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魔法世界のあかい魔術師一家 旧
六話&七話&八話
(FATE×ネギま!)
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―――― 二 話 ――――
Side 士郎
俺が関東魔法協会と一戦を交えてから数日が経ち。俺達は今、京都を目指している。そこに関東魔法協会と日本を二分する関西呪術協会の本部が在ることが判ったからだ。
話は少しそれるが、この数日の間にアスナは俺の妹として明日菜と言う漢字を考えた。
神楽坂 明日菜。ああ、この響きはこの子に在っている。名前とはただ単に、その者を示す言葉では無い。そこに在る子供への願い、そう言ったモノが込められている。だから、俺は明日菜の名を変えはせずにこの子に合いそうな漢字を当てた。この名前を聞いた時の明日菜の喜び様には驚いた。
しかし、そうなると先の魔法協会への失態が頭に浮かぶ。
何故、あの様な行動を取ってしまったのか。少し考えてみれば、自ずとその理由が浮かぶ。
彼らは、彼らなりの正義で動いていたが。ソレが一方的な正義と理想ばかりで動いていた事を理解していない。故に、そこに明日菜の意志は無く。自分達の行動こそが正義だと、盲信していた様に見えた。
実際は、全員が全員そうでないのかも知れない。しかし、彼らの姿を通して――聖杯戦争当時の――過去の自分を思い出してしまった。今なら聖杯戦争当時のアーチャーの気持ちが少し解る気がする。いや、アレは別モノか。アレはその理想を突き進んだが故の感情。俺の持つ感情とは、別モノか。どちらも現実を見ていない愚か者を見ていると言う意味では、同じだと思うが。
それでも、凛が居たらもっと上手く立ち回れたに違いない。
「お兄ちゃん、どうかしたの?」
「いや、如何しようもない自分に少し嫌気がさした。けど、明日菜を連れ出したことには後悔なんてしてないからな」
「じゃあ、なんでそんな暗い顔してるの?」
「いや、明日菜を連れ出す時にもっと上手いやり方が在ったんじゃないかと思うとね……」
「ふーん。でも、私、お兄ちゃんは何も間違ってないと思う!」
ああ。明日菜にそう言って貰えるなら、俺も連れ出した甲斐が在った。
「良し。じゃあ、もうひと踏ん張りだ! もう少しで京都に入れるから、ゆっくりする事も出来るぞ!」
「うん!」
そう言って明日菜を抱えて、身体強化を掛けた後に夜のビルとビルの間を飛び交う。
幾つかのビルを飛び交うと結界の内に入ったようだ。
「どうしたの、お兄ちゃん?」
「いや、なに。結界の内に入ったようだから、少し警戒をしておこうかと……」
周りを見回すと、此方に向かってくる者が数名確認出来た。
「さて、今度は喧嘩を売るような事態には気をつけないとな」
「あはは、そうだね。でも、お兄ちゃんの魔法って見た感じ何でも在りな気がする」
あははは…、確かにその通りだ。あの第五次聖杯戦争で金ぴか(命名:凛)改め、ギルガメッシュとの戦いで片っ端から投影していたから……実際に殺し合いになれば、何でも在りだ。
まず、ゲイボルクだろ、カラドボルクに、ルールブレイカー、カリバーン、グラム、エクスカリバー、デュランダル、ダインスフレ、ヴァジュラ、フラガラック……古今東西全てとは言わないが。ほぼ、全ての伝説の武器の原型が【固有結界】の内には在るからな。
「凛がいつもデタラメと言うだけあるよな……」
「お姉ちゃんが如何かしたの?」
「いや、何でもないんだ」
お、すぐ傍まで来たな。
「明日菜、悪いが念の為に一寸離れててくれないか?」
「うん」
さて、今度こそ対応に気をつけないとな。
「失礼、私は関西呪術協会の使いの者です。神楽坂 士郎様ですね」
「ああ、確かにそれは私の名前だが……魔術師としての名は衛宮だ。だから、この場合は衛宮 士郎となる」
「わかりました。では、衛宮様。長がお待ちなので、付いて来て頂けますか?」
「其方から何か手を出さない限りは、其方に従おう」
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