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魔法世界のあかい魔術師一家 旧
プロローグ&一話・二話
(FATE×ネギま!)
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――――プロローグ――――
あの聖杯戦争から約十数年……、俺はいつも傍らに居た彼女のおかげで紅い弓兵の様に世界と契約をしようとは思わなかった。
紅い弓兵の最後は孤独だが、進んだ道は何一つ間違ってなかった。
いや、間違いっていた。そう、それに気付けなかったのが紅い弓兵の間違いに違いなかった。
俺は自身の可能性の一つを超え、常に傍に居た彼女のおかげで紅い弓兵と同じ間違いを起こさずに済んだ。
この身は正義の味方《全てを救う存在》を目指し、人を救い続けてきた。
救えず零れ落ちた命は数多く、救えた筈の命もまた……数多かった。
なら、何があの紅い弓兵との違いだったかと言うと……。あの紅い弓兵は本当の意味でその手に残った命を見てなかった。だから、救えたモノすら見えず救いと言う行為に走り続けた。
しかし、俺は彼女のおかげでその手に残った命を見ることが出来た。救いと云うのは助けたら終わりでは無く、その心も救わねば裏切られて当然だと言うことを教えて貰った。
そうやって彼女と世界中を周りながら、数多くの戦場を二人で周り人々を助け続けてきた。
時には、彼女の制止を振り切り。神秘の秘匿を破り、魔術を人目に曝しもした。
そんな折、俺と彼女の前に一人の魔法使いが現れる。その人物は俺と師である彼女の大師父である、キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ。第二魔法の使い手だった
大師父は一目で俺の魔術が心象風景を映し出す【固有結界】であることを見抜き、懐から宝石剣を取り出し
「どれ、どの程度の投影品が出来るか」
と言って俺にソレを見せ、すぐにそれ見て解析してしまった。
直後、すでに俺の頭の中はその情報によって狂いそうになっていた。
そうして、出来た結果は三割程度が成功した宝石剣。しかし、本当に重要な部分は殆ど外見だけしか投影されていなかった。
「ふむ、なるほどのぉ……。結果は三割、それでいて重要な部分は意味を成しておらんか」
大師父は一人、何か納得顔で頷き言葉を続ける。
「のぉ……錬鉄の英雄よ、おぬし何処までこの宝石剣を理解できた?」
「えっと……、三割程度で……すが……」
「やはりのぉ、まだまだ理解が足りんかったか。理解できんから、理解できる範囲で作り上げたという訳か……。なるほど、なるほど、理解が足りないからこの程度なのか。まぁ、良い……。遠坂よ面白い小僧を弟子にしたようじゃの」
この会話が、大師父と始めたあった時の会話だった。
その後……大師父は暇になると俺たちの所をよく訪れるようになる。
俺は大師父が家に来る度に胃薬を用いていたので、家にはいつの間にか胃薬が常備されるようになっていた。
大師父との出会いが在ったように、もう一つの出会いが在った。
出会った人物の名は、遠野 志貴という。
俺と志貴の関係は……一言では言い表せないだろう。
互いに相手を決して認められない仲ながらも、同じ様なシンパシーも感じている。
戦場や殺し合いになれば互いに認められない嫌悪感を全力でぶつけ合い、そうでない平和な時はまるで殺し合いが嘘の様に見える位……志貴とは馬が合う。
周りはこの関係を不思議がっているが、別段不思議なことでも無い。
「なぁ、正義の味方《エミヤ》……。俺達が殺し合うのはそんなに不思議なことか?」
「ふむ。私個人としては別段、不思議でも無く可笑しくも無いと思うが……貴様はどうだ?」
「ああ、その意見には同意するね。特に、今日みたいに月が奇麗な夜は……殺し合いにピッタリだ」
「ああ、私達の仲は今の状態が一番良い。覚悟は出来ているのだろ、殺人貴《ナナヤ》?」
思い出すのは大切で、掛け替えのない思いで……。
アーチャーの記憶の中で見た。黄金の朝日の中に消えて行った彼女《アルトリア》は丘へ帰り。
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