪華だが、やっていることは優雅にお茶するだけ。需要は少しはあるだろう。
続いて我がラーイエロー。縁日は定番で、だからこそ楽しい。人も大勢来るし、学園祭のメインはここだと自負している。
で、オシリスレッド。上二つに予算の大部分がかかっているので、できることは限られるはずなのだが、あいにく、何をするのかよく知らない。十代に聞いてみたのだが、十代もよく知らないようで。うちと違って、作業は今日からのようだし。
と思っていたら、有力な情報が先輩からもたらされた。
「コスプレデュエル大会!?」
「ああ。その名の通り、モンスターのコスプレして、デュエルするんだ。俺は参加するつもりだけど、お前はどうする?」
「いや、俺は忙しいので。というか、どうして先輩はここに?」
「どうしてって、焼きそば食べたくなったから」
それなら表に回ってほしい。この金持ちは、なぜか裏でつまみ食いをしようとする。
「それはいいとして、三沢、シフトもう少しで交代の時間だろ?だったら来いよ。衣装なら用意してあるからさ」
どうしてシフトなんか把握してるんだ。というか、ブルーで仕事はないのだろうか。ないのだろうな。この人、喫茶店で働けそうな性格してないし、料理できそうもないし。
「またそんなところに無駄遣いを............あ、はい、焼きそば二つですね?500円です」
「ほら、見ろ、エアーマンだぜ?エアーマン。かっこいいだろ?しかも、この翼のところのプロペラ回るんだぜ?」
はいはいと頷き返しながら、必死に説明されるセールスポイントを聞き流す。
そんなにその衣装を俺に着せたいのか、と思っていると、相手にされなくて寂しかったのか、どこかに行ってしまった。かと思ったら、すぐに戻ってきた。エアーマンの衣装を着て。
「自分で着たんですか............」
「おう!もったいないからな。
結構着心地いいんだぜ?難点はプロペラの音が少しうるさいことと、通気性抜群なせいで扇風機なんて寒くてやってられっかってとこだな」
「最悪じゃないですか............」
まったく、いつも通り、能天気な先輩だ。セブンスターズがいつ襲ってくるかもわからないというのに。
しかも吹雪さんによると、彼を闇の世界に送り込んだのは大徳寺先生だというのに、その大徳寺先生は姿を消してしまって、色々よく分からなくなっているのに。まったく。
「おっ、シフト終わった?」
「一応。一緒に行ってあげますけど、コスプレはしませんからね?」
「まぁ、エアーマンは一着しかないから、しょうがないか。来年は来てもらうからな?」
「嫌です」
断ると、ものすごく大げさにため息をつかれる。
「人生楽しまなきゃ損だって。
チャレンジ精神なくすと、人間だめだぜ?」
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